なし(日本なし)の栽培暦・年間作業表【全国まとめ】45都道府県の施肥・せん定・受粉・摘果・収穫時期を比較

  • 10月 2, 2026
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日本なし(露地)の施肥・せん定・受粉・摘果・袋かけ・病害虫の防除・収穫の時期は、都道府県ごとに別々の施肥基準や栽培指針、試験場の成果情報に書かれていて、まとめて比べられる場所がありません。この記事では、45都道府県の公的資料(179本)から時期と数値を拾い、全国の比較表と、主産地向けの標準的な年間作業表にまとめました。どの値にも出典の県と資料を付けています。

全体を見ると、同じなしでも、品種と県によって、時期も肥料の量も大きく違います。成木の年間窒素(kg/10a)は、鹿児島の豊水・幸水がN14、埼玉の幸水・豊水と山口の二十世紀がN15なのに対し、愛知の中晩生がN30、大分の豊水がN33、新高がN35、高知の新高がN36で、2倍以上の幅があります。収穫の始まりは、熊本の露地の幸水が7月22日、富山の王秋が10月7日で、約11週間ずれます(熊本は果樹研究所の2023・2024年の平均、富山は平年値)。基肥は、山形が前年の9月下旬〜10月上旬、群馬が11月、千葉が11月下旬〜12月上旬、愛媛が12月中旬、神奈川が2月、福岡が2月上旬〜中旬、埼玉が3月上旬と、県によって5か月以上動きます。

なしの年間作業表・都道府県比較(Excel)をダウンロード

Excelには、年間作業表(実施日を書く欄つき)、45都道府県の比較表、出典一覧の3つのシートがあります。

受粉・摘果・袋かけ・せん定など作業ごとのやり方は、なしの栽培マニュアルに1作業1ページでまとめています。

ほかの作物の栽培暦・年間作業表は栽培暦・年間作業表の全国まとめにまとめています。

この記事の調べ方

  • 対象:都道府県と県の試験場・普及組織が公開している施肥基準、栽培指針、病害虫の防除指針、試験研究の成果。農林水産省「都道府県施肥基準等」に掲載されている県の資料を含みます。日本なしの露地栽培が中心で、中国なしと西洋なしは含めていません。北海道は施肥ガイドが日本なし・中国なし・西洋なしをまとめて書いているので、日本なし・中国なしの値だけを使いました。青森と岩手は西洋なしの資料だけが見つかったので、日本なしの記事から外しています。市町村やJAが作った栽培暦は使っていません
  • 使い方:資料の表やレイアウトは転載せず、時期と数値などの事実だけを拾って組み直しました。図の栽培暦から読み取った値は「図から読み取り」と書いています(±1旬の誤差があります)
  • 施肥基準ではない窒素量:石川・大阪・鳥取は、見つかった窒素量が特別栽培の慣行レベル(化学肥料の窒素量)だけです。京都は環境にやさしい農業の体系例の値です。熊本と宮崎は、施肥基準のほかに慣行レベルも載せています。どれも表の中でそう書いています
  • 試験の値と平年値:福島の発芽・開花・収穫は果樹研究所(福島市)の平年値、富山は果樹研究センターの10か年平均(香麗は4か年、王秋は9か年)、茨城の開花は笠間市の園芸研究所、熊本の開花・収穫は果樹研究所内の2023・2024年の平均、鳥取の満開は育成地(北栄町)の2008〜12年の平均で、産地全体の平均ではありません
  • 古い資料:宮城(1993年)、秋田(2004年)、群馬(2004年)、岐阜(2005年)、島根(2007年)、宮崎(1999年)の資料は古い指針で、品種の構成や防除の体系が今と違う可能性があります
  • 主産地の資料の薄さ:茨城は果樹の施肥基準の本体が農林水産省のポータルになく、県の「標準施肥の考え方」(令和4年3月)で施肥量を補いました。栃木は施肥基準にせん定・受粉・摘果の記載がなく、福岡も施肥基準と防除の手引きにせん定・受粉・摘果の記載がありません。長野は品種別の収穫期の数値が、佐賀は収穫期の記載が、それぞれ見つかりませんでした
  • 農薬:農薬名と商品名はどの資料からも書いていません。病害虫は対象と時期だけを書き、植物の生長を調整する薬剤は「植物生長調整剤」と書いています
  • 調査日:2026年10月2日。資料は改訂されることがあるので、最新の内容は各資料で確認してください

全国の時期の早見

  • 発芽:福島の果樹研究所の幸水は平年で3月31日(令和8年は3月28日)、三重は幸水・豊水とも3月(図から読み取り)、高知は3月が発芽期です。熊本の新高は、2020年産で暖冬のため1年生枝の不発芽が79%になりました(試験の値)。佐賀は、暖冬の年に新高など低温要求量の多い品種の開花が遅れてばらつくとしています
  • 開花:熊本は凜夏が3月31日、幸水が4月2日(試験の値)で、新高は3月下旬〜4月上旬。佐賀の幸水の満開は平年4月8日、神奈川は3月下旬〜4月上旬(図から読み取り)、鳥取の育成地は幸水4月19日・豊水4月14日です。茨城の笠間は幸水の開花始が4月14日・開花盛が4月17日、富山は幸水4月13日〜22日・豊水4月11日〜19日・あきづき4月11日〜19日・新高4月8日〜16日、福島は幸水の開花始が4月19日・満開が4月24日、宮城は幸水が4月28日〜5月10日(1991年の試験)です
  • 幸水の収穫:福岡は7月下旬〜8月上旬、熊本は7月22日〜8月3日(盛期7月30日、試験の値)、長崎は8月上旬〜中旬、山口は8月中旬。栃木・群馬・神奈川は8月中旬〜9月上旬(図から読み取り)、富山は8月11日〜9月3日(盛期8月23日)、福島は平年で8月24日〜9月4日、宮城は8月下旬〜9月中旬、岐阜は8月下旬(図から読み取り)です
  • 豊水の収穫:山口は9月上旬、長崎は8月下旬〜9月中旬、富山は9月3日〜22日(盛期9月12日)、福島は平年で9月12日〜27日(盛期9月17日)、宮城は9月下旬〜10月上旬(満開後145日頃)、栃木は9月〜10月上旬(図から読み取り)、高知は9月で、中旬以降に遅れるとみつ症が出やすくなります
  • あきづきの収穫:富山は9月11日〜29日(盛期9月20日)、山口は9月中旬、秋田は9月下旬〜10月上旬、福岡は豊水・二十世紀とともに8月中旬〜9月中旬です。大分は、カラーチャートで収穫開始期が3〜4、盛期〜終期が2〜3のときを適熟としています
  • 新高の収穫:福岡は9月中旬〜10月中旬、山口は9月下旬〜10月中旬、長崎は9月下旬〜10月上旬、富山は9月24日〜10月11日(盛期10月1日)、宮城は10月中旬〜11月上旬、新潟と高知は10月です。熊本は、満開日から180日、または積算温度4,000℃を成熟の目安にしています
  • 二十世紀の収穫:山口は二十世紀とゴールド二十世紀が9月上〜中旬、鳥取と京都は9月(図から読み取り)、福岡は8月中旬〜9月中旬、宮城のゴールド二十世紀は9月下旬〜10月上旬です。鳥取のハウス二十世紀は8月です

標準の年間作業表(主産地の露地栽培)

千葉・茨城・栃木・福島・鳥取・長野・熊本・福岡・佐賀などの主産地の資料をもとにした、日本なし(露地)の標準的な作業表です。受粉・摘果・袋かけ・新梢管理・せん定・防除・収穫の時期は品種(幸水・豊水・あきづき・新高・二十世紀など)と県で違うので、1行の中に品種別・県別の時期を並べています。「根拠」の略称は記事末尾の出典一覧に対応しています。

月 旬 作業 内容・目安 品種・作型 根拠
1月 上旬〜下旬 冬季せん定(時期) せん定の時期は県で違う。千葉と山梨は12月、岐阜は12月上旬、埼玉は12月〜2月、山口は12月〜2月、長崎は12月〜1月、東京は1月上旬〜2月下旬(12月にも帯がある)、愛知は1〜2月ごろ、神奈川は1〜3月、京都は12月と2月。佐賀は萌芽期前までに終える。図から読み取った県は千葉・山梨・岐阜・埼玉・東京・愛知・神奈川・京都 全般(幸水・豊水・二十世紀など) 千葉1 p.292・山梨1 p.94・岐阜1・埼玉1 p.76・山口1 p.104・長崎1 p.550・東京1 p.2・愛知1 p.18-19・神奈川1 p.19・京都1 p.147・佐賀8
1月 上旬〜下旬 せん定(長果枝・短果枝と側枝の更新、予備枝) 熊本は長果枝主体の幸水・あきづきの側枝を2〜3年で更新(間隔30cm、側枝と予備枝が1対1)、短果枝主体の秋麗・豊水は3〜4年(30〜35cm)、新高・新興は5年ほど(40〜50cm)。秋田は幸水の側枝を原則3年、豊水を4〜5年で更新し、予備枝は骨格枝の片側1mに2本(太さ1cm前後、長さ30〜40cm)。山口は側枝の使用年限を二十世紀5〜6年、豊水3〜4年、幸水3年とする。高知は結果枝を2〜3年で更新しないと花芽が弱くなるとしている。長崎のあきづきは短果枝がつきにくいので、長い予備枝を多く置いて側枝を更新する 幸水・あきづき(長果枝)、秋麗・豊水(短果枝)、新高・新興 熊本8・熊本9・秋田2 p.81-84・山口1 p.104・高知2・長崎1 p.550
1月 上旬〜下旬 せん定(主枝・亜主枝の先端)と品種別の実演 主枝・亜主枝の先端は強く切り返し、棚面より高く置く(佐賀、熊本、秋田は棚面より30〜40cm高く)。佐賀は予備枝を主枝先端部中心に多めに置き、更新する側枝の基部にくさびを入れて予備枝を出させる。山口は主枝・亜主枝の先端1mに着果させず、先端に花芽を残さない。熊本では2026年1月7日に河内町吉野で豊水とあきづきの品種別せん定の実演があった 全般・豊水・あきづき 佐賀8・熊本8・秋田2 p.81-84・山口1 p.104・熊本21
1月 上旬〜下旬 ジョイント仕立て・ジョイントV字の特徴とせん定 熊本によると、作業時間は慣行の棚の約1/2、成園化は3〜4年(慣行は約10年)、育苗期間はジョイントが3年・V字が2年。福島のジョイントV字は列間3.5〜4.0m・株間1.5〜2.0m、側枝間隔は王秋30cm・甘太40cm、冬季せん定は2月頃。長野は側枝を片側40cmに1本(主枝長1mあたり5本)の目安で更新する。佐賀のジョイント栽培は列間3m×樹間2mで約150〜170本/10a 新植・改植・規模拡大(王秋・甘太・幸水・南水) 熊本8・熊本16・福島3・福島4・福島5・長野2 p.15・佐賀1
1月 上旬〜下旬 冬の病害虫対策(粗皮削り・清園・休眠期の防除) 福島はヒメボクトウが粗皮の隙間に産卵するので休眠期に粗皮削りをし、ニセナシサビダニは休眠期の防除で越冬成虫を減らす。越冬病斑の発生は1〜2月にりん片で調べる。滋賀は粗皮削りと罹病枝の持ち出しを11〜2月に行う。鳥取は被害芽・被害枝や枯れ枝、いぼ病斑を切り取り、赤星病の中間寄生樹(ビャクシン類)を伐採する。高知は胴枯病の罹患部を1〜2月に削り取る。熊本は冬の粗皮削りでナシヒメシンクイの越冬幼虫を減らす。佐賀は12月上旬〜中旬にハダニ類・カイガラムシ類の休眠期防除を行う 全般 福島10・福島11・滋賀1 p.125・鳥取12・高知2・熊本15・佐賀2 p.199-200
2月 上旬〜下旬 春肥(2月に施す県) 福岡は基肥を2月上旬〜中旬に施し、幸水・玉水は窒素の60%、新高・新興・王秋は70%(緩効性)。長崎は幸水が2月上旬、豊水・あきづき・新高は2月中旬に年間窒素の80%を施す。島根の二十世紀は2月上旬に窒素20%、山口は2月下旬に窒素10%、大分は2月下旬に年間の15%(二十世紀は20%)。神奈川は2月に基肥①(火山灰土の15年超でN10。春肥主体ならN14)、熊本は2月下旬〜3月上旬に元肥の2回目を施す。鹿児島は未結果樹に2月中旬30%、新高の結果樹に2月下旬20% 幸水・玉水・豊水・あきづき・新高・二十世紀 福岡1 p.27-30・長崎1 p.550・長崎2 p.786・島根1 p.47・山口1 p.108・大分1 p.58-59・神奈川1 p.19・熊本1 p.4-6,8-9・鹿児島1 p.96
2月 下旬 ニセナシサビダニ(越冬期の防除〜発生期)とトンネル被覆 熊本は発芽前までの越冬期(2月下旬)に防除すると幼果の果梗裂傷が減るとし、日中18℃を超えると越冬場所から出て芽に入る。発生は3月末〜4月初めからで、3月下旬〜5月下旬が防除時期。福島は5月中下旬から葉に寄生し6月中旬〜7月上旬がピーク。鳥取の試験では休眠期防除は秋(11月中下旬)より春(3月中旬)が効果高い。熊本の凜夏のトンネルハウス栽培は2月23日にビニルを被覆する(試験) 全般・凜夏(トンネル) 熊本23・熊本11・福島10・鳥取41・熊本3
3月 上旬〜中旬 基肥・追肥(3月に施す県、融雪後に施す北海道) 栃木の露地は基肥を3月に施す(図から読み取り)。幸水の成木はN15、豊水・あきづき・新高はN20の全量基肥。埼玉は3月上旬の基肥にN7。福井は3月上旬に追肥(幸水・豊水N2、二十世紀N1.6)。高知は3月に追肥(新高N3)。福島の地帯区分3は春肥(2〜3月)N10、区分4は春肥N8。鳥取のおさゴールド試験は3月下旬に窒素の15%。北海道は融雪直後に全面施用する。基肥を春に寄せる理由は、埼玉が凍害防止、福岡・長崎が発芽不良への備え、三重は眠り症が心配なら2〜3月、山口は発芽不良の園で3月とする 幸水・豊水・あきづき・新高・二十世紀 栃木1 p.106〜107・埼玉1 p.76〜77・福井1 p.184・高知1・福島1 p.141・鳥取13・北海道1 p.172・福岡1 p.27-30・長崎1 p.550・三重1 p.38・山口1 p.108
3月 上旬〜下旬 発芽(目安の時期) 福島の果樹研究所の幸水の発芽は平年3月31日(令和8年は3月28日)。三重は発芽が3月(幸水・豊水、図から読み取り)、高知も3月が発芽期。岐阜の図では摘らいが3月下旬。福岡は冬の低温が足りないと発芽不良が多発する年があるとし、佐賀は暖冬の年に新高など低温要求量の多い品種の開花が遅れてばらつくとする。熊本の新高は2020年産で1年生枝の不発芽が79%だった 幸水・豊水・新高 福島6・三重1 p.38・高知2・岐阜1・福岡1 p.27-30・佐賀7・熊本17
3月 上旬〜下旬 接ぎ木(ジョイント・高接ぎ更新) ジョイントの接ぎ木は、福島が3月下旬〜4月上旬(水揚げ始期〜発芽前)、長野が3月下旬〜4月上旬または苗育成2年目の8月、佐賀が芽が動く直前の3月、新潟は4〜5月に接木連結する。宮城の高接ぎ更新は、切り接ぎが3月上旬から、腹接ぎが4月 ジョイント仕立て・高接ぎ更新 福島3・福島4・長野2 p.3・佐賀9・新潟2 p.5・宮城1 p.125
3月 上旬〜下旬 発芽前後の防除と被覆(黒斑病・ダニ類・カイガラムシ類・ビニル被覆) 鳥取のおさゴールドの防除暦は、発芽前(3月11〜20日)にハダニ類・カイガラムシ類・ニセナシサビダニが対象。島根は黒斑病菌が3月下旬から胞子をつくり始める。佐賀は3月中旬(萌芽直前)と下旬(発芽初期)に黒斑病・黒星病を防除する。滋賀はビニル被覆を3月下旬〜7月上旬に行い降雨を遮断して黒星病を抑えるが、開花が早まり、遅くまで被覆すると幸水でまだら果の原因になる。佐賀は黒星病対策の落葉処理を休眠期から3月中旬までに行い、大分は白紋羽病の罹病部を3月に埋め戻す 二十世紀系・幸水・全般 鳥取12・島根3・佐賀2 p.199・滋賀1 p.124・佐賀2 p.200・大分3
3月 中旬〜下旬 花粉の採取・開葯・貯蔵 熊本は開花前に、交配親和性が広く花粉の多い新興の蕾から採り、25℃で15〜18時間開葯して、乾燥剤とともに−20℃以下で1年以上保存する。茨城は採枝を開花4〜5日前、10aあたり粗花粉60〜90g(純花粉20g程度)、ミツバチは1群で30〜40aを受粉できる。長野は10aあたり葯付き花粉150cc、必要花数5,000〜8,000花、発芽率30%以下は使えない。山口は生葯600cc。千葉は花粉採取専用樹を育てる。中国産花粉は火傷病で輸入が止まり、茨城・千葉・京都・鳥取・山口が花粉の確保や自給を課題にしている 新興・長十郎・松島など 熊本11・茨城1・長野5・山口1 p.104・千葉2・京都2 p.6・鳥取39
4月 上旬〜下旬 晩霜への警戒 福島の幸水の安全限界温度は、発芽期−3.6℃、花蕾露出期−2.9℃、花弁出始期−2.5℃、花弁白色期・開花直前−1.8℃、満開期−1.3℃(いずれも1時間遭遇)。茨城は防災網(約0.5℃昇温)、燃焼法(半斗缶20〜25個/10aを0℃で点火)、送風法(棚面1.8mに感温部、4℃で作動)を紹介し、敷きわらは5月上旬を過ぎてからとする。新潟は晩霜害が4月〜5月上旬に多い。鳥取は2014年4月に県下で4億円の霜害があり、山口はりん片脱落前(4月上旬)に燃焼資材の準備と除草をする。栃木は2026年に開花が平年より早く、霜害対策と花粉確保の準備を早めにするよう呼びかけた 全般(幸水ほか) 福島6・茨城2・新潟3・鳥取39・山口1 p.104・栃木2
4月 上旬〜中旬 開花(西日本) 熊本の露地の開花盛期は凜夏3月31日・幸水4月2日(果樹研究所の2023・2024年の平均)、新高は通常3月下旬〜4月上旬。佐賀の幸水の満開は平年4月8日(2021年は3月29日)。鳥取の育成地(北栄町)の満開は幸水4月19日・豊水4月14日・新甘泉4月17日頃(2008〜12年平均)。高知は4月が開花期、三重と京都は4月(図から読み取り)、岐阜は4月中旬ごろ(図から読み取り) 幸水・豊水・新高・凜夏・新甘泉 熊本3・熊本17・佐賀7・鳥取33・高知2・三重1 p.38・京都1 p.147・岐阜1
4月 上旬〜下旬 開花(東日本・北陸) 福島の果樹研究所の幸水は平年で開花始4月19日・満開4月24日。富山の平年は幸水4月13日〜22日、豊水4月11日〜19日、あきづき4月11日〜19日、新高4月8日〜16日。茨城は笠間の幸水が開花始4月14日・開花盛4月17日(県西の下妻は盛4月13日)。栃木は2026年の予測(3月26日現在)で幸水の開花始が4月12日、豊水4月9日、にっこり4月5日。宮城の1991年の試験は幸水4月28日〜5月10日。神奈川は3月下旬〜4月上旬(図から読み取り)。茨城の開花順はにっこり→松島→新興→新高→豊水→あきづき→幸水→恵水 幸水・豊水・あきづき・新高・にっこり 福島6・富山1・茨城2・茨城1・栃木2・宮城1 p.126・神奈川1 p.19
4月 上旬〜下旬 摘蕾・摘花 宮城は開花前、りん片が脱落してつぼみが白くなり始める頃に、主枝・亜主枝・長果枝の先端の花そうを摘む。山口は4月上旬に主枝・亜主枝の先端部、側枝の1年生部分、予備枝を摘蕾する。佐賀は開花前に先端・予備枝・突出した花芽を除き、短果枝は1花芽にする。熊本のあきづきは1花叢1花の摘蕾でコルク状果肉障害を減らす。兵庫の但馬1号は摘蕾が4月中旬、摘花が4月下旬。千葉は摘蕾、山梨と高知は摘花を4月に行う(千葉・山梨は図から読み取り) 全般・あきづき・但馬1号 宮城1 p.127・山口1 p.104・佐賀3・熊本7・兵庫4・千葉1 p.292・山梨1 p.94・高知2
4月 上旬〜下旬 人工受粉(時期と気象条件) 茨城は人工受粉が主でミツバチ放飼もあり、満開時に2〜3回行う。長崎は豊水・あきづき・新高が3月下旬〜4月上旬、幸水が4月上旬で、3〜4分咲と8分咲の2回。山口は4月中旬の4〜5番果を中心に3分咲と8分咲、幸水・豊水は5〜6分咲に行う。熊本は気温20〜25℃で風のない日の午前10時〜午後3時が好適で、開花3日目まで可、受粉後1〜2時間以内に雨が降ったら再受粉する。佐賀は15℃以下が予想される日は控え、午前に集中させる。東京は4月中旬〜下旬、新潟は4月中・下旬。鳥取のゴールド二十世紀は開花2日後でも結実率が下がるので当日に行い、新甘泉は開花4日後まで低下が少ない 幸水・豊水・あきづき・新高・二十世紀 茨城1・長崎1 p.550・山口1 p.104・熊本12・熊本18・佐賀3・東京1 p.2・新潟2 p.2・鳥取26・鳥取27
4月 上旬〜下旬 受粉に関わる品種の違い(S遺伝子型・自家和合性) 長野の表では、S遺伝子型は幸水S4S5・豊水S3S5・南水S4S9・二十世紀S2S4・あきづきS3S4で、同じ型どうしは受精できない。熊本はあきづきと秋麗が互いに受精しないとし、新高は花粉が不完全で少ないため、前年の貯蔵花粉か、新興にビニルを被覆して咲かせた花粉を使う。長野は南水・新高を受粉樹に使えないとし、岡山は晴香(S3S5)に同型の豊水の花粉を使えないとする。新潟の新美月・新王は人工受粉が不要で、鳥取の秋甘泉とおさゴールド、兵庫の秋栄とおさゴールドは自家で実をつける。鳥取のおさゴールドは満開前後が低温・降雨の年に結実率が下がるので、満開後のカラ筆受粉か人工受粉をする 幸水・豊水・南水・新高・あきづき・秋麗・晴香・おさゴールドほか 長野5・熊本11・岡山2・新潟2 p.2・鳥取26・兵庫2
4月 上旬〜下旬 黒星病(開花前後の重要防除期) 福島は花そう基部病斑が開花期頃に出て、果樹研究所では4月5日(令和3年)・4月13日(令和5年)に初確認、子のう胞子は4月中旬〜5月下旬に飛ぶ。開花直前〜開花後約2週間が重要防除期。熊本も同じ時期が最重要で、潜伏期間は14日以上あるので、降雨前に散布する。佐賀は開花直前に重点防除し、4月はスピードスプレーヤを全列走行させる。島根は4月下旬に初発し、りん片脱落直後〜二分咲きが重要な感染時期。鳥取は開花始め(平年4月8〜12日)に花そう基部病斑を見つけ次第切除する。福岡は4〜6月と9月が低温多雨の年に多発する 全般(幸水・豊水・新高・あきづきほか) 福島8・福島11・福島7・熊本11・佐賀2 p.167-169, 199・島根4・鳥取12・福岡2
4月 上旬〜下旬 赤星病(ビャクシン類からの感染) 福岡はビャクシン類の冬胞子堆が2月中下旬から形成され、3月下旬から降雨で膨潤し、感染後10日〜2週間で発病する。大分は3月上旬〜4月上旬に冬胞子堆を調べる。島根は冬胞子層が4月上中旬に成熟し、展開後2〜3週の葉に感染する。宮城は4〜5月の降雨時に感染しやすく、葉の斑点は5月上旬ごろ出る。佐賀は4月上旬(開花直前)と4月下旬(落弁直後)に防除する。鳥取は赤星病の中間寄生樹(ビャクシン類)を伐採する 全般 福岡2 p.71・大分3・島根5・宮城1 p.133-134・佐賀2 p.167-169, 199・鳥取12
4月 上旬〜下旬 芽かき・除芽・環状剥皮 秋田は開花期〜新梢伸長初期の芽の小さいうちに、主枝・亜主枝の背面や切り口から出た方向の悪い芽、側枝・長果枝基部の上芽を欠く。長崎は幸水が4月中旬〜5月中旬、ほかの品種は3月下旬〜4月中旬。熊本の秋麗は開花前(3月)に側枝1mあたり花芽6芽を残して除芽すると、予備摘果の時間が短果枝側枝で48%・長果枝で26%減る。福島のジョイントV字は、側枝の新梢発生を促す環状剥皮・芽傷を発芽10日後(4月上旬)に行う。鳥取の秋甘泉・秋栄・おさゴールドは、せん定時に花芽を1mあたり8芽に除芽して8果を着果させると摘果が省力化できる。高知は5月に主幹の陰芽を除き、太枝の直上芽は5cm位で芽かきする。千葉は芽かきを4〜6月(図から読み取り) 全般・秋麗・甘太・王秋・秋甘泉・秋栄・おさゴールド 秋田2 p.83・長崎1 p.551・熊本5・福島4 p.5・鳥取28・高知2・千葉1 p.292
4月 中旬〜下旬 予備摘果(粗摘果) 長崎は粗摘果が幸水4月中旬・ほかは4月下旬で、果そうの2〜4番果から横〜斜め下向きの正常果を残す。宮城は受粉後3週間頃までに1果そう1果にする。佐賀は授粉2週間後に判断し、開花後30日までに適正着果にする。熊本のあきづきは満開15日以内の早期予備摘果でコルク状果肉障害が減り、甘太は満開約20日後に予備摘果・40日後に本摘果する(試験の手順)。山口は交配15日後頃から。鳥取の王秋は受粉22日後(5月上旬)と早めると、コルク状障害が減る。新潟の二十世紀は満開20日頃。茨城は降ひょう後、傷の程度に応じて段階的に摘果し、良果を残す 幸水・豊水・あきづき・甘太・王秋・二十世紀 長崎1 p.550・宮城1 p.127・佐賀3・熊本7・熊本22・山口1 p.104・鳥取17・新潟1 p.57・茨城3・茨城4
4月 下旬 植物生長調整剤の処理(熟期促進・落果防止) 長崎の幸水は満開30〜40日後(4月下旬)に植物生長調整剤を果柄に20〜30mg塗る。兵庫の但馬1号は満開40日後に果梗へ20〜30mg/果を塗ると、収穫盛期が約7日早まり、果実重は無処理(平均約380g)より約60g増える(試験の値)。山梨は摘果と植物生長調整剤の処理を5月(図から読み取り)、山口の早優利は摘果と処理で7月下旬からLサイズが出る。山口の落果防止の植物生長調整剤は、効果が安定するまで5〜7日かかるので8月下旬の適期を逃さない。長野のジョイント育成苗は4〜5月と6〜8月に年3回以内(1枝100mg) 幸水・但馬1号・早優利・二十世紀・ジョイント育成苗 長崎1 p.551・兵庫5・山梨1 p.94・山口1 p.105〜111・長野2
5月 上旬〜中旬 仕上げ摘果と着果量 宮城は仕上げ摘果を受粉後45日頃までに終え、着果量の目安は幸水・豊水14,000個/10a、二十世紀18,000個、新水・南水11,000個。山口の二十世紀は仕上げ摘果で11,000果/10a。長崎は仕上げ摘果が幸水5月上旬・ほかは5月中旬で、10aあたり着果数は幸水10,000果、豊水10,000果、あきづき8,000〜9,000果、新高6,000果。秋田の幸水は日当たり良好・樹勢やや強・葉数多で1㎡あたり12〜13果、日当たり不良・樹勢やや弱・葉数少で3果以下。福島のジョイントV字は3年目2,000〜3,000果、4年目4,000〜5,000果、5年目以降は甘太・王秋で8,000果/10a。佐賀は仕上げ摘果を満開後70日頃までに終え、幸水の修正摘果は裂果を防ぐため満開後100日近くに遅らせる 幸水・豊水・あきづき・新高・二十世紀・甘太・王秋 宮城1 p.127-128・山口1 p.94・長崎1 p.550・秋田2 p.81-84・福島3・福島4・佐賀5
5月 中旬〜下旬 小袋かけ(有袋栽培) 山口の二十世紀は小袋を満開1か月後を目途に5月にかけ、小袋掛けの時期に雨が多い年は黒点(アザ果)が多いので早めにかける。宮城の二十世紀は受粉後15〜30日(落花後15〜20日ごろまで)。鳥取のなつひめの試験は5月下旬に小袋、二十世紀は小袋・大袋の2回が通常で、県は1回に減らす半無袋・網掛けを推進する。京都は5月に摘果・小袋かけ(図から読み取り)。兵庫の但馬1号は小袋を省き、満開30日後に黄色の大袋だけをかけるとアザが少ない。福岡は黒斑病・輪紋病・ナシヒメシンクイの被害を減らすため袋かけを早めに行う。熊本の甘太は満開50日後に白一重袋をかけ、満開後60日目より前だと糖度は上がるが果実が小さく日持ちが短い 二十世紀・なつひめ・但馬1号・甘太 山口1 p.102・p.104・宮城1 p.128・p.137・鳥取32・鳥取10 p.5・京都1 p.147・兵庫4・福岡2・熊本22・熊本6
5月 上旬〜中旬 カメムシ類(越冬後の飛来) 千葉は越冬後成虫の飛来を5月とし、ナシは園全体を防災網(9mm目合い)か防虫ネット(4mm目合い)で覆う。千葉の防災網は4月に展張し10月に除去する(図から読み取り)。栃木は2026年に越冬量が多く、5月14日に注意報を出した。防災網は目合い4mm以下で隙間なく被覆し、有袋栽培は早めに袋かけをする。栃木はカメムシ防除の薬剤を使ったあとにハダニ類・カイガラムシ類が増えることがあるとしている。鳥取は5月上旬と8月に注意し、クサギカメムシは5月上旬の幼果期の加害で果実が変形する。福島はカメムシ類が4月上旬から越冬場所を出て、第1世代の成虫は7月下旬〜8月上旬にピークになる 全般 千葉4・千葉1 p.292・栃木3・鳥取12・鳥取33・福島10・福島11
5月 上旬〜中旬 追肥(5月に施す県) 愛知は5月中旬に早生・中晩生ともN6-P2O5 0-K2O 6。三重は豊水のN5と砂質土壌の追肥を5月中旬ごろ。埼玉の幸水は5月上旬〜中旬にN4、群馬の幸水は5月にN4、神奈川は5月にN3(火山灰土の15年超、図から読み取り)。千葉は幸水に5月上旬N3(火山灰土・第三系粘質土)、砂質土は4月下旬にN5。東京は追肥(1)を5月中旬〜6月中旬に施す。大分は5月上旬に年間の15%(二十世紀は10%)、奈良の幸水・豊水は5月中旬にN4・K2O 3 幸水・豊水・二十世紀・新高 愛知1 p.18-19・三重1 p.38・埼玉1 p.76〜77・群馬1・神奈川1 p.19・千葉1 p.288・p.292〜297・東京1 p.2・大分1 p.58-59・奈良1 p.29
5月 中旬〜下旬 アブラムシ類 島根によると、ナシノアブラムシは芽の基部の卵で越冬してナシの発芽頃にふ化し、5〜6月に発生が多い。ミカンミドリアブラムシとワタアブラムシは5月中旬頃にナシへ飛来して、6〜7月に発生が多い。ナシミドリオオアブラムシは5月下旬頃に飛来し、9月頃まで増えて盛夏期に多い。被害は新梢や若葉に出るものが多く、葉が巻いたり硬くなったりする。大分は発芽後〜落花後、鳥取は5月下旬にアブラムシ類の多発園で追加防除を検討する 全般 島根8・大分3・鳥取12
5月 中旬〜下旬 黒斑病・輪紋病の防除期 宮城の黒斑病は5月中旬ごろから若葉・幼果に出て6月下旬〜7月上旬に多く、防除は5月15日〜9月5日ごろ。島根は黒斑病が二十世紀栽培で最重要で、幸水・豊水・長十郎には出ないとする。福井は二十世紀の多肥が黒斑病を助長すると書く。輪紋病は、佐賀の幸水が5月下旬〜収穫期、豊水が5月下旬〜7月中旬に果実の感受性が高く、福岡は6〜7月の梅雨期中心、大分は果実感染が5〜7月。山口は摘果直後(5月下旬〜6月上旬)、梅雨期(6月下旬)、果実肥大後期(7月中旬〜8月上旬)が防除適期 二十世紀・幸水・豊水 宮城1 p.136-137・島根3・福井1 p.184・佐賀2 p.171・福岡2 p.72・大分3・山口1 p.102
6月 上旬〜下旬 大袋かけ・無袋栽培 宮城の二十世紀の大袋は6月中〜下旬、山口は小袋後25日(6月)、鳥取のなつひめの試験は6月中旬、京都は6月(図から読み取り)、東京は袋かけを6月上旬〜中旬(図から読み取り)。長崎の新高は5月中旬〜6月上旬に大袋1回がけ(輪紋病が多発する園は小袋・大袋の2回)、高知の新高は袋かけを遅くとも6月中旬までに終える。無袋の県もあり、富山の推奨品種の調査はすべて無袋栽培、長崎の幸水・豊水・あきづきは無袋、山口の幸水・豊水の無袋は吸蛾類対策に防蛾ネットか防蛾灯が要る。山口はゴールド二十世紀を外観のため大袋1回が必要とする 二十世紀・新高・幸水・豊水・あきづき 宮城1 p.128・山口1 p.105・鳥取32・京都1 p.147・東京1 p.2・長崎1 p.557・高知2・富山1
6月 上旬〜下旬 夏肥・追肥(6月〜7月上旬) 福岡は豊水・二十世紀・あきづきが6月上旬にN10%、新高・新興・王秋は6月中旬にN20%。愛媛は6月上旬にN3(15%)、福井は6月上旬に幸水・豊水N2・二十世紀N1.6(糖度低下に注意)。埼玉の豊水・彩玉は6月上旬にN2、千葉の幸水は6月上旬にN3、奈良の二十世紀は6月中旬にN2、島根の二十世紀は6月上〜中旬に15%(窒素過多は品質低下)、山口は樹勢の弱い園に6月に年間量の15%。福島の地帯区分3は6月にN5、山梨は6月下旬に砂壌土のみN4、高知は6〜7月に新高N3。長崎は樹勢の弱い園で6月中〜下旬にNの10%。7月上旬は愛知の中晩生N5、大分の新高15%、熊本の新高はN・Kを年間量の10%、宮崎の晩生種は秋肥の50%を分施 幸水・豊水・二十世紀・新高・晩生種 福岡1 p.27-30・愛媛1 p.52・福井1 p.184・埼玉1 p.77・千葉1 p.292〜297・奈良1 p.29・島根1 p.47・山口1 p.105・福島1 p.141・山梨1 p.94・高知1・長崎2 p.786・愛知1 p.19・大分1 p.59・熊本10・宮崎1 p.54
6月 上旬〜下旬 新梢管理(摘心・誘引) 摘心は、福島のジョイントV字が5月と7月(福島3は基部を1〜2cm残し、福島4は葉を2〜3枚残して切る)、長野のジョイントの幸水が5月の早い時期から3〜4回、佐賀が満開後30〜40日頃に群集芽の上か4葉残し、熊本の菊池が摘果後の6月上旬。宮城は幸水など長果枝に着果させる品種で、新梢が止まる直前の6月下旬〜7月中旬に45度で誘引する。秋田は6月下旬〜7月上旬、福島のジョイントV字は6月下旬〜7月上旬、山口は側枝候補枝・予備枝の誘引が必須で6月下旬〜7月上旬。長崎は豊水・あきづき・新高が6月上旬〜中旬、幸水は6月上旬〜下旬で、側枝の横から出た枝は棚面に対し30〜45度で誘引する。佐賀は予備枝・発育枝を満開後70日頃に45度で誘引し、幸水・あきづきは必須。高知は6月に誘引し、福岡は枝梢の伸長を7月上旬で止める。千葉は誘引を6月(図から読み取り) 幸水・あきづき・豊水・新高・二十世紀・ジョイント仕立て 宮城1 p.129・秋田2 p.83・福島3・山口1 p.105・長崎1 p.551・佐賀4・佐賀5・高知2・福岡2 p.70・千葉1 p.292・福島4・長野2 p.14・熊本20
6月 中旬〜下旬 裂果対策(かん水・シートマルチ・修正摘果) 熊本の秋麗は、5月中旬〜6月中旬に約10日雨がないときを目安に1回10mm程度かん水し、降水の多い年は裂果が出る6月中下旬の直前に樹冠下へシートマルチを敷く。福島の幸水は新梢の停止が遅い年に裂果が出にくく、令和5年は発生なし(平年2.7%)。佐賀は幸水の修正摘果を満開後100日近くに遅らせて裂果を防ぐ 秋麗・幸水 熊本4・福島7・佐賀5
6月 中旬〜下旬 黒星病(梅雨期の感染) 佐賀は6月中旬〜7月上旬を梅雨期の重要な防除時期とする。鳥取の新甘泉は満開68〜89日後(6月中旬〜7月上旬)の果実感染リスクが高く、8月上旬以降は低い。5月下旬〜6月上旬の感染はスス状病斑になり、あとで裂果する。福島は7月下旬を果実被害の防止に重要な防除時期とし、福岡は5月から梅雨期と秋の防除が重点 新甘泉・全般 佐賀2 p.167・鳥取20・福島11・福岡2
6月 上旬〜下旬 シンクイムシ類・ナシホソガ ナシヒメシンクイは、宮城が年4回(幼虫の活動は5月下旬〜6月中旬・7月上旬〜下旬・8月上旬・9月中下旬)、島根が年4回、福岡が年5回で7月以降の第2〜3世代が果実を加害、熊本が年4〜5回で果実を食べるのは8月以降の第4〜5世代(無袋・晩生で多い)。福島は高温年に世代数が増え、豊水・あきづき以降で8月下旬から果実被害が出る。佐賀は5月中旬に交信かく乱剤を設置する。モモシンクイガは島根で成虫が6月上旬〜7月中旬と8〜9月上旬、鳥取で第1回成虫の産卵が6月上旬から。ナシホソガは鳥取で露地の第1回成虫が6月下旬〜7月中旬、大分で6月下旬〜7月上旬と8月下旬〜9月上旬 全般(無袋・晩生は被害が多い) 宮城1 p.139・島根7・福岡2 p.81,87・熊本15・福島7・佐賀2 p.200・鳥取12・大分3
7月 上旬〜中旬 新梢誘引・二次伸び・夏季せん定・環状はく皮 鳥取のゴールド二十世紀は、新梢の約4割が伸長を止めた7月上〜中旬に誘引すると、果重が増え変形果が少ない。山口は7月中旬に、側枝上の40cm以上の二次伸びした発育枝をテープナー等で棚に誘引し、切る場合は1回に1樹数本にとどめる。福島のジョイントV字は7月に2回目の摘心をする。鳥取のなつひめの環状はく皮は、7月14日などに幅2.5cmで行った試験で収穫が前進した。鳥取のゴールド二十世紀は、収穫の約1か月前に新梢の40%を切除する夏季せん定で糖度が0.3〜0.5度上がった(試験の値) ゴールド二十世紀・なつひめ・ジョイント仕立て 鳥取30・山口1 p.105・福島3・福島4・鳥取32・鳥取31
7月 上旬〜下旬 かん水・敷きわら・みつ症対策の樹上散水 長崎は梅雨明け前に主幹の周りへ稲わら1t/10aを敷き、梅雨明け後は必要に応じてかん水する。山口は梅雨末期〜梅雨明け直後に草刈りして敷草をし、かん水は梅雨明けの1週間後頃から。佐賀の豊水は6月から麦わらマルチ、7月下旬から収穫期まで7日ごとに10mm程度かん水してみつ症を軽減する。熊本の新高は、降雨が少なければ1週間間隔で樹冠下に20〜30mmかん水し、7月中下旬からの樹上散水や遮光率40%の遮光ネットも使う。福島は高温・少雨の令和5年に、7月下旬以降の果実肥大の鈍りを、かん水と修正摘果で回復させた。高知は乾燥が続けば7月にかん水する 豊水・新高・全般 長崎1 p.550,553・山口1 p.96, p.105・佐賀11・熊本10・福島7・高知2
7月 上旬〜下旬 ハダニ類・ヒメボクトウ・LED黄色灯 ハダニ類は、福岡のカンザワハダニが7月中下旬〜8月に多く、ミカンハダニは6〜7月に初発して8〜9月に多発する。大分は7月上中旬が最多、島根も7〜8月に多い。福島は梅雨明け後の高温乾燥で増えるとし、滋賀は5月下旬に発生予察を始めて6〜9月の各月中旬に調べる。福島のヒメボクトウは成虫が6月下旬〜8月上旬に出て、幼虫は枝幹内を集団で食べる。長崎はカメムシ類・ヤガ類対策にLED黄色灯を収穫30日前から収穫終了まで夜に点灯し、幸水は6月下旬〜8月中旬、豊水は7月上旬〜9月中旬、あきづきは7月上旬〜9月下旬。チャバネアオカメムシには忌避効果があるが、ツヤアオカメムシとクサギカメムシには効果が低い 全般・幸水・豊水・あきづき 福岡2 p.81,87・大分3・島根9・福島10・滋賀1 p.128・長崎1 p.551,553,555
7月 下旬 収穫(極早生・早生) 山梨は7月下旬〜8月上旬(図から読み取り)。福岡の幸水・玉水は7月下旬〜8月上旬。熊本の露地の幸水は7月22日〜8月3日(盛期7月30日)、凜夏は8月2日〜13日(盛期8月7日、果樹研究所の2023・2024年平均)。熊本の凜夏のトンネルハウス栽培(2月23日被覆)は盛期が7月28日で露地より約10日早いが、1果重は450g程度と小玉。山口は愛甘水が7月下旬、早優利・なつしずくが8月上旬。富山の香麗は7月29日〜8月7日(盛8月2日、平年)。栃木のハウス幸水は7月。鳥取の夏さやか・早優利は8月上旬 幸水・玉水・凜夏・愛甘水・早優利・香麗・夏さやか・ハウス幸水 山梨1 p.94・福岡1 p.27・熊本3・山口1 p.105〜111・富山1・栃木1 p.106・鳥取2・鳥取9
8月 中旬〜下旬 収穫(幸水と早生の青梨・赤梨) 福島の幸水は平年で収穫始8月24日・盛8月29日・終9月4日、富山は8月11日〜9月3日(盛8月23日)。栃木・群馬・神奈川の幸水は8月中旬〜9月上旬、千葉・埼玉・三重は8月、岐阜は8月下旬(いずれも図から読み取り)。宮城は8月下旬〜9月中旬(満開後125日頃)、新潟は8月中旬から出荷が始まる。山口の幸水は8月中旬、高知は8月で収穫遅れに注意。長崎の幸水は8月上旬〜中旬に気温の低い時間に収穫し、日持ちが悪いので過熟を避ける。兵庫の但馬1号は8月20日前後に集中し、二十世紀より約2週間早い。鳥取のなつひめ・涼月・優秋・新甘泉は8月下旬 幸水・但馬1号・なつひめ・涼月・優秋・新甘泉 福島7・富山1・栃木1 p.106・群馬1・神奈川1 p.19・千葉1 p.292・埼玉1 p.76・三重1 p.38・岐阜1・宮城1 p.130・新潟2 p.2・山口1 p.105〜111・高知2・長崎1 p.551・兵庫3・兵庫4・鳥取3・鳥取4・鳥取5・鳥取7
8月 下旬 礼肥(収穫の早い品種) 福岡の幸水・玉水は8月下旬にN10%(9月下旬にも10%)。長崎の礼肥は幸水が8月下旬、豊水・あきづきが9月中旬、新高が10月中旬(Nの20%)。宮崎は秋肥を8月下旬〜9月上旬に施し、N40%・K2O 40%。大分の幸水・二十世紀は8月下旬に15%、三重は幸水の礼肥N7を8月(豊水は9月)、愛知の晩生品種は8月中旬にも追肥。東京は追肥(2)を8月下旬〜9月中旬に行い、幸水は収穫直後に行うよう努める 幸水・玉水・豊水・あきづき・新高 福岡1 p.27・長崎1 p.550・宮崎1 p.54・大分1 p.58-59・三重1 p.38・愛知1 p.19・東京1 p.2
8月 下旬 台風対策 高知は8月に枝の結束、棚の点検、防風ネットの設置をし、乾燥が続けば10aあたり20mm程度かん水する。長崎は豊水・あきづき・新高の棚面を鉄パイプで補強し、防風垣を補修する。宮崎は台風被害の回避が最大の課題で、多目的防災網と補強棚が普及しつつあり、振興計画も強化棚の設置を進める 全般 高知2・長崎1 p.550,553・宮崎3 p.7・宮崎4
8月 下旬 みつ症(水なし)への備え 熊本の新高は、みつ症の主因が8〜9月の高温・乾燥で、収穫が遅れても増える。満開日から180日、または積算温度4,000℃が成熟の目安で、成熟予想の20日前から1週間おきに、樹冠外周部の早い果実でみつ症を確認する。高知は豊水が9月中旬以降に遅れるとみつ症が出やすいとし、新高は夕方に園内へ散水して夜温を下げる。山口はみつ症が二十世紀・豊水に多く、水浸状褐変は二十世紀で多く、9月に30℃以上が続くと晩生にも出るとする 新高・豊水・二十世紀 熊本10・高知2・山口1 p.105〜111
9月 上旬〜下旬 秋肥・礼肥(収穫後の施肥) 愛知は早生が9月上旬、中晩生が9月上旬〜10月下旬の収穫後すぐ。栃木は幸水だけ収穫終了直後(9月)にN5・K2O 3を施し、豊水以降は礼肥をしない。埼玉は幸水が9月上旬、豊水・彩玉が9月中下旬にN4。千葉は9月上旬の秋肥が品質のため極めて重要で、幸水N6・豊水N8(火山灰土)。群馬は9月にN6、神奈川は9月にN3、山梨は9月中旬にN6、福井は9月中旬にN4、宮城は9月下旬にN5、愛媛は9月中旬にN6、奈良の幸水・豊水は9月下旬にN7。福島は9月に秋肥N5〜10、山形は前年9月下旬〜10月上旬に全量を施す。山口は9月中下旬に窒素20%、島根は9月中旬に15%、福岡の豊水群は9月中旬にN20%。佐賀は秋肥を9月末までに終え、11月中旬には落葉させる 幸水・豊水・二十世紀・全般 愛知1 p.18-19・栃木1 p.107・埼玉1 p.76〜77・千葉1 p.288・p.292〜297・群馬1・神奈川1 p.19・山梨1 p.94・福井1 p.184・宮城1 p.146・愛媛1 p.52・奈良1 p.29・福島1 p.141・山形1・山口1 p.108・島根1 p.47・福岡1 p.29・佐賀6
9月 上旬〜中旬 収穫(豊水・二十世紀) 福島の豊水は平年で収穫始9月12日・盛9月17日・終9月27日、富山は9月3日〜22日(盛9月12日)。山口は豊水が9月上旬、二十世紀・ゴールド二十世紀・おさゴールドが9月上〜中旬。鳥取の二十世紀は9月(図から読み取り)、京都も9月(図から読み取り)。福岡の豊水・二十世紀・あきづきは8月中旬〜9月中旬、長崎の豊水は8月下旬〜9月中旬、三重の豊水は8月下旬〜9月(図から読み取り)、千葉は収穫始め8月下旬〜9月上旬・終わり9月(図から読み取り)。宮城の豊水は9月下旬〜10月上旬(満開後145日頃)。高知の豊水は9月で、中旬以降に遅れるとみつ症が出やすい 豊水・二十世紀・ゴールド二十世紀・おさゴールド 福島7・富山1・山口1 p.105〜111・鳥取9・京都1 p.147・福岡1 p.29・長崎1 p.553・三重1 p.38・千葉1 p.292・p.295・宮城1 p.130・高知2
9月 中旬〜下旬 収穫(あきづき・甘太・秋満月ほか) 富山のあきづきは9月11日〜29日(盛9月20日)、甘太は9月24日〜10月7日(盛9月29日)。山口のあきづきは9月中旬。秋田のあきづきは9月下旬〜10月上旬、新潟の新美月は9月中旬、新王は9月下旬。熊本の甘太は9月中旬〜10月始めで、果皮色(カラーチャート)が2.5を超えると収穫適期、3.0を超えると果肉が柔らかくなりすぎる。大分のあきづきは、カラーチャートで収穫開始期が3〜4、盛期〜終期が2〜3のとき適熟。千葉の秋満月(千葉K3号)は9月中旬〜10月上中旬 あきづき・甘太・新美月・新王・秋満月 富山1・山口1 p.105〜111・秋田1 p.22-24・新潟2 p.2・熊本14・大分5・千葉3
9月 中旬〜下旬 黒星病(秋の防除・りん片感染) 福島はりん片生組織の露出が多い10月上旬〜11月上旬に、落葉率80%頃を最終として2週間間隔で3回程度防除する。熊本は収穫後〜落葉期(11月中旬)に2〜3回で、早生は9月中旬〜下旬・10月中旬・11月中旬が例。佐賀は9月中旬〜10月下旬を重要とし、鱗片感染は10月中旬〜11月中旬が盛ん。栃木は9月下旬〜10月下旬に、芽や落葉で越冬して翌年の発生源になるので、徒長枝の先端までまんべんなく薬液をかける。鳥取の品種別の目安は、幸水が9月中下旬から11月上旬までの4回、新甘泉・豊水は11月下旬を加え、二十世紀系・夏さやか・王秋・新興は必要性が低い。宮城は9月上旬〜中旬がりん片感染期 全般・幸水・豊水・新甘泉 福島9・熊本13・佐賀2 p.167, 200・栃木4・鳥取21・宮城1 p.135
10月 上旬〜下旬 収穫(新高・王秋・にっこりなど晩生) 富山の新高は9月24日〜10月11日(盛10月1日)、王秋は10月7日〜20日(盛10月13日)。宮城の新高は10月中旬〜11月上旬、新潟の新高は10月・新興は11月。山口は新高が9月下旬〜10月中旬、甘太が10月上〜中旬、王秋が10月下旬〜11月上旬。福岡の新高・新興・王秋は9月中旬〜10月中旬。長崎の新高は9月下旬〜10月上旬に、完全に着色した果実から収穫する。高知の新高は10月で、みつ症が出る前に収穫する。栃木のにっこりは10月下旬〜11月上旬(図から読み取り)。鳥取の王秋は樹上の糖度が12月まで上がるが果実硬度が落ちるため、11月中旬までに収穫を終え、主枝元部付近の果実の収穫を遅らせる 新高・王秋・新興・にっこり 富山1・宮城1 p.123・新潟2 p.2・山口1 p.105〜111・福岡1 p.30・長崎1 p.557・高知2・栃木1 p.106・鳥取16
10月 中旬〜下旬 枝抜き・間伐・防災網の除去 佐賀は9月までの過度な枝抜きが発根阻害や再伸長を招くので、徒長枝や古い側枝の本格的な枝抜きは10月下旬以降に行う。山口は10月中旬に、大きな徒長枝や不要枝を間引き、間伐・縮伐は葉のあるうちに行う。千葉は防災網を10月に除去する(図から読み取り) 全般 佐賀6・山口1 p.105・千葉1 p.292
10月 下旬 土壌改良・堆肥・深耕(秋〜冬) 兵庫は牛糞堆肥2〜3t/10aを10月下旬〜11月中旬に施し、堆肥に合わせて化成肥料を減らす。滋賀は10月頃から表面に散布し、11月の深耕で混和する。福岡の深耕適期は幸水が9月中旬〜10月中旬、豊水が10月中下旬で、断根を伴う深耕は秋根が伸びる前にする。鳥取のおさゴールドは10月下旬〜11月上旬の深耕が大玉になる適期、王秋は10月下旬〜12月中旬のどの時期でも品質に影響せず、ジョイント樹は主幹から50cm程度離して樹列と平行に列状に深耕する。京都の体系例は10月中旬に苦土石灰150kgとリン酸質資材120kg/10a、福井は秋〜冬の乾いた時期に深耕する。鹿児島は12〜1月に石灰質肥料を施して中耕し、高知は12月に深耕と同時に苦土石灰を施してpH5.5〜6.5にする。熊本と鹿児島は白紋羽病を避けるため未熟な有機物を使わず完熟堆肥にする 全般・おさゴールド・王秋・ジョイント樹 兵庫1 p.56・滋賀2 p.39・福岡1 p.66・鳥取13・鳥取15・鳥取25・京都1 p.147-148・福井1 p.181・鹿児島1 p.79・高知2・熊本1
11月 上旬〜下旬 基肥(11〜12月に施す県) 愛知は11月上旬〜12月下旬(早生N12、中晩生N13)。福島の地帯区分1は冬肥を11〜12月にN15、福井は幸水・豊水に11〜12月にN12。千葉は11月下旬〜12月上旬に幸水N11(火山灰土)・豊水N12。群馬の幸水は11月にN12、山梨は11月中旬にN12、岐阜は11月下旬、奈良は11月中旬にN14、宮城は11〜12月。神奈川は11月に基肥④(有機質主体、N4)。山口の二十世紀は11月中旬までに窒素70%、島根は11〜12月に窒素40%、熊本は11月中・下旬と2月下旬〜3月上旬に分ける。宮崎は11〜12月に窒素60%、鳥取のおさゴールド試験は11月下旬に窒素40%(元肥を省いても11年間影響なし) 幸水・豊水・二十世紀・新高 愛知1 p.18-19・福島1 p.141・福井1 p.184・千葉1 p.288・p.292〜297・群馬1・山梨1 p.94・岐阜1・奈良1 p.29・宮城1 p.146・神奈川1 p.19・山口1 p.108・島根1 p.47・熊本1 p.6,8・宮崎1 p.54・鳥取13
11月 上旬〜下旬 落葉処理(黒星病・炭疽病の伝染源を減らす) 熊本はせん定の前に、黒星病・炭疽病の伝染源になる落葉を園外へ持ち出すか、焼却・埋土(すき込み)で処理する。福島は落葉を集めて埋めるか、500円玉程度に粉砕して越冬菌を減らす。高知は11月に落葉を園外へ出し、鳥取は黒星病の越冬伝染源を減らすため落葉を処分する。熊本は8月に長雨の年は葉の秋型病斑が増えて翌年の伝染源が多くなるとしている 全般 熊本9・福島9・高知2・鳥取12・熊本13
11月 上旬〜下旬 土壌診断とリン酸・カリの蓄積 愛知は、家畜ふん堆肥の長年の施用でリン酸・カリが集積した園が多いとし、前年収穫後の有効態リン酸が100mg/100g以上、交換性カリが40mg/100g以上の園では、土壌診断を見て減らしても収量・品質は変わらなかった(2014年の試験)。埼玉はリン酸が蓄積傾向で、土壌診断により基肥量を減らす。千葉もリン酸・カリが過剰傾向で、診断のうえ減らしてよい。鳥取は可給態リン酸が40〜70mgなら施肥リン酸を半量・土壌改良材は無施用、70mg以上なら両方無施用を減肥の目安とする。福岡は腐植が目標値を下回る圃場が55%(令和3年の実態調査) 全般 愛知1 p.4-5・埼玉1 p.76〜77・千葉1 p.288・鳥取35・福岡1 p.27-30
12月 上旬〜下旬 基肥(12月に施す県) 大分は幸水・豊水・二十世紀・新高とも12月上旬に年間の40%(慣行化成)、肥効調節型肥料なら慣行年間量の約80%を11月上旬に施す。高知は新高を12〜1月に基肥N26(高知3の例は12月下旬)、愛媛は12月中旬にN11(窒素の55%)。京都の体系例は年間施用量の約9割を12月に表層施用する。東京の基肥は12月と1月上旬の2か所(図から読み取り)。宮崎は11〜12月に窒素60% 全般(大分・高知・愛媛・京都・東京) 大分1 p.58-59・高知1・高知3・愛媛1 p.52・京都1 p.147-148・東京1 p.2・宮崎1 p.54
12月 上旬〜下旬 ジョイント苗の育成・植付け(ジョイント・流線型) 福島のジョイントV字の定植は12月下旬までが目安。鳥取は1年生苗を主枝高より40cm低い位置(主枝高160cmなら120cm)で切り返し、20L不織布ポットで育苗し、ジョイント当年に主枝上の上芽をせん除する。長野は苗を2年かけて3.3〜4m以上に育てて、120cmで切り返す。大分の流線型仕立ては、12月に掘り上げた全長約5mの大苗を3.5m×2.5mで横に傾けて植え、植付け後2年間で側枝を伸ばして3年目に目標収量にする(慣行は成園まで12年)。佐賀はポット大苗の植付けを12月か3月に行う 新植・改植(ジョイント・流線型仕立て) 福島3・福島5・鳥取22・鳥取24・長野2 p.3・大分6・佐賀9

都道府県別の比較

「—」はその県の資料に記載がない項目です。「図から読み取り」は栽培暦の図から読んだ値で、±1旬ほどずれることがあります。県の基準は品種や目標収量、土壌の前提が違うので、数字だけを単純に比べず、自分の地域に近い県の資料を確かめてください。

主要品種

地域区分 都道府県 主要品種 出典
東北・北陸 北海道 日本なし・中国なしは「身不知」(施肥標準の基準品種)、西洋なしは「バートレット」。このほか北海道のなしの品種の記載は施肥ガイドになし 北海道1 p.172
東北・北陸 青森 幸水・多摩(特産果樹生産情報に日本なしの記載がある品種) 青森1・青森2
東北・北陸 宮城 推奨品種は早生が幸水、中性が豊水・ゴールド二十世紀。補助品種は新水・八里(早生)、長十郎・南水(中性)、新高・新星(晩生)。試作は筑水・秀玉・豊月。県内は幸水・豊水で結果樹面積の51%(1991年現在) 宮城1 p.120-151
東北・北陸 秋田 日本なしは幸水が約7割。目標構成は早生(8月)筑水・八里10%、中生(9月)幸水50%・豊水・秀玉10%、晩生(10月)あきづき・かほり・南水・新興30%。長十郎・新興は受粉樹としての利用が中心、新星は縮小 秋田1 p.22-24・秋田2 p.81-84
東北・北陸 山形 日本なしは幸水が約7割(H29産で幸水93.2ha・豊水25.6ha・あきづき5.0ha・南水3.5ha・新高1.3ha・二十世紀1.0ha、計131ha)。西洋なしはラ・フランスが83% 山形1・山形2
東北・北陸 福島 幸水・豊水・あきづき・新高(品種別の開花・収穫の調査がある)。新植向けのジョイントV字トレリスは「甘太」「王秋」のマニュアルがある 福島1 p.141・福島2 p.27・福島3・福島4・福島5・福島6・福島7 p.93-97・福島8・福島9・福島10・福島11
関東・東海 茨城 幸水・豊水・新高・あきづき・にっこり・恵水・新興・松島(受粉樹)。開花順は にっこり→松島→新興→新高→豊水→あきづき→幸水→恵水(茨城1の図) 茨城1・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5・茨城6・茨城7・茨城8・茨城9・茨城10・茨城11
関東・東海 栃木 幸水・豊水・新高・あきづき・にっこり(目標収量・施肥の区分あり)。ハウス栽培は幸水 栃木1 p.106〜107・栃木2・栃木3・栃木4
関東・東海 群馬 幸水・豊水・二十世紀(他品種の成木の窒素量の記載あり) 群馬1 果樹表(ナシ)
関東・東海 埼玉 幸水・豊水・彩玉 埼玉1 p.76〜77
関東・東海 千葉 幸水・豊水(施肥基準の基準品種)。新品種に秋満月(晩生・千葉K3号、収穫9月中旬〜10月上中旬)。受粉樹・花粉採取用に長十郎・新興・松島・新高など 千葉1 p.288〜297・千葉2・千葉3・千葉4
関東・東海 東京 幸水・豊水・稲城・新高(稲城は施肥量を基準より減肥) 東京1 p.2
関東・東海 神奈川 幸水・豊水・香麗 神奈川1 p.19
東北・北陸 新潟 日本なしは幸水(8月中旬〜)→豊水→新美月→あきづき→新王→新高→11月の新興とリレー出荷。新潟県育成の新美月・新王は自家和合性で黒斑病抵抗性。西洋なしはル レクチエ 新潟1 p.30-45・新潟2 p.2-6・新潟3
東北・北陸 富山 県推奨品種は幸水・豊水・あきづき・新高、準推奨品種は香麗・甘太・王秋(令和7年の特性調査) 富山1
東北・北陸 石川 産地は加賀市・白山市・金沢市中心(品種名の記載なし) 石川1 p.29・p.52・石川2 p.2
東北・北陸 福井 幸水・豊水・二十世紀(施肥基準の品種区分) 福井1 p.180-185・福井2
関東・東海 山梨 —(施肥指導基準に品種名の記載なし) 山梨1 p.94
関東・東海 長野 基幹品種は幸水・南水・豊水、主要品種は二十世紀(ゴールド二十世紀を含む)、そのほかあきづき・天空のしずく(令和8年度の振興品種)。面積比は幸水34%・豊水23%・南水28%・二十世紀9%。西洋なしはラ・フランス・オーロラ 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6
関東・東海 岐阜 幸水(技術体系の品種)。加温ハウス栽培の体系もある(岐阜・西濃) 岐阜1・岐阜2 p.35
関東・東海 静岡 新水・幸水・豊水のほか、地元の生産者が育成し平成2年に品種登録された喜水(志太榛原地域) 静岡1
関東・東海 愛知 早生は愛甘水・幸水、中晩生は瑞月・豊水・あきづき・甘太・歓月・新高 愛知1 p.4-5・p.18-19・愛知2
関東・東海 三重 幸水・豊水(簡易被覆の幸水もある) 三重1 p.38・p.44・三重2・三重3
近畿 滋賀 —(県資料に品種別の記載なし。ビニル被覆の注意で幸水に触れるのみ) 滋賀1 p.123-128, 135・滋賀2 p.39
近畿 京都 二十世紀(ゴールド二十世紀)・おさゴールド・新興・愛宕・幸水・豊水・早優利・凜夏。改植推進はあきづき・甘太・王秋および早生品種(京都2 p.11, 15)。主産地は京丹後市と八幡市で、二十世紀系の高品質品は「京たんご梨」 京都1 p.146-148・京都2 p.2, 6, 11, 15, 17, 19
近畿 兵庫 県北部は二十世紀系が8割超(兵庫3の経緯)。県育成の早生青ナシ「但馬1号」(なしおとめ)。自家結実品種の秋栄・おさゴールド(おさゴールドは病気に強く二十世紀の後継として注目) 兵庫1 p.55-59・兵庫2・兵庫3・兵庫4・兵庫5・兵庫6・兵庫7
近畿 奈良 幸水・豊水・二十世紀 奈良1 p.29
中国 鳥取 二十世紀(県の栽培面積の61%、H30末)、ゴールド二十世紀、おさゴールド(黒斑病耐病性の二十世紀系)、新甘泉・秋甘泉(赤梨)、王秋、なつひめ・夏さやか・涼月・優秋・瑞鳥・早優利・爽甘。リレー出荷図には幸水・秋栄・豊水・あきづき・新興・新高・あたごも載る。夏さやか・なつひめ・新甘泉・秋甘泉の4品種は県内に限り栽培可能 鳥取1・鳥取2・鳥取3・鳥取4・鳥取5・鳥取6・鳥取7・鳥取8・鳥取9・鳥取10・鳥取11・鳥取12・鳥取13・鳥取14・鳥取15・鳥取16・鳥取17・鳥取18・鳥取19・鳥取20・鳥取21・鳥取22・鳥取23・鳥取24・鳥取25・鳥取26・鳥取27・鳥取28・鳥取29・鳥取30・鳥取31・鳥取32・鳥取33・鳥取34・鳥取35・鳥取36・鳥取37・鳥取38・鳥取39・鳥取40・鳥取41(主なページ:鳥取10 p.1・p.4〜7、鳥取34 p.9、鳥取35 p.45〜46、鳥取38 p.22・p.27)
中国 島根 二十世紀(ゴールド二十世紀)、幸水・豊水(施肥基準に品種区分あり)。品種構成の資料は確認できず 島根1 p.47〜48・島根2 p.54・島根3・島根4・島根5・島根6・島根7・島根8・島根9・島根10・島根11 p.20
中国 岡山 県オリジナル品種「晴香」(新高×豊水)。ほかに受粉に関して豊水・新高・愛宕・ヤーリー・ツーリーに言及。品種構成の資料は確認できず 岡山1 p.58・岡山2 p.35
中国 広島 振興品種は幸水・豊水、チャレンジ品種はなつしずく・王秋・甘太・あきづき(広島県果樹農業振興計画)。JAひろしま梨生産部会(安芸高田市、13名・3.8ha)は二十世紀を栽培 広島1 p.24・p.27・p.29〜30・広島2・広島3
中国 山口 二十世紀・幸水・豊水が主要(経営指標)。品種特性表に愛甘水・早優利・なつしずく・幸水・凜夏・ほしあかり・豊水・二十世紀・ゴールド二十世紀・おさゴールド・あきづき・南水・新高・甘太・王秋 山口1 p.92〜111・山口2
四国 徳島 幸水・豊水が中心。鳴門市から板野町にかけての平坦部で、露地栽培と簡易被覆栽培(徳島1) 徳島1
四国 香川 幸水・豊水・あきづき(いずれも赤なし)。産地は観音寺市(豊浜町) 香川1
四国 愛媛 —(品種の記載なし) 愛媛1
四国 高知 新高(施肥基準)。作業暦に幸水・多摩(早生)、豊水、新高の収穫期がある 高知1・高知2・高知3
九州・沖縄 福岡 幸水・玉水(7月下旬〜8月上旬収穫)/豊水・二十世紀・あきづき/新高・新興・王秋。県の施肥基準が3グループで分けている 福岡1・福岡2
九州・沖縄 佐賀 幸水・豊水(施肥基準の代表品種)、あきづき、新高。ジョイント栽培・加温ハウス・トンネル栽培(簡易被覆)も県の資料に出る 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7・佐賀8・佐賀9・佐賀10・佐賀11
九州・沖縄 長崎 幸水(無袋)、豊水(無袋)、あきづき(無袋)、新高(有袋)。施肥基準の品種区分には二十世紀もある。温暖化で開花不良が出やすい幸水から凜夏への改植を推進(経営類型の説明) 長崎1 p.549-557・長崎2 p.786
九州・沖縄 熊本 新高(古くからの晩生品種。みつ症・発芽不良が出やすい)、幸水、豊水、秋麗(早生の青ナシ。県イチ押しのブランドで15ha)、あきづき(荒尾で18ha(R6))、新興、甘太(晩生。県推奨品種、2.8ha)、凜夏(西南暖地でも発芽不良が少ない)、なつしずく(菊池の早生)。資料に出る産地は荒尾・菊池・球磨・八代 熊本1 p.4-6,8-9・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本12・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本22・熊本23
九州・沖縄 大分 幸水・豊水・二十世紀・新高(施肥基準の4品種)。日田では晩生の新高・晩三吉が多く老木化、あきづき・流線型仕立ての新植が進む 大分1・大分2・大分3・大分4・大分5・大分6
九州・沖縄 宮崎 幸水(樹勢やや強い)、豊水(幼木の樹勢が強い)、新興(中位)、新高(比較的強い)、晩三吉(強く大木になる)。産地は小林市と都農町で観光農園や個人直売所が中心 宮崎1 p.53-54・宮崎2・宮崎3 p.7・宮崎4
九州・沖縄 鹿児島 豊水・幸水・新高(施肥基準の品種区分)。栽培品種・産地・時期の資料は見つからず 鹿児島1 p.79,85,95-96

土壌pH・栽植本数・目標収量

地域区分 都道府県 土壌pH 栽植本数・距離(10aあたり) 目標収量(kg/10a) 出典
東北・北陸 北海道 —(なし用のpHの記載は見つからず) — 日本なし・中国なし 成木(15年生以上)の基準収量2,500kg/10a、西洋なし 成木1,500kg/10a 北海道1 p.172
東北・北陸 宮城 —(土壌条件:地下水位1m以下、有効土層70cm以上が望ましい) 肥沃地は10m×5m(20本/10a)、地力の低い土壌は7m×3.5m(約40本/10a)の互いの目。間伐後は10m×10m〜7m×7mの正方形。台木はヤマナシ・ホクシマメナシ 3,500kg/10a(経営指標・幸水・豊水等) 宮城1 p.120-151
東北・北陸 秋田 6.0(石灰資材の投入量の算定で、酸性土壌をpH6.0まで改良) 普及センター(男鹿市)の実証は5.5m×5.5m植え。栽植距離3.5〜4.5mだと7〜8年生ごろから主枝先端が交差する 県内の収量は平成2年までは10a当たり2t以上、平成14年まで約1.4〜2.0tで推移(県基準の値は記載なし) 秋田1 p.22-24・秋田2 p.81-84
東北・北陸 山形 — — 幸水2,500・豊水3,000 山形1・山形2
東北・北陸 福島 5.5〜6.5(H2O、改良目標6.2)。有効土層40cm以上、地下水位1m以下、石灰資材は2〜5年に1回100kg/10a程度 施肥基準の例は7×7m(20本/10a)の棚栽培。ジョイントV字トレリスは列間3.5〜4.0m、株間1.5〜2.0m、主枝は地上0.7〜0.8m、南北方向の樹列が原則 幸水3,500・豊水4,000(棚栽培の施肥基準の例)。「王秋」のジョイントV字は定植3〜4年目に10a当たり4,000kg(試験の値) 福島1 p.141・福島2 p.27・福島3・福島4・福島5・福島6・福島7 p.93-97・福島8・福島9・福島10・福島11
関東・東海 茨城 6.0〜6.5(水浸出、ナシ・リンゴ。塩化カリ浸出で5.5〜6.0)。有効土層60cm以上、地下水位100cm以下 慣行は1年生苗を77本/10aで植え、6〜15年のうちに38本へ間伐。早期多収の密植は115本/10a(樹間2.4m×列間3.6m)で、間伐が要らない(154本/10aは6〜7年目に間伐が必要) 幸水の成園の基準収量は3t/10a(県の目標)。県の実績は平成22年で1.9t/10a。115本/10a植えは栽植7年目に3.6t/10a 茨城1・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5・茨城6・茨城7・茨城8・茨城9・茨城10・茨城11
関東・東海 栃木 6.0〜6.5 1〜3年生80本、4〜5年生80本、6〜7年生40本、8年生以上(成木)20本(栽植本数は目安。樹冠の拡大に合わせて縮伐・間伐する) 露地・幸水 4〜5年1,000/6〜7年2,000/成木3,000。豊水・あきづき・新高 4〜5年1,200・1,300・1,300/6〜7年2,500・2,800・2,800/成木3,500・4,000・4,000。にっこり 4〜5年1,500/6〜7年3,000/成木5,000。ハウス幸水(成木)2,500 栃木1 p.106〜107・栃木2・栃木3・栃木4
関東・東海 群馬 —(取得した頁に記載なし) 未成木(7〜10年)33本、成木(12年以上)20本 未成木(7〜10年)1,500/成木(12年以上)3,000 群馬1 果樹表(ナシ)
関東・東海 埼玉 —(果樹の施肥基準に記載なし) 幸水・豊水・彩玉とも40本(表の値) 幸水3,000/豊水・彩玉4,000 埼玉1 p.76〜77
関東・東海 千葉 5.5〜6.0(火山灰土のなし園。深さは最低60〜70cm、理想100cm) 幸水15〜20本、豊水18〜31本(棚仕立て) 幸水3,000/豊水3,500〜4,000 千葉1 p.288〜297・千葉2・千葉3・千葉4
関東・東海 東京 6.0〜6.5(適正pHの維持に努める) 黒ボク土20本、灰色低地土33本 幸水2,500〜3,000/豊水・稲城3,000〜3,500/新高3,500 東京1 p.2
関東・東海 神奈川 —(取得した頁に記載なし) 18〜33本 樹齢5〜6年1,000/15年超 幸水3,000・豊水3,500 神奈川1 p.19
東北・北陸 新潟 5.5〜6.5(なしの主要根群域・表6)。石灰飽和度50〜70%、有効態リン酸20mg/100g以上 ジョイント栽培は150〜200本/10a(樹間2m×列間3mの試算)。慣行の4本主枝樹形では初結実まで5年以上、目標収量まで10年以上 —(目標収量の記載なし)。ジョイント5年目の試算は新美月・新王で3,449kg/10a(樹間2m×列間3m) 新潟1 p.30-45・新潟2 p.2-6・新潟3
東北・北陸 石川 5.5〜6.5(なし。石灰飽和度50〜80%、石灰/苦土6〜7、可給態リン酸20mg/100g以上) — — 石川1 p.29・p.52・石川2 p.2
東北・北陸 福井 6.0〜6.5(果樹園土壌の改良目標値)。有効土層50cm以上、腐植4.0%以上、石灰飽和度50〜70%、有効態リン酸20〜30mg/100g — — 福井1 p.180-185・福井2
関東・東海 山梨 —(取得した頁に記載なし) 30〜40本(成木時) 3,000 山梨1 p.94
関東・東海 長野 —(ナシ用の数値は見つからず) 樹体ジョイント仕立てで列間3m×樹間1.5〜2.0m(166〜222本/10a)。主枝の高さは棚下15〜20cm。慣行は4本主枝の改良折衷仕立て(南信農試の試験は4×4m) —(目標収量の記載なし)。南信農試の試験では「南水」ジョイントは4年生で約0.7t、5年生で約1.7t/10a(試験の値)。幸水は3年目から3〜4果/㎡で1t/10aが目安 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6
関東・東海 岐阜 主要根群域のpH(H2O)が5.5〜6.5(土壌区分により上限は7.0、適pHの目安6.0)。有効土層は厚くし、水田利用では暗渠で排水 5×5m(40本/10a)から、最終は7.1×7.1m(20本/10a)まで計画的に間伐 成木期(11〜30年生)3,000〜3,500kg/10a、結実開始〜若木期(4〜10年)300〜3,000kg 岐阜1・岐阜2 p.35
関東・東海 愛知 5.6〜6.5の範囲(壌質土は5.6〜6.4、1:2.5)。可給態リン酸30〜50mg/100g(Truog法)、腐植3〜5% 30本/10a 早生品種2,500〜3,000、中晩生品種3,000〜4,000 愛知1 p.4-5・p.18-19・愛知2
関東・東海 三重 — 7×7m(20本/10a) 幸水3,000、豊水4,000(簡易被覆の幸水も3,000) 三重1 p.38・p.44・三重2・三重3
近畿 京都 —(pH表示なし。有機物は果樹の土づくりで毎年、未熟土4t/10a以上・熟畑2t/10a以上が理想) —(傾斜度0〜8度の園を前提に指標化。栽植本数は記載なし) 二十世紀(ゴールド二十世紀)・おさゴールド4,300、新興・愛宕・幸水・豊水・早優利・凜夏3,000(成園10aあたり生産量の指標・京都2 p.17)。経営指標は二十世紀・幸水の共選共販で3.5t(京都2 p.19)。環境にやさしい農業の体系例(二十世紀)は2.5t(体系例の値・京都1 p.148) 京都1 p.146-148・京都2 p.2, 6, 11, 15, 17, 19
近畿 兵庫 5.5〜6.5(果樹園の土壌維持目標値の表・兵庫1 p.55) — — 兵庫1 p.55-59・兵庫2・兵庫3・兵庫4・兵庫5・兵庫6・兵庫7
近畿 奈良 6.0を目標に苦土石灰を施す(奈良1 p.29) — 幸水・豊水3,500、二十世紀3,000(奈良1 p.29) 奈良1 p.29
中国 鳥取 5.5〜6.5(土壌一般の適正域、手引きの記述。ナシ専用値ではない)。ナシ園の診断設定値は塩基飽和度70〜90%、CaO飽和度60〜70%、MgO飽和度10〜15%、K2O飽和度3〜7%、MgO/K2O当量比2〜5、可給態リン酸の適量は10〜40mg/100g 県の標準本数・距離の記載は確認できず。(試験の値)ゴールド二十世紀は7.1m×7.1m(3本主枝肋骨型)、慣行整枝のなつひめ5m×5m・新甘泉4m×4m(3本主枝と多主枝を交互植え)。樹体ジョイントは列間4〜5m×樹間1.5〜2.5m(苗長により、新甘泉・秋甘泉・幸水1.5m、なつひめ・夏さやか2.0m)で主枝高160cm・棚下20cmに水平に誘引。ポット苗は20L不織布ポットで10aあたり約200ポット。ジョイント樹は深耕位置を確保するため樹列間5m程度が望ましい 経営の手引き(H30)の10aあたり収量:二十世紀3.8t(既存仕立て)、新甘泉3.3t(既存)・3.5t(ジョイント)、王秋6.0t(既存)。優良園(ナシコンクール受賞園)は二十世紀約40年生4.5t、新甘泉約10年生6.0t、王秋約10年生8.0t。経営試算の収量はハウスゴールド二十世紀4,000kg、おさゴールド・ゴールド二十(網掛け・小袋1回)4,200kg 鳥取1・鳥取2・鳥取3・鳥取4・鳥取5・鳥取6・鳥取7・鳥取8・鳥取9・鳥取10・鳥取11・鳥取12・鳥取13・鳥取14・鳥取15・鳥取16・鳥取17・鳥取18・鳥取19・鳥取20・鳥取21・鳥取22・鳥取23・鳥取24・鳥取25・鳥取26・鳥取27・鳥取28・鳥取29・鳥取30・鳥取31・鳥取32・鳥取33・鳥取34・鳥取35・鳥取36・鳥取37・鳥取38・鳥取39・鳥取40・鳥取41(主なページ:鳥取10 p.1・p.4〜7、鳥取34 p.9、鳥取35 p.45〜46、鳥取38 p.22・p.27)
中国 島根 5.5〜6.5(果樹園・ナシの診断基準、H2O)。塩基飽和度は非火山灰土50〜70%・火山灰土(黒ボク)40〜60%、可給態リン酸は非火山灰土20〜100・黒ボク10〜100mg/100g — — 島根1 p.47〜48・島根2 p.54・島根3・島根4・島根5・島根6・島根7・島根8・島根9・島根10・島根11 p.20
中国 岡山 5.5〜6.5(作物別の好適土壌pH、ナシ) — — 岡山1 p.58・岡山2 p.35
中国 広島 樹園地の診断基準(1983、ナシ専用ではない)は砂質土・壌〜粘質土5.5〜6.0、黒ボク5.5〜6.5(H2O) — 経営指標(生産量):幸水3,200kg、豊水3,600kg(無袋・露地栽培・ジョイント仕立て・スピードスプレーヤ、労働時間は各221時間/10a)。県の面積と生産量はH30の138ha・2,680tから令和12年度の目標145ha・3,800t 広島1 p.24・p.27・p.29〜30・広島2・広島3
中国 山口 —(ナシの土壌pHの数値は記載なし)。土づくりは深耕と有機物補給(山野草2t・牛ふん堆肥1t/10a)、苦土石灰100〜200kg/10a 改良むかで整枝は樹間3m・約100本/10a、樹体ジョイント改良むかで整枝は樹間2〜2.5m・130〜160本/10a、樹体ジョイント整枝は樹間1.5〜2m・約200本/10a・主枝高160cm、慣行の3本主枝は約50本/10a。慣行の樹間は記載なし 生産目標(10aあたり):二十世紀3,500kg(着果約11,000、精果率90%、1果重320〜360g、糖度11度以上)、幸水3,200kg(約10,000果、300〜330g、12度以上)、豊水3,800kg(約12,000果、330〜360g、13度以上)。経営指標の出荷量は二十世紀3,150kg、幸水2,880kg、豊水3,420kg 山口1 p.92〜111・山口2
四国 愛媛 — — 3,000(表の目標収量t/10a) 愛媛1
四国 高知 5.5〜6.5を目安に調整(高知1)。12月に苦土石灰で矯正(高知2)。高知3は苦土石灰10aあたり160kgを目安 — 新高3,000(高知1) 高知1・高知2・高知3
九州・沖縄 福岡 5.5〜6.5(落葉果樹・露地の土壌改善目標、ナシ。非火山灰土・火山灰土とも) 幸水・玉水・豊水・あきづき・新興: 20本(7m×7m)。二十世紀・新高: 15本(8m×8m) 幸水・玉水3,000/豊水・二十世紀・あきづき4,000/新高・新興・王秋5,000 福岡1・福岡2
九州・沖縄 佐賀 5.5〜6.5(ナシ土壌診断基準の適正域。pH 4.5未満・7.5以上は不足・過剰の目安。酸性が進んだ園は石灰で矯正する) 平棚3本主枝: 列間6m×樹間3mで10aあたり約50〜60本。ジョイント栽培: 列間3m×樹間2mで約150〜170本 —(佐賀1は「早熟栽培体系に適合した収量」を設定したと述べるが目標収量の数値は無い。幸水・豊水の収量別施肥量は1〜4tの表) 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7・佐賀8・佐賀9・佐賀10・佐賀11
九州・沖縄 長崎 —(資料に記載なし。有機物は完熟たい肥2t/10a、石灰質資材は土壌診断で施用) —(資料に記載なし)。主枝数は3本 経営類型の着果数・収量の目安: 幸水10,000果×350g=3,500kg、豊水10,000果×400g=4,000kg、あきづき8,000〜9,000果×450〜500g=4,000〜4,500kg、新高(有袋)6,000果×800g=4,800kg。施肥基準の目標収量区分: 幸水2t・豊水3t・新高3t・二十世紀3t、または幸水3t・豊水4t・新高4t・二十世紀4.5t 長崎1 p.549-557・長崎2 p.786
九州・沖縄 熊本 —(ナシの値は施肥ガイドの果樹の項に記載なし) —(資料に記載なし) —(施肥基準に収量の記載なし)。秋麗の適正着果数は本摘果後に側枝1mあたり4果(試験の値) 熊本1 p.4-6,8-9・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本12・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本22・熊本23
九州・沖縄 大分 樹園地の土壌改良は、開園時に石灰質肥料を多量施用してpH(H2O)6.5を目標(ミカン・なし・ぶどうなどの果樹。改良深30cm)、以後逐次補給(大分2) 施肥基準は「当初植栽数82本/10a」の表。流線型仕立ては3.5m×2.5mで約100本(慣行の平棚は約30本) 幸水3,000(12年以上)/豊水4,400/二十世紀3,500/新高4,500(いずれも施肥基準表の最上段。流線型仕立てのあきづきの目標収量は5t、成園の目安は約4t) 大分1・大分2・大分3・大分4・大分5・大分6
九州・沖縄 宮崎 5.5〜6.0(H2O、好適範囲) —(資料に記載なし) 施肥基準の目標収量区分は1t・2t・3t/10a。県の果樹農業振興計画の経営類型(なし・露地50a)は単収2,700kg/10a 宮崎1 p.53-54・宮崎2・宮崎3 p.7・宮崎4
九州・沖縄 鹿児島 5.5〜6.5(H2O)、5.0〜6.0(KCl)(土壌診断基準。非火山灰土・火山灰土とも) —(資料に記載なし) 豊水・幸水 2,000kg、新高 4,000kg 鹿児島1 p.79,85,95-96

施肥量と施肥の時期

地域区分 都道府県 年間施肥量 N-P2O5-K2O(成木・kg/10a) 施肥の時期と配分 出典
東北・北陸 北海道 日本なし・中国なし:成木16-10-13、若木(10年生前後)9-6-7、幼木(5年生前後)6-4-5。西洋なし:成木12-8-10、若木7-5-6、幼木4-3-3(N-P2O5-K2O) 肥料は融雪直後に全面施用。土壌診断は前年秋に行う。熱水抽出性窒素が3.0未満なら基肥N16(日本なし)・3.0〜5.0を標準、5.0以上ならN10に減らす。リン酸・カリも土壌診断値で10〜7、13〜9に減らす 北海道1 p.172
東北・北陸 青森 — 追肥は6月中旬に標準施肥量の約2割。なし成木(11年生以上)で10aあたり窒素3・リン酸1.2・カリ2.4kgが目安(青森1。西洋なしと共通の項) 青森1・青森2
東北・北陸 宮城 N24-P2O5 12-K2O 20(成木。表の基肥欄の窒素は「20〜25kg」と書かれ、合計24kgとずれる) 基肥は11〜12月、追肥(N5kg)は9月下旬 宮城1 p.120-151
東北・北陸 秋田 年間Nは県基準で18kg以下(県中央部の実測平均は25kg/10a、7割の園が20kg以上で基準超え)。低樹勢の園は有機物の投入を増やし、年間Nを18kg以下に削減 —(年間Nの時期別配分の記載なし) 秋田1 p.22-24・秋田2 p.81-84
東北・北陸 山形 N20-P2O5 8-K2O 16(幸水・豊水の基肥の合計) 前年の9月下旬〜10月上旬に全量基肥 山形1・山形2
東北・北陸 福島 幸水・豊水とも N20〜25-P2O5 10-K2O 10(地帯区分1。成木)。1樹当たりNは1年生80〜100g、3年生240〜300g、5年生400〜500gを標準とし、P2O5とK2OはNの70〜80% 秋肥(9月)N5〜10+冬肥(11〜12月)N15。他の地帯区分は、区分2が秋肥5〜10+冬肥10、区分3が秋肥5〜10+春肥(2〜3月)10+追肥(6月)5、区分4が秋肥5〜10+春肥8。地帯区分3で肥切れする土壌は夏にカリも追肥。7〜8年生から成木の量を全面散布 福島1 p.141・福島2 p.27・福島3・福島4・福島5・福島6・福島7 p.93-97・福島8・福島9・福島10・福島11
関東・東海 茨城 幸水(基肥+追肥・礼肥の合計、N-P2O5-K2O): 黒ボク土20-16-16(基肥N10+追肥N10)、沖積土(粘質)21-16-16(N10+11)、沖積土(砂壌質)25-15-20(N12+13)。幸水以外: 黒ボク土25-20-20(N20+5)、沖積土(粘質)21-16-16(N16+5)、沖積土(砂壌質)25-15-20(N20+5)。リン酸・カリは基肥のみ 診断基準の交換性塩基は、淡色黒ボク土で石灰320〜350・苦土40〜50・カリ40〜50mg/100g、石灰飽和度55〜60%、苦土飽和度9〜12%、カリ飽和度4〜5%、有効態りん酸10mg/100g以上(茨城5) 茨城1・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5・茨城6・茨城7・茨城8・茨城9・茨城10・茨城11
関東・東海 栃木 露地・成木 幸水20-13-18(基肥15-13-15+追肥5-0-3)、豊水・あきづき・新高20-13-20(全量基肥)、にっこり20-13-18。ハウス幸水(成木)20-13-18(基肥15-13-15+追肥5-0-3)。黒ボク土が基準で、黒ボク土以外はNを10〜15%増やす 基肥は3月(露地、図から読み取り。ハウス幸水は1月)、幸水の追肥(礼肥)は収穫終了直後の9月。豊水以降の中晩生品種は全量基肥とし、追肥(礼肥)はしない。オガクズ牛ふん堆肥を成木で2,000kg施用する場合は、基肥から窒素1.4kg・りん酸8.0kg・加里16.4kgを差し引く。苦土炭カルは結果樹で60〜80kg 栃木1 p.106〜107・栃木2・栃木3・栃木4
関東・東海 群馬 幸水・成木(12年以上)22-18-18(基肥12-18-9+追肥4-0-2+追肥6-0-7)。未成木(7〜10年)10-8-10。他品種の成木のN量は二十世紀15kg、豊水22kg 基肥は11月、追肥は5月と9月(礼肥)(図から読み取り)。火山灰土壌ではりん酸施肥量を20%程度増やす。牛ふん堆肥は2t/10a施用し、減肥量を基肥から差し引く 群馬1 果樹表(ナシ)
関東・東海 埼玉 幸水15-6-10(基肥7-6-6+追肥4-0-4+追肥4-0-0)、豊水・彩玉15-6-10(基肥7-6-6+追肥2-0-2+追肥2-0-2+追肥4-0-0) 幸水は基肥3月上旬、追肥5月上中旬、追肥9月上旬。豊水・彩玉は基肥3月上旬、追肥5月上中旬、追肥6月上旬、追肥9月中下旬。基肥を秋冬期から3月上旬に移すと凍害を防げる。良質堆肥1t/10aを施用(家畜ふん堆肥は春先) 埼玉1 p.76〜77
関東・東海 千葉 幸水(県内全域・火山灰土)23-20-12、同(上総・安房の第三系粘質土)23-10-12、同(千葉中央・九十九里の砂質土・壌質土)25-15-17。豊水は火山灰土20-20-12、第三系粘質土20-10-12、砂質土・壌質土25-15-17 基肥(11月下旬〜12月上旬)と秋肥(9月上旬)に重点。幸水・火山灰土はN 基肥11+5月上旬3+6月上旬3+秋肥6。砂質土・壌質土はN 基肥7.5+4月下旬5+6月中旬5+秋肥7.5。豊水・火山灰土はN 基肥12+秋肥8(追肥は秋肥のみ)。追肥は4月中旬〜6月中旬。りん酸・加里は土壌診断のうえ、過剰傾向のため減らしてよい 千葉1 p.288〜297・千葉2・千葉3・千葉4
関東・東海 東京 黒ボク土22-18-16(基肥15-13-6+追肥(1)2-0-5+追肥(2)5-5-5)、褐色森林土・灰色低地土22-15-16(基肥13-10-6+追肥(1)4.5-0-5+追肥(2)4.5-5-5)。堆肥2,000kg 追肥(1)は5月中旬〜6月中旬、追肥(2)は8月下旬〜9月中旬(幸水は収穫直後に行うよう努める)、基肥は12月(図から読み取り。図の基肥★は1月上旬にも1か所ある)。新高は追肥(2)を樹勢に応じて10〜20%増肥。発芽不良が心配される場合は基肥時期を遅らせる 東京1 p.2
関東・東海 神奈川 15年超(幸水3,000・豊水3,500)火山灰土20-16.8-20、沖積土22-13.2-22。春肥主体の場合は火山灰土20-16.2-20、沖積土22-13.2-22。5〜6年(1,000)は8-4.8-8(沖積土は8-4.8-8、春肥主体は8-4.3-8) 基肥①は2月、追肥②は5月、礼肥③は9月、基肥④は11月(図から読み取り)。火山灰土の15年超でN 10+3+3+4(計20)。春肥主体の場合は11月基肥を行わず、必要に応じて土壌改良のみとし、2月の基肥で配合肥料として施肥する。基肥④は有機質主体、基肥①は配合肥料、生育期の追肥と礼肥は速効性肥料が望ましい 神奈川1 p.19
東北・北陸 新潟 —(なしの施肥量の記載なし。果樹共通の考え方のみ) 基肥は一般に11〜3月(秋肥・冬肥・春肥)。豪雪地帯は融雪後の施肥より降雪前の施肥のほうが冬季の流亡が多いので注意。追肥・礼肥は樹勢回復や貯蔵養分の増加が目的で、過用は枝の成熟を遅らせ寒害を受けやすい 新潟1 p.30-45・新潟2 p.2-6・新潟3
東北・北陸 石川 (持続性農業の導入指針の慣行レベル)化学肥料のNで30kg/10a 流亡率が高い冬基肥の体系から、秋肥+春肥の体系へ変更してN施用量を減らす方向(導入指針)。堆肥は2〜3t/10a、肥効調節型肥料・有機質肥料の利用 石川1 p.29・p.52・石川2 p.2
東北・北陸 福井 幸水・豊水 成木(11年生以上)N20-P2O5 15.5-K2O 17.5。二十世紀 成木 N16-P2O5 12.4-K2O 14.0。(樹齢別:幸水・豊水は2〜4年N5、5〜7年N12、8〜10年N16。二十世紀は2〜4年N5、5〜7年N10、8〜10年N14) 幸水・豊水の成木(N20):基肥11〜12月N12+追肥3月上旬N2+6月上旬N2+9月中旬N4。二十世紀の成木(N16):基肥11〜12月N9.6+3月上旬1.6+6月上旬1.6+9月中旬3.2 福井1 p.180-185・福井2
関東・東海 山梨 成木18-14-16(砂壌土は追肥を加えて22-14-20)。樹齢別は1〜3年6-4-5、4〜6年12-6-8(苦土石灰40)、成木18-14-16(苦土石灰80) 成木:11月中旬に基肥N12-P10-K11、9月中旬に追肥N6-P4-K5、10月下旬に苦土石灰80kg、6月下旬の追肥(N4・K4)は砂壌土の場合のみ。基肥は有機質肥料を主体にする 山梨1 p.94
関東・東海 長野 N12〜20-P2O5 4〜8-K2O 10〜16(長野県施肥基準。樹齢などの区分は記載なし) 施肥時期の配分は県施肥基準に記載なし。ジョイント苗の育成中(ポット苗)は5〜8月に毎月1回、1回N2〜3g/樹(合計8〜12g)を追肥 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6
関東・東海 岐阜 N28.0-P2O5 40.0-K2O 12.0(基肥N19.6・P2O5 28.0・K2O 8.4、追肥N8.4・P2O5 12.0・K2O 3.6) 基肥は11月下旬、追肥は9月上旬(技術体系の図から読み取り)。牛糞主体の完熟堆肥を1,000〜2,000kg/10a、大量に使うときはカリ過剰に注意 岐阜1・岐阜2 p.35
関東・東海 愛知 早生:N24-P2O5 20-K2O 16。中晩生:N30-P2O5 23-K2O 16 早生:基肥(11月上旬〜12月下旬)N12-P14-K4、追肥1(5月中旬)6-0-6、追肥2(9月上旬・収穫直後)6-6-6。中晩生:基肥(11月上旬〜12月下旬)13-17-4、追肥1(5月中旬)6-0-6、追肥2(7月上旬)5-0-0、追肥3(9月上旬〜10月下旬・収穫後すぐ)6-6-6。晩生品種のみ8月中旬にも追肥。未結果樹は年間量を3・5・7・10月の4回に分ける 愛知1 p.4-5・p.18-19・愛知2
関東・東海 三重 露地の幸水N22-P2O5 18-K2O 20、豊水N25-P2O5 18-K2O 22、簡易被覆の幸水N25-P2O5 22-K2O 18。樹齢別(目標収量)は3〜5年生700kgでN10-6-6、6〜8年生1,500kgで15-10-12、9〜11年生2,500kgで18-14-16 露地の幸水:基肥N15(P2O5 18・K2O 16)、礼肥N7(K2O 4)。露地の豊水:基肥N13+追肥5+礼肥7(P2O5 18、K2O 11+7+4)。簡易被覆の幸水:基肥15+追肥5+礼肥5。砂質土壌は2割多く、5月中旬に追肥。眠り症を懸念するなら基肥を2〜3月にして窒素の遅効きに注意 三重1 p.38・p.44・三重2・三重3
近畿 滋賀 — 果樹一般の記述として、牛豚糞堆肥は10月頃から土壌表面に散布し11月の深耕時に土中へ混和すると春の根の養分吸収期と肥効が合う。これ以上遅く施すと遅効きになり発芽が遅れやすい。なし・かきの深根性果樹には根の分布位置に合わせた局所施肥が有効。成木園は散布場所を限定するか軽く表土と混和する(滋賀2 p.39。なし専用の施肥量表はない) 滋賀1 p.123-128, 135・滋賀2 p.39
近畿 京都 成木(10年生以上)の体系例でN15.4-P2O5 6.72-K2O 7.84(環境にやさしい農業の体系例の値・京都1 p.148)。基準としての施肥基準ではない 体系例(二十世紀): 年間施用量の90%を基肥として12月に表層施用、収穫後ただちに速効性肥料を10%施用。ただし同じ頁の表では12月上旬の有機化成にN11.2、10月上旬の硫安にN4.2で、配分は約73:27になり本文の90:10と合わない。土づくり資材は10月中旬(苦土石灰150kg/10a・リン酸質資材120kg/10a)。慣行体系の図では追肥3月、礼肥10月、土壌改良10月、基肥12月(図から読み取り・京都1 p.147-148) 京都1 p.146-148・京都2 p.2, 6, 11, 15, 17, 19
近畿 大阪 (特別栽培の慣行レベル)チッソ14kg・リン酸14kg(単位面積の表記は表になく、カリの欄もない)。慣行の農薬成分回数19回 — 大阪1
近畿 兵庫 —(施肥量の記載なし) 堆肥(牛糞堆肥基準)は10月下旬〜11月中旬に2〜3t/10a。堆肥の窒素は気温上昇で夏に無機化が盛んになるので、成熟期が夏の樹種は時期・量に注意。堆肥量に合わせて化成肥料は減らす(兵庫1 p.56) 兵庫1 p.55-59・兵庫2・兵庫3・兵庫4・兵庫5・兵庫6・兵庫7
近畿 奈良 幸水・豊水25.0-20.0-20.0、二十世紀20.0-17.0-17.0(奈良1 p.29) 幸水・豊水: 元肥11月中旬 14-14-14、追肥5月中旬 4-0-3、礼肥9月下旬 7-6-3。二十世紀: 元肥11月中旬 14-12-12、追肥6月中旬 2-0-2、礼肥10月上旬 4-5-3(N-P2O5-K2O・奈良1 p.29) 奈良1 p.29
中国 鳥取 県の施肥基準の数値は資料で確認できず。県内実績(二十世紀、改良資材のリン酸を除く)は1958年29-21-26、1978年16-12-11、1991年19-13-12、2008年21-14-13kg/10a。リン酸は窒素の6割を基準にしてきた。(特別栽培の慣行レベル・施肥基準ではない)化学肥料の窒素は二十世紀9.1、新甘泉・秋甘泉・なつひめ9.8、王秋10.0kg/10a。(試験の値)おさゴールドの慣行体系は6年生の6.0から年1kgずつ増やして15年生以降15kg/10a。堆肥のみの特別栽培試験はN10kg/10a(場内産堆肥)。ナシの吸収量は二十世紀でN16.2-P2.7-K16.2kg(島根農試1986の引用) (試験の値)おさゴールドの慣行体系の窒素配分は9月中下旬20%、11月下旬の元肥40%、2月中旬15%、3月下旬15%、6月上旬10%。元肥を省いても11年間、果重・果色・糖度・収量に影響なし。夏さやかは耐寒性が低く、秋施肥が遅い(11月上旬)と翌春の初期生育が劣り、4倍量(N3.6kg/10a、速効性)では紫変色枝枯症が出た。深耕・土壌改良はおさゴールドで10月下旬〜11月上旬が適期(大玉)、王秋は収穫期の10月下旬〜12月中旬のいずれでも品質に影響なし。リン酸は可給態40〜70mgで施肥リン酸を半量・土壌改良材は無施用、70mg以上で両方無施用の減肥目安(県内樹園地は可給態リン酸が高く蓄積)。堆肥2t(N1.9%)の窒素は年内に約4kg、翌年に約1kg有効化 鳥取1・鳥取2・鳥取3・鳥取4・鳥取5・鳥取6・鳥取7・鳥取8・鳥取9・鳥取10・鳥取11・鳥取12・鳥取13・鳥取14・鳥取15・鳥取16・鳥取17・鳥取18・鳥取19・鳥取20・鳥取21・鳥取22・鳥取23・鳥取24・鳥取25・鳥取26・鳥取27・鳥取28・鳥取29・鳥取30・鳥取31・鳥取32・鳥取33・鳥取34・鳥取35・鳥取36・鳥取37・鳥取38・鳥取39・鳥取40・鳥取41(主なページ:鳥取10 p.1・p.4〜7、鳥取34 p.9、鳥取35 p.45〜46、鳥取38 p.22・p.27)
中国 島根 二十世紀(ゴールド二十世紀)成園は窒素15〜20・リン酸10〜12・カリ15〜18kg/10a(石灰40〜50、苦土15〜20)。幸水・豊水は窒素20〜25・リン酸15〜20・カリ15〜20kg/10a。未成園の窒素は1年生60〜80g/樹、2年130〜160、3年190〜240、4年260〜320、5年320〜400で、リン酸・カリは窒素の70〜80%、10aあたりが成園量に達したらそれ以上増やさない。ナシの年間吸収量は二十世紀でN7.5・P2O5 3.0・K2O 11.4kg/10a(農業技術センター試験成績) 二十世紀の窒素配分は11〜12月(有機質主体)40%、2月上旬(速効性)20%、6月上〜中旬15%(窒素過多は品質低下、葉色で量を決める)、9月中旬15%、10月上旬10%。リン酸は11〜12月に全量、カリは40・10・30・10・10%。幸水・豊水は窒素40・20・20・10・10%で、幸水は根が弱いため礼肥を2回程度に分ける。冬の降水が多く窒素が春前に流亡しやすいとして、元肥を1〜2月と3月に分施する例を紹介 島根1 p.47〜48・島根2 p.54・島根3・島根4・島根5・島根6・島根7・島根8・島根9・島根10・島根11 p.20
中国 山口 二十世紀の成木(収量4,000kg園を基準)は窒素15.0・リン酸13.0・カリ13.0kg/10a(有機質資材2,000kgの施用に努め、苦土石灰100〜200kg、肥沃地は10%減・やせ地は20%増)。幸水・豊水の成木は19.5-13.0-15.6kg/10a。二十世紀の幼木は1〜2年生4-3-3、3〜5年生7-4-5、5〜15年生10〜12-6〜8-8〜10kg/10a 二十世紀の配分は秋肥(9月中下旬)が窒素20%・カリ20%、元肥(11月中旬)が窒素70%・リン酸100%・カリ60%、春肥(2月下旬)が窒素10%・カリ20%。作業表では秋肥は収穫終わりの10日前頃から、元肥は11月中旬までに施し、老木園など樹勢の弱い園は6月に年間量の15%程度を追肥。幸水・豊水は秋肥15%・元肥55%・春肥15%・夏肥(6月上旬)15%。温暖化による発芽不良が出る園は窒素肥料・堆肥の散布を春(3月)に移す 山口1 p.92〜111・山口2
四国 愛媛 3,000kg: 20-15-17(基肥11-8-9/夏肥3-2-3/秋肥6-5-5) 基肥12月中旬(N55%)/夏肥6月上旬(N15%)/秋肥9月中旬(N30%)(N量11:3:6から算出) 愛媛1
四国 高知 新高3,000kg(成木): 36-19-41(高知1)。高知3の施肥例は40.6-44.8-31.2(有機配合肥料などの組合せ) 高知1: 基肥12〜1月 26-13-26(有機質肥料・緩効性肥料主体)/追肥① 3月 3-2-2/追肥② 6〜7月 3-2-8/礼肥 収穫終了直後 4-2-5。高知3: 12月下旬の基肥・3月中旬・6月下旬・収穫直後の4回。玉肥は徒長枝の止まり具合を見て施用(高知1)。元肥は苦土石灰が十分に溶けてから施用(高知3) 高知1・高知2・高知3
九州・沖縄 福岡 幸水・玉水3,000kg: 22-16-20(10年以上)。豊水・二十世紀・あきづき4,000kg: 22-16-20(12年以上)。新高・新興・王秋5,000kg: 22-18-20(15年以上)。収量別に幸水は2,000kgで11-8-10、豊水群は2,000kgで11-8-10、新高群は3,000kgで18-15-16など 幸水・玉水(N22の配分): 基肥2月上中旬 N60%(緩効性)・P100%・K60%/追肥4月中旬 N20%/礼肥8月下旬 N10%・9月下旬 N10%(追肥・礼肥は速効性)。豊水・二十世紀・あきづき: 基肥2月上中旬 N60%/追肥4月中旬10%・6月上旬10%/礼肥9月中旬20%。新高・新興・王秋: 基肥2月上中旬 N70%/追肥4月中旬10%・6月中旬20%。深耕は幸水で9月中旬〜10月中旬、豊水で10月中下旬 福岡1・福岡2
九州・沖縄 佐賀 幸水・豊水(収量別): 1t 6-4-4/2t 16-10-10/3t 22-12-14/4t 26-14-16。3t(22-12-14)が配分の例 (3tの例)春肥30%: 開花の1か月前、緩効性肥料/玉肥10%: 満開1か月後、緩効性肥料(豊水は若木・着果が少ない場合は玉肥を行わない)/礼肥20%: 収穫直後、緩効性肥料/秋肥40%: 収穫1か月後〜9月末までに速効性肥料を2回に分施(施設栽培は9月中旬までに終了)。秋肥は9月末までに終えて11月中旬には落葉させる(佐賀6)。※佐賀6(2016頃)は礼肥10%・秋肥30%と書き、佐賀1と配分が異なる 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7・佐賀8・佐賀9・佐賀10・佐賀11
九州・沖縄 長崎 幼木: 未結果樹 N4-P2O5 3-K2O 4、結果樹 12-10-11。成木 20-16-18。品種・収量別(t/10a)は幸水2t・豊水3t・新高3t・二十世紀3tで 16-13-14、幸水3t・豊水4t・新高4t・二十世紀4.5tで 20-16-18。経営類型の例は配合肥料(N8%)200kg/10a(N16kg相当、計算値) 春肥2月上旬 N80%・P2O5 100%・K2O80%、礼肥8月下旬〜9月上旬 N20%・K2O20%。夏肥(6月中〜下旬)を施す場合は春肥N80%・夏肥N10%・礼肥N10%(K2Oも同じ。樹勢の弱い園で施用)。経営類型では春肥N80%・礼肥N20%(春肥は幸水2/上・他は2/中、礼肥は幸水8/下・豊水とあきづき9/中・新高10/中)。温暖化で秋の基肥は花芽の耐凍性を下げて発芽不良のおそれがあるため春肥に上乗せし、夏肥・礼肥は速効性肥料。完熟たい肥2t/10aは11〜1月、苦土入りカキガラ石灰100kgは11月 長崎1 p.549-557・長崎2 p.786
九州・沖縄 熊本 新高の県施肥基準 N28kg/10a(P2O5・K2Oの値は資料に記載なし)。試験の値: 豊水N16.1kg(慣行比-30%)、幸水(トンネル)N18.4kg(-20%)。(特別栽培の慣行レベル)化学肥料N23kg/10a 元肥は11月中・下旬と2月下旬〜3月上旬(春肥)に分施。11月に年間量のほとんどを施す園もあるが、春までに流亡して効果・環境負荷の面で課題で、早すぎると秋冬の高温で遅効きし耐凍性が下がるおそれがある。実肥(玉肥)は5〜7月(品種で異なる)、礼肥は収穫直後(8月中旬〜10月)。新高は分施でみつ症(ヤケ果)が減り増収も期待できる(試験は有機配合肥料を年5回分施)。新高の7月追肥はNとKを年間施肥量の10%(樹勢の強い樹や着果が少なく新梢が多い樹は減肥または控える)。肥効調節型肥料は豊水・幸水とも11月下旬に年1回施用(試験)。割合の配分表は資料にない 熊本1 p.4-6,8-9・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本12・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本22・熊本23
九州・沖縄 大分 慣行化成肥料を使う場合(N-P2O5-K2O、成木): 幸水(3,000kg・12年以上)29-21-23/豊水(4,400kg)33-23-26/二十世紀(3,500kg)24-17-19/新高(4,500kg)35-25-28。若木は幸水2年生10-7-8、3年生13-9-10など樹齢別 幸水: 12月上旬40%+(2月下旬・5月上旬・8月下旬・9月下旬 各15%)。豊水: 12月上旬40%+(2月下旬・5月上旬・9月下旬・10月中旬 各15%)。二十世紀: 12月上旬40%+(2月下旬20%・5月上旬10%・8月下旬15%・9月下旬15%)。新高: 12月上旬40%+(2月下旬・5月上旬・7月上旬・10月中旬 各15%)。若木(2〜3年)は60%を2月〜7月上旬に3〜4回分施。肥効調節型肥料を使う場合は慣行年間施肥量の約80%(N換算)を11月上旬に施用。堆きゅう肥3t/10aを投入の基準 大分1・大分2・大分3・大分4・大分5・大分6
九州・沖縄 宮崎 非火山灰土 1t: 5-4-5、2t: 11-10-11、3t: 20-15-20。火山灰土 1t: 5-4-5、2t: 10-9-10、3t: 13-13-13。苦土石灰は非火山灰土60kg・火山灰土100kg、熔燐は40kg・60kg、堆きゅう肥4t(いずれも10aあたり)。(特別栽培の慣行レベル)化学肥料N 幸水13・豊水16・新興18 結果樹: 基肥(11〜12月)N60%・P2O5 100%・K2O60%、秋肥(8月下旬〜9月上旬)N40%・K2O40%(N:P2O5:K2Oの三要素比は基肥10:17:10・秋肥10:0:10)。晩生種は夏肥(7月上旬)として秋肥の50%を分施。未結果樹: 基肥(11〜12月)N60%・P2O5 100%・K2O60%、春肥(4月上旬)・夏肥(7月上旬)は各N20%・K2O20%、リン酸は全量基肥 宮崎1 p.53-54・宮崎2・宮崎3 p.7・宮崎4
九州・沖縄 鹿児島 結果樹(kg/10a)豊水・幸水 N14-P2O5 11-K2O 11、新高 28-22-22。堆肥は牛ふん主体2,000kg。未結果樹(g/樹)1年生40-25-20、2年生50-30-25、3年生60-35-30 結果樹: 幸水・豊水は初秋肥(9月上旬)20%・秋肥(10月下旬)50%と(11月中旬)30%(N・P2O5・K2Oとも同じ割合)。新高は春肥(2月下旬)20%・夏肥(6月上旬)20%・秋肥(10月下旬)40%・(11月中旬)20%。未結果樹(幸水・豊水・新高)は春肥2月中旬30%・初夏肥5月中旬20%・初秋肥9月中旬20%・秋肥11月上旬30%。発芽不良が出た幸水・豊水は春肥3月100%、または春肥3月80%+秋肥9月20%。養分吸収はNとKで5月に最大、7月に第2のピーク、8月に一時低下、9月以降落葉期まで多いため、5月までと9月の収穫後を十分に施し6〜8月は肥効をなるべく抑える 鹿児島1 p.79,85,95-96

仕立て・せん定・受粉・摘果・袋かけ・新梢管理

地域区分 都道府県 仕立て・せん定の時期 受粉・摘果・袋かけ・新梢管理 出典
東北・北陸 北海道 — 土壌管理は部分草生を原則とする 北海道1 p.172
東北・北陸 青森 将来使う枝以外の徒長枝は基部から除く。枝が柔らかい6月ごろに主枝候補枝と更新枝を30度前後に誘引(青森1) 予備摘果は落花5日後ごろから、2〜4番果のうち肥大・形のよい1果を残す。主枝・亜主枝の延長枝、枝ずれする位置、上向きの果実は全て摘果。仕上げ摘果は落花15日後ごろから始め、遅くとも25日後までに終える。幸水は3〜4頂芽に1果。芽かきは新梢が5〜10cmの5月下旬ごろまで。植物生長調整剤を満開30〜40日後に果梗へ塗ると熟期を早められる(青森1) 青森1・青森2
東北・北陸 宮城 棚仕立て。杯状形(二十世紀向き)または折衷式(幸水・豊水向き)。主枝は地上40〜50cmで3〜4本(折衷式は2〜4本で幹長80〜90cm)。定植は秋が基本、定植時に苗の根を浸漬。高接ぎ更新の接ぎ木は切り接ぎが3月上旬から、腹接ぎが4月 人工受粉(開花は幸水4/28〜5/10、豊水4/24〜5/6、二十世紀4/26〜5/8など)。摘蕾は開花前・つぼみが白くなり始める頃。摘果は受粉3週間頃までに1果そう1果、45日頃までに仕上げ。着果量は幸水・豊水14,000個/10a、二十世紀18,000個、新水・南水11,000個。二十世紀は小袋掛けが受粉後15〜30日、大袋は6月中〜下旬。新梢誘引は6月下旬〜7月中旬(予備枝利用の幸水は必須)、新梢整理は7月下旬以降、芽かきは開花後 宮城1 p.120-151
東北・北陸 秋田 側枝は骨格枝の両側にクシの歯状に配置。幸水は側枝を原則3年(長くても4年)、豊水は4〜5年で更新。予備枝は骨格枝片側1mに2本、太さ1cm前後・長さ30〜40cm。主枝先端は棚面より30〜40cm高く、上芽で強く切り返す。縮伐・間伐は永久樹と間伐樹を区別。3〜4年生の大苗を育てて移植する早期更新 芽欠きは開花期〜新梢伸長初期。新梢の間引きは伸長停止前まで。新梢誘引は6月下旬〜7月上旬。幸水の着果数は日当たり良好・樹勢やや強・葉数多で1㎡あたり12〜13果、日当たり不良・樹勢やや弱・葉数少で3果以下。受粉は手受粉や毛ばたき式の人工受粉機 秋田1 p.22-24・秋田2 p.81-84
東北・北陸 福島 棚栽培が基本。ジョイントV字トレリスは苗を2.5m程度に切り戻さず定植(12月下旬まで)、3月下旬〜4月上旬に接ぎ木、側枝間隔は「王秋」30cm・「甘太」40cmを目安、3〜5年を目安に側枝更新、冬季せん定は2月頃(くさび形の切込みもこの時期)、秋期せん定は収穫後〜落葉前 ジョイントV字は定植1〜2年目は着果させず側枝養成。着果は3年目2,000〜3,000果/10a、4年目4,000〜5,000果、5年目以降「甘太」「王秋」は8,000果/10a(側枝1本当たり約5果/m)。摘心は5月と7月、新梢誘引は6月下旬〜7月上旬、環状剥皮や芽傷は発芽10日後(4月上旬)。幸水の裂果は新梢の停止が遅い年は出にくい(令和5年は発生なし、平年2.7%)。袋かけは資料に記載なし 福島1 p.141・福島2 p.27・福島3・福島4・福島5・福島6・福島7 p.93-97・福島8・福島9・福島10・福島11
関東・東海 茨城 密植(115本/10a)の幸水は1本主枝または2本主枝整枝。2本主枝は樹冠拡大が早く、どちらも栽植6年目でほぼ3t/10a。せん定時間(誘引・棚付け・塗布剤まで)は1本主枝169時間/10a、2本主枝222時間/10a。主枝基部は新梢が多発するので芽かき・摘心が要る 人工受粉が主で、ミツバチ放飼による交配もある。花粉採取用の花蕾は花弁が風船状の時期が適期で、採枝は開花4〜5日前が標準。切り枝は開花直前5日前に採り、ハウスで促成する(最大7〜10日前に採る現地事例あり)。開葯は20〜25℃・湿度30〜50%・10〜12時間。10aあたり必要な花粉は粗花粉60〜90g、純花粉20g程度(授粉2〜3回の想定)。ミツバチは1群(約1万匹)で30〜40aの受粉が可能。降ひょう後は丁寧に摘果して良果を残す(果軸の損傷はコルク化し軸折れの原因になる、特に豊水) 茨城1・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5・茨城6・茨城7・茨城8・茨城9・茨城10・茨城11
関東・東海 栃木 —(栃木の施肥基準に仕立て・せん定の記載なし) —(施肥基準に記載なし) 栃木1 p.106〜107・栃木2・栃木3・栃木4
関東・東海 埼玉 せん定は12月〜2月(図から読み取り) 人工受粉は4月、摘果は4月末〜5月(図から読み取り)。樹勢が低下した樹は主幹部から2mほど離れた場所に穴(直径30cm・深さ50cm程度)を掘って堆肥を入れる(1樹年2か所程度、排水が悪い圃場では行わない) 埼玉1 p.76〜77
関東・東海 千葉 棚仕立て。棚しばりは3月、せん定は12月(図から読み取り)。花粉採取専用樹は低樹高2本主枝一文字整枝(列間3〜4m×樹間7m、10aあたり35.7〜47.6本) 摘蕾は4月、受粉は4月、予備摘果は5月、本摘果は6月、仕上げ摘果は7月(図から読み取り)。芽かきは4〜6月、誘引は6月。防災網は4月に展張し10月に除去(図から読み取り)。花粉採取専用樹は10aあたり純花粉6gを10倍希釈した60gが必要で、切り枝200本(花重3.6kg、長十郎・アセトン精選の場合) 千葉1 p.288〜297・千葉2・千葉3・千葉4
関東・東海 東京 平棚、2〜4本主枝。剪定・誘引は1月上旬〜2月下旬と12月(図から読み取り) 平棚。受粉は4月中旬〜下旬、袋かけは6月上旬〜中旬、除袋・収穫は8月中旬〜10月中旬(図から読み取り)。深耕は30〜50cm、完熟堆肥を溝・穴に局所施用 東京1 p.2
関東・東海 神奈川 せん定は1〜3月(図から読み取り) — 神奈川1 p.19
東北・北陸 新潟 ジョイント栽培(苗長3.5m以上、苗養成1〜2年)。2年目冬〜3年目春に植栽、4〜5月に接木連結、3年目(植栽後3年)から収穫、5年目以降は成木並み。果樹棚は甲州式吊り棚が一般的、防風網は必ず設置 人工受粉は4月中・下旬(新美月・新王は不要で、受粉作業19時間が省ける)。新美月・新王は着果過多にならないよう摘芽・摘果。ル レクチエは6月上旬の袋掛け・摘らい・確実な受粉。凍霜害後の結実確保は人工受粉の徹底、摘果は結実確定後に速やかに(二十世紀は満開20日頃)、着果しない場合は1果そうに2個残す 新潟1 p.30-45・新潟2 p.2-6・新潟3
東北・北陸 富山 — すべて無袋栽培の調査(果樹研究センター) 富山1
東北・北陸 福井 せん定・誘引のあとに花芽を整理(短果枝のしょうが芽は元に近い所で切り返して1〜2芽に、下向き・弱い腋果芽は取る)。側枝は棚線に2か所以上で固定。主枝先端は外芽で切る(樹勢が弱い場合は内芽)。主枝・亜主枝背面の徒長枝は40〜50cm間隔で1本ほど残し、側枝基部20cmの新梢は芽かき。予備枝は7月上旬から主枝・亜主枝の横・下から出た新梢で候補を作る 人工受粉は開花後3日以内(雌しべの寿命は約3日)。葯が赤いうち(開花直後)は避け、1果そうに1花だけ。純花粉と増量剤(石松子)は1:5。花粉管の伸長に約3時間かかるので夕方3時ごろまでに終える。摘蕾は主枝・亜主枝・側枝の先端1〜2芽の蕾を全て取ると着果管理の時間が約3割減る(腋花芽を整理したら必ず人工受粉)。1次摘果は開花後1週間〜10日から1果そう1果。2次摘果は満開後50日まで、側枝で15〜20cmに1果。最終着果は幸水10果/㎡・豊水12果/㎡。新興と二十世紀の袋かけは6月上旬までに終える。新梢が15cmのころに側枝先端の1〜2本を残して摘心 福井1 p.180-185・福井2
関東・東海 山梨 剪定は12月(図から読み取り)。落葉は11月下旬ごろから 摘花・人工受粉は4月、摘果と植物生長調整剤の処理は5月(図から読み取り)。窒素流亡を抑えるため、施肥は根の多い樹の近くに行い、樹間部や園周辺部には行わない 山梨1 p.94
関東・東海 長野 樹体ジョイント仕立て:苗を2年かけて3.3〜4m以上に育て、3月下旬〜4月上旬(春)または苗育成2年目の8月(夏)に接ぎ木。1ユニットは主枝15〜20m(45〜60㎡)。側枝は片側40cmに1本(主枝長1m当たり5本)を目安に更新。苗は120cmで切り返す 摘心:幸水は5月の早い時期から3〜4回。結束バンドは接ぎ木1年目は月1〜2回締め直し、2年目2本、3年目1本以下。植物生長調整剤の塗布は育成苗に4〜5月と6〜8月、年3回以内(1枝100mg)。着果は幸水でジョイント2年目から2果/㎡程度、3年目から3〜4果/㎡。受粉:花粉は10a当たり葯付き150cc、必要花数5,000〜8,000花。開葯は20〜25℃、発芽率30%以下は使用不可・60%以上が良。南水・新高は受粉樹に使えない 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6
関東・東海 岐阜 間伐・整枝せん定は12月上旬(図から読み取り)。水平棚、防鳥ネットは開閉式を設置 摘らいは3月下旬、開花は4月中旬、摘果は5月上旬(図から読み取り) 岐阜1・岐阜2 p.35
関東・東海 愛知 主要作業の図では、せん定は冬季(1〜2月ごろ)で収穫は早生が8月・中晩生が8〜10月 — 愛知1 p.4-5・p.18-19・愛知2
関東・東海 三重 — 幸水の人工受粉は鉄砲式乾電池受粉機を使うと、梵天より花粉が約6割少なく、受粉時間が約3割短い(着果・品質は同等。花粉量が梵天の4割以下になると着果率が下がる場合がある。1996〜1998年の試験)。筑水の着果基準は目標果重280gで12果/㎡。摘果は予備摘果が満開後15日、本摘果が30日、仕上げ摘果が80日(5県共同の検討) 三重1 p.38・p.44・三重2・三重3
近畿 滋賀 休眠期(11〜2月)に粗皮削り。罹病枝・葉・果の園外持ち出しも11〜2月(図から読み取り)。削りくずは集めて処分。樹皮は4〜5年で元に戻る(滋賀1 p.125) — 滋賀1 p.123-128, 135・滋賀2 p.39
近畿 京都 せん定は12月と2月に△表示(図から読み取り)。誘引3月(図から読み取り)。平棚などの仕立ては資料に記載なし(京都1 p.147) 摘果・小袋かけは5月、大袋かけは6月(図から読み取り)。受粉用花粉は中国産花粉の輸入停止で全国的に不足しており、府内産地での花粉供給体制づくりを急ぐ方針(京都2 p.6) 京都1 p.146-148・京都2 p.2, 6, 11, 15, 17, 19
近畿 兵庫 —(仕立ての記載なし)。黒星病対策として年内の早期せん定が有効(兵庫7) ナシは多くの品種が他品種の花粉で結実するため人工交配が必要。自家結実品種に秋栄・おさゴールド(兵庫2)。なしおとめの大玉生産は摘蕾4月中旬・摘花4月下旬のうえ、二十世紀の通常の摘果時期(5月中旬)より早く間引く。二十世紀で行う小袋かけを省き、満開30日後に黄色大袋のみをかけるとアザが少ない(兵庫4)。植物生長調整剤を果梗に20〜30mg/果、満開40日後に塗ると収穫盛期が約7日早まり、果実重は無処理(平均約380g)より約60g増える(試験の値・兵庫5) 兵庫1 p.55-59・兵庫2・兵庫3・兵庫4・兵庫5・兵庫6・兵庫7
中国 鳥取 二十世紀・ゴールド二十世紀は3本主枝(試験は杯状形3本主枝肋骨型、主幹長80〜90cm)。なつひめは4本主枝型が11年生で早期多収(3本主枝・多主枝と比較)。新甘泉は短果枝が3年程度しか維持できず早めの側枝更新が要る。県は平棚ジョイント・V字ジョイント・袋掛け回数削減栽培を二十世紀の省力技術に位置づけ、ジョイントは約30ha(R5)。なつひめ・新甘泉のジョイントは着果3年目で3t/10a超、おさゴールドは着果1〜2年目の収量が少なく早期多収効果が低い。ジョイント苗は1年生苗を主枝高より40cm低い位置(主枝高160cmなら120cm)で切り返してポット育苗し、ジョイント当年に主枝上の上芽をせん除。せん定の具体的な時期は資料に記載なし(防除暦に休眠期の1〜2月) 受粉:夏さやか・なつひめ・涼月・優秋・瑞鳥・新甘泉は人工授粉が必要、秋甘泉・おさゴールドは自家和合性(秋甘泉は人工授粉不要)。(試験の値)ゴールド二十世紀は開花2日後の受粉でも結実率が低下するため当日に作業できなかった場合は丁寧に受粉、新甘泉は開花4日後まで低下が少なく、数mmの降雨は影響なし。おさゴールドは満開前後が低温・降雨の年は自然受粉で結実率が50%以下、満開後(葯が開いた状態)のカラ筆受粉か人工受粉が有効でSS送風は効果が低い。摘果:新甘泉は満開後40日頃から開始(変形硬化症状が減る)、着果枝長1mあたり8果で糖度13度以上、王秋は粗摘果を受粉22日後(5月上旬)と早め着果密度を8果/m程度(現行基準は5〜6果/m)にするとコルク状障害が減る(試験の値)。秋甘泉・秋栄・おさゴールドは剪定時に花芽を8芽/mに除芽して8果着果すると摘果が省力化。袋かけ:二十世紀は小袋・大袋の2回が通常で、1回に減らす半無袋栽培・網掛けを推進、なつひめの試験は5月下旬小袋・6月中旬大袋、新甘泉・秋甘泉は無袋、夏さやかは半無袋が可能。新梢:ゴールド二十世紀は7月上〜中旬(新梢の約4割が伸長停止した頃)の新梢誘引で果重増、収穫約1か月前に新梢の40%を切除する夏季せん定で糖度が0.3〜0.5度上昇(試験の値)。なつひめは主枝への環状はく皮(試験は7月14日・2.5cm幅など)で収穫を前進化 鳥取1・鳥取2・鳥取3・鳥取4・鳥取5・鳥取6・鳥取7・鳥取8・鳥取9・鳥取10・鳥取11・鳥取12・鳥取13・鳥取14・鳥取15・鳥取16・鳥取17・鳥取18・鳥取19・鳥取20・鳥取21・鳥取22・鳥取23・鳥取24・鳥取25・鳥取26・鳥取27・鳥取28・鳥取29・鳥取30・鳥取31・鳥取32・鳥取33・鳥取34・鳥取35・鳥取36・鳥取37・鳥取38・鳥取39・鳥取40・鳥取41(主なページ:鳥取10 p.1・p.4〜7、鳥取34 p.9、鳥取35 p.45〜46、鳥取38 p.22・p.27)
中国 岡山 — 晴香のS遺伝子型はS3S5で、同型の豊水の花粉は受粉に使えない。愛宕・新高は花粉が不十分で晴香の受粉に適さず、ヤーリー・ツーリーは遺伝子型不明だが実用上は結実率が下がらない。その他の主要品種の花粉は使える。晴香は花粉が少なく他品種への受粉には向かず、品種間の開花の早晩があるため晴香の受粉適期前に花粉を確保する 岡山1 p.58・岡山2 p.35
中国 広島 振興計画は早期成園化のため大苗育苗・ジョイント方式の導入を推進し、老木は予備枝を多く残して樹勢を強化、生産性の低い老木園は早急に改植 二十世紀の樹相診断研修(R7年7月)で樹勢判断と夏期管理を学ぶ(安芸高田市) 広島1 p.24・p.27・p.29〜30・広島2・広島3
中国 山口 側枝の使用年限は二十世紀5〜6年、豊水3〜4年、幸水3年。側枝間隔は二十世紀50cm程度、幸水・豊水30〜40cm。二十世紀は基部径6〜8mmの発育枝を20cm程度の上芽で切って予備枝(マチ枝)にする。主枝・亜主枝の先端1mは着果させず、先端部には花芽を残さない。改良むかで整枝・樹体ジョイントを改植の省力化として推進(神奈川県が特許を持つため樹体ジョイントは実施料が必要)。せん定は12〜2月 摘蕾は主枝亜主枝の先端部・側枝1年生部分・予備枝(4月上旬)。人工交配は4月中旬の開花期、4〜5番果を中心に3分咲と8分咲に行い、花粉は10aあたり生葯600ccを確保。摘果は交配15日後頃から、仕上げ摘果は11,000果/10a。袋かけは小袋が満開1か月後を目途(5月)、大袋は小袋後25日を目安(6月)。芽かき・捻枝は2次伸長の原因になるため必要最少限。6月下旬〜7月上旬の側枝候補枝・予備枝の誘引は必須、二次伸びした40cm以上の発育枝は7月中旬にテープナー等で誘引。切る場合は1回に1樹数本にとどめる 山口1 p.92〜111・山口2
四国 高知 1月に整枝・せん定(徒長枝や太枝のコブを基部から切除、結果枝は2〜3年で更新しないと花芽が弱くなる)、2月に枝付け(主枝・亜主枝の先端は上向きに誘引)(高知2)。6月に新梢の誘引・排水溝の掃除(高知2) 4月 人工授粉(花粉採取花は開花前日か当日のものを3mmのふるいで葯をこすり落とし25〜28℃で開葯、貯蔵花粉は発芽率30%以下なら増量剤用)と摘花(高知2)。5月 摘果(原則1果そう1果、縦長で形の良い3〜4番果)・袋かけ・芽かき、6月 最終摘果・袋かけ(新高の袋かけは遅くても6月中旬までに終了)(高知2) 高知1・高知2・高知3
九州・沖縄 福岡 —(福岡1・福岡2には仕立て・せん定の記述なし)。黒斑病対策として枝梢の伸長は7月上旬で止める管理、冬季は罹病枝梢・罹病芽(黒星病)や輪紋病のいぼ病斑の除去が防除の項にある 袋かけは黒斑病・輪紋病・ナシヒメシンクイの被害軽減のため早めに行う(福岡2)。受粉・摘果の記述は福岡1・福岡2に無し 福岡1・福岡2
九州・沖縄 佐賀 せん定は萌芽期前までに終える(佐賀8)。主枝・亜主枝先端は強く切り返し棚面より高く配置、予備枝を主枝先端部中心に多めに置く、更新が決まった側枝の基部にくさびを入れて予備枝を出させる(佐賀8)。ジョイント栽培は4年生枝・主枝基部の3年生枝・徒長枝・直上枝・主幹部から出た枝を剪除(佐賀8)。ジョイントの接ぎ木は芽が動く直前の3月頃、大苗は3m以上の苗丈(佐賀9)。冬季の本格的な枝抜きは10月下旬以降(佐賀6) 摘蕾: 開花前に先端の花芽・予備枝の花芽・突出花芽を除去、短果枝は1花芽(佐賀3)。受粉: 輸入花粉は授粉前日に冷凍庫から出し5℃・湿度80%で運ぶ、花粉は発芽試験し発芽率80%以上で15倍・70%で10倍・60%で7〜8倍・50%で5倍に希釈(佐賀3)、15℃以下が予想される日は授粉を控える、午前中に集中(佐賀3)。摘果: 授粉2週間後に判断し開花後30日までに適正着果、あきづきは果軸が短く横向きの果実を残す(佐賀3)。摘芯: 満開後30〜40日頃、群集芽の上か4葉残し(佐賀4)。予備枝・発育枝の誘引: 満開後70日頃に45度(佐賀4・佐賀5)。仕上げ摘果は満開後70日頃までに終了、幸水の修正摘果は裂果防止のため満開後100日近くに遅らせる(佐賀5)。袋かけの時期は資料に無し 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7・佐賀8・佐賀9・佐賀10・佐賀11
九州・沖縄 長崎 3本主枝。間伐・整枝・せん定は12月〜1月。計画的に縮間伐し、主枝・亜主枝の先端は強めに切り返し、長大化した側枝は更新。あきづきは着果痕に短果枝がつきにくいので長い予備枝を多数配置し側枝を積極的に更新、新高は短果枝群の花芽を整理。台風に備え豊水・あきづき・新高は鉄パイプで棚面を補強 授粉は人工受粉(花粉は石松子で10倍に希釈、3〜4分咲と8分咲の2回。新高は花粉がないので前年に他品種の花粉を冷凍貯蔵し発芽テストして使う)。摘らい: 子花・果そう葉のない花・主枝先端の花を除く。粗摘果は幸水4月中旬・他は4月下旬(果そうの2〜4番果から横〜斜め下向きの正常果を残す)、仕上げ摘果は幸水5月上旬・他は5月中旬。幸水は満開30〜40日後(4月下旬)に植物生長調整剤を果柄に塗布(20〜30mg、熟期促進)。新高は5月中旬〜6月上旬に大袋1回がけ(輪紋病多発園は小袋・大袋の2回)。芽かきは幸水4月中旬〜5月中旬・他は3月下旬〜4月中旬、新梢誘引は6月上旬〜中(幸水は〜下旬)、側枝の横から出た枝は棚面に対し30〜45度で誘引。梅雨明け前に稲わらで敷きわら、梅雨明け後は必要に応じてかん水 長崎1 p.549-557・長崎2 p.786
九州・沖縄 熊本 3本主枝が基本樹形。主枝・亜主枝の先端は高く保って強く切り返し、側枝は30〜40cm間隔で平行に配置し交差させない。長果枝主体の幸水・あきづきは側枝を2〜3年サイクルで更新(間隔30cm、側枝:予備枝=1:1が理想)、短果枝主体の秋麗・豊水は3〜4年(30〜35cm)、新高・新興は5年程度(40〜50cm)。新高の若い枝は発芽不良が出やすく、側枝更新は急がず3〜5年生中心に配置。せん定前に落葉を処理する。省力樹形は樹体ジョイント仕立て(神奈川県開発)とジョイントV字樹形(主枝高0.7〜0.8m)。作業時間は慣行(棚)の約1/2、成園化は慣行約10年に対し3〜4年、V字は苗代と施設代で10aあたり約120万円(H30時点、自力施工)、V字は作業時間28%削減・ジョイント後3年目に成園並みの収量で果実品質は棚と差なし 人工受粉が基本(雨や低温でハチが動かないと着果不安定)。花粉は新興の蕾から採り(新興は交配親和性が広く花芽・花粉が多い)、25℃で15〜18時間開葯し、乾燥剤と−20℃以下で1年以上保存、石松子で倍量程度に増量。新高は新興より開花が早く、新高の花粉は不完全で少ないので前年の貯蔵花粉か新興にビニル被覆した花粉を使う。あきづきと秋麗は互いに受精しない。好適条件は気温20〜25℃で風のない日の午前10時〜午後3時、開花3日目まで可、受粉後1〜2時間以内の降雨は再受粉。新高は矮小花・遅れ花も受粉すれば着果率は正常花と差がない。あきづきは摘蕾(1花叢1花)または満開15日以内の早期予備摘果でコルク状果肉障害を軽減。秋麗は3月(開花前)に側枝1mあたり花芽6芽を残して除芽すると予備摘果時間が短果枝側枝で48%・長果枝で26%減る。甘太は満開約20日後に予備摘果・満開40日後に本摘果・満開50日後に白一重袋(満開後60日目以前の被袋は糖度が上がるが果実が小さく日持ちが短い。80日目では無袋と差がない)。秋麗の裂果は5月中旬〜6月中旬のかん水(約10日雨がない時に1回10mm程度)と裂果発生期前の樹冠下シートマルチで軽減。菊池では摘果終了後の6月上旬に伸び出し枝の摘心 熊本1 p.4-6,8-9・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本12・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本22・熊本23
九州・沖縄 大分 流線型仕立て(あきづきなど): 12月に掘り上げた全長約5mの大苗を3.5m×2.5mで横に傾けて植え、植付け後2年間で側枝を十分に伸ばし3年目に目標収量。慣行は成園まで12年(大分6)。側枝確保が課題で、定植後は樹主幹部から半径約50cm内に窒素を表層施用(約30kg/10a、汚泥発酵肥料)、灌水は5〜10月に1樹あたり15〜85L/日を数回に分ける(大分4) —(大分1〜大分6に摘果・袋かけ・受粉の記載なし。大分3が無袋・有袋の病害虫の違いを記す: 無袋では幸水・豊水の輪紋病・黒星病(収穫前)、ナシホソガ第1世代幼虫の果実被害が問題、袋かけはシンクイムシ類の被害を減らす) 大分1・大分2・大分3・大分4・大分5・大分6
九州・沖縄 宮崎 —(施肥基準の資料に記載なし)。県の果樹農業振興計画は、大苗による流線型栽培とジョイント栽培の導入、多目的防災網・強化棚の設置を推進する方針 — 宮崎1 p.53-54・宮崎2・宮崎3 p.7・宮崎4
九州・沖縄 鹿児島 —(仕立て・せん定の資料は見つからず) — 鹿児島1 p.79,85,95-96

発芽・開花期と主な病害虫

地域区分 都道府県 発芽・開花期 主な病害虫と時期 出典
東北・北陸 青森 五戸の2025年5月16日現在、幸水は発芽4/6(平年4/11)、展葉4/28(平年5/1)、開花5/1(平年5/4)、満開5/3(平年5/6)。平年は2005〜2024年の平均で、落花の平年は5/15(青森1) 輪紋病(枝幹のいぼ病斑を5月下旬の胞子飛散前までに削る。6〜7月の幼果期が最も感染しやすい)、胴枯病、ナシキジラミ・ナシミハバチ(被害果は落花25日後ごろまでに集めて処分)、カメムシ類(青森1。西洋なしと共通の項で、日本なし用の散布時期は書かれていない) 青森1・青森2
東北・北陸 宮城 開花は4月下旬〜5月上旬(1991年試験) 赤星病(ビャクシン類から。葉の斑点は5月上旬、胞子の飛散は4月〜5月の降雨時)。黒星病(芽出し直前〜落花始め、5月中旬〜7月中旬、9月上旬のりん片感染期)。黒斑病(5月中旬から発生、6月下旬〜7月上旬に多い。小袋は落花15〜20日、大袋は6月下旬まで)。輪紋病・胴枯病(幸水・豊水で増加)。ナシヒメシンクイは年4回(5月下旬〜6月中旬・7月上旬〜下旬・8月上旬・9月中下旬)。クワコナカイガラムシは5月中旬の小袋掛け前と7〜8月 宮城1 p.120-151
東北・北陸 秋田 — 胴枯病・枝枯症状の発生が目立つ(樹勢低下と関連)。病害虫の時期の表は日本なしでは見つからず 秋田1 p.22-24・秋田2 p.81-84
東北・北陸 福島 果樹研究所(福島市)の平年値は、幸水が発芽3/31・開花始4/19・満開4/24、令和8年(4/9時点)は発芽3/28・花蕾露出期3/31・花弁出始期4/4・花弁白色期4/9。凍霜害は幸水で発芽期-3.6℃・花蕾露出期-2.9℃・開花直前-1.8℃・満開期-1.3℃が安全限界温度(1時間遭遇) 黒星病(花そう基部病斑は開花期頃に出て、果樹研究所では4月上〜中旬に初確認(令和3年4/5、令和5年4/13)、子のう胞子は4月中旬〜5月下旬に飛散、開花直前〜開花後2週間が重要防除期、7月下旬は果実被害の防止期、秋期は10月上旬〜11月上旬に2週間間隔3回程度・落葉率80%頃が最終)。ナシヒメシンクイは高温年に世代数が増え豊水・あきづき以降で8月下旬から果実被害。カメムシ類(クサギ・チャバネアオ)は4月上旬から脱出、第1世代成虫は7月下旬〜8月上旬にピーク。ハダニ類は梅雨明け後の高温乾燥で増える。ニセナシサビダニは5月中下旬から寄生し6月中旬〜7月上旬がピーク。ヒメボクトウは成虫6月下旬〜8月上旬 福島1 p.141・福島2 p.27・福島3・福島4・福島5・福島6・福島7 p.93-97・福島8・福島9・福島10・福島11
関東・東海 茨城 幸水の開花始期は平年4月14日(園芸研究所・笠間市)、開花盛期は平年4月17日。県西地域(下妻市)の開花盛期は平年4月13日。令和3年は開花始期4月5日・開花盛期4月8日、令和5年は予測で開花始期4月6日・開花盛期4月10日 黒星病・胴枯病・アブラムシ類(降ひょう後に発生に注意。参考防除例どおりの防除を継続)。晩霜害(雌しべの柱頭から胚珠が黒変し着果しない) 茨城1・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5・茨城6・茨城7・茨城8・茨城9・茨城10・茨城11
関東・東海 栃木 2026年の予測(3月26日現在)で、センターの幸水の開花始は4月12日(平年より3日早い)、開花盛は4月15日。豊水の開花始は4月9日(平年より4日早い)、開花盛は4月12日。にっこりの開花始は4月5日(平年より4日早い)、開花盛は4月8日 黒星病・炭疽病(収穫終了後は、病原菌が芽や落葉で越冬して翌年の発生源となるため、徒長枝の先端までまんべんなく薬液をかける。9月下旬〜10月下旬の予報)。果樹カメムシ類(2026年は越冬量が多く5月に注意報。防災網は目合い4mm以下が望ましく、有袋栽培は早めに袋かけ)。ハダニ類・カイガラムシ類(カメムシ防除の薬剤使用後に増えることがある) 栃木1 p.106〜107・栃木2・栃木3・栃木4
関東・東海 埼玉 —(資料に記載なし) —(取得した資料に記載なし) 埼玉1 p.76〜77
関東・東海 千葉 開花期は3月末〜4月下旬(千葉2の図、品種別に始・盛・終の順で、長十郎・新興・松島のほうが新高・豊水・幸水より早い)。受粉作業は4月(図から読み取り) 果樹カメムシ類(越冬後成虫の飛来、5月。ナシは園全体を防災網9mm目合い/防虫ネット4mm目合いで覆う)、ナシヒメシンクイ(フェロモントラップ調査は4月〜10月)。黒星病などの病害の時期は取得した資料に記載なし 千葉1 p.288〜297・千葉2・千葉3・千葉4
関東・東海 神奈川 開花は3月下旬〜4月上旬(図から読み取り) — 神奈川1 p.19
東北・北陸 新潟 晩霜害が4月から5月上旬に多い。発芽期〜開花期の凍霜害危険温度は日本なしで-3.9〜-1.1℃(30分、列の対応は要確認) 黒斑病抵抗性の品種(新美月・新王)は袋掛けなしでも栽培できる(病害虫の時期の表は資料に記載なし) 新潟1 p.30-45・新潟2 p.2-6・新潟3
東北・北陸 富山 開花期の平年は幸水4/13〜4/22(盛4/15)、豊水4/11〜4/19(盛4/12)、あきづき4/11〜4/19(盛4/13)、新高4/8〜4/16(盛4/10)、香麗4/8〜4/15、甘太4/12〜4/21、王秋4/11〜4/19 — 富山1
東北・北陸 福井 防除時期の目安として、豊水の2割開花は4月12日ごろ、開花終期は4月25日ごろ(令和5年度版の目安日) 黒星病は3〜4月が最重要防除時期(4月は気温15〜20℃の日が多く、開花前後は感染しやすい)。収穫期に入ってからも増えやすく、幸水は7月中下旬から果実への感染が増える。ほかに赤星病、黒斑病(二十世紀)、輪紋病、心腐れ症、萎縮病(骨格枝の枯れ込み)、ニセナシサビダニ、ハダニ類、シンクイムシ類、カイガラムシ類、アブラムシ類 福井1 p.180-185・福井2
関東・東海 山梨 発芽・開花は4月ごろ(図から読み取り) — 山梨1 p.94
関東・東海 長野 県の振興計画が引く国の果樹農業振興基本方針(R7.4.30)の参考値:日本なしは年平均気温7℃以上、4〜10月の平均気温13℃以上、冬季最低極温-20℃以上、低温要求時間は幸水で800時間以上(7.2℃以下の延べ時間)、平年の最大積雪深がおおむね2m以下、蕾から幼果期に降霜が少ないこと えそ斑点病(ジョイント連結数を増やすとウイルス性病害のリスクが増える)。ほかに病害虫の時期が書かれた資料は見つからず 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6
関東・東海 岐阜 4月中旬ごろ開花(図から読み取り) — 岐阜1・岐阜2 p.35
関東・東海 愛知 — 赤星病(ビャクシン類の冬胞子層が平年は4月第2半旬に50%成熟)、黒斑病(休眠期のせん定時と開花〜幼果期に病枝・病芽を除く。幸水・豊水は抵抗性)、黒星病(落葉・りん片発病芽・新梢基部病斑の除去)、うどんこ病、疫病、輪紋病(いぼ病斑の枝を切り取る)、胴枯病・心腐れ症(5〜9月に多く、早い袋かけで防ぐ)、白紋羽病、萎縮病(幸水・愛甘水は罹病性)、クワコナカイガラムシ(卵のうで越冬、5月・7月・8〜9月に孵化成虫)、カメムシ類(袋かけ・黄色灯) 愛知1 p.4-5・p.18-19・愛知2
関東・東海 三重 発芽3月・開花4月(幸水・豊水とも。栽培暦の図から読み取り) — 三重1 p.38・p.44・三重2・三重3
近畿 滋賀 — 黒星病・黒斑病・赤星病・輪紋病・ナシヒメシンクイなどシンクイムシ類・ハマキムシ類・ハダニ類・カイガラムシ類・カメムシ類・ヤガ類・ナシチビガ。耕種・物理的な対策の時期(図から読み取り): 粗皮削り11〜2月、罹病枝の園外持ち出し11〜2月、ビニル被覆3月下旬〜7月上旬(黒星病・黒斑病・赤星病・輪紋病)、防鳥防蛾ネット3月下旬〜10月(輪紋病・カメムシ類・ヤガ類。表では収穫直前とも記載)、性フェロモン剤による交信かく乱は4月中旬と7月上旬(表)、糖蜜誘殺7月下旬(ヤガ類)、バンド誘殺8〜11月(シンクイムシ類・ハダニ類・カイガラムシ類)、黄色灯は成虫発生前〜収穫期(ヤガ類・カメムシ類)。ハダニ類の発生予察は5月下旬に開始し6〜9月の各月中旬に調べる(滋賀1 p.123-128) 滋賀1 p.123-128, 135・滋賀2 p.39
近畿 京都 開花は4月(図から読み取り・京都1 p.147) 黒星病・黒斑病・シンクイムシ類・ヤガ類・カメムシ類。粗皮削りと防除の開始は3月、以降は3〜9月に防除時期が連なる(図から読み取り)。耐病性品種ゴールド二十世紀に替えて黒斑病対象の防除を減らす体系。性フェロモン剤で特定の虫害は防除でき、ネットでヤガ類・カメムシ類・鳥害を防げる(京都1 p.147-148)。せん定枝や落葉の園外持ち出し、落下果実・袋の処理、枝の病斑削り取りなど耕種的防除を徹底(京都1 p.146) 京都1 p.146-148・京都2 p.2, 6, 11, 15, 17, 19
近畿 兵庫 — 黒星病(神戸市西区等の産地で問題。年内の早期せん定で発生が1/3〜1/2に減る・兵庫7)。ほかの病害虫の時期は資料に記載なし 兵庫1 p.55-59・兵庫2・兵庫3・兵庫4・兵庫5・兵庫6・兵庫7
中国 鳥取 開花は育成地(北栄町)で4月中旬。満開は新甘泉4/17頃・秋甘泉4/16・おさゴールド4/17・幸水4/19・豊水4/14(2008〜12年平均)。二十世紀との比較で夏さやか6日遅い、なつひめ1日早い、涼月2日遅い、優秋3日遅い、瑞鳥ほぼ同時、新甘泉・秋甘泉1日遅い。おさゴールドの特別栽培防除暦の平年の日付(表から読み取り)は発芽前3/11〜20、りん片脱落直前4/1〜5、開花始め4/8〜12、交配終了後4/17〜22、落花期4/25頃、摘果期5/11〜20、袋掛け期6/25頃。R7年はゴールド二十世紀・王秋の満開が平年より1日遅く、新甘泉は平年並 黒斑病は二十世紀に弱く(耐病性のゴールド二十世紀・おさゴールドへ更新)、新甘泉・秋甘泉・なつひめ等は抵抗性だが新甘泉はえそ斑点病が発現しうる。黒星病:新甘泉の果実感染リスクは6月中旬〜7月上旬(満開68〜89日後)に高く8月上旬以降は低い。5月下旬〜6月上旬の感染はスス状病斑から裂果。秋季防除(鱗片の露出から)は幸水・新甘泉・豊水・なつひめで必要性が高く、二十世紀系・夏さやか・王秋・新興は低い(新甘泉は9月中下旬〜11月下旬に5回程度の目安)。特別栽培防除暦の対象は黒星病・赤星病・心腐れ症(胴枯病菌、落花期〜5月が主要感染)・輪紋病・うどんこ病・ハマキムシ類・シンクイムシ類・アブラムシ類・カイガラムシ類・クワコナカイガラムシ・ハダニ類・ニセナシサビダニ(発芽前3月中旬の休眠期防除は秋より春が効果高)・ナシホソガ(露地第1回成虫6月下旬〜7月中旬)・モモシンクイガ(第1回成虫の産卵6月上旬から)・カメムシ類(5月上旬と8月に注意)。カメムシはチャバネが6月上旬〜8月上旬の加害で被害度が高く、クサギは5月上旬の幼果期加害で変形(試験)。霜害はH26年4月に県下で4億円の被害。火傷病対策で中国産花粉は使わず密閉保管 鳥取1・鳥取2・鳥取3・鳥取4・鳥取5・鳥取6・鳥取7・鳥取8・鳥取9・鳥取10・鳥取11・鳥取12・鳥取13・鳥取14・鳥取15・鳥取16・鳥取17・鳥取18・鳥取19・鳥取20・鳥取21・鳥取22・鳥取23・鳥取24・鳥取25・鳥取26・鳥取27・鳥取28・鳥取29・鳥取30・鳥取31・鳥取32・鳥取33・鳥取34・鳥取35・鳥取36・鳥取37・鳥取38・鳥取39・鳥取40・鳥取41(主なページ:鳥取10 p.1・p.4〜7、鳥取34 p.9、鳥取35 p.45〜46、鳥取38 p.22・p.27)
中国 島根 — 黒斑病は二十世紀栽培で最重要の病害で袋掛け栽培が一般的、胞子は枝・芽で越冬し3月下旬から形成、小袋かけまでの胞子量が多いと袋に包んだ幼果が発病落果、8月下旬から成熟果・秋伸び葉で発病、幸水・豊水・長十郎には発生しない。黒星病は4月下旬に初発、りん片脱落直後〜二分咲きが重要な感染時期、幸水・晩三吉は弱く二十世紀は比較的強い。赤星病はビャクシン類の冬胞子層が4月上中旬に成熟し、展開後2〜3週の葉に感染、6〜7月に胞子飛散。胴枯病は幸水に弱く二十世紀は比較的強い。うどんこ病は6月下旬頃から。シンクイムシ類はモモシンクイガ年2回(成虫6月上旬〜7月中旬、8〜9月上旬)、ナシヒメシンクイ年4回。ハダニ類は7〜8月に多く、クワコナカイガラムシは越冬卵が4月下旬〜5月中旬にふ化し有袋栽培で果実被害 島根1 p.47〜48・島根2 p.54・島根3・島根4・島根5・島根6・島根7・島根8・島根9・島根10・島根11 p.20
中国 山口 人工交配が4月中旬、りん片脱落前は4月上旬(晩霜対策の時期)。幸水・豊水は5〜6分咲に交配 黒斑病は落葉を埋めるか園外へ、休眠期の病斑封じ込めとボケ芽せん除、重点防除時期は交配後・袋かけ前・梅雨期・梅雨明け・収穫後、ゴールド二十世紀・おさゴールドへ更新。輪紋病は休眠期にいぼを削り、防除適期は摘果直後(5月下旬〜6月上旬)・梅雨期(6月下旬)・果実肥大後期(7月中旬〜8月上旬)。黒星病は発病枝・被害芽の切除と落葉処分。誘殺バンドは8月に主枝単位で巻く。アザ果は小袋掛け時期(5月中〜下旬)に雨が多い年に出るため早めの小袋掛け。幸水・豊水の無袋栽培は吸蛾類対策に防蛾ネットか防蛾灯 山口1 p.92〜111・山口2
四国 愛媛 — —(愛媛の農作物病害虫等防除指針R8本冊にはナシの病害虫の項目なし、ナシヒメシンクイ関連の薬剤・フェロモン剤の表に出るのみ) 愛媛1
四国 高知 3月 発芽期、4月 開花期・展葉期、5月 養分転換期・細胞肥大始期、6月 新梢の伸長停止、7月 花芽分化期・果実肥大期(高知2) 黒星病・赤星病(3〜4月)、アブラムシ類(4月)、輪紋病・黒星病(5〜6月、雨の多い時は晴れ間に防除)、コナカイガラムシ類・シンクイムシ類(5〜7月)、炭疽病・輪紋病・ハダニ類・ハマキムシ類(7月)、炭疽病・ハダニ類(8月)、黒星病・輪紋病・ハマキムシ類・カメムシ類(9月)、落葉の園外処分(11月、黒星病)、カイガラムシ類(12月)(高知2。★要防除病害・☆要防除害虫の表示から)。胴枯病は罹患部を削り取り癒合剤を塗る(1〜2月) 高知1・高知2・高知3
九州・沖縄 福岡 県の施肥基準に発芽の時期の記載なし。福岡1は「冬季の低温遭遇時間が不足し、ナシの発芽不良が多発する年がある」と記す 赤星病: ビャクシン類の冬胞子堆は2月中下旬から形成、3月下旬から降雨で膨潤、感染後10日〜2週間で発病。黒星病: 4〜6月と9月が低温多雨の年に多発、初発病は開花前の芽基部、5月から梅雨期と秋季防除が重点。黒斑病: 開花期〜梅雨期、小袋かけ前が重点、二十世紀が弱い。輪紋病: 柄胞子の溢出は2月下旬〜10月下旬で5月下旬〜8月上旬が多く、果実感染は5〜7月、防除は6〜7月の梅雨期中心。ナシヒメシンクイ: 年5回発生、7月以降の第2〜3世代がナシ果実を加害、防除は7月中旬〜8月(7〜10日間隔で2〜3回)、晩生種は9月上旬、8月下旬〜9月上旬にバンド誘殺。ハダニ類: カンザワは発芽期から、7月中下旬〜8月に多い/ミカンハダニは6〜7月初発、8〜9月多発。いずれも薬剤名は省略 福岡1・福岡2
九州・沖縄 佐賀 幸水の平年の満開日は4月8日(佐賀県果樹試験場内)。2021年は3月29日と最も早かった(佐賀7)。新高など低温要求量が多い品種は暖冬の年に開花が遅れてばらつく(佐賀7)。発芽不良は2020年に伊万里市南波多で加温ハウス園の約86%・トンネル園の約71%で発生(佐賀10) 黒星病: 3月下旬〜7月上旬に低温多雨で多発、4月は重点防除(SSは全列走行)、6月中旬〜7月上旬が梅雨期の重要時期、鱗片感染は10月中旬〜11月中旬(収穫後〜11月上旬の秋の防除)。輪紋病: 幸水は5月下旬〜収穫期、豊水は5月下旬〜7月中旬に果実の感受性が高い。炭疽病(葉): 豊水・新高で発生、幸水はほとんど発病しない、7月中旬〜8月上旬の防除。赤星病: 4月上旬(開花直前)と4月下旬(落弁直後)。ナシヒメシンクイ: 5月中旬に交信かく乱剤を設置、7月上中旬と7月下旬〜8月下旬に防除(カメムシ類と同時期)。カイガラムシ類6月中・下旬、チュウゴクナシキジラミ7月上中旬、ハダニ類は発生時、休眠初期12月上中旬にハダニ類・カイガラムシ類。薬剤名は省略 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7・佐賀8・佐賀9・佐賀10・佐賀11
九州・沖縄 長崎 開花期の記載なし。人工受粉の作業時期は幸水4月上旬、豊水・あきづき・新高3月下旬〜4月上旬 3月〜12月にSSで防除。無袋の幸水・豊水・あきづきは輪紋病・黒星病・カメムシ類に特に注意(防除は県の病害虫防除基準による)。カメムシ類・ヤガ類対策にLED黄色灯(580nm付近)を収穫30日前〜収穫終了の日没後〜夜明けに点灯(幸水6月下旬〜8月中旬、豊水7月上旬〜9月中旬、あきづき7月上旬〜9月下旬。チャバネアオカメムシには忌避効果があるがツヤアオカメムシ・クサギカメムシには効果が低い) 長崎1 p.549-557・長崎2 p.786
九州・沖縄 熊本 新高の開花は通常3月下旬〜4月上旬。2020年産は暖冬で低温積算時間(10/1〜翌2/28の−6〜7.2℃の時別温度を積算)が不足し、1年生枝(腋花芽)の不発芽が79%、約半数の花叢で開花が遅れた(3年生以上の結果枝を主体に使い、1年生枝は斜め誘引で短果枝を育ててから使う)。露地の開花盛期(果樹研究所内、2023・2024年平均)は凜夏3/31・幸水4/2。甘太の開花は新高より5〜6日遅く、幸水と豊水の中間 黒星病: 潜伏期間14日以上、開花直前〜開花後2週間が最重要防除期、萌芽初期・開花期・幼果期に降雨前に散布。秋は収穫後〜落葉期(11月中旬)に2〜3回の秋期防除(早生は9月中旬〜下旬・10月中旬・11月中旬が例)と落葉の園外持ち出し・すき込み。ナシマルカイガラムシ: 1齢幼虫で越冬、越冬期に防除。ニセナシサビダニ: 3月末〜4月初めから新梢先端葉で発生(退緑斑点)、3月下旬〜5月下旬が防除時期、越冬期(2月下旬、発芽前まで)の防除で幼果の果梗裂傷が軽減。ナシヒメシンクイ: 年4〜5回発生、果実を食害するのは8月以降の第4〜5世代(無袋・晩成種で多い)、性フェロモンを使った防除と冬の粗皮削り 熊本1 p.4-6,8-9・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本12・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本22・熊本23
九州・沖縄 大分 —(大分の資料に発芽・開花日の記載なし)。大分3: 赤星病の冬胞子堆の発芽は3月中旬〜4月上旬の気温と相関、うどんこ病の子のう殻は4月末頃に裂開、ナシグンバイ成虫は5月上旬発生 赤星病(3月上旬〜4月上旬にビャクシン類の冬胞子堆をチェック)。黒星病(3月下旬〜6月と9月に低温多雨で多発、4〜5月の初期防除と梅雨期・9〜10月の秋季防除、幸水・豊水・新高・新興・晩三吉が弱い)。輪紋病(果実感染5〜7月、枝感染5月下旬〜7月下旬)。うどんこ病(5月中旬発病、7月以降予防)。炭疽病(5月〜梅雨が感染期、豊水・新高)。シンクイムシ類(8月中旬〜9月中旬収穫の品種は5月中下旬〜7月上中旬に2〜3回)。ハダニ類(7月上中旬が最多)。ナシホソガ(6月下旬〜7月上旬と8月下旬〜9月上旬の年2回)。ハマキムシ類4〜5月。ナシチビガ5月上旬〜7月下旬。ニセナシサビダニ防除適期5月下旬。アブラムシ類は発芽後〜落花後。白紋羽病は罹病部を休眠期(3月)に埋め戻す。薬剤名は省略 大分1・大分2・大分3・大分4・大分5・大分6

収穫期

地域区分 都道府県 収穫期(品種・作型別) 出典
東北・北陸 青森 収穫適期は食味で判定するのが最も簡単で正確。日本なし地色用カラーチャートを使うなら、ていあ部の地色が多摩で4、幸水で3〜4のとき収穫。植物生長調整剤を使うと成熟が5〜7日早まる。日付の目安は日本なしでは書かれていない(青森2) 青森1・青森2
東北・北陸 宮城 幸水8月下旬〜9月中旬(満開後125日頃)、豊水9月下旬〜10月上旬(145日頃)、ゴールド二十世紀9月下旬〜10月上旬、新水8月下旬〜9月上旬、八里・筑水8月中旬〜下旬、長十郎9月中旬〜10月上旬、南水9月下旬〜10月上旬、新高10月中旬〜11月上旬、豊月10月下旬〜11月上旬 宮城1 p.120-151
東北・北陸 秋田 目標構成上、早生8月・中生9月・晩生10月(幸水は9月)。新品種の収穫期はあきあかり9月中旬、秀玉9月中旬〜下旬、あきづき9月下旬〜10月上旬、かほり10月上〜中旬、南水10月上〜中旬 秋田1 p.22-24・秋田2 p.81-84
東北・北陸 福島 幸水の平年は収穫始8/24・盛8/29・終9/4、豊水は始9/12・盛9/17・終9/27(果樹研究所)。新高は9月上旬の多雨で裂果が目立った年がある(令和5年) 福島1 p.141・福島2 p.27・福島3・福島4・福島5・福島6・福島7 p.93-97・福島8・福島9・福島10・福島11
関東・東海 茨城 園芸研究所(笠間市)の直近10年(2015〜2024年)の収穫期は、新高が9月18日〜10月4日、甘太が9月19日〜10月10日。あきづきは満開から収穫始期まで平均147日(過去27年・直近10年とも) 茨城1・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5・茨城6・茨城7・茨城8・茨城9・茨城10・茨城11
関東・東海 栃木 露地・幸水は8月中旬〜9月上旬、豊水・あきづき・新高は9月〜10月上旬、にっこりは10月下旬〜11月上旬、ハウス幸水は7月(いずれも図から読み取り) 栃木1 p.106〜107・栃木2・栃木3・栃木4
関東・東海 群馬 幸水は8月中旬〜9月上旬(図から読み取り) 群馬1 果樹表(ナシ)
関東・東海 埼玉 幸水は8月(図から読み取り)。豊水・彩玉は図の収穫が9月前後(表のみで目盛りの読み取りは粗い) 埼玉1 p.76〜77
関東・東海 千葉 幸水は8月、豊水は収穫始めが8月下旬〜9月上旬、終わりが9月(いずれも図から読み取り)。秋満月は9月中旬〜10月上中旬 千葉1 p.288〜297・千葉2・千葉3・千葉4
関東・東海 東京 除袋・収穫は8月中旬〜10月中旬(図から読み取り。品種別の内訳は図になし) 東京1 p.2
関東・東海 神奈川 8月中旬〜9月上旬(図から読み取り) 神奈川1 p.19
東北・北陸 新潟 幸水は8月中旬から出荷、新高は10月、新興は11月。新美月は9月中旬、新王は9月下旬。ル レクチエの収穫は10月下旬で出荷は11月下旬以降(追熟が必要) 新潟1 p.30-45・新潟2 p.2-6・新潟3
東北・北陸 富山 収穫期の平年(始〜終、盛)は香麗7/29〜8/7(盛8/2)、幸水8/11〜9/3(盛8/23)、豊水9/3〜9/22(盛9/12)、あきづき9/11〜9/29(盛9/20)、新高9/24〜10/11(盛10/1)、甘太9/24〜10/7(盛9/29)、王秋10/7〜10/20(盛10/13) 富山1
関東・東海 山梨 7月下旬〜8月上旬(図から読み取り) 山梨1 p.94
関東・東海 長野 幸水・豊水・南水の長期出荷(南水は貯蔵性を生かし年末まで供給)。品種別の収穫期の数値は見つからず 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6
関東・東海 岐阜 収穫は8月下旬(幸水・図から読み取り) 岐阜1・岐阜2 p.35
関東・東海 静岡 販売時期の表記で、喜水は7月下旬〜8月上旬、新水は8月上旬〜8月中旬、幸水は8月中旬〜8月下旬、豊水は8月下旬〜9月中旬(静岡1) 静岡1
関東・東海 愛知 早生品種は8月ごろ、中晩生品種は9〜10月(図から読み取り) 愛知1 p.4-5・p.18-19・愛知2
関東・東海 三重 幸水は8月、豊水は8月下旬〜9月(図から読み取り) 三重1 p.38・p.44・三重2・三重3
近畿 京都 二十世紀は9月に収穫(図から読み取り)。新興・愛宕・幸水・豊水・あきづきなどの収穫期は資料に記載なし(京都1 p.147) 京都1 p.146-148・京都2 p.2, 6, 11, 15, 17, 19
近畿 大阪 主な収穫時期は秋(表の記載のみ・大阪1) 大阪1
近畿 兵庫 但馬1号は8月中〜下旬に成熟(兵庫3)、例年8月20日前後に集中(兵庫5)、二十世紀より約2週間早い(兵庫4)。収穫適期は開花後125日前後・糖度11%以上、5段階のカラーチャートで判定(兵庫6) 兵庫1 p.55-59・兵庫2・兵庫3・兵庫4・兵庫5・兵庫6・兵庫7
中国 鳥取 夏さやか8月上旬(300g・糖度12度)、なつひめ8月下旬(350g・12度)、涼月8月下旬(400g)、優秋8月下旬(450g、ポスターは8月下旬〜9月上旬)、早優利8月上旬(300g・14度)、新甘泉8月下旬(品種ページ400g・14度、育成地の報告では8/25〜9/1・470g・13.6度)、瑞鳥9月上旬(600g)、秋甘泉9月上旬(品種ページ。育成地の報告では9/13〜9/23・510g)、二十世紀は9月(リレー出荷図から読み取り)でハウス二十世紀は8月、爽甘10月上旬(600g・15度)、新高・王秋は10月以降(図から読み取り)。王秋は樹上の糖度が12月まで上がるが果実硬度が落ちるため11月中旬までに収穫を終え、主枝元部付近の果実の収穫を遅らせる区分収穫が有効(試験) 鳥取1・鳥取2・鳥取3・鳥取4・鳥取5・鳥取6・鳥取7・鳥取8・鳥取9・鳥取10・鳥取11・鳥取12・鳥取13・鳥取14・鳥取15・鳥取16・鳥取17・鳥取18・鳥取19・鳥取20・鳥取21・鳥取22・鳥取23・鳥取24・鳥取25・鳥取26・鳥取27・鳥取28・鳥取29・鳥取30・鳥取31・鳥取32・鳥取33・鳥取34・鳥取35・鳥取36・鳥取37・鳥取38・鳥取39・鳥取40・鳥取41(主なページ:鳥取10 p.1・p.4〜7、鳥取34 p.9、鳥取35 p.45〜46、鳥取38 p.22・p.27)
中国 山口 二十世紀の収穫は9月上〜中旬(作業表)。品種特性表の収穫期は愛甘水7月下旬、早優利8月上旬(摘果と植物生長調整剤の処理で7月下旬からLサイズ)、なつしずく8月上旬、幸水8月中旬、凜夏8月下旬、ほしあかり8月下旬〜9月上旬、豊水9月上旬、二十世紀9月上旬〜中旬、ゴールド二十世紀9月上〜中旬、おさゴールド9月上〜中旬、あきづき9月中旬、南水9月下旬、新高9月下旬〜10月中旬、甘太10月上〜中旬、王秋10月下旬〜11月上旬(表の崩れのため品種との対応は並び順から読み取り) 山口1 p.92〜111・山口2
四国 徳島 収穫は7〜10月。簡易被覆栽培では7月から出荷(徳島1) 徳島1
四国 香川 出荷時期は幸水が8月上旬〜下旬、豊水が9月上旬〜中旬、あきづきが9月中下旬(香川1) 香川1
四国 高知 幸水: 8月(幸水・多摩などの早生は収穫遅れに注意)。豊水: 9月(中旬以降遅れるとみつ症が出やすい)。新高: 10月(みつ症が出る前に収穫、夕方に園内散水して夜温を下げる)(高知2)。新高 9〜10月(高知1) 高知1・高知2・高知3
九州・沖縄 福岡 幸水・玉水: 7月下旬〜8月上旬。豊水・二十世紀・あきづき: 8月中旬〜9月中旬。新高・新興・王秋: 9月中旬〜10月中旬 福岡1・福岡2
九州・沖縄 佐賀 —(佐賀1・佐賀2・佐賀3〜11に収穫期の記載なし) 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7・佐賀8・佐賀9・佐賀10・佐賀11
九州・沖縄 長崎 幸水8月上旬〜中旬(カラーチャート値2.5〜3程度)、豊水8月下旬〜9月中旬(同2.5〜3程度)、あきづき9月、新高9月下旬〜10月上旬(完全に黄褐色〜赤褐色に着色した果実から) 長崎1 p.549-557・長崎2 p.786
九州・沖縄 熊本 幸水の露地は7/22〜8/3(盛期7/30)、凜夏の露地は8/2〜8/13(盛期8/7)(果樹研究所内、2023・2024年平均)。凜夏のトンネルハウス栽培(2/23被覆)は盛期7/28で露地より約10日早いが1果重450g程度と小玉。新高は満開日から180日または積算温度4000℃が成熟の目安で、成熟予想の20日前から1週間おきに樹冠外周部の早い果実でみつ症を確認して収穫。甘太は9月中旬〜10月始めごろ(新高よりやや早い) 熊本1 p.4-6,8-9・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本12・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本22・熊本23
九州・沖縄 大分 あきづき: 収穫開始期は着色程度3〜4、盛期〜終期は2〜3で適熟(カラーチャートで判定、大分5)。他品種の収穫期は資料に無し 大分1・大分2・大分3・大分4・大分5・大分6

各県の資料にある注意点

  • 北海道:施用した有機物は緩効的なので、化学肥料相当分を減肥量の上限として施肥量を減らす。北海道のなしは施肥ガイドの記述のみで、栽培暦に当たる資料は見つからず
  • 青森:資料は県の特産果樹生産情報で、中心は西洋なし。日本なしの記載は摘果・追肥・収穫適期の判定・五戸の生育ステージだけで、施肥基準・栽植本数・土壌pHはない。生育は五戸1か所の観測
  • 宮城:資料は平成5年(1993)3月で古い。幸水は予備枝の長果枝栽培(蔵王町)が基本技術。ビャクシン類の植栽が増えると赤星病の伝染源が増える。数値は当時の試験の値で、現在の品種・防除体系と異なる可能性がある
  • 秋田:平成16年度の指針で古い。あきづきは花芽の着生が短果枝・腋花芽とも少なく予備枝で新梢を誘引、かほり(平塚16号)は収穫前落果、南水は短果枝利用型で黒斑病にやや弱くえそ斑点病に感受性。幸水の比率が高いと適期作業が遅れ選果作業が集中する
  • 山形:窒素の多用は果実肥大にあまり効果がなく、糖度低下など品質低下につながる。西洋なし(ラ・フランス3,500kg/10a、N12-5-10)は前年9月下旬〜10月上旬に全量基肥
  • 福島:高温・少雨の年は7月下旬以降に果実肥大が鈍り、かん水と修正摘果で回復した(令和5年)。あきづき・王秋でコルク症状を伴う果肉障害が出る年は微量要素欠乏と土壌水分の変動が背景。黒星病は落葉の粉砕(500円玉程度)や埋没で越冬菌を減らす。2つのジョイントV字マニュアルで摘心の書き方が違う(福島3は基部1〜2cm残す、福島4は葉2〜3枚残す)
  • 茨城:幸水の安全限界温度は発芽期−3.6℃、花蕾露出始期〜露出期−2.9℃、花弁露出始期〜白色期−1.8℃、開花直前〜満開期−1.3℃、幼果期−1.3℃(1時間遭遇でわずかでも障害が出るおそれ)。晩霜対策は多目的防災網(約0.5℃昇温)・燃焼法(半斗缶20〜25個/10a、0℃で点火)・送風法(棚面1.8mに感温部、4℃で作動)・地表面管理(敷わらは5月上旬を過ぎてから)。中国の火傷病で中国産花粉の輸入が停止。同じS遺伝子型どうしは受精できない(幸水と恵水・王秋は同じS4S5のため相互不可、豊水はS3S5、あきづき・甘太はS3S4)
  • 栃木:黒ボク土基準。幸水の結果樹の追肥(礼肥)は収穫終了直後に行う。豊水以降は礼肥なしの全量基肥。ようりん等の土づくり肥料は土壌診断に基づき施用。2026年は果樹カメムシ類が多く、防災網は隙間なく被覆する。2026年は開花が平年より早く、霜害対策と花粉確保の準備を早めにするよう呼びかけがあった
  • 群馬:同表の幼木行は「5年以上」と読めて他の区分と整合しない(印刷誤りの可能性)ため採用していない
  • 埼玉:リン酸が蓄積の傾向にあり、土壌診断で基肥量を減らす。リン酸過剰には低リン酸肥料、カリ過剰には低カリ肥料。基肥時期を3月上旬にして凍害の発生を防ぐ
  • 千葉:収穫後の秋肥の施用が極めて重要(品質向上のため収穫期前の肥効は制限)。機械の踏圧で表層10〜20cmが緻密化しやすく、中耕・有機物・熔りん・石灰質資材を使い、せん定枝など未熟な木質有機物は避ける。りん酸・加里は過剰傾向。中国の火傷病で中国産花粉の輸入が停止し、花粉採取専用樹の育成が必要になった
  • 東京:発芽不良が心配される場合は基肥時期を遅らせる。収穫後は土壌診断に従い、土壌改良資材を堆肥とともに施用。稲城は減肥
  • 神奈川:春肥主体の施肥体系(11月基肥なし)が併記されている
  • 新潟:水田転換園では盛土と排水対策が必須(地下水位100cm以上に下げる)。植穴は直径1m・深さ70cm以上、完熟堆肥100kg程度、植付3か月前に掘る。年間作業時間は日本なし217時間/10a、ジョイントでせん定55時間が約4割減。資料に栽培暦の月別表はなし
  • 富山:平年値は10か年平均(香麗は4か年、王秋は9か年)。2025年は幸水が8/7〜9/1と平年より早い収穫だった。富山の施肥基準は水稲のみで、なしの施肥基準・土壌pHは県資料に見つからず
  • 石川:大型防除機の走行による土壌物理性の悪化と保肥力の低下が問題。草生栽培と堆肥の組み合わせ、完熟堆肥の使用(紋羽病・窒素飢餓の防止)。県の栽培暦・品種別の時期は見つからず
  • 福井:ナシ・カキの産地は坂井北部丘陵地で、農地開発の造成園のため有効土層が浅く、下層は孔隙が少なくち密、酸性で腐植が少ない園が多い。6月の追肥は果実肥大・花芽分化を促すが糖度低下につながることがあり注意。幸水・豊水は多肥を好むが、二十世紀の多肥は黒斑病を助長する。樹勢の強い園は基肥中心で追肥を減らし、弱い園は量を増やして分施。深耕は秋〜冬の乾いた時期
  • 山梨:6月下旬の追肥は砂壌土のみ。基肥は有機質肥料主体。窒素流亡を抑えるため樹の近くに施肥する
  • 長野:令和5年は受粉用花粉が不足し、県が花粉確保(共同採取・開葯センター・受粉樹植樹)を呼びかけた(長野6)。S遺伝子型で幸水S4S5・豊水S3S5・南水S4S9・二十世紀S2S4・あきづきS3S4など。ジョイントは登録品種の自家増殖に注意。冬季の高温で発芽不良、高温乾燥でコルク状障害・日焼けが出る年がある
  • 岐阜:年平均気温8〜16℃(主産地12〜15℃)、生育期間(4〜10月)の平均気温19〜21℃、年降水量1,200〜2,000mm前後の地域が対象。薬液の飛散防止のため棚周りに飛散防止装置を設置。施肥は堆肥中の成分を差し引いて決める。平成17年の古い体系で、図の月は読み取りの誤差がある
  • 静岡:志太榛原農林事務所の産地紹介ページだけ。焼津市・藤枝市の南部平坦地で約15ha。栽培暦・施肥基準・せん定などは県サイトのどこにも見つからなかった
  • 愛知:県内のなし産地では家畜ふん堆肥の長年の施用でリン酸・カリが過剰に集積した園が多い。前年収穫後の有効態リン酸が100mg/100g以上、交換性カリが40mg/100g以上の園では、土壌診断を見てリン酸・カリを減らしても収量・品質は変わらなかった(2014年の試験)。基肥には緩効性の有機質肥料を使い、速効性なら年明け(1〜2月)に施す。未結果樹の1〜2年生の施肥例はN140-P140-K80(g/本)、3〜4年生は280-280-180、5〜6年生は400-300-300
  • 三重:砂質土壌では施肥量を2割程度多くし、肥料切れが早いので5月中旬に追肥。「眠り症」(発芽不良)が心配な場合は基肥を2〜3月にするが窒素の遅効きに注意。施肥量は樹齢や目標収量で調整する
  • 滋賀:ビニル被覆は3月下旬〜7月上旬で降雨を遮断し黒星病を抑える。開花期がやや早まり前進栽培が可能。ただし遅くまで被覆すると特に幸水でまだら果の原因になる。性フェロモン剤(交信かく乱)は4月下旬と7月下旬の2回、10aあたり100本ずつ分けて設置する方法が県内なし産地で普及(本文)。図表では4月中旬と7月上旬で、資料内に食い違いあり。成虫の発生時期は地域差があり、収穫期までの残効を考慮して設置する。設置前に害虫密度が高ければ別途の防除で密度を下げる(滋賀1 p.124-126)
  • 京都:適地条件(京都2 p.15): 年平均気温7℃以上、4〜10月の平均気温13℃以上、冬期の最低極温-20℃以上、幸水の低温要求時間800時間以上、凍霜害の常習地は避ける。無袋栽培も可能だが果実の外観が落ちて評価が低い(京都1 p.148)。ネット目は4mm以下。ネット被覆と雨よけは資本投下が大きく、雨よけは風通しが悪いとかえって病気が多発する(京都1 p.146)。京丹後では二十世紀・新興から早生品種やあきづき・甘太・王秋への改植を推進、台湾への輸出が定着(京都2 p.2, 11)
  • 大阪:大阪府の資料は特別栽培農産物表示ガイドライン用の慣行レベル表で、栽培暦・施肥基準ではない。なしの品種・時期の記載はなく、大阪府の環境農林水産総合研究所のサイトでもなし栽培の資料は見つからなかった
  • 兵庫:但馬1号は果実表面にアザが出やすい(兵庫4)。収穫適期が分かりにくいので果皮色で判定(兵庫6)。同時期の幸水より大玉で日持ちが良く、糖度は同程度(兵庫3)。果樹園土壌の目標値は主要根群域40cm以上、根域70cm以上、地下水位100cm以下、腐植3%以上、塩基飽和度50〜70%、可給態リン酸20mg/100g以上など(兵庫1 p.55)。粘質土が多く、果樹園の周囲には排水対策が必要(兵庫1 p.59)
  • 奈良:元肥は有機質肥料と肥効調節型肥料を主体にする。幼木期は生育期間を通して肥効が途切れないよう肥効調節型肥料を主体に分施する(奈良1 p.29)
  • 和歌山:資料なし。和歌山県の日本なし栽培経営体は86で全国11,278の0.8%(2025年農林業センサス、和歌山の果樹・令和8年6月 p.11)。県の果樹関連ページ(果樹園芸課・果樹試験場・かき・もも研究所・うめ研究所)にも日本なしの栽培技術資料は見つからなかった
  • 鳥取:県の梨栽培面積はS58の3,880haから H29の862haへ減少(農水省統計)。二十世紀は面積の61%を占めるが老木の改植が課題。新甘泉は短果枝の維持が難しく隔年結果と変形硬化症状に注意、王秋は高温乾燥年にコルク状果肉障害が出やすい、夏さやかは耐寒性が低く遅い多肥を避ける。県内の樹園地は可給態リン酸が平均120mgまで蓄積しており減肥の余地。特別栽培の慣行レベルは施肥基準ではない。令和8年は果樹カメムシ類が増加し追加防除の支援事業あり。第三者継承の優良園の基準にかん水施設・新品種・ジョイント仕立て・土壌条件を挙げる
  • 島根:栽培指針は水稲・ハウスブドウ・かき等で、ナシの栽培指針・栽培暦は確認できず。資料は2007年の施肥指針が中心で数値は古い。果樹の施肥は肥料価格高騰を受け吸収量(窒素年10kg前後)に近づける分施と土壌診断を推奨
  • 岡山:県の農業研究所の果樹研究室はモモ・ブドウが中心で、ナシの栽培指針・施肥基準・栽培暦は確認できず(資料は土壌診断の手引きのpH表と令和7年度成果の晴香1件のみ)
  • 広島:振興計画の適地条件(日本なし):年平均気温7℃以上、4〜10月の平均気温13℃以上、冬期最低極温-20℃以上、低温要求時間は幸水で800時間以上、4〜10月の降水量は二十世紀で1,200mm以下、最大積雪深は概ね2m以下、蕾〜幼果期に降霜が少ないこと(表の列対応は読み取り)。出荷期間拡大・労力分散のため品種構成を改善し、ネット栽培・防霜施設の導入と輸出(アジア)を進める。ナシの施肥基準・栽培暦は確認できず
  • 山口:みつ症(水なし)は二十世紀・豊水に多く、水浸状褐変は二十世紀に多く9月に30℃以上が続くと晩生にも出る。コルクスポットはホウ素欠乏で、秋〜初冬の土壌改良時にホウ酸500g〜1kg/10a。コルク状果肉障害は王秋に多く少雨年・強樹勢で多発、あきづきでも発生。花粉は火傷病対策で輸入に頼らず自給を強化。ナシは改植(老木の収量低下)が主要課題。ゴールド二十世紀は外観確保に大袋1回が必要、おさゴールドは1花そう6果程度着果することがあり摘蕾・早期摘果が必要
  • 徳島:県は、高齢化に伴う小玉化と生産性の低下があり、計画的な改植が必要としている。栽培暦・施肥基準は見つからなかった
  • 香川:県の「さぬき讃フルーツ」の紹介ページだけ。品質基準は秀品ランクで平均糖度12.0度以上。栽培暦・施肥基準は見つからなかった
  • 愛媛:備考欄は空欄。ナシ専用の栽培暦・防除暦は資料なし
  • 高知:新高は袋かけ(6月中旬まで)が前提の作業暦。豊水・新高はみつ症に注意。8月は台風対策(枝の結束、棚の点検、防風ネット)、乾燥が続けば10aあたり20mm程度かん水。10月のお礼肥は収穫終了後早めに施す
  • 福岡:秋の施肥は耐凍性を下げ凍害(発芽不良等)を助長するので基肥は早春に行う。幼木は窒素の吸収力が強く徒長・遅伸びで胴枯病や生理障害に弱くなるので、成木園への補植時は幼木周りが窒素過多にならないよう注意。あきづきは樹勢が強く二次伸長も多いので樹勢・結果量で加減。加温栽培は樹勢が低下しやすいため窒素を10〜20%程度増肥。断根を伴う深耕は秋根が伸びる前に行う。腐植は目標値を下回る圃場が55%あり土壌改善が必要(R3の実態調査、福岡1)。特定の系統の薬剤に耐性をもつ菌が県内で確認され赤星病・黒星病で効果が落ちる地域がある(福岡2)
  • 佐賀:施肥は水田転換の肥沃地で20〜30%減、傾斜地の地力の低い園で20%増。幼木は窒素過多にならないよう(特に幸水・豊水)。土壌改良・かん水・敷きわらは株元から2mの範囲で、肥料もこの範囲内。満開後10日前後から10日おきに3〜5回カルシウム剤を葉面散布(早期落葉防止・生理障害回避・日持ち向上)。豊水のみつ症は夏季かん水(7月下旬から収穫期まで7日毎10mm程度)と6月からの麦わらマルチで軽減(佐賀11)。収穫後は5〜7日毎に15mm程度のかん水(佐賀6)。発芽不良の要因は自発休眠覚醒の不足・耐寒性不足・樹勢低下(佐賀10)。特定の系統の薬剤は5月上旬〜6月中旬は原則使わない(佐賀2、耐性菌対策)。特別栽培は化学肥料・農薬が慣行の1/2以下、農薬は成分回数17回以下が条件(佐賀2)
  • 長崎:幸水・豊水・あきづきは日持ちが悪いので過熟に注意し、気温の低い午前に収穫。新高は果皮に緑が残る果実は硬く酸味が強い。生育旺盛な肥沃園は2月上旬の窒素を控えめにする。台風対策に棚補強と防風垣の補修。施肥量は地力・樹勢・収量で増減
  • 熊本:新高のみつ症は8〜9月の高温・乾燥が主因で収穫遅れでも増える(対策: 適期収穫、降雨が少なければ1週間間隔で樹冠下に20〜30mmかん水、7月中下旬からの樹上散水、遮光率40%の遮光ネット、あきづき・甘太への品種更新)。あきづきはコルク状果肉障害(収穫時の果実重が大きいほど多い)、秋麗は裂果に注意。白紋羽病にかかりやすいので未熟な粗大有機物を避け完熟堆肥を使う(熊本1)。新興は温暖化で不安定になり、あきづきへの転換が進む(荒尾)
  • 大分:樹園地の土づくりは開園時の石灰質肥料・リン酸(改良深30cm)と冬季(休眠期)の全面散布・15cm混和(大分2)。堆肥は果樹で1.5〜4.0t/10a(大分2)。リン・カリを低減した低成分肥料の使用は土壌・樹の栄養診断を定期的に行うことが条件。特定の系統の薬剤は赤星病で治療効果ありと記載
  • 宮崎:台風被害の回避が最大の課題で、多目的防災網と補強棚が普及しつつある。有効土層1m以上で肥沃・排水良好な園を好み、耕土が浅い園では深耕して有機物を入れ、石灰質資材(苦土石灰60〜100kg/10a)と燐酸質資材(熔燐40〜60kg/10a)を深層まで入れる。水分が不足すると養分の吸収率が下がる。施肥基準は平成11年作成と古い
  • 鹿児島:排水を第一に考える(過湿はユズ肌・石ナシの原因。幸水・豊水の枝幹性障害は根腐れ等の根の活力低下が原因とされる)。深耕して完熟バーク堆肥を施し(牛ふん主体堆肥なら2,000kg/10a程度)、白紋羽病にかかりやすいので未熟な有機物は避ける。12〜1月に石灰質肥料を施して中耕。草生栽培は春〜夏が養水分競合期なので草管理を徹底

資料どうしで違うところ

施肥の時期

基肥を入れる時期が、県によって秋から春まで割れています。山形は前年の9月下旬〜10月上旬に全量を基肥にします。群馬は11月(図から読み取り)、愛知は11月上旬〜12月下旬、千葉は11月下旬〜12月上旬、山梨と奈良は11月中旬、大分は12月上旬に年間の40%、愛媛は12月中旬(窒素の55%)、高知は12〜1月です。一方、福岡は2月上旬〜中旬に窒素の60〜70%、長崎は春肥を2月上旬〜中旬に窒素の80%、埼玉は3月上旬、栃木は3月(図から読み取り)に基肥を入れ、北海道は融雪直後に全面施用します。神奈川は2月と11月の2回に分け、春肥主体の場合は11月の基肥を行いません。

春に寄せる県は、凍害や発芽不良を理由に挙げています。埼玉は基肥を秋冬期から3月上旬に移すと凍害を防げるとし、福岡は秋の施肥が耐凍性を下げて凍害(発芽不良など)を助長するので基肥は早春にするとします。長崎は温暖化で秋の基肥が花芽の耐凍性を下げて発芽不良のおそれがあるため春肥に上乗せし、山口は温暖化で発芽不良が出る園で窒素肥料と堆肥の散布を3月に移します。熊本は、11月に年間量の大半を施すと春までに流亡し、早すぎると遅効きして耐凍性が下がるおそれがあるとして、11月中・下旬と2月下旬〜3月上旬に分けます。鹿児島は発芽不良が出た幸水・豊水に、春肥3月に100%、または春肥3月に80%と秋肥9月に20%を示しています。三重は、眠り症が心配なら基肥を2〜3月にして、窒素の遅効きに注意するとしています。

千葉・佐賀・栃木・鹿児島・福島では、収穫後の秋肥・礼肥も違います。千葉は9月上旬の秋肥が品質のため極めて重要とし、佐賀は年間の40%を収穫1か月後〜9月末に速効性肥料で2回に分けて施し、礼肥は収穫直後に20%です(佐賀6は礼肥10%・秋肥30%で、佐賀1と配分が違います)。栃木は幸水だけ収穫終了直後に礼肥を施し、豊水以降は礼肥なしの全量基肥です。鹿児島の幸水・豊水は初秋肥が9月上旬に20%、秋肥が10月下旬に50%と11月中旬に30%です。福島は地帯区分で違い、区分1は秋肥(9月)N5〜10と冬肥(11〜12月)N15、区分3は秋肥に加えて春肥(2〜3月)N10と追肥(6月)N5を入れます。

窒素量

幸水・豊水の成木の年間窒素(kg/10a)は、鹿児島がN14、埼玉がN15、山口がN19.5、栃木・福井・山形・長崎・愛媛がN20、福岡・佐賀・東京がN22、愛知の早生と宮城がN24、茨城の幸水が土壌型によりN20〜25(幸水以外はN21〜25)、奈良がN25、大分の幸水がN29(豊水N33)で、2倍以上の幅があります。二十世紀は幸水・豊水より少なめで、福井は幸水・豊水N20に対し二十世紀N16、山口は幸水・豊水N19.5に対し二十世紀N15.0、島根は幸水・豊水N20〜25に対し二十世紀N15〜20、奈良は幸水・豊水N25に対し二十世紀N20です。福井は、二十世紀の多肥が黒斑病を助長するとしています。

鹿児島・愛知・熊本・大分・高知では、新高は多めです。鹿児島は豊水・幸水N14に対し新高N28、愛知の中晩生はN30、熊本の新高はN28、大分の新高はN35、高知の新高はN36です。目標収量が高い県ほど窒素が多い傾向があり、鹿児島は豊水・幸水の2,000kgでN14、新高の4,000kgでN28、長崎は幸水2t・豊水3tでN16、幸水3t・豊水4tでN20です。佐賀は収量別に1tでN6、2tでN16、3tでN22、4tでN26、宮崎は非火山灰土で1tがN5、2tがN11、3tがN20です。ただし前提の品種・土壌が違うので、数字だけでは比べられません。

千葉・栃木・宮崎では、土壌でも窒素量が変わります。千葉は幸水が火山灰土でN23、砂質土・壌質土でN25、栃木は黒ボク土以外でNを10〜15%増やし、宮崎は3tの収量で非火山灰土がN20、火山灰土がN13です。北海道は日本なし・中国なしの成木でN16です。

石川・大阪・鳥取・京都・熊本・宮崎には、施肥基準ではない窒素量もあります。石川は特別栽培の慣行レベルでN30、大阪はN14、鳥取は化学肥料の窒素が二十世紀9.1・王秋10.0、熊本はN23、宮崎は幸水N13・豊水N16・新興N18です。京都は環境にやさしい農業の体系例でN15.4です。慣行レベルは実際の使用量の調べで、施肥基準ではありません。

土壌pH

目標のpHは、福井・栃木・茨城・東京が6.0〜6.5、千葉が5.5〜6.0(火山灰土)、宮崎が5.5〜6.0、愛知が5.6〜6.5です。福島・新潟・岐阜・石川・島根・福岡・佐賀・高知・兵庫・岡山・鳥取・鹿児島は5.5〜6.5、奈良と秋田は6.0で、大分は開園時に6.5を目標にします。広島の診断基準は、砂質土と壌〜粘質土が5.5〜6.0、黒ボク土が5.5〜6.5ですが、なし専用ではありません。県による差は小さく、福島や島根など多くの県が5.5〜6.5に入ります。

pHのほかに、愛知・埼玉・千葉・鳥取がリン酸の蓄積に触れています。愛知は、前年収穫後の有効態リン酸が100mg/100g以上、交換性カリが40mg/100g以上の園では、土壌診断を見て減らしても収量・品質が変わらなかったとしています(2014年の試験)。埼玉はリン酸が蓄積傾向で、土壌診断で基肥量を減らし、千葉もリン酸・加里が過剰傾向です。鳥取は可給態リン酸が40〜70mgなら施肥リン酸を半量にし、70mg以上なら施肥も土壌改良材も無施用とします。

仕立てと栽植本数

栽植本数(10aあたり)は、栃木と群馬の成木が20本、三重が20本(7×7m)、福岡の幸水・豊水が20本(7m×7m)で二十世紀・新高が15本(8m×8m)、愛知が30本、山梨が30〜40本、埼玉が40本です。千葉の幸水は15〜20本、東京は黒ボク土が20本で灰色低地土が33本、宮城は肥沃地が20本で地力の低い土壌が約40本です。岐阜は5×5m(40本)から始めて、最終は7.1×7.1m(20本)まで計画的に間伐します。

ジョイント仕立ては、山口や佐賀などで慣行よりずっと密に植えます。山口の樹体ジョイントは樹間1.5〜2mで約200本(慣行の3本主枝は約50本)、佐賀は列間3m×樹間2mで約150〜170本(平棚3本主枝は約50〜60本)、長野は166〜222本、新潟は150〜200本です。福島のジョイントV字は列間3.5〜4.0m・株間1.5〜2.0m、主枝は地上0.7〜0.8mです。大分の流線型仕立ては3.5m×2.5mで約100本(慣行の平棚は約30本)で、あきづきなどの新植が進んでいます。

目標収量(kg/10a)は、幸水が山形2,500、千葉・栃木・埼玉・神奈川・福岡3,000、宮城3,500、福島の施肥基準の例が3,500です。豊水は千葉3,500〜4,000、栃木3,500、埼玉4,000、福島4,000、山口3,800、大分4,400です。山口の二十世紀は3,500、福岡の新高・新興・王秋は5,000、栃木のにっこりは成木で5,000です。

作業ごとのポイント

せん定と側枝の更新(長果枝・短果枝)

熊本や秋田では、長果枝に実をつける幸水・あきづきと、短果枝に実をつける豊水・新高とで、側枝を更新する間隔が違います。熊本は長果枝主体の幸水・あきづきを2〜3年(間隔30cm)、短果枝主体の秋麗・豊水を3〜4年(30〜35cm)、新高・新興を5年ほど(40〜50cm)で更新します。秋田は幸水の側枝を原則3年、豊水を4〜5年で更新し、山口は二十世紀が5〜6年、豊水が3〜4年、幸水が3年です。高知は、結果枝を2〜3年で更新しないと花芽が弱くなるとしています。

長崎・秋田のあきづきは花芽のつき方に癖があります。長崎は、あきづきが短果枝をつけにくいので、長い予備枝を多く置いて側枝を積極的に更新し、新高は短果枝群の花芽を整理するとしています。秋田もあきづきは花芽の着生が短果枝・腋花芽とも少ないので、予備枝で新梢を誘引します。熊本の新高は若い枝で発芽不良が出やすいため、側枝更新を急がず3〜5年生を中心に置きます。主枝・亜主枝の先端は、佐賀・熊本・秋田が強く切り返して棚面より高く置き、山口は先端1mに着果させず花芽も残しません。

人工受粉と花粉

人工受粉の回数と時期は、茨城が満開時に2〜3回、山口が4月中旬の3分咲と8分咲、長崎が3〜4分咲と8分咲の2回です。熊本は気温20〜25℃で風のない日の午前10時〜午後3時が好適で、開花3日目まで受粉できるとし、佐賀は15℃以下が予想される日は控えます。鳥取のゴールド二十世紀は、開花2日後でも結実率が下がるので当日に行い、新甘泉は開花4日後まで低下が少ないとします(試験の値)。

花粉の確保は、茨城や長野など多くの県の課題です。中国産花粉は火傷病で輸入が止まり、茨城・千葉・京都が確保を課題にしています。長野は令和5年に受粉用の花粉が不足し、共同採取、開葯センター、受粉樹の植樹を県が呼びかけました。千葉は花粉採取専用樹の育成マニュアルを作り、熊本は新興の蕾から採った花粉を−20℃以下で1年以上保存します。茨城は10aあたり粗花粉60〜90gを見込み、ミツバチは1群で30〜40aを受粉できるとしています。

長野の表では、S遺伝子型が幸水S4S5・豊水S3S5・南水S4S9・二十世紀S2S4・あきづきS3S4で、同じ型どうしは受精できません。茨城は幸水と恵水・王秋が同じS4S5で互いに使えないとします。熊本はあきづきと秋麗が互いに受精しないとし、岡山は晴香(S3S5)に同型の豊水の花粉を使えないとします。新潟の新美月・新王、鳥取の秋甘泉・おさゴールド、兵庫の秋栄・おさゴールドは自家で実をつけるので、人工受粉の手間を減らせます。

摘蕾・摘果と着果量

宮城・佐賀・熊本・鳥取では、摘果の時期が品種で前後します。宮城は受粉後3週間頃までに1果そう1果にして、45日頃までに仕上げます。佐賀は授粉2週間後に判断し、開花後30日までに適正着果にします。熊本のあきづきは満開15日以内の早期予備摘果でコルク状果肉障害が減り、鳥取の王秋は受粉22日後(5月上旬)と早めに粗摘果するとコルク状障害が減ります(試験の値)。鳥取の新甘泉は満開後40日頃からにすると変形硬化症状が減り、兵庫の但馬1号は二十世紀の通常の5月中旬より早く間引きます。

宮城・山口・長崎・秋田・福島で着果量の目安が違います。宮城は幸水・豊水が14,000個/10a、二十世紀が18,000個、山口の二十世紀は11,000果/10a、長崎は幸水と豊水が10,000果、あきづきが8,000〜9,000果、新高が6,000果です。秋田の幸水は、日当たり良好・樹勢やや強・葉数多で1㎡あたり12〜13果、日当たり不良・樹勢やや弱・葉数少で3果以下とします。福島のジョイントV字は3年目に2,000〜3,000果、5年目以降は甘太・王秋で8,000果/10aです。佐賀は幸水の修正摘果を、裂果を防ぐため満開後100日近くに遅らせます。

袋かけと無袋栽培

山口・宮城・鳥取・兵庫・熊本で袋かけの考え方が違います。山口は二十世紀の小袋を満開1か月後(5月)、大袋を小袋の25日後(6月)にかけ、宮城は小袋を受粉後15〜30日、大袋を6月中〜下旬にかけます。鳥取は二十世紀の小袋・大袋の2回を1回に減らす半無袋栽培と網掛けを進め、兵庫の但馬1号は小袋を省いて、満開30日後に黄色の大袋だけをかけます。熊本の甘太は満開50日後に白一重袋をかけ、満開後60日目より前だと糖度は上がりますが、果実が小さく日持ちが短くなります。

富山や長崎のように無袋の県もあります。富山の推奨品種の調査はすべて無袋で、長崎の幸水・豊水・あきづきも無袋、新高は有袋(大袋1回)です。無袋の対策として、山口は吸蛾類への防蛾ネットか防蛾灯、長崎はLED黄色灯、栃木は目合い4mm以下の防災網を挙げます。新潟の新美月・新王は黒斑病に強く、袋掛けなしでも栽培できます。

新梢管理(誘引・摘心・芽かき)

宮城・秋田・山口・福島では、新梢の誘引が6月下旬〜7月に中心です。宮城は新梢が止まる直前の6月下旬〜7月中旬に45度で誘引し、秋田と山口は6月下旬〜7月上旬、福島のジョイントV字も6月下旬〜7月上旬です。佐賀は満開後70日頃に45度で誘引し、幸水・あきづきは必須とします。鳥取のゴールド二十世紀は、新梢の約4割が伸長を止めた7月上〜中旬に誘引すると果重が増えます。山口は、二次伸びした40cm以上の枝を7月中旬に誘引し、切る場合は1回に1樹数本にとどめます。

摘心は、福島のジョイントV字が5月と7月、長野のジョイントの幸水が5月の早い時期から3〜4回、佐賀が満開後30〜40日頃です。福島の2つのマニュアルは摘心の書き方が違い、福島3は基部を1〜2cm残し、福島4は葉を2〜3枚残します。芽かきは、秋田が開花期〜新梢伸長初期、長崎が幸水で4月中旬〜5月中旬、熊本の秋麗が開花前の除芽(側枝1mあたり花芽6芽を残す)で、予備摘果の時間を短果枝側枝で48%、長果枝で26%減らします。

ジョイント栽培

熊本によると、ジョイント栽培は作業時間が慣行の棚の約1/2、成園化が3〜4年(慣行は約10年)です。熊本のV字は苗代と施設代で10aあたり約120万円(平成30年時点、自力施工)かかります。福島は王秋のジョイントV字で定植3〜4年目に4,000kg/10aを見込み(試験の値)、新潟はジョイント5年目の試算で新美月・新王が3,449kg/10aです。長野の南水のジョイントは、4年生で約0.7t、5年生で約1.7t/10aでした(試験の値)。

鳥取はジョイントを約30ha(令和5年)とし、なつひめ・新甘泉は着果3年目で3t/10aを超える一方、おさゴールドは着果1〜2年目の収量が少なく、早期多収の効果が低いとします。長野は、連結数を増やすとウイルス性のえそ斑点病のリスクが増えること、登録品種の自家増殖に注意することを挙げます。山口は、樹体ジョイントは神奈川県の特許があり実施料が必要としています。

晩霜と防災網

花が咲く前後の霜は、福島の幸水で発芽期−3.6℃、花蕾露出期−2.9℃、開花直前−1.8℃、満開期−1.3℃(いずれも1時間遭遇)が安全限界の温度です。茨城はほぼ同じ温度を示し、防災網(約0.5℃昇温)、燃焼法(0℃で点火)、送風法(4℃で作動)を紹介します。新潟は晩霜害が4月〜5月上旬に多く、鳥取は2014年4月に県下で4億円の霜害がありました。栃木は2026年に開花が平年より早かったため、霜害対策と花粉確保の準備を早めにするよう呼びかけています。

黒星病と赤星病

福島と熊本は、黒星病は開花前後が最重要とします。福島は花そう基部病斑が開花期頃に出て、開花直前〜開花後約2週間を重要防除期とし、熊本は潜伏期間が14日以上あるので降雨前に散布します。秋にも防除があり、福島は10月上旬〜11月上旬に落葉率80%頃まで2週間間隔で3回程度、佐賀は9月中旬〜10月下旬、熊本は収穫後〜落葉期(11月中旬)に2〜3回です。鳥取は秋の防除の必要性が幸水・新甘泉・豊水・なつひめで高く、二十世紀系・夏さやか・王秋・新興で低いとします。

兵庫や滋賀には耕種的な対策もあります。兵庫は、年内の早期せん定で黒星病の発生が1/3〜1/2に減るとしています。滋賀は、ビニル被覆を3月下旬〜7月上旬に行って降雨を遮ると黒星病を抑えられるが、遅くまで被覆すると幸水でまだら果の原因になるとします。福島は落葉を500円玉程度に粉砕するか埋めて越冬菌を減らし、熊本は落葉を園外に出すか埋めます。福岡は、特定の系統の薬剤に耐性をもつ菌が県内で確認され、赤星病・黒星病で効果が落ちる地域があるとしています。赤星病は、鳥取が中間寄生樹(ビャクシン類)の伐採を挙げ、福岡は冬胞子堆が3月下旬から降雨で膨潤し、感染後10日〜2週間で発病するとします。

カメムシ類・ナシヒメシンクイ・ハダニ類

カメムシ類は、千葉が越冬後の成虫の飛来を5月とし、園全体を防災網(9mm目合い)か防虫ネット(4mm目合い)で覆うとします。栃木は2026年に越冬量が多く、5月14日に注意報を出しました。栃木は、カメムシの防除に薬剤を使ったあとにハダニ類・カイガラムシ類が増えることがあるとしています。鳥取はクサギカメムシの5月上旬の幼果期の加害で果実が変形し、チャバネアオカメムシは6月上旬〜8月上旬の加害で被害度が高いとします。

ナシヒメシンクイは、熊本が年4〜5回で、果実を食べるのは8月以降の第4〜5世代(無袋・晩生で多い)、福岡は年5回で7月以降の第2〜3世代が果実を加害します。福島は高温年に世代数が増え、豊水・あきづき以降で8月下旬から果実被害が出るとします。ハダニ類は、福岡のカンザワハダニが7月中下旬〜8月に多く、大分は7月上中旬が最多、島根は7〜8月に多い時期です。

みつ症・コルク状障害・発芽不良

熊本・高知・山口は、みつ症を新高・豊水・二十世紀の課題とします。熊本の新高は8〜9月の高温・乾燥が主因で、収穫が遅れても増えるため、1週間間隔で樹冠下に20〜30mmかん水し、7月中下旬から樹上散水、遮光率40%の遮光ネットを使い、あきづき・甘太への品種更新も挙げます。高知は新高の収穫前に夕方、園内へ散水して夜温を下げ、佐賀の豊水は6月から麦わらマルチ、7月下旬から収穫期まで7日ごとに10mm程度かん水します。山口は、みつ症は二十世紀・豊水に多いとしています。

コルク状果肉障害は、山口が王秋に多く少雨年・強樹勢で多発し、あきづきでも出るとします。熊本のあきづきは、収穫時の果実重が大きいほど多いとし、摘蕾か早期予備摘果で軽減します。福島も、あきづき・王秋でコルク症状を伴う果肉障害が出る年は、微量要素の欠乏と土壌水分の変動が背景とします。発芽不良は、佐賀が2020年に伊万里市南波多で加温ハウス園の約86%・トンネル園の約71%で発生し、要因を自発休眠覚醒の不足・耐寒性不足・樹勢低下としています。

台風・かん水

宮崎や長崎など九州の県では台風が大きな課題です。宮崎は台風被害の回避が最大の課題で、多目的防災網と補強棚が普及しつつあります。長崎は豊水・あきづき・新高の棚面を鉄パイプで補強し、防風垣を補修します。高知は8月に枝の結束、棚の点検、防風ネットの設置をします。長崎は梅雨明け前に主幹の周りへ稲わら1t/10aを敷き、梅雨明け後は必要に応じてかん水します。

資料が見つからなかった都道府県

岩手・沖縄は、日本なしの栽培資料を確認できませんでした(2026年10月時点)。岩手は県の施肥管理指針(3つのPDF)になしの記載がなく、沖縄は農林水産省のポータルにさとうきびの指針しかなく、県の特別栽培の慣行レベルにもなしがありません。

青森・静岡・香川・徳島は、行はあるものの資料が少ない県です。青森は県の特産果樹生産情報(西洋なしが中心)に、幸水・多摩の摘果・追肥・収穫適期の判定と五戸の生育ステージが載っています。静岡・香川・徳島は県の産地紹介ページ(品種と出荷時期)だけで、栽培暦と施肥基準は見つかりませんでした。

行はあるものの、内容が薄い県もあります。和歌山は、日本なしの栽培経営体が86で全国11,278の0.8%(2025年農林業センサス)という産地情報だけで、栽培技術の資料が見つかりませんでした。大阪は特別栽培の慣行レベル表だけで、栽培暦や施肥基準ではありません。石川は慣行レベルと土壌診断基準だけ、愛媛は施肥基準の1表だけで、岡山は土壌診断の手引きのpH表と、晴香の成果1件だけです。

北海道は施肥ガイドの日本なしの節だけ、山形は施肥基準の1行と品種別の栽培面積だけ、山梨は施肥指導基準だけ、富山は推奨品種の特性調査だけです。広島は果樹農業振興計画と土壌診断基準が中心で、栽培暦や施肥基準は見つかりませんでした。島根は病害虫のデータベースと施肥の指針が中心で、栽培指針や栽培暦がありません。滋賀は防除技術と肥料節減の資料が中心で、なし専用の施肥量の表がありません。愛知・三重・岐阜は施肥基準が中心で、病害虫の防除暦は取っていません。長野は病害虫防除所の防除暦が見つからず。

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