りんご(露地)の施肥・せん定・摘果・病害虫の防除・収穫の時期は、都道県ごとに別々の施肥基準や栽培指針、試験場の月報に書かれていて、まとめて比べられる場所がありません。この記事では、16都道県の公的資料(89本)から時期と数値を拾い、全国の比較表と、主産地向けの標準的な年間作業表にまとめました。どの値にも出典の都道県と資料を付けています。
全体を見ると、同じりんごでも、品種(つがる・ふじなど)と台木・樹形(普通台・わい化・高密植)、そして都道県によって、時期も肥料の量も大きく違います。成木の年間窒素(kg/10a)は、山形のふじがN5、北海道がN7、福島のふじがN8なのに対し、福岡のふじ以外がN16、山口のマルバ台のふじがN18、山口のわい性台のふじがN20で、約4倍の幅があります。施肥の時期も、山形と福島が9〜10月の秋の基肥、長野が11〜12月、青森・北海道・秋田が雪解け後の春と分かれます。収穫の始まりは、福島のつがるが8月22日(2025年)、青森(黒石)の有袋ふじが10月30日頃(2025年)で、2か月以上ずれます。
Excelには、年間作業表(実施日を書く欄つき)、16都道県の比較表、出典一覧の3つのシートがあります。
ほかの作物の栽培暦・年間作業表は栽培暦・年間作業表の全国まとめにまとめています。
この記事の調べ方
- 対象:道県と県の試験場・普及組織が公開している施肥基準、栽培指針、生育情報・技術情報(旬報・月報)、病害虫の防除基準、試験研究の成果。農林水産省「都道府県施肥基準等」に掲載されている県の資料を含みます。りんごの露地栽培が中心です。市町村・JA・企業・農研機構の資料は使っていません
- 使い方:資料の表やレイアウトは転載せず、時期と数値などの事実だけを拾って組み直しました。図の栽培暦から読み取った群馬・東京・岐阜の値は「図から読み取り」と書いています(±1旬の誤差があります)。青森1・2、岩手1、福島1、秋田1、宮城1・2、群馬1は画像PDFで、目視で読みました
- 慣行レベル:石川の窒素N15は特別栽培の慣行レベル、長野の地域慣行基準N15も環境にやさしい農業の慣行レベルで、どちらも施肥基準ではありません。表の中でもそう書いています
- 平年値と観測地点:青森は黒石のりんご研究所、福島は福島市の果樹研究所と会津坂下町の会津地域研究所、長野は須坂市の果樹試験場、秋田は横手市の果樹試験場、岩手は生育診断圃(県平均)の値です。平年の算出期間は資料ごとに違い、産地全体の平均ではありません
- 古い資料:宮城は1990年代の指導指針で、品種構成・薬剤・防除時期が現在と違うため、記事中では「1990年代の資料の値」と書きました。秋田の果樹指導指針は2004年、岐阜は2005年の標準技術体系です。現在の栽培管理は、青森・岩手・山形・福島・秋田の最新の旬報・月報を優先しました
- 長野の摘果の目安:長野県の果樹試験場は「満開1か月後を目途にあら摘果」としていますが、仕上げ摘果の「頂芽数に1果」の目安は県の資料に見つかりませんでした。本文の頂芽数の値は、山口の指針が長野県の値として引いたもので、山口の資料の引用として書いています
- 2026年の特殊な年:山形の2026年の月報は4月25日に降霜があった年、秋田の2026年の月報と調査は発芽・開花が平年より5〜9日早かった年、長野の2026年の調査は平年より約10日早かった年の値を含みます。平年値と混同しないよう、「2026年」と書いて区別しました。青森・岩手・福島の旬報は主に2024〜2025年のものです
- 農薬:農薬名と商品名は、どの資料からも書いていません。摘花剤・摘果剤・落果防止剤も製品名は書かず、病害虫は対象と時期だけを書いています
- 調査日:2026年10月2日。資料は改訂されることがあるので、最新の内容は各資料で確認してください
全国の時期の早見
- 発芽・展葉(ふじの平年値):福島(果樹研)は発芽3/27・展葉4/7、長野(須坂)は3/30・4/12、秋田(横手)は4/2・4/12、岩手(県平均)は4/5・4/15、青森(黒石)は発芽4/6〜7・展葉4/18です。宮城の園芸試験場の試験値(1990年代の資料の値)は、ふじ(マルバ台)で発芽3/31・展葉4/9でした
- 開花・満開(ふじの平年値):青森(黒石)は開花5/7・満開5/12、長野(須坂)は開花4/28・満開5/2、福島(果樹研)は開花4/26・満開4/30、岩手は開花始5/4・満開5/8、秋田(横手)は開花5/2・満開5/7です。山口は4月下旬に5分咲きで受粉の適期、東京は開花が4月上〜中旬頃、岐阜(飛騨)は5月上旬頃(東京・岐阜は図から読み取り)です
- つがるの収穫:福島(果樹研)は2025年に収穫開始8/22(平年より5〜6日早い)、秋田(横手)は2026年に9/4(平年差−2日)、青森(黒石)は2025年に9/7頃です。山口は8月下旬〜9月上旬、福岡は8月下旬、岐阜(飛騨)は9月上〜中旬(図から読み取り)です。岩手は満開後115〜125日(北上市の2025年で8/30〜9/9)、宮城は満開後120〜130日(9月上〜中旬、1990年代の資料の値)です
- 中生種・黄色品種の収穫:青森(黒石)は、シナノスイートが10月10日頃、ジョナゴールドが有袋10月13日頃、千雪が10月18日頃、星の金貨が10月25日頃、シナノゴールドが10月26日頃、ぐんま名月が10月30日頃です(2025年)。山口はシナノスイートが9月中旬〜10月上旬、秋映が9月下旬〜10月上旬、ジョナゴールドが10月上旬、福岡はシナノスイートが9月下旬〜10月上旬、長野(須坂)はシナノスイートが10月上中旬、シナノゴールドが10月中下旬です
- 王林の収穫:青森(黒石)は10月29日頃(2025年)、山口は10月中旬、宮城は満開後170〜180日(10月下旬〜11月上旬、1990年代の資料の値)です
- ふじの収穫:青森(黒石)は有袋10月30日頃・無袋11月4日頃(2025年)、山口は10月上旬〜11月上旬、福岡は10月下旬〜11月中旬、岐阜(飛騨)は11月上〜中旬(図から読み取り)、山形は11月が収穫期です。岩手は満開から165〜185日(2024年は満開4/27で10/9〜10/29)、秋田は満開後180日前後〜(年内販売は190日前後、2004年の指針)、宮城は満開後190〜200日(11月上〜下旬、1990年代の資料の値)です
標準の年間作業表(主産地の露地栽培)
青森・長野・岩手・山形・福島・秋田などの主産地の資料をもとにした、りんご(露地)の標準的な作業表です。せん定・施肥・摘果・袋かけ・収穫の時期は、品種(つがる・早生ふじ・ふじ・王林・ジョナゴールド・シナノスイートなど)と、台木・樹形(普通台・わい化・高密植)、道県で違うので、1行の中に品種別・道県別の時期を並べています。宮城は1990年代の資料の値、山形・秋田・長野の2026年の値はその年の特殊な生育(降霜・早い開花)を含むので、行の中で区別しています。「根拠」の略称は記事末尾の出典一覧に対応しています。
| 月 | 旬 | 作業 | 内容・目安 | 品種・作型 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 上旬〜下旬 | 雪害対策・野ネズミ(積雪地) | 青森は、積雪の多い年は1月から晴天の日を選んで融雪促進剤を数回散布し、散布に合わせて埋没した枝の掘り上げや溝切り(雪層切断)を行う。2月以降は幹の周りの雪を踏み固めて、雪が溶けた後に隙間ができないようにする。わい性樹は下枝の雪を踏み固め、普通台樹は冠雪が軽いうちに雪降ろしをして、雪中の枝先を抜き上げる | わい性台樹・普通台樹 | 青森16 |
| 1月 | 上旬〜下旬 | 冬季せん定の時期(県による違い) | 山口は12月下旬〜2月下旬、東京は1月(図から読み取り)、岐阜(飛騨)は2月下旬〜3月上旬(図から読み取り)。山形は、寒さが厳しい時期のせん定は腐らん病の感染が増えるおそれがあるので、早い時期は粗せん定にとどめて切り口に癒合剤を塗り、細かいハサミ入れは寒さが緩んでから行う。長野は、腐らん病が多い園では初冬と厳冬期を避けて3月以降にし、1〜2月より3月以降のほうが発生が少ない。青森は春作業の最優先で、津軽は4月上旬になっても終わらない園地があり、遅れる場合は粗抜き(大枝抜き)を主体にして、施肥と薬剤散布を済ませた後にハサミを入れる。青森はせん定枝を園内に放置しない(腐らん病・リンゴハダニ・ハマキムシの発生源になる) | 全般(わい化・普通樹) | 山口1 p.143・東京1 PDF p.8・岐阜1・山形2 p.9・長野9・長野10・青森3・青森4 |
| 2月 | 上旬〜下旬 | 台木・樹形とせん定の考え方、JM台の接ぎ木 | 秋田は、台木と樹齢に応じて目標樹形を決める。わい化は樹高3.0〜3.5mのフリースピンドルかスレンダースピンドル、普通樹は主幹形から変則主幹形を経て開心形にする。せん定は頂芽の質(大きく堅く締まる、結果枝が20cm以内で基部まで太く充実)を見て迷わず行う。山口は、M.9の小型樹を細型紡錘形、M.26などのやや大型樹をフリースピンドルブッシュ、普通樹を変則主幹形から遅延開心形とし、結果母枝は7〜8年、結果母枝群は12〜13年で更新する。青森は、わい化が細がた紡錘形、高密植(M.9台)がトールスピンドル。宮城の指針(1990年代の資料の値)では、普通樹が遅延開心自然形(樹高4m前後)、わい化がスレンダースピンドル(樹高3m)。秋田のJM台は、挿し木繁殖用の穂木を12〜2月に採り、接ぎ木は2月下旬〜3月上旬、台木の長さは40cm、挿し木は4月上〜中旬 | わい性台(M.9・M.26・JM7)・普通台(マルバカイドウ) | 秋田1 p.54-55・p.65・p.68-70・山口1 p.139-142・青森19・宮城1 p.83・p.96 |
| 2月 | 上旬〜下旬 | 腐らん病の処置(休眠期) | 岩手は、休眠期に患部を削り取って保護剤を塗る。秋田は、感染が収穫後から翌6月まで続くので、せん定後は塗布剤を塗り、発芽前までに防除する。山形は、せん定の切り口に癒合剤を必ず塗る | 全般 | 岩手10・秋田1 p.88・山形2 p.9 |
| 2月 | 中旬〜下旬 | 春肥・芽出し肥(秋〜冬に基肥を入れる県) | 福岡は2月中旬〜下旬の芽出し肥で、ふじがN2.0(年間の15%)、ふじ以外がN2.4(15%)。山口は2〜3月に春肥を入れ、わい性台は窒素の30%。東京は追肥(1)を2月中旬〜3月上旬(図から読み取り)。福島は9〜10月の秋基肥体系が基本だが、第3〜5地帯では春肥(2〜3月)を組み合わせ、窒素2〜3kg程度 | ふじ・つがる・全般 | 福岡1 p.40・山口1 p.145・東京1 PDF p.8・福島1 p.138-140 |
| 3月 | 上旬〜中旬 | 凍霜害と早い発芽への備え | 岩手は、3〜4月の気温が高いと発芽が早まるので、3月の平均気温が平年を上回る年は早めに対策する。燃焼法は10aあたり約30,000円かかるため低温になりやすい場所を考えて設置し、防霜ファンと散水氷結法は4月から動かせるよう3月に点検する。傾斜地の霜だまりは、障害物の除去、防風ネットの巻き上げ、マルチの除去、草丈を低く保つことで解消する。岩手は発芽が早まる年はせん定と枝片付けを早めに終えるとしている。2026年は、青森が2月中旬以降の高温で発芽が早まる見込みとなってせん定・枝片付けを急ぎ、秋田は消雪日が3/11(平年3/27)で春作業が前進した。この2026年の値はその年の特殊な年のもので、平年の目安ではない | 全般 | 岩手2・青森17・秋田2 p.1 |
| 3月 | 中旬〜下旬 | 発芽前の越冬病害虫対策(落葉処理・休眠期防除) | 青森は、黒星病・褐斑病の菌密度を下げるため越冬落葉を早めに除去するかすき込み(落葉収集機の利用も可)、ナシマルカイガラムシが多い園は発芽前に防除する。長野は、3月中旬〜発芽前(「発芽10日前(3月中旬)」、年次で変わる)に、腐らん病・うどんこ病・胴枯病・ナシマルカイガラムシ・リンゴハダニ・カイガラムシ類を対象に休眠期防除を行う。秋田は、リンゴハダニが11月末まで産卵して越冬量が多くなるので、発芽前に密度を下げる。農薬名は書かない | 全般 | 青森17・長野9 防除暦 PDF p.4・秋田1 p.87-90 |
| 3月 | 下旬 | マメコバチ巣箱の冷蔵(青森) | 自然のままだと3月下旬〜4月上旬に繭からマメコバチが出始めて、授粉に使えなくなる。繭を割るカチカチという音が聞こえたら、巣箱を0〜5℃の冷蔵庫に入れる。早すぎると、冷蔵庫から出した後に飛ぶまでに時間がかかり、りんごの開花とずれる | 全般 | 青森16・青森17 |
| 3月 | 下旬 | 消雪の促進と積雪地の春肥 | 青森は、雪が残る園地は消雪と排水に努める。樹冠下に雪が残ると上枝と下枝で生育に差が出るので、融雪促進剤で消雪を早める(2026年の消雪日は黒石で3/24、平年より3日早い)。長野の積雪地は、基肥を11〜12月に60%にとどめて、3〜4月に20%を春肥として施す(春肥が多いと夏の肥効が切れにくい欠点がある)。岐阜(飛騨)は融雪後できるだけ早く、3月下旬にN3-3-3を追肥する。群馬の幼木の追肥は3月上旬(図から読み取り) | 全般・幼木(群馬) | 青森3・青森17・長野2・岐阜1・群馬1 |
| 4月 | 上旬 | 春肥(4月に施す体系) | 青森は消雪後に速やかに施す。枝の折損が大きい樹は半減するか施用しない。秋田は春肥に全量を施す体系で、4月の窒素量は、年平均気温11℃未満(鹿角)で6kg(樹勢が強ければ3kg)、11〜13℃(横手)で3〜6kg、13℃以上で0〜3kg。樹勢が弱い樹は追肥か4月の増肥で補い、年10kgでも弱いなら施肥以外の要因を調べる。北海道は融雪直後に全面施用し、成木の窒素は7kg。山形は全量を秋の基肥とし、春には施さない | 普通樹・わい性樹 | 青森3・秋田2 p.1・秋田7・北海道1 p.170・山形1 |
| 4月 | 上旬〜中旬 | 土壌改良資材と堆肥の施用 | 青森は、堆肥(10aあたり600kg程度)と苦土を含む石灰質肥料(100kg程度)を5月上旬頃までに樹冠下へ施して軽く耕す。石灰質肥料は、三要素肥料を施した後に雨があって2〜3日後(雨がなければ約2週間後)に施す。改良目標はpH(H2O)6.0で、令和元年の県内調査では改良が必要な酸性土壌(pH6.0以下)が約83%だった。秋田は苦土石灰100kg/10aを、窒素肥料と近接させず春肥の後2週間あけて施す | 全般 | 青森2・青森3・青森5・青森20・秋田2 p.1 |
| 4月 | 上旬 | 雪害・野ネズミを受けた樹の処置 | 青森は、地際を一周食害された樹は盛土でカルス形成を促して可能なら寄せ接ぎをし、成り枝を食害された場合は健全部まで切り戻す。雪害で樹皮と木質部が1/3以上残る枝は密着させてかすがい・ボルトで補強し支柱で支え、2/3以上裂開した枝は剪去して塗布剤を処置する。わい性樹は早い時期にビニールできつく縛って吊り上げる。雪害樹の復旧に使う接ぎ木の穂木は3月下旬から早めに採取する(登録品種の自家増殖は育成者権者の許諾が必要)。秋田は、積雪が少ない年も、そ穴が多い園は野ネズミの密度が高いとして4月上旬に確認し、被害部は早期に塗布剤で処置し、駆除は広域で一斉に行う | 雪害樹・わい性台樹 | 青森3・青森17・秋田2 p.2 |
| 4月 | 上旬〜中旬 | 発芽期・展葉期(平年値) | 黒石(青森・りんご研究所)の平年は、発芽がつがる4/5〜6・ジョナゴールド4/3〜5・王林4/5〜6・ふじ4/6〜7、展葉がつがる4/19・ジョナゴールド4/14・王林4/16・ふじ4/18。ふじの発芽は福島(果樹研・福島市)3/27、長野(須坂)3/30、秋田(横手)4/2、岩手(県平均)4/5、展葉は福島4/7、長野4/12、秋田4/12、岩手4/15。青森の定義は、発芽が頂芽の頂部が破れ青味の見えたものが3個以上のとき、展葉が正しい葉形が1枚でも認められたとき。2026年は、長野が平年より4〜6日早く(3/25〜26)、秋田のふじの発芽が3/28で平年より5日早かった(その年の値) | つがる・ジョナゴールド・王林・ふじ | 青森3・青森17・福島3・長野7・秋田2・秋田8・岩手3 |
| 4月 | 上旬〜中旬 | 腐らん病・輪紋病の処置 | 青森は、枝腐らんは見つけ次第切り取り、胴腐らんは病斑を削り取って塗布剤を処置するか、泥巻き(病斑より5〜6cm広く3〜5cmの厚さで貼り、ビニールで覆って約1年そのまま)で治療する。発病の著しい樹は伝染源なので伐採する。4〜5月は発病部位を見つけやすいので、チームで見回る。輪紋病はいぼ皮病斑を削り取って塗布剤を塗る。青森は腐らん病が近年多発しているとして、切除・治療を優先するとしている | 全般 | 青森3・秋田1 p.88 |
| 4月 | 中旬 | 黒星病・モニリア病・うどんこ病の防除の始まり | 青森は、黒星病の重点防除時期を「ふじの展葉1週間後頃」から「落花20日後頃」とし、2025年の黒石・弘前・三戸の散布目安日は4/21〜22頃(年により異なる)。10日間隔、散布ムラなし、降雨前の事前散布を守る。長野は発芽10日後頃(展葉期)から5月下旬までが重要。山形は展葉期から落花20日後頃が重点で、休眠期と展葉期の防除は必ず行う。岩手は「花蕾着色期」と「開花直前」を重点時期とし、花蕾着色期の防除は必須。モニリア病は、青森で子実体の発生が平年4/16で、葉腐れ・花腐れは放置すると実腐れになるので摘み取る。宮城の指針(1990年代の資料の値)は、モニリア病を発芽直後・1週間後・2週間後の3回としていた。うどんこ病は、青森で芽しぶの発生が平年4/14で、見つけたら枝ごと摘み取って処分し、芽しぶを摘み取ると発生が減る。農薬名は書かない | 全般 | 青森4・青森21・青森22・長野9 防除暦 PDF p.5-8・山形3 p.9・岩手3・宮城1 p.60-81 |
| 4月 | 中旬 | マメコバチ巣箱の設置・鳥害対策(青森) | 「ふじの展葉1週間後頃」の散布の2〜3日後に冷蔵庫から巣箱を出して園地に設置する。鳥の捕食を防ぐ防鳥網と、30×60cm・深さ40cm程度の土取り場(乾いたら水で湿らせる)を設ける。古い巣箱は落花直後頃に撤去する | 全般 | 青森4 |
| 4月 | 中旬〜下旬 | 凍霜害対策(全県共通) | 花芽の耐凍性は生育とともに低下し、青森では花蕾着色期までは約−2℃、開花始めから満開期は−1.5℃に1時間置かれると障害が出るおそれがある。ふじの安全限界温度は、発芽期・展葉期・花蕾露出期が−2.1℃、花蕾着色期が−2.0℃、開花始期と満開期が−1.5℃(福島の果樹研究所の値)。青森は、防霜ファンの温度検知器を地上1.5mに置いて始動温度を2℃にし、寒気を伴うときは燃焼法を併用する。燃焼資材は事前に園地へ配置し、気温が0℃になったら点火する(青森の例は、おがくずに灯油を染みこませた燃焼材2kg入りの袋を10aあたり40〜60個。秋田はミルク缶程度の大きさで10aあたり80個) | ふじ・全般 | 青森3・青森5・秋田12・福島8 |
| 5月 | 上旬〜中旬 | 開花期・満開期(平年値) | 黒石の平年は、開花(1〜2花開花)がつがる5/7・ジョナゴールド5/7・王林5/5・ふじ5/7、満開(頂芽花の70〜80%開花)がつがる5/12・ジョナゴールド5/11・王林5/11・ふじ5/12。長野(須坂)のふじ・つがるは開花4/27〜28・満開5/2・落花5/7、福島(果樹研)のふじは開花4/26・満開4/30、岩手(県平均)のふじは開花始5/4・満開5/8、秋田(横手)のふじは開花5/2・満開5/7。2025年は、黒石のふじの満開が5/10(平年5/12)、福島のふじの満開が4/24で平年より5〜6日早かった。2026年は、秋田で開花〜落花が平年より5〜9日早く(ふじの満開5/1)、長野は約10日早かった(ふじの開花4/18・満開4/22)。この2026年の値は特殊な年のものとして読む | つがる・ジョナゴールド・王林・ふじ | 青森4・青森5・青森6・長野7・福島3・福島4・岩手3・岩手4・秋田8 |
| 5月 | 上旬 | 開花直前の防除と訪花昆虫の保護 | 青森の2025年の黒石・弘前・三戸の散布目安日は5/1〜2頃で、黒星病とモニリア病の重点防除時期。長野は、開花直前に黒星病・うどんこ病・赤星病・腐らん病・ハマキムシ類・ケムシ類・キンモンホソガを対象にする。山形は、訪花昆虫を守るため開花1週間前から巣箱撤去まで殺虫剤・除草剤を散布しない | 全般 | 青森4・長野9 防除暦 PDF p.5-8・山形3 p.10 |
| 5月 | 上旬〜中旬 | 人工受粉・結実確保 | 青森は、開花期の天候不順やマメコバチの減少で不受精花や斜形果が出るため、マメコバチを管理しつつ積極的に人工受粉する。花粉は授粉予定日の2日以前に風船状〜開花直後の花から採り、その日のうちに葯落としして開葯する。めしべの受精能力は開花後4〜5日で、雨天でも授粉する。花粉親は交雑和合性で選び、ジョナゴールドは三倍体で花粉を使えない。中国産・来歴不明の花粉は火傷病対策で使わない。秋田は、20,000花/10aの人工受粉に約17時間かかる。山口は4月下旬に花粉採取と人工交配(中心花5分咲きの頃)、東京の受粉は4月中旬、岐阜(飛騨)の開花は5月上旬(図から読み取り) | ふじ・全般 | 青森4・青森5・秋田1 p.55・山口1 p.143・東京1 PDF p.8・岐阜1 |
| 5月 | 上旬 | 摘蕾・摘花 | 山口は、4月中旬に主枝・亜主枝の先端で摘蕾し、花蕾が風船状の頃に中心花を残して側蕾を摘む。青森・岩手・秋田・山形は、貯蔵養分の消耗を抑えるため、腋芽花や日当たりの悪い下向き枝の花そう、生育の悪い花そうを花そうごと摘む(株摘み)。開花量が少ない年や降霜・不順天候・マメコバチ不足の年は、えき芽花だけを摘む。凍霜害が心配な年は、1花そう1花にする1輪摘花を避ける(岩手・宮城)。摘花剤は、青森で満開日(7〜8割開花)に2回、またはふじだけ頂芽中心花の満開1〜2日後に1回、秋田は満開期に1回目、3〜4日後に2回目 | ふじ・全般 | 山口1 p.143・青森4・青森26・岩手3・秋田3・山形4 p.11・宮城1 p.46 |
| 5月 | 中旬 | 交信かく乱剤の設置 | モモシンクイガ・リンゴコカクモンハマキなどは通常の殺虫剤だけでは防ぎにくいため、青森は5月中旬に設置する(10aあたり100本)。普通樹(8×8m)は1樹6本、わい化(4×2m)は5樹に4本、高密植(3.5×1m)は3樹に1本。園地全体に均一に取り付け、周辺部と傾斜の上部は多めにし、地域ぐるみで行うと効果が高い。長野は5月中下旬までに設置し、適期は5月中旬 | 全般(普通樹・わい化・高密植) | 青森4・青森5・長野9 防除暦 PDF p.7 |
| 5月 | 中旬 | 落花直後〜落花20日後頃の防除 | 青森の2025年の黒石・弘前・三戸の散布目安日は、落花直後が5/11〜12頃、落花10日後頃が5/21〜22頃、落花20日後頃が5/31〜6/1頃(年により異なる)。落花直後は花が残っていても10日間隔を守って降雨前に散布する。落花20日後頃は黒星病の重点防除時期の終わりで、うどんこ病の多い園では対象の薬剤も使う。長野は落花直後が黒星病の重要な時期(黒点病・リンゴハダニ・キリガ類も対象)、落花10〜14日後はユキヤナギアブラムシ・リンゴワタムシ・カメムシ類などが対象。農薬名は書かない | 全般 | 青森5・青森6・長野9 防除暦 PDF p.5-8 |
| 5月 | 下旬 | 予備摘果(粗摘果) | 秋田は、がく立ちを確認したら粗摘果に入り、予備摘果は最終着果量より10〜15%多めに残す。山形は、がく片の立ち上がりが見えたら1果そう1個にする予備摘果を早めに行い、落花15日後頃(5月中下旬)までに終える。山口は、落花と同時〜満開後30日以内に1果そう1果(中心果を残す)。宮城の指針(1990年代の資料の値)は、第1回をがく立ちを認めてから1果そう1果とし、早期落果の多いデリシャス系・つがるは仕上げを遅らせる。2026年の秋田は、開花期の天候不順で中心果の結実率(5/15・18調査、横手)がつがる84%・やたか53%・王林68%・ふじ43%と低く、摘果の判断が平年と違う年だった。山形の2026年は4月25日の降霜があった年で、5〜7月号の摘花・摘果の記述には被害年の対応が含まれる | つがる・ふじ・王林・やたか | 秋田3・秋田10・山形4 p.11・山口1 p.143-144・宮城1 p.46 |
| 5月 | 下旬 | 摘果剤・つる割れ軽減 | 青森は、結実量が多く摘果が遅れそうな園地で使う。ふじ・王林・早生ふじ・トキ・シナノスイートは満開後2週間頃(ふじは中心果横径10mm前後)、紅玉は満開後3週間頃(中心果横径16mm前後)に1回。つがる・秋陽・ジョナゴールド・世界一・千雪など早期落果の多い品種にはかからないようにする。岩手は、ふじ満開2週間後、他品種は満開3週間後とし、デリシャス系・秋映・北紅・世界一は使用を差し控える。秋田は満開後2〜3週間で、中心果横径がふじ0.7cm・千秋0.6〜0.7cm・王林1.2cm・ジョナゴールド1.7cmのとき。つる割れ軽減の薬剤は、青森でふじ・早生ふじに満開20〜30日後、秋田でやたか・昂林に5月に1回 | ふじ・王林・トキ・紅玉・やたか・昂林 | 青森6・青森7・岩手3・秋田1 p.58・秋田3 |
| 6月 | 上旬〜中旬 | 仕上げ摘果の着果の目安と終える時期(東北) | 青森は、紅玉が3頂芽に1果、つがる・ジョナゴールドが3.5頂芽、ふじ・王林・早生ふじ・トキ・シナノゴールド・シナノスイート・ぐんま名月・秋陽など多くの品種が4頂芽、北斗が4.5頂芽、陸奥・世界一が5頂芽に1果で、ふじは落花25日後頃までに終える。岩手は、ふじ・王林・きおう・さんさが落花25日後、つがる・ジョナゴールド・紅玉が落花30〜35日後に終える。わい性樹の着果は、紅玉が4〜5頂芽、紅いわてが5頂芽、ふじ・つがる・王林・さんさ・千秋が5〜6頂芽、ジョナゴールド・陸奥・北斗が6〜7頂芽に1果。秋田は、つがる・王林が3〜4頂芽、ふじ・さんさ・シナノスイートが4〜5頂芽に1果。山形はふじを4頂芽に1果とし、6月中旬までに園地を一巡する | ふじ・つがる・王林・ジョナゴールドほか | 青森6・青森7・岩手4・岩手5・秋田4・山形5 p.11 |
| 6月 | 上旬〜中旬 | 仕上げ摘果の目安(長野・山口・宮城) | 長野の目安は、山口の指針が長野県の値として引いたもので、長野県自身の資料には摘果の時期と目安が見つからなかった。頂芽数に1果で、ふじ4〜5・つがる3〜4・王林3〜4・紅玉3〜4・ジョナゴールド3〜4・千秋4〜5・陽光4〜5。山口は、つがる3.5頂芽・ふじ4頂芽に1果で、満開後60日以内に仕上げる。宮城の指針は1990年代の資料で、当時の値は、つがる・紅玉・王林が3〜4頂芽、ジョナゴールド・ふじ・陽光が4〜5頂芽、陸奥が5〜6頂芽に1果、落花25日後までに一通り終える | ふじ・つがる・王林・紅玉・ジョナゴールド | 山口1 p.140・p.143-144・宮城1 p.46 |
| 6月 | 上旬〜下旬 | 追肥(6月末まで) | 青森は「追肥(6月末まで)」を6月の作業項目としている。岩手の補給型施肥基準は、普通樹15年生以上で窒素のうち5kg、わい性樹5〜7年生で3kg、8年生以降で5kgを追肥に配分する(追肥の月は表にない)。福島の第3地帯は追肥(6月)に窒素2〜3kg。山口は、幼木のみ5月上旬と6月下旬に追肥する | 全般・幼木(山口) | 青森7・青森8・岩手1 p.32・福島1 p.140・山口1 p.145 |
| 6月 | 上旬〜下旬 | ビターピット対策(カルシウム剤) | 樹勢が強いとみられる年や、6月の少雨と夏の高温が予想される年は、カルシウム剤を果実に直接かかるよう葉面散布する(6月上旬〜9月中旬に3〜5回、10日以上あける)。樹勢の弱い樹や高温・干ばつ時は葉縁褐変のおそれがある。秋田は、王林・秋田紅あかりなど発生しやすい品種に落花後10日から計5回、苦土石灰100kg/10a/年で土壌改良をする | 王林・秋田紅あかりなど | 青森6・青森7・秋田4・秋田6 |
| 6月 | 中旬 | 袋かけ | 青森は、ふじを有袋にするとつる割れの軽減・着色の向上・収穫期の分散ができるとし、7月10日頃までに終える。袋かけ前のすす点病・すす斑病の散布を丁寧に行い、散布後5日以内を目安に袋をかける。山口は満開後60日以内、宮城の指針(1990年代の資料の値)は落花後3〜4週間の細胞分裂期を過ぎてから遅くとも落花35日後まで、東京は6月上旬(図から読み取り)。長野は、モモシンクイガ・炭疽病・輪紋病対策に防疫袋をかけ、除袋後は速やかに防除する。岩手・山形・秋田の資料に袋かけの記載はない | ふじ(有袋)・つがる | 青森7・青森9・山口1 p.143・宮城1 p.50・東京1 PDF p.8・長野10 |
| 6月 | 中旬 | 夏の病害虫の防除の始まり・腐らん病・クワコナカイガラムシ | 長野は、6月上旬に斑点落葉病・褐斑病・クワコナカイガラムシ、6月中旬から輪紋病(8月上旬まで重要)・炭疽病・モモシンクイガ・リンゴコカクモンハマキ、6月下旬にハダニ類・シンクイムシ類を対象にする。青森の2025年の散布目安日は6/15〜16頃で、この時期からモモシンクイガの防除を毎回行う。岩手は、褐斑病で前年に出た園は6月中下旬に二次感染期の防除、炭疽病は入梅期(6月中下旬〜7月上旬)と8月を徹底する。腐らん病は、摘果後のつる(果柄)から病原菌が入るので、果台につるが残らないようにする。クワコナカイガラムシは、バンド巻きを6月下旬(成虫の産卵前)に行い、7月中旬(卵のふ化前)に除去する(青森)。農薬名は書かない | 全般 | 長野9 防除暦 PDF p.9-13・青森7・青森8・岩手4 |
| 6月 | 下旬 | 徒長枝・ひこばえの管理とかん水 | 長野は、春のひこばえ・徒長枝をキンモンホソガの産卵が終わる開花期〜落花直後に除く。秋田は、6月に主枝背面の徒長枝を等間隔で弱いものを残して掻き取り、摘果後に徒長枝を剪去する。高密植(青森)は、新梢の伸長が止まった直後(6月下旬〜7月中旬)に45°程度に下垂誘引する。苗木・若木は乾燥の影響を受けやすく、青森は干天日(降水量5mm未満)が2週間程度続いたら1㎡あたり20L程度をかん水し、秋田は主幹周り直径50cmの範囲に5L程度をかん水する。秋田は落花後から梅雨までの乾燥に、かん水や草刈りで対応する | 全般・高密植・苗木・若木 | 長野10・秋田3 p.2・秋田4・秋田5・青森7・青森19 |
| 7月 | 上旬 | マメコバチ巣箱の回収(青森) | 巣箱は7月上旬頃に回収し、直射日光の当たる所や高温になる所を避けて、風通しのよい日陰に地面から離して保管する。冬季に温度が上がる場所には入れない。巣筒は3〜5年に一度更新する | 全般 | 青森8 |
| 7月 | 上旬〜中旬 | 修正摘果・見直し摘果 | 仕上げ摘果が終わった園地でも、見落としや成らせ過ぎの部分がないか見直す。青森は、近年成らせ過ぎや摘果の遅れによる隔年結果が見られるとして、小玉果・サビ果・奇形果・病害虫被害果を中心に落とす。山形は、サビ果の判別がつく7月に小玉・サビ果・奇形果を落とす修正摘果を行う(2026年の4月25日の降霜があった年の記述を含む) | 全般 | 青森9・山形6 p.10 |
| 7月 | 上旬〜下旬 | 徒長枝整理・支柱入れ・日焼け対策・かん水 | 岩手は、7月に入ると新梢の伸びが止まって花芽分化が始まるので、徒長枝を整理して樹冠内部の日照を改善する。山形は、幹回りや主枝の分岐部を中心に徒長枝を整理し、日焼け防止のため主枝背面に約50cm間隔で適度に徒長枝を残す。青森は、果実が大きくなるにつれて枝が下がるので支柱入れ・枝つりを行い、高温時は日焼けを防ぐため過度な徒長枝の剪去と高温時の支柱入れを控える。真夏日が予想される前日までに遮光率10〜20%程度の資材を樹上に被覆する(遮光率が高いと着色が損なわれる)。果実の日焼けは日最高気温およそ32℃以上で出る(岩手)。山口は、花芽分化期の7月に梅雨明け2週間目頃からかん水を始め、草刈りは梅雨末期か梅雨明け直後に行う。岩手は、わい性樹の夏季せん定を樹勢の強い樹に限り8月下旬〜9月上旬に行い、側枝上面から出た30cm以上の直上枝を間引く(過度な夏季せん定は紫紋羽病の誘因になる) | 全般・わい性樹 | 岩手5・岩手6・山形6 p.10・青森9・青森10・青森11・山口1 p.144 |
| 7月 | 上旬〜下旬 | 夏の防除(シンクイムシ類・カメムシ類・褐斑病) | 青森の2025年の散布目安日は、7月初めが6/30〜7/1頃、7月半ばが7/15〜16頃、7月末が7/30〜31頃。無袋栽培は毎回シンクイムシ類の防除をする。ヒメボクトウのふ化幼虫の食入防止は7月半ば。長野は、7月上旬がモモシンクイガの重要な時期で、7月中旬からスモモヒメシンクイを対象にする。山形は、7月中は散布間隔を10日以上あけない。福島の2025年の生育情報では、果樹カメムシ類に7月10日に注意報が出て、りんご褐斑病が7月に平年より多かった。農薬名は書かない | 全般(無袋・有袋) | 青森8・青森9・青森10・長野9 防除暦 PDF p.9-13・山形6・福島5 |
| 8月 | 上旬 | 翌年の窒素量を決める診断(青森・北海道・秋田) | 青森は、8月上旬に側枝先端の新梢40本の長さとリーフカラーチャートによる葉色を測って新梢長×葉色指数を出し、同時に樹冠下0〜30cmの土を採って無機態窒素を分析し、翌年のふじ成木の窒素量(火山灰土0〜15kg、非火山灰土0〜10kg)を決める。北海道は8月上旬の葉中窒素で決め、つがる2.0〜3.5%で4〜7kg、ハックナイン1.8〜2.2%で0〜4kg。秋田は、新梢長を新梢停止期、葉色(SPAD)と葉中窒素濃度を7〜8月に測り、強勢(新梢40cm以上・葉色54以上・葉中窒素2.4%以上)、適正(20〜40cm・43〜54・2.0〜2.4%)、弱(20cm未満・43未満・2.0%未満)で翌年の窒素量を調整する | ふじ(青森)・つがる・ハックナイン(北海道) | 青森18・北海道1 p.171・秋田2 p.2 |
| 8月 | 上旬〜中旬 | 落果防止(つがるなど) | 収穫前落果が出る品種に対し、青森(2025年)は、つがるが8月15〜20日頃、未希ライフ・きおうが8月10〜15日頃に散布する。散布後の葉摘みは4〜5日後から。山形は、つがるなど早生種に8月に散布し、早期散布や2回散布、着色促進剤との併用は過熟を助長するので行わない。秋田は収穫開始の25〜7日前に使う | つがる・きおう・未希ライフ | 青森11・山形7 p.18・秋田6 |
| 8月 | 中旬〜下旬 | 8月の防除・鳥害・台風対策 | 青森の2025年の散布目安日は、8月半ばが8/14〜15頃、8月末が8/29〜30頃で、無袋栽培は毎回シンクイムシ類の防除をする。ハマキムシは長野で8月上〜中旬が発生最盛期。クワコナカイガラムシは、青森で発生が多い園が8月上旬に胴木洗い、8月中旬(成虫の産卵前)にバンド巻きをする。山形は、梅雨明け後の高温でハダニ類が増え、モモシンクイガは8月以降も被害が続くとしている。鳥害の大きい所は網目35mm以下の防鳥網を使う。台風に備えて、防風網やわい性台樹の結束を点検し、主枝に木柱を入れて縄で補強する | 全般 | 青森11・青森12・長野9 防除暦 PDF p.9-13・山形7 p.18 |
| 8月 | 下旬 | 極早生・早生種の収穫 | 福島(果樹研・福島市)のつがるは2025年に収穫開始8/22・盛期8/25で、満開から122日。山口はつがる8月下旬〜9月上旬、福岡はつがる8月下旬。長野(須坂)のシナノリップは8月中下旬。秋田(県南部)は2026年の予想で、着色系つがるが8/27頃、さんさが8/29頃。岩手の紅ロマン(極早生)は満開後100〜110日(8/11〜8/21)で、収穫は果実温度の低い朝に行い早く予冷する。青森の恋空は、着色を待ちすぎると果肉が軟化するので適期に収穫する。つがる・きおうは熟期が不揃いなので、すぐりもぎにする | つがる・さんさ・紅ロマン・恋空・シナノリップ | 福島6・山口1 p.146-148・福岡1 p.40・長野8・秋田6・岩手6・青森11 |
| 9月 | 上旬 | つがるの収穫と着色手入れ | 青森(黒石)のつがるの収穫始めは2025年に9/7頃(熟度が平年より約3日進んだ年)。秋田(横手)は2026年に9/4(平年差−2日)。岐阜(飛騨)は9月上〜中旬(図から読み取り)。地色や果肉の熟度を見て、2〜3回のすぐりもぎにする。着色待ちで遅れると軟質化する(青森)。つがるの葉摘みは、収穫予定の15〜20日前から2回で、日焼けに注意する。落果防止剤を使った樹は、散布後4〜5日経ってから葉を摘む。宮城の指針(1990年代の資料の値)は、つがるを満開後120〜130日(9月上〜中旬)で収穫するとしていた | つがる | 青森12・秋田11・秋田6・岐阜1・宮城1 p.56 |
| 9月 | 上旬〜中旬 | 着色手入れ(葉摘み・玉回し・除袋・摘葉剤) | 青森は、着色手入れを早生ふじで9月10日頃から、シナノスイート・ジョナゴールド(無袋)で9月20日頃から行い、早くからの強い葉摘みは品質低下を招くので、ある程度着色した頃から、収穫まで2回程度に分ける。除袋はジョナゴールドで9月15〜25日頃までに、ふじは10月5日頃までに終え、外袋をはぐ際は果実に密着している葉も摘み取る。山口は、ふじで収穫25〜30日前に外袋、その3〜5日後に中袋を除き、除袋後3日目頃から葉摘み、着色60%で玉回しをする。山形は、中生種の葉摘みを収穫予定の20日前頃から、玉回しは収穫7日前頃までに終える。摘葉剤はふじだけに使い、青森・秋田は収穫40〜50日前(11/5収穫なら9/15以降)で、散布後30日間は収穫できない。宮城の指針(1990年代の資料の値)は、除袋を早生種で収穫適期の5〜7日前、中生種で10〜14日前、晩生種で30〜40日前とし、玉回しは果実が30%着色した頃に1回目 | 早生ふじ・シナノスイート・ジョナゴールド・ふじ(有袋) | 青森13・秋田7・山口1 p.144・山形8 p.12-13・宮城1 p.50・p.55-56 |
| 9月 | 上旬〜下旬 | 秋肥・お礼肥 | 福島は、りんごを秋基肥体系とし、秋肥は9月20日頃が標準(第1地帯のふじは9月下旬〜10月上旬、つがるは9月上旬〜中旬)。山形は、基肥を9〜10月に入れ、ふじは10月中旬頃(有機質主体の緩効性肥料は約2週間早める)。岩手は、衰弱樹のお礼肥を、早生・中生種が9月下旬以降、晩生種が10月中下旬以降〜落葉までに、窒素5kg程度まで。秋田は、樹勢が弱い樹だけ窒素2kg程度(早生は9月上旬、中・晩生は9月中旬〜下旬)。福岡は、ふじ以外にだけ9月上〜中旬に礼肥(N2.4)。東京の追肥(2)は9月上旬(つがるは収穫直後)、群馬の成木の追肥は8月下旬〜9月(図から読み取り)、岐阜は9月下旬にN3-3-3。宮城の指針(1990年代の資料の値)は、衰弱した園に9月中旬〜10月に窒素全量の2割 | ふじ・つがる | 福島1 p.138-140・山形8 p.14・岩手8・秋田7・福岡1 p.40・東京1 PDF p.8・群馬1・岐阜1・宮城1 p.82 |
| 9月 | 中旬 | 中生種の収穫前落果・心かび果・見直し摘果 | 青森は、例年落果のないトキ・ジョナゴールドなど中生種で収穫前落果が見え始めたら、果肉の軟化しにくい落果防止剤を散布する(散布後4日間は収穫不可)。着色手入れや除袋の際に、肥大の劣る果実・形の悪い果実・病害虫被害果・サビ果を摘み取る。秋田は、やたか・シナノスイートで着色や地色の黄化が早い果実は心かびが多いので、収穫2週間前までに摘み取る。山形は、秋陽・紅玉・早生ふじで9月に落果防止の対応をする。秋陽(青森)は後期落果が年により出るので落果防止剤を使う | トキ・ジョナゴールド・やたか・シナノスイート・秋陽・紅玉 | 青森13・青森23・秋田7・山形8 p.13 |
| 9月 | 中旬〜下旬 | 秋の防除・園内点検・台風対策 | 青森は、すす斑病・すす点病が例年多い園地や9月中旬に長雨が見込まれる場合、中・晩生種を対象に9月15日頃に特別散布をする。長野は、9月中下旬に腐らん病を園内で一斉に点検して処理する。山形は、斑点落葉病・輪紋病・炭そ病・すす点病・すす斑病で、9月下旬まで散布間隔に注意する。台風の接近が多く、防風網・結束の点検、空洞のある樹や腐らん病の樹の支柱補強、収穫期に入った果実の強風前の収穫を行う。農薬名は書かない | 全般 | 青森12・青森13・長野9 防除暦 PDF p.13・山形8 p.13・秋田7 |
| 10月 | 上旬〜中旬 | 中生種の収穫(シナノスイート・ジョナゴールド・秋陽) | 青森(黒石)の収穫始めは、秋陽が10月3日頃(満開後140日頃)、シナノスイートが10月10日頃、ジョナゴールドが有袋10月13日頃・無袋10月15日頃(2025年、平年並)。シナノスイートは地色が黄色く油あがりがみられる果実が心腐れ果の可能性が高いので摘み取る。ジョナゴールドは早すぎると貯蔵中のビターピットが増え、遅すぎると油あがり・軟化・ゴム病が増える。標準指標は、シナノスイートが硬度13〜15lbs・糖度14%以上、ジョナゴールド有袋が15〜17lbs・13%以上。長野のシナノスイートは10月上中旬(育成地・須坂)、山口はシナノスイートが9月中旬〜10月上旬、ジョナゴールドが10月上旬、福岡のシナノスイートは9月下旬〜10月上旬 | シナノスイート・ジョナゴールド・秋陽 | 青森14・青森23・長野8・山口1 p.146-148・福岡1 p.40 |
| 10月 | 上旬〜下旬 | 黒星病の秋季防除・山選果・成熟調査 | 長野は、黒星病の発生がある園は10月上旬まで必ず防除する(秋季感染の防止)。青森は、十分な明るさの下で果実全体を見て選別し、モモシンクイガのがくあ部付近の食入痕を見逃さない。越冬するナミハダニ成虫やリンゴハダニの卵は、エアダスターや短く切った絵筆で除く。福島の果樹研究所の2025年は、ふじの満開後159日(9月30日)の成熟調査で硬度16.8lbs・糖度12.0・デンプン指数2.9で、着色が遅れていた。北海道は、土壌診断を前年秋に行い、翌春の融雪直後の施肥量を決める | 全般・ふじ | 長野9 防除暦 PDF p.4・p.13・青森14・青森15・福島7・北海道1 p.170 |
| 10月 | 中旬〜下旬 | 黄色品種・晩生種・王林の収穫 | 青森(黒石)の収穫始めは、千雪が10月18日頃、星の金貨が10月25日頃、シナノゴールドが10月26日頃、王林が10月29日頃、ぐんま名月が10月30日頃(2025年)。千雪と星の金貨は県育成品種。黄色品種は標準カラーチャートを使い、ぐんま名月は表面色指数2以上の果実が全体の7割に達してから収穫する(満開から約170日、蜜褐変が出やすく年内販売)。王林は地色4〜5・硬度14〜16lbs・糖度13%以上が目安。長野のシナノゴールドは10月中下旬、山口は王林が10月中旬、陽光が10月中旬〜下旬、ぐんま名月が10月下旬。宮城の指針(1990年代の資料の値)は、王林を満開後170〜180日(10月下旬〜11月上旬)としていた | 千雪・星の金貨・シナノゴールド・ぐんま名月・王林 | 青森14・青森15・青森24・青森25・長野8・山口1 p.146-148・宮城1 p.56 |
| 10月 | 中旬 | ふじの葉摘み・玉回し・反射資材(片付けを含む) | ふじは着色期間が30〜40日と長いので、岩手は、陽光面が着色してきた9月下〜10月上旬と10月中〜下旬の2回に分けて葉摘みと玉回しをする。山形は、1回目を9月末〜10月上旬に果そう葉主体、2回目を10月中旬頃から果実周辺と徒長枝・発育枝の葉まで摘み、玉回しを併せて行い、反射シートは収穫30日前頃(10月上旬)に設置する。秋田(県南部)の2026年の予想は、ふじの葉摘みが1回目9/25頃、2回目10/15頃、収穫11/5頃からで、2回目は晩生種で収穫3週間前頃から新梢葉も含めやや強めに摘む(その年の予想値)。過度な葉摘みは着色・みつ入り・翌年の花芽の充実を悪くする。反射資材を片付けるときは土を飛散させない(青森) | ふじ | 岩手7・岩手8・山形9 p.13・秋田7・青森15 |
| 11月 | 上旬 | ふじの収穫・樹上凍結・貯蔵 | 青森は、ふじ無袋が11月4日頃から(2025年)、遅れるほどつる割れが増えるので遅くとも11月15日までに終える。標準指標は、有袋が硬度14〜16lbs・糖度13%以上、無袋が13〜16lbs・13.5%以上。岩手は、着色やみつ入りを待ち過ぎず食味重視で適期に収穫し、満開日から165〜185日(2024年は満開4/27で10/9〜10/29)を目安にする。山口は10月上旬〜11月上旬、福岡は10月下旬〜11月中旬、岐阜(飛騨)は11月上〜中旬(図から読み取り)、山形は11月が収穫期。長野は11月中の出荷量を高めつつ12月の出荷も維持する方針。宮城の指針(1990年代の資料の値)は満開後190〜200日(11月上〜下旬)。気温が−3℃を下回ると果心まで凍る可能性があり、樹上で凍結した果実は自然解凍してから収穫し、貯蔵には用いない(青森・岩手・山形)。岩手のシナノゴールドは酸抜けを待って遅めに収穫した果実を4〜5か月貯蔵すると果肉が褐変することがある | ふじ(有袋・無袋) | 青森16・岩手9・岩手10・山形10 p.8・山口1 p.147・福岡1 p.40・岐阜1・長野4・宮城1 p.56 |
| 11月 | 上旬 | 収穫後の腐らん病防除・落葉処理 | 青森は、収穫時につるが果台に残らないよう丁寧に収穫し、残ったつるは取り除く。腐らん病が多い園は収穫後できるだけ早く防除する。黒星病・褐斑病は、積雪前に被害落葉を除去するかすき込む。被害果(シンクイムシ類など)は7日以上水に漬けるか10cm以上土をかぶせて埋める。長野は、12月上〜中旬の腐らん病の予防散布が翌春までの感染防止に重要で、幹・太枝にも十分かけ、積雪の早い地域は時期を早める。山口は、落葉後から苗木の植付けができる | 全般 | 青森15・青森16・長野9 防除暦 PDF p.14・山口1 p.144 |
| 11月 | 上旬〜下旬 | 基肥・冬肥・秋の土づくり | 長野は基肥を11〜12月に年間の慣行施肥量の80%(積雪地は60%)施す。群馬は11月(図から読み取り)、岐阜は11月上旬にN9-P7-K8、福岡は11月中旬〜下旬(ふじはN11.0=85%、ふじ以外はN11.2=70%)、東京は12月(図から読み取り)。山口は、わい性台が10月(窒素70%)、マルバ台が11月中旬まで。宮城の指針(1990年代の資料の値)は基肥を11〜1月、福島の第1地帯は冬肥を12月(ふじ窒素3kg・つがる4kg)。山形は、降雪前までに部分深耕と有機物の施用で土壌物理性を改善する。青森は、酸性土壌の改良資材を収穫作業の終了後に土壌分析の結果に基づいて施用する。岩手は、除草剤の秋期処理をふじの収穫後から落葉前に行うと翌年6月上旬頃まで雑草を抑えられる | 全般 | 長野2・長野3・群馬1・岐阜1・福岡1 p.40・東京1 PDF p.8・山口1 p.145・宮城1 p.82・福島1 p.138-140・山形9 p.14・青森16・岩手9 |
| 11月 | 中旬〜下旬 | 根雪前の野ネズミ・シカ・雪害・凍害対策 | 野ネズミは、積雪前と融雪後の2回駆除し、幹に地上1mくらいまで金網・肥料袋・プロテクターを巻く(青森)。雪害は、苗木・幼木の主幹や枝を結束し、わい性成木は枝を上向きになる程度まで吊り上げ、普通台樹は雪害を受けそうな枝に支柱を入れる。M.9系のわい性台樹や若木は、積雪前にわら巻きか白塗剤で凍害を防ぐ。岩手は、シカの電気柵の点検と廃棄果の埋却も挙げる | わい性台樹・若木・全般 | 青森16・岩手10 |
| 12月 | 上旬〜下旬 | 凍寒害対策(若木・わい性台)と花芽分化の調査 | 岩手・青森は、若木(結実初期3〜4年生)、結実量が多く衰弱した樹、水はけの悪い圃場、肥料が遅効きして新梢の止まりの悪い樹で凍寒害が出やすいとし、若木を中心に地際から高さ50cm程度まで白塗剤や水性の白ペンキを塗るか、わらを巻く。青森はM.9台が湿害・凍害に弱いとしている。高温の冬は休眠が浅く、その後の低温で被害が出る。岩手は、燃焼法・防霜ファン・散水氷結法の施設の点検整備を12月〜2月に勧め、花芽分化率を調べる(2025年産の県平均はジョナゴールド89.3%・ふじ79.6%)。秋田は11月下旬〜12月に花芽分化率を調べ、2026年産は県南でふじ65〜76%、県北でふじ51〜58%だった(その年の値) | 若木・わい性台樹(M.9) | 岩手10・青森16・青森19・岩手2・秋田9 |
| 12月 | 上旬〜下旬 | マメコバチの繭洗浄・巣筒更新(青森) | 巣筒は選別し、節まで針金が届くものは繭がいないので処分する。完成巣・未完成巣のアシガヤを割って健全な繭だけを取り出し、冷水で3分かき混ぜ、ハケで洗い、流水ですすぎ、新聞紙に重ならないよう並べて、気温3〜10℃で日光の当たらない場所で乾燥し、冷暗所に保管する。死亡要因の6割以上が天敵(コナダニなど) | 全般 | 青森16 |
都道府県別の比較
「—」はその県の資料に記載がない項目です。「図から読み取り」は栽培暦の図から読んだ値で、±1旬ほどずれることがあります。県の基準は品種や目標収量、土壌の前提が違うので、数字だけを単純に比べず、自分の地域に近い県の資料を確かめてください。
主要品種・台木・樹形・せん定
| 地域区分 | 都道府県 | 主要品種 | 台木・樹形・せん定の時期 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | つがる(施肥の基準品種)、ハックナイン(北海道立農試の葉診断・窒素試験の品種)(北海道1 p.170-171) | 標準台・わい性台に共通して適用。土壌管理は部分草生を原則とする(北海道1 p.170)。台木・せん定時期の記載なし。せん定: 4月に、樹勢調節・日当たり改善・作業性を考えて主枝・側枝・結果母枝を配置する。樹勢が強い樹や幼木・若木は間引きせん定と誘引を主体に、弱い樹は切り返しせん定と弱小花芽の整理を主体にする。雪害やエゾシカで傷んだ枝は切り戻し、大枝を切った切り口は早めに癒合剤を塗る(北海道2)。夏季: 7月は樹冠内部が混むので側枝の誘引・支柱入れ・徒長枝の整理で日が当たるようにし、幼木・若木は心枝を支柱に結束して側枝を水平近くまで誘引する(北海道5)。8月は枝の下垂に合わせて枝吊り・誘引をするが、高温で日射が強いときは日焼け防止のため枝の切除や葉摘みを控える(北海道6)。台木の記載なし | 北海道1 p.95・p.97・p.170-171・北海道3・北海道4・北海道5・北海道6・北海道7・北海道2・北海道8・北海道9 |
| 東北・北陸 | 青森 | ふじ(有袋・無袋)、つがる、王林、ジョナゴールド、トキ、シナノスイート、シナノゴールド、ぐんま名月、千雪、星の金貨、秋陽、紅はつみ、恋空、早生ふじ(昂林・やたか)、陸奥、世界一、紅玉、北斗など(生産情報の摘果・収穫の対象品種)。県の育成品種は千雪(あおり27)・星の金貨(あおり15)・春明21(あおり21)・紅はつみ・恋空・はつ恋ぐりん(あおり24)など(青森25) | 普通栽培はマルバカイドウ台の二重台木、わい化はM.9・M.26系が中心。M.9台は湿害・凍害に弱く、排水対策と白塗剤などの凍害対策が必要(青森19)。県の育成台木に青台3(M.26よりコンパクト)(青森25)。樹形はわい化が細がた紡錘形、高密植がトールスピンドル(青森19)。せん定は春作業の最優先で、津軽は4月上旬に未了の園地があり、遅れる場合は粗抜き(大枝抜き)を主体に、施肥・薬剤散布を優先した後にハサミを入れる(青森3・青森4)。県南は4月上旬に終盤。剪定枝は園内に放置しない(腐らん病・リンゴハダニ・ハマキムシの発生源)。雪害樹の復旧用に接ぎ木の穂木を早めに採取し、徒長枝や高接ぎで樹形を立て直す(青森3・青森17) | 青森1 p.129・青森2 p.133・青森3〜青森17(生産情報)・青森18〜青森26・青森27 |
| 東北・北陸 | 岩手 | ふじ、つがる、ジョナゴールド、王林、きおう、さんさ、シナノゴールド、シナノスイート、紅いわて、紅ロマン(極早生)、千秋、紅玉、陸奥、北斗、金星、はるか、大夢、黄香、もりのかがやき、秋映、トキ、ぐんま名月、昂林、世界一など(岩手1・岩手2の表) | 台木・樹形の記載はわい性樹(M系・JM7台など)と普通樹の区分のみ。JM7台の苗木・若木は野ネズミ被害を受けやすい(岩手10)。せん定: 発芽が早まる年は整枝剪定と枝片付けを早めに終える(岩手2)。夏季せん定(わい性樹)は樹勢の強い樹で8月下旬〜9月上旬、側枝上面から出た30cm以上の直上枝を間引く。過度な夏季せん定は紫紋羽病の誘因になるので最小限(岩手6)。7月に入ると新梢の伸びが止まり花芽分化が始まるので、徒長枝の整理などで樹冠内部の日照を改善する(岩手5) | 岩手1 p.20・p.32・岩手2〜岩手10 |
| 東北・北陸 | 宮城 | 推奨品種はさんさ・王林・ふじ、補助品種はつがる・千秋・紅玉・ニュージョナゴールド・陽光、試作品種はやたか・ハックナイン・北斗(宮城1 第1-1表・p.37。この指導指針は1990年代の資料) | 台木はマルバカイドウ(普通栽培)、わい化はM.26・M.9・M.27・CG.10・CG.24など(M.26は接ぎ木部のこぶ、バーノットに注意、M.27は寿命が短い可能性)(宮城1 p.92-93)。普通樹は遅延開心自然形(樹高4m前後、主幹高1.5〜2m、主枝2本・亜主枝各2本)。わい化はスレンダースピンドル(樹高3m、幅2〜2.5m、側枝20本程度)(宮城1 p.83・p.96)。植え付けは落葉後〜発芽前で、秋植え(11月下旬〜12月中旬)が基本。せん定の月の記載は確認できない。夏季は徒長枝切りを6月上中旬と着色前期の2回(必ず実施)、支柱立て・枝吊りは遅くとも6月上旬までに一通り、枝ためは7月上旬〜8月下旬(結実促進なら6月上中旬)(宮城1 p.53-54) | 宮城1 p.36-99・宮城2 p.14-15・宮城4・宮城5・宮城6・宮城3・宮城7・宮城8・宮城9 |
| 東北・北陸 | 秋田 | ふじ、つがる、やたか、昂林、王林、さんさ、千秋、ジョナゴールド、シナノスイート、シナノゴールド、紅玉、秋田紅あかり、秋田紅ほっぺ、ゆめあかり、秋しずく、金星、アキタゴールド(秋田2〜秋田7、秋田1)。品種構成が「ふじ」とその枝変わり(みしまふじ・やたか)に偏り、結実の不安定・変形果が増えている(秋田1 p.54-55) | 台木はマルバカイドウ、M.9、M.26、JM7、JM1など。土壌別の台木選択表がある(有効土層が浅い所はM.9/マルバ、M.26/マルバ、JM7など)。JM1は積雪の少ない県北・県南沿岸向き。台木長40cm・地上部に台木20cm(秋田1 p.65-67)。樹形はわい化がフリースピンドル・スレンダースピンドル(樹高3.0〜3.5m)。せん定は4月初めに急ぎ(2026年はふじの発芽が3/28で平年より5日早く)、人手でできる剪定・枝片付けを速やかに終える(秋田2)。せん定は目標樹形を決め、頂芽の質(大きく堅く締まる・結果枝20cm以内)を見て大胆に(秋田1 p.54-55)。JM台は挿し木繁殖用の穂木を12〜2月に採取、挿し木は4月上〜中旬(秋田1 p.68-70)。6〜7月は主枝背面の徒長枝を等間隔で弱いものを残して掻き取る・摘果後に徒長枝を剪去(秋田4・秋田5)。【追加】腐らん病対策として、12〜1月の厳寒期のせん定は感染を助けるので2月以降にする。せん定前に園内を見回って枝腐らん・胴腐らんを早く見つけ、せん定痕に塗布剤を塗る(秋田13) | 秋田1 p.53-75・p.87-90・秋田2〜秋田12・秋田13 |
| 東北・北陸 | 山形 | ふじ、つがる(施肥基準の品種)、早生ふじ、秋陽、紅玉、シナノスイートなど(山形1・山形8〜10) | 台木の記載なし。せん定: 寒さの厳しい時期の剪定は腐らん病の感染が増える恐れがあるので、早い時期は粗剪定にとどめ切り口に癒合剤を塗り、細かいハサミ入れは寒さが緩んでから(山形2 p.9)。7月は樹の幹回りや主枝の分岐部を中心に徒長枝を整理し、枝や果実の日焼け防止のため主枝の背面に約50cm間隔で適度に徒長枝を残す(山形6 p.10)。8月は枝吊り・支柱立て・徒長枝管理(山形7) | 山形1・山形2〜山形10(ページは各行)・山形11 |
| 東北・北陸 | 福島 | ふじ、つがる(施肥基準・果樹研究所の生育調査)。凍霜害の資料では王林・紅玉・さんさ・ジョナゴールド・デリシャス系・つがるも耐凍性の品種間差で登場(福島8) | 福島の資料に台木・せん定時期の記載なし。わい化栽培と普通栽培の区分のみ(福島1)。【追加】果樹研究所の収穫期の記載から、シナノスイートはM9ナガノ台、王林はマルバカイドウ台の樹(福島12)。せん定の時期の記載はなし | 福島1 p.137-140・福島2 p.27・福島3〜福島8・福島9・福島10・福島12・福島11・福島14・福島13 |
| 関東・東海 | 群馬 | 普通栽培はつがる・陽光・ふじ。わい化栽培はつがる・あかぎ・陽光・ふじ(群馬1の作型図の品種欄) | CG55・57台木の場合は普通栽培に準ずる(群馬1 備考)。わい化栽培の台木・せん定の時期の記載は表になし。【追加】県の中山間地園芸研究センターは、利根沼田のわい化栽培が猛暑・干ばつ・凍害に弱いことから、JM2台による半わい化栽培を検討し、2025年に樹形(最適な枝の本数)を普及指導員向け資料にまとめた(群馬2)。普通樹の台木はマルバカイドウ(群馬2) | 群馬1・群馬2・群馬3 |
| 関東・東海 | 東京 | つがる・千秋・陽光・ふじ(基準収量はいずれも2.5〜3.0t)(東京1) | わい化栽培。せん定は1月(図から読み取り)。深耕は40〜60cmを目安に計画的に行う(東京1) | 東京1 PDF p.8 |
| 東北・北陸 | 石川 | 品種の記載なし。金沢市・羽咋市・珠洲市の丘陵地帯でマルバ台の普通栽培、昭和50年代からわい化栽培も導入。穴水町・輪島市でも開発農地でわい化栽培。観光農業向けの小規模産地もある(石川1 p.30) | マルバ台の普通栽培が中心で、わい化栽培も行われている。せん定の時期の記載はなし。粗皮削りなど耕種防除を徹底して病害の発生を防ぐ(石川1 p.30) | 石川1 p.30・52・石川2 |
| 関東・東海 | 山梨 | つがる・ふじ(作型図の品種欄)。対象地域は中間地・高冷地、土壌は沖積土・洪積土・火山灰土(山梨1 p.92) | 低木仕立て。作型図の主な作業は、せん定が2月ごろ、誘引が3月ごろ(図から読み取り、±1旬)。定植後1〜3年にうね間の土壌改良を完全に行い、草生栽培でも4〜5年生までは清耕栽培(山梨1) | 山梨1 |
| 関東・東海 | 長野 | 基幹はふじ(県のりんご面積の55%・3,680ha)・つがる(15%・974ha)・秋映(450ha)・シナノスイート(676ha)・シナノゴールド(265ha)。主要はシナノドルチェ・シナノホッペ・シナノリップ(157ha)。その他は紅玉・王林(参考品種にシナノプッチ・キルトピンク)。県オリジナル品種(秋映・シナノスイート・シナノゴールド等)は面積の24%(令和6年)。全国2位の栽培面積6,664ha・生産量110,800t(令和6年) | 台木はM.9(ふじ/M.9ナガノ、フェザー苗用のM.9自根台木)とマルバカイドウ台(果樹試験場の調査樹はマルバカイドウ台、平成21年まではM.26台)。樹形は普通樹・新わい化・高密植わい化(長野3・長野4・長野7)。せん定は、腐らん病が多い園は初冬と厳冬期を避けて3月以降にし、1〜2月より3月以降の方が発生が少ない(長野9・長野10)。粗皮削りで越冬病害虫を除く。徒長枝・ひこばえは、キンモンホソガの産卵が終わる開花期〜落花直後に除く(長野10) | 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6・長野7・長野8・長野9・長野10・長野11・長野12・長野13・山口1 p.140・長野14・長野16・長野15 |
| 関東・東海 | 岐阜 | つがる・ふじ(対象は飛騨・標高500〜800m)(岐阜1) | 台木・樹形の記載は表になし。せん定は2月下旬〜3月上旬(図から読み取り)(岐阜1) | 岐阜1 |
| 中国 | 山口 | 生産目標の品種はつがる・ふじ。品種特性表にはつがる・未希ライフ・シナノスイート・秋映・ジョナゴールド・ゴールデン・デリシャス・ふじ・王林・陽光・新世界・ぐんま名月(山口1 p.146-148) | 台木はM.9・M.26・M.27・JM1・JM2・JM5・JM7(山口1 p.141)。M.9の小型樹は細型紡錘形(スレンダースピンドルブッシュ)、M.26などのやや大型樹はフリースピンドルブッシュ。普通樹は変則主幹形から遅延開心形へ。せん定は12月下旬〜2月下旬(作業表)。結果母枝は7〜8年、結果母枝群は12〜13年で更新(山口1 p.139-142) | 山口1 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | ふじとふじ以外(収穫期の目安はつがる8月下旬、シナノスイート9月下旬〜10月上旬、ふじ10月下旬〜11月中旬)(福岡1 p.40) | 栽植密度はわい化栽培の基準。台木・せん定の記載は表になし(福岡1 p.40) | 福岡1 p.40-41 |
土壌pH・栽植本数・目標収量
| 地域区分 | 都道府県 | 土壌pH | 栽植本数・距離(10aあたり) | 目標収量(kg/10a) | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | 樹園地土壌(維持管理時)の作土pH(H2O)5.5〜6.0、有効態リン酸10〜20mg/100g(トルオーグ法)、交換性石灰は粗粒質土壌100〜170mg/100g(石灰含量よりpHを優先)、交換性カリ15〜30mg/100g(北海道1 p.95) | — | 基準収量2,500(成木15年生以上〈わい性台は8年生以上〉)(北海道1 p.170) | 北海道1 p.95・p.97・p.170-171・北海道3・北海道4・北海道5・北海道6・北海道7・北海道2・北海道8・北海道9 |
| 東北・北陸 | 青森 | 改良目標はpH(H2O)6.0(KClで5.5)。令和元年の県内調査では、改良が必要な酸性土壌(6.0以下)が約83%、5.5以下が約57%、4.5以下が約17%、6.6以上が約11%(青森2・青森20) | 普通樹(マルバカイドウ台)8×8m(16本)、わい化4×2m(125本)、高密植3.5×1m(286本)(青森生産情報の栽植距離別の設置本数表)。産技の高密植試験は列間3m×樹間1m(333本、M.9台・トールスピンドル、目標樹高4m・最上位結実高3.5m)、対照の密植は4m×2m(125本、細がた紡錘形)(試験の値)(青森19) | 目標収量の記載なし(青森1・青森3〜17)。試験の値(高密植333本): 10a換算で定植2年目500〜1,000、3年目2,500、4年目4,000〜4,500、5年目5,000〜6,000(青森19)。県の経営モデルの販売数量(目標収量ではない): ふじ普通台2,475kg/10aが、わい化栽培の導入後は3,094kg/10a(約25%増)。わい化は定植5年目で約3.5t/10a収穫できるとされる(青森27) | 青森1 p.129・青森2 p.133・青森3〜青森17(生産情報)・青森18〜青森26・青森27 |
| 東北・北陸 | 岩手 | りんごの土壌改良目標値はpH5.5・EC0.1・塩基飽和度40%(石灰31・苦土7・カリ2)・Ca/Mg比4・Mg/K比2・可給態リン酸10mg/100g(トルオーグ法)(岩手1 表5-2・p.20) | —(栽植距離・本数の記載なし。普通樹とわい性樹の区分だけ) | 普通樹 3,600(無袋ふじ、つがる、ふじほか、15年生以上)。わい性樹 4,000(岩手1 表6-7・p.32) | 岩手1 p.20・p.32・岩手2〜岩手10 |
| 東北・北陸 | 宮城 | 主要根群域のpH(H2O)5.5〜6.0(有効態リン酸20〜50mg、塩基飽和度75〜90%、石灰/苦土3〜5、苦土/加里2〜5)、根域下層5.5〜6.0(宮城2 第3-2表・p.15)。栽培適地の土は5.5〜6.0(宮城1 p.41) | 普通樹は10aあたり永久樹12本(9×9m)〜18本(7.2×7.2m)を目安。早期収穫のため永久樹の2〜3倍を間伐樹として入れる計画密植もある。わい化は南北並木植えで、肥沃でない土は4×2.5m(100本)、やや肥沃は4×2m(125本)(宮城1 p.42・p.94)。M.27台は333〜444本が適正範囲とされた(宮城1 p.93) | —(目標収量の明記なし) | 宮城1 p.36-99・宮城2 p.14-15・宮城4・宮城5・宮城6・宮城3・宮城7・宮城8・宮城9 |
| 東北・北陸 | 秋田 | 改良目標の明記なし。平成13年度の調査で、表層pH(H2O)の地形別平均は5.0〜5.9(県北台地5.5、沿岸傾斜丘陵5.3、内陸の丘陵地5.9・傾斜丘陵地5.0・扇状地5.2・段丘地5.5・低地5.4〜5.6)。石灰飽和度10%以下の園地は石灰資材で50%程度に(ビターピット対策)(秋田1 p.60・p.62)。石灰質資材は苦土石灰100kg/10a/年(秋田2・秋田4) | わい化60〜125本/10a程度(樹齢15年を経済寿命の目安とし、経済寿命を延ばすなら定植60本、または125本で植えて10年生頃から間伐して60本に)。マルバカイドウ台の二重台木わい化で80〜125本は10年生頃から隣樹と交差。JM7は4×3m(4.5×3mでもよい)、JM1は100〜125本(秋田1 p.64-67) | 3.5t/10a以上(「りんご3・5・8運動」ふじの目標: 樹高3.0m以下(雪の多い地域3.5m以下)・収量3.5t・秀品率80%以上・大玉率80%以上)。県平均の収量は目標の約2/3(約2t)(秋田1 p.53・p.63) | 秋田1 p.53-75・p.87-90・秋田2〜秋田12・秋田13 |
| 東北・北陸 | 山形 | —(山形の資料に果樹のpH目標の記載なし) | — | ふじ 3,200、つがる 3,000(山形1) | 山形1・山形2〜山形10(ページは各行)・山形11 |
| 東北・北陸 | 福島 | 好適範囲pH(H2O)5.5〜6.5、改良目標6.2(リンゴ・ナシ・カキ共通)。塩基飽和度は好適60〜90%・目標80%(Ca/Mg=10以下)。有効態リン酸は好適5mg/100g以上・目標20mg/100g以上(福島2 表2-8・p.27) | ふじ・わい化栽培4.5〜5m×2.5〜3m、普通栽培8×8m。つがる・わい化栽培4〜4.5m×2〜2.5m、普通栽培8×8m(福島1 p.140)。10aあたり本数の記載は無い(距離から計算すると、ふじ・わい化で約67〜89本、普通栽培で約16本) | ふじ 4,000(わい化・普通栽培とも)、つがる 3,800(福島1 p.140) | 福島1 p.137-140・福島2 p.27・福島3〜福島8・福島9・福島10・福島12・福島11・福島14・福島13 |
| 関東・東海 | 群馬 | — | 普通栽培: 幼木・未成木30本/10a、成木(12年以上)15本。わい化栽培: 高密植・並木植で100〜130本/10a(群馬1) | 普通栽培の成木3,000〜3,500、未成木(7〜8年)1,500〜2,000。わい化栽培の成木2,000(群馬1) | 群馬1・群馬2・群馬3 |
| 関東・東海 | 東京 | 適正pH 6.0〜6.5の維持に努める(東京1) | 50本/10a(わい化栽培)(東京1) | 2,500〜3,000(つがる・千秋・陽光・ふじ)(東京1) | 東京1 PDF p.8 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 主要根群域のpH(H2O)5.5〜6.0、根域下層も5.5〜6.0。塩基飽和度50〜80%、石灰/苦土 4〜8、苦土/加里 2以上、有効態リン酸10mg/100g以上(トルオーグ法)。主要根群域の深さ30cm、根域の深さ60cm、地下水位100cm以上、粗孔隙量15%以上(新潟1 表6・p.31。昭和60年度の果樹試資料にもとづく) | — | — | 新潟1 p.31、新潟2 |
| 東北・北陸 | 石川 | 5.5〜6.5(果樹の土壌化学性診断基準。交換性石灰飽和度50〜80%・苦土10〜15%・加里5〜8%、石灰/苦土4〜8、苦土/加里2以上、可給態リン酸10mg/100g以上)(石川2 表2) | — | — | 石川1 p.30・52・石川2 |
| 関東・東海 | 山梨 | — | 低木仕立てで100〜120本/10a(山梨1) | つがる 2,800、ふじ 3,500(山梨1) | 山梨1 |
| 関東・東海 | 長野 | — | 新わい化栽培は125〜200本/10a・樹高2.5〜3.0m、高密植わい化栽培は250本/10a以上・樹高3.5m(長野3)。県資料では栽植密度125〜200本/10a以下のわい性台木樹と普通樹を並べて扱う(長野2)。令和12年度までの高密植・新わい化の導入目標は725ha、フェザー苗は年10万本の生産が目標(長野4) | 県の経営指標の生産量(令和4年): ふじ普通樹4,000・ふじ新わい化(高密植わい化)5,000・つがる新わい化3,500・秋映新わい化3,800・シナノスイート新わい化3,800・シナノゴールド新わい化4,000(長野12。施肥基準ではなく経営指標の値) | 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6・長野7・長野8・長野9・長野10・長野11・長野12・長野13・山口1 p.140・長野14・長野16・長野15 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 好適土壌はpH 5.5〜6.5、置換性CaO 200〜300・MgO 20〜30・K2O 15〜20mg/100g、塩基飽和度60〜90%、有効態リン酸10mg/100g以上(岐阜1) | 4×2m(125本)〜4×3m(83本)/10a(岐阜1) | 樹齢別(10a): 5年2,000・10年3,500・15年4,000・20年3,500・25年3,000kg。育成期間は4年(岐阜1) | 岐阜1 |
| 中国 | 山口 | — | 最終本数: 普通台(マルバ)13〜15本/10a(8〜8.5m×8〜8.5m)、半わい性台(JM2等)30〜50本(5〜6.5m×4〜5m)、わい性台(M9等)100〜125本(4m×2〜2.5m)。計画密植は普通台36〜62本(山口1 p.141) | つがる・ふじとも3,200kg/10a(精果率80%・2L以上、糖度つがる14度以上・ふじ15度以上)(山口1 p.138) | 山口1 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 改良目標pH 6.0〜6.5(炭酸苦土石灰などで石灰不足・窒素過剰によるビターピットを防ぐ)(福岡1 p.41) | ふじ80本/10a(5m×2.5m。わい化栽培基準)、ふじ以外100本/10a(4m×2.5m。わい化栽培基準)(福岡1 p.40) | 3,000kg/10a(福岡1 p.40) | 福岡1 p.40-41 |
施肥量と施肥の時期
| 地域区分 | 都道府県 | 年間施肥量 N-P2O5-K2O(成木・kg/10a) | 施肥の時期と配分 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | 成木 7-5-6(窒素-リン酸-カリ)、幼木(5年生前後〈わい性台3年生以下〉)4-3-3(北海道1 p.170)。土壌診断による施肥対応: 窒素は熱水抽出性窒素 3.0未満・3.0〜5.0・5.0以上の3水準で基肥7・7・4(幼木は7・4・0)、リン酸(トルオーグ)10未満7・10〜20で5・20〜45で2・45以上0、カリ(交換性)8未満12・8〜15で9・15〜30で6・30〜60で3・60以上0(成木・若木の基肥量)(北海道1 p.170) | 肥料は融雪直後に全面施用。土壌診断は前年秋に行う。施用有機物の化学肥料相当分は減肥量の上限として施肥量から減らす(北海道1 p.170)。成木期の窒素は8月上旬に葉中窒素(目通りの高さの新梢中位葉)を測って決める。ハックナイン1.8〜2.2%で0〜4kg、つがる2.0〜3.5%(葉色6.5前後)で4〜7kg(地力窒素が高い園は4kg、低い園は7kg)(北海道1 p.171) | 北海道1 p.95・p.97・p.170-171・北海道3・北海道4・北海道5・北海道6・北海道7・北海道2・北海道8・北海道9 |
| 東北・北陸 | 青森 | 成木(普通台11年生以上・わい性台6年生以上)15-5-5。6〜10年生(普通台)・4〜5年生(わい性台)10-3-3、1〜5年生(普通台)・1〜3年生(わい性台)5-2-2。10aに堆きゅう肥600kgを施す前提で、堆肥の窒素は見込まない全園施用の標準量。窒素:リン酸:カリ=3:1:1程度(青森1 p.129)。ふじ成木の窒素は樹勢と土壌診断で決める方法もあり、火山灰土は0〜15、非火山灰土は0〜10(青森18) | 標準施肥量の月別配分は農水省ポータル掲載分(p.129)に無く、p.130「肥料の種類と施肥時期」は未掲載。生産情報では施肥は消雪後速やかに行う(4月)。枝の折損が大きい樹は半減か施用しない(青森3)。追肥は「6月末まで」の作業項目(青森8)。土壌改良は堆肥10aあたり600kg程度と苦土を含む石灰質肥料100kg程度を5月上旬頃までに樹冠下へ施し軽く耕うん、三要素肥料を施した後に雨があって2〜3日後(雨が無ければ約2週間後)に石灰質肥料を施す(青森3・青森5)。樹勢が弱った樹には展葉後〜6月中旬に尿素0.2%液(500倍)を3〜4回葉面散布(青森3)。診断は8月上旬に新梢長×葉色指数と土壌の無機態窒素を測り、翌年の窒素量を決める(青森18) | 青森1 p.129・青森2 p.133・青森3〜青森17(生産情報)・青森18〜青森26・青森27 |
| 東北・北陸 | 岩手 | 普通樹(15年生以上)つがる・ふじ・その他 15-1-9(窒素は基肥10+追肥5)、無袋ふじ 10-1-8(基肥7+追肥3)。わい性樹(さんさ・きおう・つがる・紅いわて・ジョナゴールド・王林・シナノゴールド・ふじ)は1〜2年生3-1-2、3〜4年生5-1-3、5〜7年生10-1-5(基肥7+追肥3)、8年生〜15-1-9(基肥10+追肥5)。補給型施肥基準で、わい性樹の値は全層施肥の場合、樹冠下施肥は半量。石灰・苦土の量は普通樹で石灰36〜40・苦土9〜10、わい性樹で石灰14→40・苦土3→10(岩手1 表6-7) | 基肥・追肥の月は施肥基準の表に無い(岩手1)。技術情報では、衰弱した樹のお礼肥は早生・中生種が9月下旬以降、晩生種が10月中下旬以降から落葉までに、成木で多くても窒素5kg/10aを目安(岩手8)。土壌診断を数年に1度行い、診断に基づいて施肥する(岩手2・岩手10) | 岩手1 p.20・p.32・岩手2〜岩手10 |
| 東北・北陸 | 宮城 | 窒素10〜15kg(基肥7〜12kg+追肥3kg)、リン酸6kg、カリ12kg(10a、全量10〜15-6-12)。無袋ふじは樹勢が強いので、窒素10kg・リン酸5kg・カリ7kg程度かそれ以下で十分(宮城1 第1-13表・p.48・p.82) | 基肥は11〜1月、追肥は9月中旬〜10月。樹勢が劣る園や着果過多で衰弱した園は、9月中旬〜10月に窒素全量の2割を施す。窒素過多は新梢の徒長・着色不良の原因(宮城1 p.82)。葉色による施肥基準は、7月末〜8月初めにふじ用カラーチャートで測り、適正葉色6前後・窒素濃度2.5%程度、4.5以下は窒素栄養不足、翌年の施肥量を判断(宮城1 p.82-83)。堆肥など有機物はできるだけ施用 | 宮城1 p.36-99・宮城2 p.14-15・宮城4・宮城5・宮城6・宮城3・宮城7・宮城8・宮城9 |
| 東北・北陸 | 秋田 | 年間窒素は、従来は年2回で約8kg/10aが基準。近年の研究で、春肥に全量を施し窒素量を年平均気温で決める減肥体系でも安定生産が可能と分かった。4月の窒素量は、年平均気温11℃未満(鹿角)で6kg(樹勢が強ければ3kg)、11〜13℃(横手)で3〜6kg(樹勢が強ければ0〜3kg)、13℃以上で0〜3kg(強ければ0)。樹勢が弱ければ追肥または4月の増肥で、年10kgでも弱いなら施肥以外の要因を調べる。リン酸・カリの量の記載なし(秋田2・秋田7) | 春肥は消雪後できる限り速やかに(4月、2026年は消雪日が3/11で平年より16日早かった)。苦土石灰など改良資材(100kg/10a)は春肥の施用後2週間程度あける(窒素のアンモニアが揮発する)。秋肥は、樹勢が適〜強なら施用しない。弱樹勢の場合に窒素2kg程度を速効性肥料で、さんさ・つがるなど早生種は9月上旬、やたか・王林・ふじなど中・晩生種は9月中旬〜下旬(秋田2・秋田7)。堆肥は年500kg程度で地力維持、傾斜地は1,500kg、上限は4,000kg/10a(秋田1 p.59-62) | 秋田1 p.53-75・p.87-90・秋田2〜秋田12・秋田13 |
| 東北・北陸 | 山形 | ふじ 5-2-4、つがる 7-3-6(基肥のみ。肥沃度中位ほ場の目安で、堆肥2t/10a程度の施用を標準とする)(山形1) | 全量を基肥とし、根が活動している9月下旬〜10月上旬に施して積雪前に樹体へ吸収・貯蔵させ、翌春の初期生育に備える(山形1)。2026年の技術対策では、果樹の基肥は9〜10月、りんごふじは10月中旬頃(当年の果実品質に響かないように)。有機質主体の緩効性肥料は約2週間早く、基準量に植え付け本数・樹齢・樹勢・着果量を考慮して樹ごとに加減。アルカリ質資材は土壌酸度を診断して種類と量を決める(山形8 p.14) | 山形1・山形2〜山形10(ページは各行)・山形11 |
| 東北・北陸 | 福島 | 第1地帯(肥沃度中・会津を除く): ふじ 8-8-12(窒素は秋肥5+冬肥3)、つがる 10-8-12(秋肥6+冬肥4)。他の地帯の窒素は、第2地帯ふじ7・つがる8(秋肥のみ)、第3地帯ふじ6(秋2・春2・追肥2)・つがる9(3・3・3)、第4地帯ふじ6(秋3・春3)・つがる7(秋4・春3)、第5地帯ふじ7(秋4・春3)・つがる9(秋6・春3)、第6地帯ふじ7・つがる8(福島1 p.137・p.140)。樹齢別は1〜2年生窒素2kg、3〜4年生5kg前後を標準、リン酸は窒素の半量、カリは窒素と等量、6年生前後から成木の量 | りんごとももは9〜10月の秋基肥体系が基本。第1地帯の施用は、ふじが秋肥9月下旬〜10月上旬・冬肥12月、つがるが秋肥9月上旬〜中旬・冬肥12月。秋肥(礼肥)は9月20日頃を標準に、樹勢が弱いか落葉が早い寒冷地では10〜20日早め、樹勢が強ければ10日ほど遅くする。休眠期の施用は流亡の少ない地帯で11〜12月、流亡の多い地帯は融雪後できるだけ早く。秋基肥は速効性+緩効性、礼肥は速効性、11〜12月施用は緩効性、春肥・追肥は速効性(福島1 p.138-140)。3〜5年に1度は土壌診断(福島1 p.139) | 福島1 p.137-140・福島2 p.27・福島3〜福島8・福島9・福島10・福島12・福島11・福島14・福島13 |
| 関東・東海 | 群馬 | 普通栽培の成木 N 15・P2O5 8・K2O 12(基肥N12-8-12+追肥N3)。わい化栽培の成木 N 10・P2O5 5・K2O 5(基肥N7-5-5+追肥N3)、準成木(5〜6年)も同じ(群馬1)。幼木(4〜5年)は普通栽培でN5-2-3、わい化でN5-3-3 | 基肥は11月(収穫後。図から読み取り)。追肥は成木で8月下旬〜9月(図から読み取り)、幼木は3月上旬(図から読み取り)。わい化栽培の追肥は速効性の単肥(尿素等)が好ましい(群馬1) | 群馬1・群馬2・群馬3 |
| 関東・東海 | 東京 | 黒ボク土: N10-P2O5 7-K2O 7(堆肥2,000kg)。褐色森林土または灰色低地土: N12-6-7(堆肥2,000kg)(東京1) | 黒ボク土は基肥N5-P7-K4、追肥(1)N3-K3、追肥(2)N2。褐色森林土・灰色低地土は基肥N6-P6-K4、追肥(1)N4-K3、追肥(2)N2。時期は図から読み取りで、基肥12月、追肥(1)2月中旬〜3月上旬、追肥(2)9月上旬。つがるは追肥(2)を収穫直後に行う。ふじは樹勢が強いときは追肥(2)を行わない。黒ボク土の追肥(2)は新梢の生育状態から要否を判断(東京1) | 東京1 PDF p.8 |
| 東北・北陸 | 石川 | 化学肥料の窒素の慣行レベルはN 15kg/10a(導入指針の別表。特別栽培の慣行レベルで、施肥基準そのものではない)。持続性の高い農業生産方式の目安は慣行の70%以下(石川1 p.30・52) | 流亡率が高い冬基肥の体系から、秋肥+春肥の体系へ変更して窒素を減らす。肥効調節型肥料を使い、わい化栽培は樹冠下への局所施肥。完熟堆肥2t/10aを施す(石川1 p.30)。配分の数値・月日の記載はなし | 石川1 p.30・52・石川2 |
| 関東・東海 | 山梨 | 成木 18-10-13+苦土石灰80。幼木は1〜3年生 7-5-5、4〜6年生 10-6-8(苦土石灰40)(山梨1) | 成木の時期別: 6月中旬に追肥(窒素5・カリ5)、9月中旬に追肥(窒素3)、11月上旬に苦土石灰80、11月中旬に基肥(窒素10・リン酸10・カリ8)。ふじは9月中旬の追肥をせず、その分を基肥に加える。樹冠下に施す(山梨1) | 山梨1 |
| 関東・東海 | 長野 | 施肥基準(成木・りんご)N 12〜20・P2O5 4〜6・K2O 10〜14(長野1)。地域慣行基準は県下全域でN 15(長野3。環境にやさしい農業の慣行レベルで、施肥基準そのものではない) | 基肥は11〜12月が一般的で、年間の慣行施肥量の80%を施す。積雪地帯は春の雪解け水で流亡が多いので、11〜12月は60%にとどめ、20%を3〜4月に施す(春肥が多いと夏の肥効が切れにくい欠点がある)(長野2)。リン酸・カリは時期の影響がほとんどないので、基肥(11〜3月)に窒素と同時に施す。窒素は生育初期(展葉〜6月)は葉・果実・新梢に効き、中期(7〜8月)の過剰吸収は2次伸長と着色不良を招き、後期(9月〜落葉)の吸収は貯蔵養分を増やして翌年の花芽を充実させる(長野3) | 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6・長野7・長野8・長野9・長野10・長野11・長野12・長野13・山口1 p.140・長野14・長野16・長野15 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 成木 N15-P2O5 13-K2O 14(苦土石灰120kg・FTE 4kg、完熟堆肥3t)。樹齢別のNは2年6・3年7・4年8・5年9・6年12・7年以上15(岐阜1) | 基肥は11月上旬にN9-P7-K8。追肥は3月下旬にN3-3-3と9月下旬にN3-3-3。春肥は融雪後できるだけ早く施す。樹勢が強い園は9月の追肥を減らすか施さない。堆肥の施用では成分量を見て施肥を加減する(岐阜1)。草生栽培では植栽年次に牧草用肥料としてN・P2O5・K2Oを各15kg程度全面施用(岐阜1) | 岐阜1 |
| 中国 | 山口 | ふじ・わい性台成木 N20-P2O5 16-K2O 11、ふじ・マルバ台成木 N18-P15-K10.8(収量3,200kgの園が基準)(山口1 p.145)。幼木は樹齢別(ふじ・わい性台は1年N5-3-2、3年10-8-5、5年16-14-11) | わい性台は元肥10月(N70%・P100%・K80%)と春肥2〜3月(N30%・K20%)。マルバ台は元肥11月(11月中旬までに施用)と春肥2〜3月。幼木のみ追肥を5月上旬と6月下旬に行う。土壌改良は石灰類100〜120kg・ようりん40〜60kg/10a(山口1 p.143-145) | 山口1 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 収量3,000kgの成木 ふじ N13-P2O5 11-K2O 12、ふじ以外 N16-P13-K15。収量別(0〜3,000kg)の表もある(福岡1 p.40) | ふじ: 基肥11月中旬〜下旬(N11.0=85%・P11.0・K10.2)と芽出し肥2月中旬〜下旬(N2.0=15%・K1.8)。ふじ以外: 基肥11月中旬〜下旬(N11.2=70%・P13.0・K10.5)、芽出し肥2月中旬〜下旬(N2.4=15%・K2.3)、礼肥9月上〜中旬(N2.4=15%・K2.3)。基肥を中心に有機質肥料主体で施し、追肥は速効性の化成肥料(福岡1 p.40) | 福岡1 p.40-41 |
摘花・摘果・袋かけ・着色管理
| 地域区分 | 都道府県 | 摘花・摘果・袋かけ・着色管理(葉摘み・玉回し) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | 摘花: 開花時に不要な花を摘む摘花は果実肥大と樹勢維持に役立ち、樹勢の弱った樹と隔年結果しやすい品種で行う。晩霜のおそれがある園は腋芽花の花そうだけ摘む(北海道3)。摘果: 1つ成り摘果はがく立ち後に始め、落花30日後頃までに終える。仕上げ摘果の目安は、つがる・ジョナゴールドが4頂芽に1果(着果率25%)、ふじ・早生ふじ・シナノスイート・シナノゴールド・ハックナイン・ぐんま名月が4〜5頂芽に1果(25〜20%)(北海道4・北海道5)。仕上げは7月に早く行い、過着果は隔年結果のもと。8月は変形果・サビ果・被害果を見直し摘果する(北海道5・北海道6)。着色: 9月の「さんさ」「つがる」の収穫期に向け、枝の吊り上げ・支柱入れ・徒長枝切りのあと、葉摘みと玉回しを始める。葉摘みは着色が始まった頃から2回程度(1回目は果実に密着した果そう葉、2回目は玉回しを兼ねて果実周りの葉)。高温・晴天が続く年は日焼け果が出やすいので葉摘みを控える(北海道7)。袋かけの記載なし。摘花剤・摘果剤・落果防止剤の使用時期は道の資料にあるが、薬剤名は省く | 北海道1 p.95・p.97・p.170-171・北海道3・北海道4・北海道5・北海道6・北海道7・北海道2・北海道8・北海道9 |
| 東北・北陸 | 青森 | 摘花: 腋芽花や日当たりの悪い花を花そうごと摘む。開花量が少ない・降霜・不順天候・マメコバチ不足ならえき芽花だけ摘む。摘花剤は満開日(7〜8割開花)に2回、ふじ向けの1回散布型は頂芽中心花の満開1〜2日後(青森4・青森26)。人工受粉は交雑和合性で花粉親を選び、中国産・来歴不明の花粉は使わない(青森4)。摘果: ふじは落花25日後頃までに仕上げ摘果を終える。着果の目安は、紅玉3頂芽に1果、つがる・ジョナゴールド3.5頂芽、ふじ・王林・早生ふじ・トキ・シナノゴールド・きおう・金星・シナノスイート・未希ライフ・ぐんま名月・さんさ・星の金貨・千雪・秋陽・はるか・紅はつみなど4頂芽、北斗4.5頂芽、陸奥・世界一5頂芽に1果。摘果剤は、ふじ・王林・早生ふじ・トキ・シナノスイートが満開後2週間頃(ふじは中心果横径10mm前後)、紅玉が満開後3週間頃(中心果横径16mm前後)に1回(青森6)。つる割れ軽減の薬剤はふじ・早生ふじで満開20〜30日後(青森6・青森7)。袋かけ: ふじは有袋でつる割れ軽減・着色向上・収穫期分散、7月10日頃までに終える(青森7・青森9)。除袋はジョナゴールド9月25日頃まで、ふじ10月5日頃まで(青森13)。着色: 手入れは早生ふじ9月10日頃から、シナノスイート・ジョナゴールド(無袋)9月20日頃から、収穫まで2回程度。強い葉摘みは早く行わない。摘葉剤はふじのみ、収穫40〜50日前(青森12・青森13)。高温時は日焼けに注意し、果実温度が上がってから摘葉する(青森11)。反射資材の片付けは土を飛散させない(青森15) | 青森1 p.129・青森2 p.133・青森3〜青森17(生産情報)・青森18〜青森26・青森27 |
| 東北・北陸 | 岩手 | 摘花: 貯蔵養分を節約するため、腋芽花や日当たりの悪い部分の花を花そうごと摘む「株摘み」。凍霜害が心配な年は1花そう1花の「1輪摘花」を避ける(岩手3)。摘花剤は満開後に2回散布するタイプで、登録は2剤。摘果: 1果そう1果のあら摘果を先に行い、満開後30日頃までに終える。終了の目安はふじ・王林・きおう・さんさが落花25日後、つがる・ジョナゴールド・紅玉が落花30〜35日後(岩手4)。摘果の強さ(わい性樹)は紅玉4〜5頂芽に1果、紅いわて5、ふじ・つがる・王林・さんさ・千秋5〜6、ジョナゴールド・陸奥・北斗6〜7(岩手5)。果台が25mm以上または10mm以下は斜形果が出やすいので摘む。摘果剤はふじで満開2週間後(中心果横径10mm前後)、他品種は満開3週間後。県の試験では大夢・黄香が2週間後、紅いわて・もりのかがやきが3週間後、はるかは摘花剤を優先、紅ロマンは摘果剤の効果なし。デリシャス系・秋映・北紅・世界一は摘果剤の使用を差し控える(岩手3)。袋かけの記載なし。着色: 早生種の葉摘みは収穫予定の10〜20日前に、果そう葉を中心に最初2〜3枚。着色適温は10〜20℃、日焼け果は日最高気温およそ32℃以上で出る。ふじは着色期間が30〜40日と長いので、陽光面が着色してきた9月下〜10月上旬と10月中〜下旬の2回に分けて葉摘み+玉回し(岩手6・岩手7・岩手8)。極早生の紅ロマンは梅雨明け後に被覆資材で日焼けを軽減(岩手6) | 岩手1 p.20・p.32・岩手2〜岩手10 |
| 東北・北陸 | 宮城 | 摘花: 開花直前〜開花中に腋芽花・不良花そうを摘む。一輪摘花は凍霜害の年は危険(宮城1 p.46)。摘果: 落花25日後までに一通り終える。2〜3回に分け、第1回はがく立ちを認めてから1果そう1果、第2回は不良果を除いて適正量より多めに残す。早期落果の多いデリシャス系・つがるは仕上げを遅らせる。着果の強さは、つがる・紅玉・王林が3〜4頂芽に1果、ジョナゴールド・ふじ・陽光が4〜5頂芽、陸奥が5〜6頂芽(10aの標準着果量はそれぞれ約20,000〜25,000果/15,000〜20,000果/12,000果)(宮城1 p.46)。摘果剤は頂芽中心果の横径が10mm前後のときに散布(宮城1 p.47)。袋かけは落花後3〜4週間の細胞分裂期を過ぎてから、遅くとも落花35日後までに被袋。除袋は早生種(つがる含む)で収穫適期の5〜7日前、中生種10〜14日前、晩生種30〜40日前(宮城1 p.50)。着色: 葉摘みはつがるで収穫7〜14日前、ふじで収穫30〜40日前から。玉回しは果実が30%着色した頃に1回目。反射フィルムは収穫30日頃前(除袋後3〜4日)から(宮城1 p.55-56)。【現行資料(2024年)】栗原農業改良普及センターの果樹生育情報では、品種別の適正着果基準を、つがる・紅玉・ジョナゴールドが3〜4頂芽に1果(1果あたり必要葉数45〜60枚)、ふじ・秋映・さんさ・王林・陽光・シナノスイート・シナノゴールドが4〜5頂芽に1果(60〜75枚)とし、台木・樹勢・日当たりで加減する。結実がよい年は摘果を遅らせない。2024年の調査園では6月10日時点で荒摘果が終わっていた(宮城4・宮城5・宮城6) | 宮城1 p.36-99・宮城2 p.14-15・宮城4・宮城5・宮城6・宮城3・宮城7・宮城8・宮城9 |
| 東北・北陸 | 秋田 | 人工受粉: 20,000花/10aで約17時間(秋田1)。ぼん天は20〜25時間/10a、ラブタッチは1/5〜1/4(秋田3)。受粉の柱頭受精能力は約5日間(秋田1 p.55)。摘花: 開花直前から、腋芽花・生育不良の花そう・枝の直上直下・長さ20cm以上の枝の花そうを摘む(秋田3)。摘花剤は満開期(頂芽の花が70〜80%開花)に1回目、2回目は3〜4日後(秋田3)。摘果: がく立ちを確認したら粗摘果に入り、満開30日後(5月下旬頃)までに仕上げ摘果を終える(秋田3)。落花25日後頃(県南は6月中旬頃、県北は6月下旬)までに仕上げ(秋田1 p.56)。予備摘果は最終着果量の10〜15%多めに。着果基準は、つがる・王林・秋田紅ほっぺ・ゆめあかり・秋しずくが3〜4頂芽に1果、ふじ・さんさ・シナノスイート・秋田紅あかりが4〜5頂芽に1果(秋田4)。摘果剤は満開後2〜3週間で、中心果横径がふじ0.7cm・千秋0.6〜0.7cm・王林1.2cm・ジョナゴールド1.7cmのとき(秋田1 p.58)。つる割れ軽減(やたか・昂林)は5月に1回(秋田3)。着色: 葉摘みは中生種が収穫開始の20日前頃、晩生種が30〜40日前から2回に分け、2回目は中生種で収穫2週間前頃、晩生種で3週間前頃から新梢葉も含めやや強めに摘み玉回し(秋田7)。県南部2026年の予想は、やたかが1回目9/5頃・2回目9/12頃・収穫9/27頃、秋田紅あかり 9/15頃・10/1頃・10/25頃、ふじ 9/25頃・10/15頃・11/5頃(秋田7)。つがるの葉摘みは収穫15〜20日前から2回、日焼けに注意(秋田6)。摘葉剤はふじのみ、収穫40〜50日前(11/5収穫なら9/15以降)(秋田7)。袋かけの記載なし | 秋田1 p.53-75・p.87-90・秋田2〜秋田12・秋田13 |
| 東北・北陸 | 山形 | 摘花: 充実した大きな花そうの中心花を残し、腋花芽や日当たりの悪い下向き枝の花そうは全部摘む。予備摘果(1果そう1個)はがく片の立ち上がりが見えたら早めに行い、落花15日後頃(5月中下旬)までに終える(山形4 p.11)。摘果: 果形・肥大が良い中心果を4頂芽に1果、6月中旬までに園地を一巡(山形5 p.11)。7月に小玉・サビ果・奇形果を落とす修正摘果(山形6 p.10)。着色: 早生種(つがる)は落果防止剤を8月に散布し、葉摘みは着色がある程度進んでから果そう葉主体(山形7 p.18)。中生種の葉摘みは収穫予定の20日前頃、玉回しは葉摘み後に陽光面が着色してから収穫7日前頃までに終える(山形8 p.12-13)。ふじは1回目の葉摘みを9月末〜10月上旬に果そう葉主体で、2回目を10月中旬頃から果実周辺と徒長枝・発育枝の葉を摘み玉回しを併せる。反射シートは収穫30日前頃(10月上旬)に設置(山形9 p.13)。袋かけの記載なし | 山形1・山形2〜山形10(ページは各行)・山形11 |
| 東北・北陸 | 福島 | 福島の資料に摘花・摘果・袋かけの手順の記載なし。ひょう害の後の摘果の目安は、りんごでは小さなへこみや果肉に至らない5mm程度幅の傷までは残せた(令和4年の記録)、樹勢が強くならないよう被害の軽い果実は適宜残す(福島8)。着色・玉回しの記載なし。【追加】仕上げ摘果は満開後60日までに終える(2025年は会津の北会津町のふじで6月29日頃)。遅れると花芽分化率が下がる。目安は、あかね・つがる・紅玉が3頂芽に1果(1果あたり必要葉数45枚)、ふじ・陽光・ジョナゴールド・王林・さんさが4頂芽に1果(60枚)。結実が少ない園は着果数の確保を優先する。仕上げ後は修正摘果に移り、小玉果・変形果・病害虫の被害果・傷果・サビ果を落とす。6〜7月は枝吊り・支柱立てで枝折れと傷果を防ぎ、高温年は果実を果そう葉で隠すなど日焼けに注意(福島9・福島10)。袋かけ・着色の記載は福島の資料にない | 福島1 p.137-140・福島2 p.27・福島3〜福島8・福島9・福島10・福島12・福島11・福島14・福島13 |
| 関東・東海 | 群馬 | 実施例: 利根沼田農業事務所は令和4年7月29日の講習会で、残す果実の理由を説明しながら「見直し摘果」を扱った(群馬3)。標準の摘果時期・着果基準の記載は見つからなかった | 群馬1・群馬2・群馬3 |
| 関東・東海 | 東京 | 受粉は4月中旬、袋かけは6月上旬、着色管理(破袋)・収穫は8月中旬〜11月上旬ごろ(いずれも図から読み取り、±1旬)(東京1) | 東京1 PDF p.8 |
| 関東・東海 | 山梨 | 作型図の主な作業は、人工受粉が4月ごろ、摘果が5月ごろ(図から読み取り、±1旬)。着色の始まりはつがるが8月、ふじが9月下旬ごろ(山梨1) | 山梨1 |
| 関東・東海 | 長野 | 県資料に仕上げ摘果の目安(頂芽数)は見つからなかった。山口県の指針が「長野県」として引く仕上げ摘果の目安は、頂芽数に1果で、ふじ4〜5・つがる3〜4・王林3〜4・紅玉3〜4・ジョナゴールド3〜4・千秋4〜5・陽光4〜5(山口1 p.140)。袋かけは、モモシンクイガ・炭疽病・輪紋病対策として防疫袋をかけ、除袋後は速やかに防除する(長野10)。着色管理は、ハマキムシ類対策として果実に接する葉を着色管理時期のなるべく早い時期に摘み取る(長野10)。秋映は着色管理を省力化できる(長野4)。高温年の着色不良・日焼けには、優良着色系統や黄色品種の利用、適正な窒素施肥、遮光資材による樹冠・果実の被覆、葉取らず栽培、灌水などを挙げる(長野4)。【追加】県果樹試験場は、満開1か月後を目途に「あら摘果」を行う必要があるとしている(2026年は生育が平年より約10日早く、5月13日に摘果デーを開催)(長野14)。ふじの葉摘みは果樹試験場で10月に実施されている(令和6年10月)。着色には一定の低温と日光が必要で、省力化や日焼け防止のため最近は葉摘みを減らす動きもある(長野16) | 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6・長野7・長野8・長野9・長野10・長野11・長野12・長野13・山口1 p.140・長野14・長野16・長野15 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 摘果は5月下旬〜6月上旬ごろ(図から読み取り)。袋かけ・着色管理の記載は表になし(岐阜1) | 岐阜1 |
| 中国 | 山口 | 4月中旬に摘蕾(花蕾が風船状の頃、中心花を残し側蕾を摘む)。5月上旬〜満開後30日以内に粗摘果(1果そう1果、中心果を残す)、満開後60日以内に仕上げ摘果(つがる3.5頂芽に1果、ふじ4頂芽に1果)。袋かけは満開後60日以内。除袋はつがるが収穫7〜10日前に外袋・その3〜5日後に中袋、ふじが収穫25〜30日前に外袋・その3〜5日後に中袋。除袋後3日目頃から葉摘み、着色60%で玉まわし(山口1 p.140・143-144) | 山口1 |
発芽・開花期と主な病害虫
| 地域区分 | 都道府県 | 発芽・開花期 | 主な病害虫と時期 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | 発芽・開花の平年日の記載はなし。凍霜害の目安として、りんごの花芽は開花前までは約-2℃、開花始め後は約-1.5℃に1時間以上置かれると障害が出るおそれがある。燃焼法は気温が0℃になったら点火する(北海道3) | 施肥ガイドの葉分析診断基準では、りんごは7月上旬〜8月上旬の目通りの高さの新しょう中央葉柄つき成葉で窒素2.2〜2.8%、リン酸0.4〜0.7%、カリ1.7〜2.5%など。窒素過剰は凍害・腐らん病・品質低下の原因になりやすい(北海道1 p.97)。粗皮病が出た葉(9月下旬)は石灰・マンガン比20以下などが目安(北海道1 p.97)。防除時期の記載なし。防除の時期(道の令和8年営農技術対策、病害虫名のみ): 4月は発芽前の休眠期防除を必ず行い、黒星病は融雪後〜遅くとも展葉期までに前年の罹病落葉を芝刈機で粉砕して感染源を減らす。腐らん病は見つけ次第削り取って癒合剤を塗り、切った枝・削り屑は園外で処分する(北海道2)。5月は黒星病・モニリア病・ハマキムシ類の重点防除時期で、モニリア病は発芽10日後頃と開花直前(北海道3)。黒星病は展葉1週間後〜落花20日後(6月中旬)が重点で、散布間隔は10日が目安、黒点病は落花期頃から30日後頃まで10日間隔(北海道4)。6月中下旬はナミハダニの産卵期・モモシンクイガの初発時期(北海道4)。7月は斑点落葉病・炭疽病・モモシンクイガ・ハダニ類が重点で、早めの摘果は腐らん病の予防にもなる(北海道5)。8月は炭疽病・斑点落葉病・すす点病・すす斑病・モモシンクイガ・キンモンホソガ・ギンモンハモグリガ・ハダニ類(北海道6)。9月は黒星病・炭疽病・すす点病・すす斑病・ハダニ類・シンクイムシ類で、早生種は収穫期と散布が近いので収穫前日数に注意する(北海道7)。黒星病の薬剤は耐性菌・感受性低下菌が全道で確認されている(北海道2〜北海道5) | 北海道1 p.95・p.97・p.170-171・北海道3・北海道4・北海道5・北海道6・北海道7・北海道2・北海道8・北海道9 |
| 東北・北陸 | 青森 | 黒石(りんご研究所)の平年値は、発芽が つがる4/5〜6・ジョナゴールド4/3〜5・王林4/5〜6・ふじ4/6〜7、展葉が つがる4/19・ジョナゴールド4/14・王林4/16・ふじ4/18、開花(1〜2花)が つがる5/7・ジョナゴールド5/7・王林5/5・ふじ5/7、満開が つがる5/12・ジョナゴールド5/11・王林5/11・ふじ5/12(青森4・青森5・青森17。平年の算出期間は号により異なる)。2025年の実績は黒石でふじ展葉4/14(平年4/18)・満開5/10(平年5/12)・落花5/16(青森6)。五戸(県南)の平年はふじ 発芽4/7・展葉4/19・開花5/9・満開5/13(青森3〜5)。花蕾着色期までは約−2℃、開花始め〜満開は−1.5℃に1時間置かれると障害のおそれ(青森3・青森5) | 黒星病: 「ふじの展葉1週間後頃」から「落花20日後頃」が重点防除時期(青森21)。県の防除暦に沿った定期防除の散布目安日(2025年の黒石・弘前・三戸)は、展葉1週間後頃4/21〜22、開花直前5/1〜2、落花直後5/11〜12、落花10日後頃5/21〜22、落花20日後頃5/31〜6/1、以後6月中旬6/15〜16、7月初め6/30〜7/1、7月半ば7/15〜16、7月末7/30〜31、8月半ば8/14〜15、8月末8/29〜30、9月中旬(中・晩生種)9/15頃(青森4〜13)。重点防除期は10日間隔・降雨前散布、発病葉・果は摘み取る(青森4・青森21)。モニリア病: 子実体の発生は平年4/16、実腐れ初発は平年5/19。腐らん病: 枝腐らんは切り取り、胴腐らんは治療。摘果後に果柄(つる)が残ると侵入するので果台に残さない(青森7・青森8)。収穫時のつる折れ・つる抜けも侵入口で、発生の多い園は収穫後できるだけ早く防除(青森15)。うどんこ病: 芽しぶの発生は平年4/14、見つけ次第摘み取る(青森3・青森22)。ハダニ類: ふ化初発は平年4/29、要防除は1葉2個体以上または寄生葉率50%以上(青森7)。キンモンホソガ誘殺初発は平年4/21。ハマキムシ類・モモシンクイガ(シンクイムシ類): 交信かく乱剤を5月中旬に設置、6月中旬から毎回防除。クワコナカイガラムシ: バンド巻きは6月下旬に巻き7月中旬に除去(青森8)。果樹カメムシ類・すす点病・すす斑病(袋かけ前の散布が重要)・斑点落葉病・褐斑病・炭疽病・輪紋病(青森7〜14)。果実疫病は収穫期に泥の付着に注意(青森15) | 青森1 p.129・青森2 p.133・青森3〜青森17(生産情報)・青森18〜青森26・青森27 |
| 東北・北陸 | 岩手 | ふじの生育診断圃(県平均)の平年は、発芽4/5、展葉4/15、開花始5/4、満開5/8、落花5/13。2025年は発芽3/30・展葉4/10・開花始4/30・満開5/5・落花5/10(岩手3・岩手4)。農業研究センター(北上市成田)の2025年の満開日は、紅ロマン5/3、紅いわて5/4、きおう・つがる5/7(岩手6・岩手7)。ジョナゴールドの2025年満開は5/3(岩手5) | 黒星病: 重点防除時期は「花蕾着色期」と「開花直前」で、特に花蕾着色期の防除は必須。発芽から落花20日後まではりんごの生態に合わせて防除し、6月中・下旬以降は10日間隔が目安。5〜6月は多くの病害の防除適期(岩手3)。カメムシ類の越冬成虫の飛来は落花期前後から。ハダニ類は新梢葉で寄生葉率30%になったら防除(岩手4・岩手6)。褐斑病は前年に出た園で一次感染期の防除に加え6月中下旬に二次感染期の防除(岩手4)。炭疽病は入梅期(6月中下旬〜7月上旬)と8月を徹底(岩手4)。キンモンホソガは第1世代の羽化が早まる年は注意(岩手4)。前年にシンクイムシ類の被害があった園や9月が高温の年は9月上〜中旬に防除(岩手7)。腐らん病は休眠期に患部を削り取り保護剤を塗る(岩手10)。黒星病・褐斑病の発病葉・果は摘み取って埋める(岩手8) | 岩手1 p.20・p.32・岩手2〜岩手10 |
| 東北・北陸 | 宮城 | 県の園芸試験場(1990年代)の試験値(発芽/展葉/満開): さんさ(M.26)3/27・4/9・5/2、つがる 3/28・4/10・5/3、千秋 4/2・4/11・5/6、紅玉 4/1・4/13・5/1、スターキング(マルバ)3/30・4/9・5/3、ジョナゴールド 3/29・4/11・5/3、陽光 4/3・4/14・5/6、王林(マルバ)3/30・4/11・4/30、ふじ(マルバ)3/31・4/9・5/2、やたか 4/1・4/14・5/2(宮城1 第1-2表・p.40-41)。【現行資料(2024年)】栗原市金成小堤(ふじ)の平年値は、発芽4/3・展葉4/11・開花始4/30。2024年は発芽4/1・展葉4/6・開花始4/20・満開4/26・落花4/28で、平年より2〜10日早かった(宮城3・宮城4・宮城5) | モニリア病: 発芽直後・1週間後・2週間後の3回。葉腐れ・花腐れは摘み取る。斑点落葉病は開花期頃から秋まで(梅雨明け〜8月前半に一時停滞)。すす点病・すす斑病は5月下旬〜9月下旬。黒星病は落花直前〜落花25日後が重点防除。黒点病は落花直後〜7月下旬に感染、落花10日後〜30日後が最も感染しやすく、紅玉・つがる・陸奥が感染しやすい。輪紋病は5〜10月(6月下旬〜8月下旬が多い)。褐斑病は越冬落葉の子のう胞子が5〜7月に飛散。モモシンクイガは産卵が6月中旬〜9月中旬(7月中旬〜下旬が盛期)、津軽型(県北)・南部型(沿岸)。ハマキムシ類はリンゴコカクモンハマキが優占し、防除は4月中旬・6月中下旬・8月上中旬。キンモンホソガは年4〜5回、7月以降多い。粗皮病は土壌の酸性化、ホウ素欠乏(縮果病)、苦土欠乏、ビターピットも記載(宮城1 p.60-81)。薬剤は旧基準の記載(農薬名は省略)。【現行資料(2024〜2025年)】宮城県病害虫防除所の予報を引く栗原普及センターの情報では、4〜5月は生育が早い年は生育ステージに合わせて防除し、リンゴハダニは短果枝周辺などの木肌で卵越冬する。6〜8月は斑点落葉病・褐斑病・ハダニ類・キンモンホソガ・モモシンクイガ・果樹カメムシ類が焦点で、梅雨期は散布間隔を空けず雨前に散布する。ハダニ類は1葉あたり3頭以上で防除(2024年8月)(宮城3〜宮城8)。褐斑病の一次感染は、開花期以降に温度13.8℃以上・葉が6時間濡れると起こり、2025年は栗原で遅くとも5月17日に始まったと推定された(宮城9) | 宮城1 p.36-99・宮城2 p.14-15・宮城4・宮城5・宮城6・宮城3・宮城7・宮城8・宮城9 |
| 東北・北陸 | 秋田 | 果樹試験場本場(横手市)の平年(過去10年)は、つがる 発芽3/31・展葉4/14・開花5/1・満開5/7・落花5/12、やたか 4/3・4/14・5/3・5/7・5/13、王林 3/31・4/11・4/29・5/4・5/9、ふじ 4/2・4/12・5/2・5/7・5/12(秋田8)。2026年は平年より発芽が5〜8日、開花〜落花が5〜9日早かった(ふじは発芽3/28・開花4/25・満開5/1)(秋田3・秋田8)。花芽分化率の調査は11月下旬〜12月(2026年産は県南65〜76%、県北30〜70%)(秋田9)。2026年の中心果の結実率(5/15・18調査、横手)はつがる84%・やたか53%・王林68%・ふじ43%で、開花期の天候不順の影響(秋田10) | 紋羽病(わい性台でマルバより発病しやすい。早期発見が重要)、腐らん病(感染は収穫後から翌6月まで。せん定後は塗布剤、発芽前までの防除)、リンゴハダニ(11月末まで産卵。防除終了後の9月以降に増え越冬量が増える。発芽前に冬の油剤散布で密度を下げる)、モモシンクイガ(県南部で増加。トラップ誘殺は5月末〜9月下旬、県中央部は6〜7月中旬と7月下旬〜9月上旬の2山、県北は8月の1山。放任園が発生源)(秋田1 p.87-90)。ビターピット(王林・秋田紅あかり)は落花後10日からカルシウム剤を計5回、石灰資材は100kg/10a/年(秋田4・秋田6)。心かび果(やたか・シナノスイートで着色・地色の黄化が早い果実)は収穫2週間前までに摘み取る(秋田7)。日焼け果は炭疽病の原因になるので摘み取る(秋田7)。【追加】腐らん病の防除(病害虫防除所): 発芽前(3〜4月)に粗皮削りと病斑の処置をしてから防除、摘果終了後(6月)に点検と処置・必要なら防除(摘果は早めにして果柄を残さない)、晩生種の収穫後(11月中旬以降)に防除。枝腐らんは3〜5月ごろから、胴腐らんは約1か月遅れて増える(秋田13) | 秋田1 p.53-75・p.87-90・秋田2〜秋田12・秋田13 |
| 東北・北陸 | 山形 | 県予察圃場(寒河江市)のふじの発芽期の平年は3月30日(2025年は3月28日で平年並)(山形11)。展葉・開花の平年日の記載はなし。山形4に「落花15日後頃(5月中下旬)」の記述 | 黒星病: 展葉期から落花20日後頃が一次感染の重点防除時期。休眠期と展葉期の防除を必ず行う(山形3 p.9)。10日間隔を基本に、降雨が予想される日は前倒し、薬液は500L/10a以上、7月中は散布間隔を10日以上あけない。発病葉・果は摘み取る(山形6・山形7 p.18)。腐らん病は摘果痕からの感染に注意(山形5)。斑点落葉病・輪紋病・炭そ病・すす点病・すす斑病は9月下旬まで散布間隔に注意(山形8 p.13)。モモシンクイガは8月以降も被害が続く。梅雨明け後の高温でハダニ類が増える(山形7 p.18)。果樹カメムシ類は8月に急増(山形8)。訪花昆虫保護のため、開花1週間前から巣箱撤去まで殺虫剤・除草剤を散布しない(山形3) | 山形1・山形2〜山形10(ページは各行)・山形11 |
| 東北・北陸 | 福島 | 果樹研究所(福島市飯坂町)の平年値(1991〜2020年)は、つがる 発芽3/26・展葉4/8・開花4/25・満開4/30、ふじ 発芽3/27・展葉4/7・開花4/26・満開4/30(福島3・福島4)。2025年は つがる満開4/25、ふじ満開4/24(いずれも平年より5〜6日早い)。会津地域研究所(会津坂下町)のふじの平年は発芽4/1・展葉4/11・開花5/1・満開5/5(福島3・福島4)。福島8には果樹研究所の「ふじ」の平年値として発芽3/26・開花始4/24・満開4/28とあり、上記と数日ずれる(平年の期間が違う可能性)。【追加】2026年の果樹研究所(福島市)のふじの実測: 発芽3/24・展葉初期3/31・花蕾露出4/3・開花始4/15・満開4/19・落花4/27(5月7日現在)。平年値は発芽3/26・開花始4/24・満開4/28(福島14) | 2025年の生育情報では、果樹カメムシ類(7月10日に注意報)、りんご褐斑病(7月に平年より多い)が福島5に、ナシヒメシンクイ・ハダニ類(9月に発生ほ場割合が高い)が福島6に挙がる。凍霜害は発芽期から落花期(−2.1℃〜−1.5℃)に警戒(福島8)。黒星病・腐らん病などの防除時期は福島の資料に記載なし。【追加】褐斑病は昨秋の越冬量が多いと7月の二次感染期に新梢葉で増え、降雨前の散布と徒長枝の整理が基本(令和4年7月の特別号)。2025年6月の情報では、褐斑病は梅雨で増えるので防除を徹底し、輪紋病は果実・枝とも感受性の高い6月中旬頃に効果のある防除をする(福島9・福島11)。休眠期と生育期の防除は県の病害虫防除指針・地域の防除暦による(福島の果樹情報) | 福島1 p.137-140・福島2 p.27・福島3〜福島8・福島9・福島10・福島12・福島11・福島14・福島13 |
| 関東・東海 | 東京 | 発芽は3月下旬、開花は4月上〜中旬ごろ(図の記号から読み取り、±1旬)(東京1) | — | 東京1 PDF p.8 |
| 関東・東海 | 山梨 | 作型図では発芽が4月上旬、開花が4月中旬ごろ(図から読み取り、±1旬)(山梨1) | — | 山梨1 |
| 関東・東海 | 長野 | 果樹試験場(須坂市)の平年値: ふじ 発芽3/30・展葉4/12・開花4/28・満開5/2・落花5/7。つがる 発芽3/30・展葉4/14・開花4/27・満開5/2・落花5/7。シナノスイート 発芽3/31・展葉4/13・開花4/28・満開5/2・落花5/8。令和8年は平年より約10日早く、ふじの開花は4/18・満開4/22だった(長野7)。【追加】台木品種M.9ナガノの発芽日の平年は3月17日で、栽培品種の発芽はその後の3月の気温の影響が大きい(長野15) | 休眠期(落葉〜発芽前): 腐らん病の点検と治療、黒星病・褐斑病の発生地帯は落葉を焼却か埋没、うどんこ病の被害枝を剪除、ヒメシロモンドクガの越冬卵除去、粗皮削り。3月中旬〜発芽前に越冬病害虫(腐らん病・うどんこ病・胴枯病・ナシマルカイガラムシ・リンゴハダニ・カイガラムシ類)の防除。展葉期(発芽10日後頃): 黒星病(この時期から5月下旬まで重要)・うどんこ病・腐らん病・ハマキムシ類・カミキリムシ類・リンゴコブアブラムシ・ギンモンハモグリガ。開花直前: 黒星病・うどんこ病・赤星病・腐らん病・ハマキムシ類・ケムシ類・キンモンホソガ。落花直後: 黒星病(重要)・黒点病・リンゴハダニ・キリガ類。落花10〜14日後: ユキヤナギアブラムシ・リンゴワタムシ・カメムシ類・ヒメボクトウ・モモチョッキリ。6月上旬: 斑点落葉病・すす斑病・褐斑病・クワコナカイガラムシ。6月中旬: 輪紋病(6月中旬〜8月上旬が重要)・炭疽病・モモシンクイガ・リンゴコカクモンハマキ。6月下旬: シンクイムシ類の産卵増・ハダニ類。7月上旬: モモシンクイガの重要時期・ゴマダラカミキリ。7月中旬〜: スモモヒメシンクイ。8月上〜中旬: ハマキムシ類の発生最盛期。9月中下旬: 腐らん病の園内点検。10月上旬: 黒星病の発生があれば必ず防除(秋季感染)。12月上〜中旬: 翌春までの腐らん病感染防止(長野9)。交信かく乱剤は5月中下旬まで(適期は5月中旬)に設置(長野9)。黒星病は発芽10日後〜落花後の4〜5月に散布間隔を10日以上空けない(長野11) | 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6・長野7・長野8・長野9・長野10・長野11・長野12・長野13・山口1 p.140・長野14・長野16・長野15 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 開花は5月上旬ごろ(図から読み取り)(岐阜1) | — | 岐阜1 |
| 中国 | 山口 | 作業表では3月に晩霜害防止の準備(りん片脱落前)、4月中旬に蕾、4月下旬に5分咲き(受粉の適期。花粉採取・人工交配は4月下旬)(山口1 p.143) | — | 山口1 |
収穫期
| 地域区分 | 都道府県 | 収穫期(品種・作型別) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | 道農政部の令和8年営農技術対策では、9月は「さんさ」「つがる」などの収穫期とされ、収穫は満開後日数・着色・地色・糖度・酸度・果実硬度・蜜入り・ヨード反応などの熟度調査で判断する。道外市場向けは着色にとらわれず地色と硬度を重視する(北海道7)。11月に収穫する晩生種は低温による果実凍結に注意して収穫する(北海道8)。道総研中央農業試験場の紹介記事(平成21年の統計に触れる古めの記事)では、トキが10月中旬、きたろうが10月末〜11月中旬、ほおずりが10月末〜11月初旬、シナノゴールドが11月上旬、ぐんま名月が11月中旬(北海道9) | 北海道1 p.95・p.97・p.170-171・北海道3・北海道4・北海道5・北海道6・北海道7・北海道2・北海道8・北海道9 |
| 東北・北陸 | 青森 | 黒石の収穫始めは、つがる 9月7日頃(2025年。熟度が平年より約3日進んだ年)、トキ 9月30日頃、早生ふじ 10月1日頃、シナノスイート 10月10日頃、ジョナゴールド 有袋10月13日頃・無袋10月15日頃、千雪 10月18日頃、星の金貨 10月25日頃、シナノゴールド 10月26日頃、王林 10月29日頃、ぐんま名月 10月30日頃、ふじ 有袋10月30日頃・無袋11月4日頃(平年並の年)(つがるは青森12、トキ・早生ふじは青森13、シナノスイート・ジョナゴールド・千雪・星の金貨・シナノゴールド・ぐんま名月は青森14、王林・ふじは青森15)。秋陽は10月3日頃(満開後140日頃)(青森23)、ぐんま名月は満開から約170日・平年の収穫始め10月30日頃(青森24)。収穫時の標準指標(硬度lbs・糖度%・ヨード反応)は、ふじ有袋14〜16・13以上・2程度、ふじ無袋13〜16・13.5以上・2以下、王林14〜16・13以上・2〜3、トキ14〜15・14以上・1.5以下、早生ふじ14〜16・13以上・2以下、ジョナゴールド有袋15〜17・13以上・2.5以下(青森13・青森14・青森15)。ふじの収穫は遅くとも11月15日までに終える(青森16) | 青森1 p.129・青森2 p.133・青森3〜青森17(生産情報)・青森18〜青森26・青森27 |
| 東北・北陸 | 岩手 | 満開日からの日数による収穫期の目安(北上市成田の満開日起算、2025年)は、紅ロマン100〜110日(8/11〜8/21)、きおう・つがる115〜125日(8/30〜9/9)、紅いわて130〜140日(9/11〜9/21)(岩手6・岩手7)。中・晩生種の目安は、ジョナゴールド 硬度13lbs以上・糖度13%以上・ヨード2〜3、王林 14以上・14以上、シナノゴールド 15程度・15以上(年内販売はデンプン1以下、越年販売はやや残して収穫)、ふじ 14以上・14以上・ヨード1〜2(岩手8)。ふじは満開日起算165〜185日(2024年は満開4/27で10/9〜10/29)で、販売時期によって早める(岩手9)。早生種はすぐりもぎが基本で、つがる・きおうは2〜3回に分ける(岩手6) | 岩手1 p.20・p.32・岩手2〜岩手10 |
| 東北・北陸 | 宮城 | 満開後日数による収穫適期(宮城1 第1-7表・p.56): さんさ110〜120日(8月下旬〜9月上旬)、つがる120〜130日(9月上〜中旬)、千秋140〜150日(9月下旬〜10月上旬)、紅玉・ジョナゴールド150〜160日(10月上〜中旬)、陽光160〜170日(10月中〜下旬)、王林170〜180日(10月下旬〜11月上旬)、ふじ190〜200日(11月上〜下旬)。園試の収穫期は、さんさ9/5〜9/10、つがる9/5〜9/18、千秋10/3、紅玉10/16、ジョナゴールド10/18〜10/28、陽光10/16、王林10/31〜11/1、ふじ11/14〜12/2(宮城1 p.40)。収穫時の糖度目標は、さんさ12以上、つがる12、千秋13、紅玉13、ジョナゴールド13以上、陽光13、王林14、ふじ14(宮城1 p.57)。ヨード反応・蜜入り指数(p.57) | 宮城1 p.36-99・宮城2 p.14-15・宮城4・宮城5・宮城6・宮城3・宮城7・宮城8・宮城9 |
| 東北・北陸 | 秋田 | 満開後日数の目安は、さんさ115〜120日、つがる120〜130日、千秋145日〜、やたか150日頃〜、ジョナゴールド150日〜、王林170日前後〜、ふじ180日前後〜(年内販売は190日前後)(秋田1 p.74-75)。2026年の果樹試験場(横手)の収穫日は、つがる9/4(平年差−2日)、やたか9/24(平年差−4日)(秋田11)。県南部の2026年予想は、つがる収穫始め9/3頃(平年より3日早い)、着色系つがる8/27頃、さんさ8/29頃(秋田6)。ふじの収穫は11月5日頃から(2026年予想)。年内販売用はみつ入りの多い完熟果で地色が橙黄〜黄、みつ入り指数3以上(秋田1 p.75) | 秋田1 p.53-75・p.87-90・秋田2〜秋田12・秋田13 |
| 東北・北陸 | 山形 | つがるなど早生種は落果防止剤を散布し、数回に分けて収穫。地色の抜けと果肉硬度を重視し、収穫遅れにならないようにする(山形7・山形8 p.12)。高温で着色が遅れる年は、着色だけにとらわれず地色・硬さ・ヨード反応・食味で判断(山形8 p.12)。秋陽・紅玉・早生ふじは9月に落果防止の対応(山形8 p.13)。ふじは11月が収穫期(山形10 p.8)。着色・地色・蜜入り・食味を見て収穫。氷点下で樹上凍結した果実は自然解凍後に収穫し、貯蔵には用いない(山形10 p.8) | 山形1・山形2〜山形10(ページは各行)・山形11 |
| 東北・北陸 | 福島 | 2025年の果樹研究所のつがるは、収穫開始8/22・盛期8/25(平年より5〜6日早い)、満開からの成熟日数122日(平年より3日短い)、果実重265g・糖度13.6・硬度13.8lbs(福島6)。ふじは満開後159日(9/30)の成熟調査で硬度16.8lbs・糖度12.0・デンプン指数2.9(福島7)。ふじの収穫期の平年日・収穫標準指標の記載は無い。【追加】果樹研究所のふじの収穫盛期は、2025年が11月24日(満開後214日)で平年より7日遅い。シナノスイート(M9ナガノ台)の収穫開始は10月14日で平年より8日遅く、王林(マルバカイドウ台)は10月24日で平年並(福島12・福島13) | 福島1 p.137-140・福島2 p.27・福島3〜福島8・福島9・福島10・福島12・福島11・福島14・福島13 |
| 関東・東海 | 群馬 | 作型図の収穫期(バー)は9月上旬〜11月上旬ごろ(図から読み取り。つがる〜ふじ)。県オリジナル品種の紅鶴は収穫が10月上中旬。りんごの収穫期間は夏の終わりから12月ごろまで。朝晩の気温が20℃を下回らないと着色不良になりやすい(群馬2) | 群馬1・群馬2・群馬3 |
| 関東・東海 | 東京 | つがる・千秋・陽光・ふじを2.5〜3.0tの基準収量で並べ、収穫期は8月中旬〜11月上旬の幅(図から読み取り)(東京1) | 東京1 PDF p.8 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 佐渡のりんごの主力は「ふじ」で、11月中旬頃から翌春まで味わえる。西三川(真野地区)で明治末期から栽培され、島内で約20ha(新潟2) | 新潟1 p.31、新潟2 |
| 関東・東海 | 山梨 | 作型図の収穫は、つがるが8月〜9月上旬、ふじが10月〜11月ごろ(図から読み取り。旬は不確か)(山梨1) | 山梨1 |
| 関東・東海 | 長野 | 育成地(須坂市)の成熟期: シナノリップ8月中下旬、シナノドルチェ9月上中旬、高嶺(標高800m以上で栽培)9月下旬〜10月上旬、シナノスイート10月上中旬、シナノゴールド10月中下旬、シナノホッペ10月下旬〜11月上旬(長野8)。出荷の中心は秋映が10月上旬、シナノスイートが10月中下旬。ふじは優良着色系統の導入で11月中の出荷量を高め、需要の高まる12月の出荷も維持する(長野4) | 長野1・長野2・長野3・長野4・長野5・長野6・長野7・長野8・長野9・長野10・長野11・長野12・長野13・山口1 p.140・長野14・長野16・長野15 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 収穫はつがる9月上〜中旬、ふじ11月上〜中旬(図から読み取り)(岐阜1) | 岐阜1 |
| 中国 | 山口 | つがる8月下旬〜9月上旬、未希ライフ9月上旬、シナノスイート9月中旬〜10月上旬、秋映9月下旬〜10月上旬、ジョナゴールド・ゴールデン・デリシャス10月上旬、ふじ10月上旬〜11月上旬、王林10月中旬、陽光10月中旬〜下旬、新世界・ぐんま名月10月下旬(山口1 p.146-148) | 山口1 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | つがる8月下旬、シナノスイート9月下旬〜10月上旬、ふじ10月下旬〜11月中旬(福岡1 p.40) | 福岡1 p.40-41 |
各県の資料にある注意点
- 北海道:北海道の調査は農水省ポータルの外部リンク(施肥ガイド2020)の掲載資料のみで、栽培暦・防除・収穫期の記載のある県資料や道総研の資料を見つけられなかった。北海道の資料は施肥・土壌診断の数値が中心
- 青森:①腐らん病が近年多発し、切除・治療を優先する(青森3〜17)。②豪雪の年は、消雪・雪害樹の処置・野ネズミ対策が春作業の最初になる(青森3)。③成らせ過ぎ・摘果の遅れによる隔年結果が出ており、見直し摘果を徹底(青森7〜11)。④ふじは収穫が遅れるほどつる割れが増える。樹上凍結(−3℃を下回ると果心まで凍る可能性)は自然解凍後に収穫し、生食は年内流通(青森16)。⑤高温年は日焼け(遮光率10〜20%の資材の被覆)・着色遅延・ビターピット(6月上旬〜9月中旬のカルシウム剤の葉面散布)に注意(青森6・青森7・青森10・青森11)。⑥火傷病のため中国産・来歴不明の花粉は使わない(青森4)。⑦標準施肥量は堆肥と別に数える(青森1)
- 岩手:①凍霜害(令和3年・5年の被害)。花器は開花に近づくほど弱く、樹体付近の気温は安全限界温度より2℃以上高く保つ。燃焼法は10aあたり約30,000円、防霜ファン・散水氷結法の点検、霜だまりの解消を3月に(岩手2)。②夏秋の高温で着色遅延・日焼け・収穫前落果が増えている(岩手6〜8)。③ふじは着色や蜜入りを待ち過ぎると軟化・樹上凍結・貯蔵中の内部褐変の危険があり、食味を重視して適期に収穫(岩手9)。④樹上で凍結した果実は解凍してから収穫し、貯蔵しない(岩手9)。⑤若木は炭酸カルシウム系の白塗剤や水性白ペンキ・わらで地際〜高さ50cmを覆って凍寒害を防ぐ。野ネズミ・ニホンジカ・クマ対策(廃棄果の埋却)(岩手10)。⑥除草剤の秋期処理はふじ収穫後〜落葉前(岩手9)
- 宮城:①資料は1990年代(品種構成は1990年のデータ、薬剤は当時の基準)で、現在の施肥・防除・品種構成とは違う。②仙台市場の主力産地は青森(全体の約半分)で、山形・福島・岩手が続くと記載(宮城1 p.58)。③腐らん病は「県北部の一部地域」で発生が確認されている段階の記述(宮城1 p.66)
- 秋田:①「ふじ」への偏重(県内の品種構成)を改め、低位生産園(県平均収量が目標の約2/3)の改善を重点に置く(秋田1 p.53-62)。②県南は雪害による枝折損、県北は腐らん病・紋羽病による樹勢衰弱が収量の低さの原因(秋田1 p.53)。③秋が暖かいと窒素が遅効きして着色不良・落葉遅れが出るため、減肥体系に切り替えている(秋田2・秋田7)。④晩霜害の危険時期は4月中旬〜5月中旬(展葉期〜落花期)で、ふじの安全限界温度は発芽期・展葉期・花蕾露出期−2.1℃、花蕾着色期−2.0℃、開花始期・満開期−1.5℃(秋田12・秋田2)。⑤みつ入りふじの収穫を遅らせすぎると樹上凍結が起こる。完全解凍を待って収穫(秋田1 p.75)。⑥秋田1は2004年の資料なので、現在の栽培管理は県の月報(秋田2〜11)を優先した
- 山形:2026年(令和8年)の資料は4月25日の降霜で雌しべ枯死・サビ果が懸念された年の記述を含み、5〜7月号の摘花・摘果は被害年の対応(山形4〜6)。通常年の手順はその前段の記述を採用した。11月は脚立・高所作業台車の事故防止(山形10)
- 福島:凍霜害の安全限界温度(1時間遭遇してわずかでも障害を受けるおそれのある温度)は、ふじで発芽期・展葉初期・花蕾露出期−2.1、花蕾着色期−2.0、開花始期−1.5、満開期−1.5、落花期−1.7℃。耐凍性は 王林 < ふじ・デリシャス系 < 紅玉・さんさ・ジョナゴールド < つがる の順(福島8 表7・p.3。生育時期で順位が逆転することがある)。施肥基準の地帯区分は会津とそれ以外で分かれる(福島1 p.137)
- 群馬:品種・地力により施肥量を適宜加減する(群馬1)。わい化の追肥は速効性単肥が好ましい。県の施肥基準の果樹の表は画像PDFで、数値は目視で読んだ
- 東京:堆肥は溝・穴など局所施用を計画的に行う。収穫後は土壌診断に従い、土壌改良資材を堆肥とともに施す(東京1)
- 新潟:県の施肥基準等(果樹)は旧版の果樹指導指針のスキャン画像で、読めたのは土壌診断基準の表(新潟1)のみ。りんごの施肥量・栽培暦の表は見つけられなかった。佐渡の記述は紹介ページ(2023年12月更新)で栽培技術の資料ではない
- 石川:大型防除機の走行による土壌物理性の悪化と保肥力の低下が問題で、草生栽培とたい肥の施用で改善する。たい肥は紋羽病など土壌病害と生育期間中の窒素飢餓を防ぐため完熟のものを使う。ほ場排水と粗皮削り等の耕種防除を徹底する(石川1 p.30)
- 山梨:平成23年3月改訂の施肥指導基準の果樹の項(低木仕立ての1ページのみ)。土壌pHや病害虫の記載はなし。画像PDFを目視して読んだ
- 長野:平年の最大積雪深が概ね2m(わい化栽培は1.5m)以下、冬季の最低極温-25℃以上、低温要求1,400時間以上、花器・幼果期に降霜が少ないこと(農林水産省の果樹農業振興基本方針を引く県計画の参考値)(長野4)。M.9台のシナノリップは凍害枯死が多く、土壌の固相率が45%を超え樹勢が弱い園地で増えるため、定植前の排水対策を含む土壌改良とワラ巻きなどの凍害対策が要る(北信地域の調査)(長野13)。高密植栽培の課題は高温・干ばつ対策、施肥管理、凍害対策(長野5)。窒素過多は着色不良を招く。有機物の多用は夏季の窒素発現が過剰になり着色が悪化する(長野2)。可給態リン酸が50mg/100g以上ならリン酸施肥は不要(平成26年普及技術)、30mg/100gを下回ったら再開し、2〜3年おきに土壌診断する(長野2)。ふじ/M.9で窒素を慣行・半量・無施用にした2年間の試験は生育・収量・品質に悪影響がなかった(試験の値)が、10年を超えて樹勢が一気に低下した事例(ふじ/M.9ナガノ)があり、いったん落ちた樹勢は戻しにくい。慣行の50%減肥なら新梢伸長と着色を見ながら続けられる(長野2)。薬剤耐性の黒星病菌が常発地を中心に広域に分布する(長野9)。一部の殺虫剤は落花後〜6月上旬の生理落果を助長するので注意(長野9)
- 岐阜:年平均気温9〜12℃・4〜10月降水量1,300mm以下の地帯が適する。強風・凍霜害・積雪の起きやすい場所は避けるか対策してから開園する。6度以下の傾斜に整地して全面全層の土壌改良を行う(岐阜1)。資料は2005年版の標準技術体系で古い
- 山口:排水不良園は暗渠・明渠を整備。わい化栽培は湿害・干害・凍害に弱く、有効土層50cm以上で排水のよい土壌に適す。幼木は白塗剤を台木・幹に塗る。普通樹より果実の成熟が早まるので適期収穫に努める。粗摘果は30日以内、仕上げ摘果は満開後60日以内に終える(隔年結果防止)。資料は令和7年度の指針だが、りんごの病害虫の時期の記載はこの章になかった(山口1 p.138-144)
- 福岡:窒素の多用は着色不良を助長する。土壌中の石灰不足、窒素の過剰施用でビターピット(果実の斑点障害)が出やすい。樹勢に応じて施用量を加減する(福岡1 p.40-41)
資料どうしで違うところ
施肥の時期
基肥を入れる時期が、道県によって秋・冬・春に分かれます。山形は、全量を基肥として、根が活動している9月下旬〜10月上旬に施し、積雪前に樹体へ吸収・貯蔵させます(2026年の技術対策ではふじは10月中旬頃)。福島は、りんごを9〜10月の秋基肥体系とし、第1地帯のふじは秋肥が9月下旬〜10月上旬、冬肥が12月、つがるは秋肥が9月上旬〜中旬です。長野は、基肥が11〜12月で年間の慣行施肥量の80%、積雪地は60%にとどめて3〜4月に20%を春肥にします。
春に施す道県もあります。青森は消雪後に速やかに施し、追肥は6月末までです。北海道は融雪直後に全面施用します。秋田は春肥に全量を施し、窒素量を年平均気温で決める体系です。従来は年2回で約8kgでしたが、近年の研究で、4月の窒素を年平均気温11℃未満(鹿角)で6kg、11〜13℃(横手)で3〜6kg、13℃以上で0〜3kgにする減肥体系でも安定生産が可能と分かったとして、秋肥は樹勢が適〜強なら施さず、弱い樹だけ窒素2kg程度を9月に入れます。秋が暖かいと窒素が遅効きして着色不良や落葉遅れが出るため、減肥体系に切り替えているとしています。
西日本寄りの県は、秋から冬に基肥を入れます。山口は、わい性台が10月に窒素の70%、春肥が2〜3月に30%で、マルバ台は元肥を11月中旬までに入れます。福岡は、ふじが11月中旬〜下旬に窒素の85%、2月中旬〜下旬の芽出し肥に15%で、ふじ以外は基肥70%・芽出し肥15%・礼肥(9月上〜中旬)15%です。岐阜(飛騨)は、基肥が11月上旬にN9、追肥が3月下旬と9月下旬にN3ずつです。東京は、基肥が12月、追肥(1)が2月中旬〜3月上旬、追肥(2)が9月上旬(図から読み取り)、群馬は基肥が11月(図から読み取り)です。宮城は、1990年代の指針で基肥を11〜1月、追肥を9月中旬〜10月としていました。
青森の指導要項は、農林水産省のポータルに載っているのが表紙・目次と施肥・土壌の各1ページだけで、標準施肥量の月別配分(p.130以降)は確認できませんでした。岩手の施肥基準は、基肥と追肥の窒素の量は書いていますが、月は表にありません。
窒素量
成木の年間窒素(kg/10a)は、山形がふじN5・つがるN7、北海道がN7、福島の第1地帯がふじN8・つがるN10、東京が黒ボク土N10・褐色森林土などN12、岩手が無袋ふじN10・普通樹N15、青森・群馬の普通栽培・岐阜がN15、宮城がN10〜15(1990年代の指針の値)、長野の施肥基準がN12〜20、福岡がふじN13・ふじ以外N16、山口がマルバ台のふじN18・わい性台のふじN20です。群馬のわい化栽培はN10です。
前提の違いにも注意が必要です。青森のN15は、堆肥600kg/10aを施す前提で、堆肥の窒素は見込まない標準量です。山形は堆肥2t/10a程度、岐阜は完熟堆肥3t、東京は堆肥2,000kgの施用を前提にしています。
診断で決める道県もあります。青森は、ふじ成木の窒素を樹勢と土壌診断で決める方法も示し、火山灰土で0〜15kg、非火山灰土で0〜10kgです。北海道は8月上旬の葉中窒素で決め、つがるが2.0〜3.5%なら4〜7kgです。長野は、ふじ/M.9で窒素を慣行・半量・無施用にした2年間の試験で悪影響がなかったものの(試験の値)、10年を超えて樹勢が一気に低下した事例があり、慣行の50%減肥なら新梢伸長と着色を見ながら続けられるとしています。石川のN15と長野の地域慣行基準N15は、特別栽培の慣行レベルで、施肥基準ではありません。
台木と栽植本数
台木と樹形で、10aあたりの栽植本数が大きく違います。青森は、普通樹(マルバカイドウ台)が8×8m(16本)、わい化が4×2m(125本)、高密植が3.5×1m(286本)です(生産情報の設置本数表)。産業技術センターの高密植試験は、3m×1m(333本、M.9台・トールスピンドル)で、定植5年目に10a換算で5,000〜6,000kgの収量が出ました(試験の値)。福島は、ふじのわい化が4.5〜5m×2.5〜3m、普通栽培が8×8mです。宮城は、1990年代の指針で、普通樹が12本(9×9m)〜18本(7.2×7.2m)、わい化が100〜125本でした。
長野は、新わい化が125〜200本・樹高2.5〜3.0m、高密植わい化が250本以上・樹高3.5mです。秋田はわい化が60〜125本、群馬は普通栽培の成木が15本でわい化が100〜130本、岐阜(飛騨)は125〜83本です。山口は、普通台が13〜15本、半わい性台が30〜50本、わい性台が100〜125本です。福岡は、わい化の基準でふじが80本、ふじ以外が100本、東京はわい化で50本です。
M.9台は湿害・凍害に弱いと青森が書いています。長野は、M.9台のシナノリップで凍害枯死が多く、土壌の固相率が45%を超えて樹勢が弱い園地で増えるとして(北信地域の調査)、定植前の排水対策を含む土壌改良とワラ巻きなどの凍害対策を挙げています。秋田は土壌ごとに台木を選び、JM1は積雪の少ない県北・県南沿岸向きとしています。
目標収量
目標収量(kg/10a)は、北海道が基準収量2,500、東京が2,500〜3,000、福岡が3,000、山形がふじ3,200・つがる3,000、山口がつがる・ふじとも3,200、福島がふじ4,000・つがる3,800、岩手が普通樹3,600・わい性樹4,000です。秋田は3.5t以上を目標にする一方、県の平均は目標の約2/3(約2t)です。長野は経営指標の生産量で、ふじが普通樹4,000・新わい化5,000、つがるの新わい化が3,500で、施肥基準の目標収量ではありません。群馬は、普通栽培の成木が3,000〜3,500、わい化の成木が2,000です。青森は目標収量の記載がありません。栽培体系が違うので、数字だけでは比べられません。
土壌pH
改良目標のpHは、青森が6.0(H2O)、福島が6.2(好適は5.5〜6.5)、東京と福岡が6.0〜6.5、北海道と宮城が5.5〜6.0、岩手が5.5、石川と岐阜が好適5.5〜6.5です。青森は、令和元年の県内調査で、改良が必要な6.0以下の酸性土壌が約83%としています。福岡は、石灰不足と窒素過剰がビターピットの原因になるとして、炭酸苦土石灰などで改良します。秋田は目標の明記がなく、表層pHの地形別平均は5.0〜5.9でした(平成13年度の調査)。
作業ごとのポイント
せん定と腐らん病
腐らん病は、せん定の切り口、摘果後のつる、収穫時のつる折れから入ります。山形は、寒さの厳しい時期のせん定で感染が増えるおそれがあるとして、早い時期は粗せん定にとどめ、切り口に癒合剤を塗ります。長野は、腐らん病が多い園では初冬と厳冬期を避けて3月以降にし、1〜2月より3月以降のほうが発生が少ないとしています。秋田は、感染が収穫後から翌6月まで続くとして、せん定後に塗布剤を塗ります。
青森は、枝腐らんを切り取り、胴腐らんを削って塗布剤か泥巻き(約1年そのまま)で治療します。摘果後のつる(果柄)を果台に残さず、収穫時のつる折れ・つる抜けも侵入口なので、発生の多い園は収穫後できるだけ早く防除します。青森は腐らん病が近年多発しているとして、切除と治療を優先するとしています。長野は、12月上〜中旬の予防散布が翌春までの感染防止に重要としています。
凍霜害とひょう害
ふじの安全限界温度(1時間置かれると、わずかでも障害を受けるおそれのある温度)は、発芽期・展葉期・花蕾露出期が−2.1℃、花蕾着色期が−2.0℃、開花始期と満開期が−1.5℃です。福島の果樹研究所の値で、青森・秋田・岩手の資料もこの値を引いています。福島は、耐凍性を王林が低く、ふじ・デリシャス系、紅玉・さんさ・ジョナゴールド、つがるの順に高いとしています(生育時期で順位が逆転することがあります)。
岩手は、樹体付近の気温を安全限界温度より2℃以上高く保つよう書き、燃焼法は10aあたり約30,000円、防霜ファンと散水氷結法は3月に点検、霜だまりの解消もあげています。秋田は、晩霜害の危険時期を4月中旬〜5月中旬(展葉期〜落花期)としています。福島は、ひょう害の後の摘果の目安として、小さなへこみや果肉に至らない5mm程度幅の傷までは残せたと令和4年の記録を書いています。
摘花・摘果と着果の目安
着果の目安(頂芽に1果)は、同じ品種でも道県で幅があります。ふじは、青森と山口が4頂芽、秋田が4〜5頂芽、岩手のわい性樹が5〜6頂芽で、山形は品種を指定せず4頂芽です。つがるは、青森が3.5頂芽、山口が3.5頂芽、秋田が3〜4頂芽、岩手のわい性樹が5〜6頂芽です。終える時期は、青森のふじと岩手のふじ・王林が落花25日後、岩手のつがる・ジョナゴールド・紅玉が落花30〜35日後、山口が満開後60日以内です。秋田は満開30日後(5月下旬頃)としますが、これは発芽・開花が早かった2026年の生育を前提にした値です。
長野の目安は、山口の指針が長野県の値として引いたもので、ふじ4〜5・つがる3〜4・王林3〜4・紅玉3〜4・ジョナゴールド3〜4・千秋4〜5・陽光4〜5頂芽に1果です。宮城の1990年代の指針(当時の値)は、つがる・紅玉・王林が3〜4頂芽、ジョナゴールド・ふじ・陽光が4〜5頂芽、陸奥が5〜6頂芽で、落花25日後までに一通り終えるとしていました。
摘花は、青森・岩手・秋田・山形のいずれも、腋芽花や日当たりの悪い花そうを摘みます。岩手と宮城は、凍霜害が心配な年は1輪摘花を避けるとしています。摘果剤は、青森でふじ・王林などが満開後2週間頃、紅玉が満開後3週間頃、岩手でふじが満開2週間後、他の品種が満開3週間後で、岩手はデリシャス系・秋映・北紅・世界一での使用を差し控えます。
袋かけと除袋
青森は、ふじを有袋にするとつる割れの軽減・着色の向上・収穫期の分散ができるとして、7月10日頃までに袋をかけます。除袋は、ジョナゴールドが9月25日頃まで、ふじが10月5日頃までです。山口は袋かけを満開後60日以内に終え、ふじは収穫25〜30日前に外袋、その3〜5日後に中袋を除きます。東京は6月上旬に袋かけです(図から読み取り)。長野は、モモシンクイガ・炭疽病・輪紋病対策に防疫袋をかけ、除袋後は速やかに防除します。宮城は、1990年代の指針で、落花35日後までに袋をかけ、除袋は早生種で収穫適期の5〜7日前、中生種で10〜14日前、晩生種で30〜40日前としていました。岩手・山形・秋田の資料に袋かけの記載はありません。
着色管理と収穫の目安
着色の手入れは、葉摘みと玉回しが中心です。青森は、早生ふじで9月10日頃、シナノスイート・ジョナゴールド(無袋)で9月20日頃から始め、早くからの強い葉摘みは避けて、収穫まで2回程度に分けます。岩手は、ふじの着色期間が30〜40日と長いため、9月下〜10月上旬と10月中〜下旬の2回に分け、日焼け果は日最高気温およそ32℃以上で出るとしています。摘葉剤は、青森・秋田ともふじだけに使い、収穫40〜50日前です。山形は、高温で着色が遅れる年は、着色だけでなく地色・硬さ・ヨード反応・食味で収穫を判断するとしています。
収穫の標準指標は、青森のふじ有袋が硬度14〜16lbs・糖度13%以上・ヨード反応2程度、ふじ無袋が硬度13〜16lbs・糖度13.5%以上・ヨード反応2以下です。岩手のふじは硬度14以上・糖度14%以上(ヨード反応1〜2)、宮城は糖度の目標がふじ14、つがる12でした(1990年代の資料の値)。青森は、ふじは収穫が遅れるほどつる割れが増えるので遅くとも11月15日までに終えるとし、気温が−3℃を下回ると果心まで凍る可能性があるため、樹上で凍結した果実は自然解凍してから収穫し、貯蔵には用いません(岩手・山形も同様です)。
黒星病・ハダニ類・モモシンクイガの防除時期
黒星病は、青森が「ふじの展葉1週間後頃」から「落花20日後頃」を重点防除時期とし、10日間隔・降雨前の散布を守るよう書いています。長野は発芽10日後〜落花後の4〜5月に散布間隔を10日以上空けないとし、薬剤耐性の黒星病菌が常発地を中心に広域に分布するとしています。山形は7月中も散布間隔を10日以上あけないとし、岩手は花蕾着色期の防除を必須としています。青森・山形・岩手は、発病した葉や果を摘み取るよう書いています。
ハダニ類は、青森が要防除の目安を1葉2個体以上または寄生葉率50%以上、岩手が新梢葉で寄生葉率30%としています。モモシンクイガは、青森が交信かく乱剤を5月中旬に設置し、6月中旬から毎回防除します。秋田は県南部で増えているとして、放任園が発生源になると書いています。農薬名は書いていません。
マメコバチと受粉
青森は、マメコバチの巣箱を3月下旬に0〜5℃の冷蔵庫に入れ、「ふじの展葉1週間後頃」の散布の2〜3日後に園地へ出し、7月上旬に回収します。近年は開花期の天候不順やマメコバチの減少で不受精花や斜形果が出るため、積極的に人工受粉するよう書いています。火傷病の対策として、中国産・来歴不明の花粉は使いません。山形は、訪花昆虫を守るため、開花1週間前から巣箱撤去まで殺虫剤・除草剤を散布しないとしています。
2026年の資料の読み方(山形・秋田・長野・青森)
山形の2026年の月報は、4月25日の降霜で雌しべの枯死やサビ果が心配された年の記述を含み、5〜7月号の摘花・摘果は被害年の対応です。この記事では、山形の通常年の手順をその前の記述から採りました。秋田の2026年は、消雪日が3月11日(平年3月27日)、ふじの発芽が3月28日で、発芽・開花が平年より5〜9日早く、中心果の結実率がふじ43%・やたか53%と低い年でした。長野の2026年は、ふじの開花が4月18日・満開が4月22日で、平年より約10日早い年でした。青森も2026年は2月中旬以降の高温で発芽が早まる見込みでした。これらの値は、平年の目安として読まないでください。
資料が見つからなかった都道府県
近畿・四国の各県、九州(福岡を除く)・沖縄、中国の鳥取・島根・岡山・広島は、農林水産省のポータルの県別リンクとそのリンク先にりんごの欄が見つからず、りんごの栽培資料を確認できませんでした(2026年10月時点)。資料が見つからなかった府県は、主に暖地です。大分(落葉果樹の施肥基準)と宮崎(果樹の施肥基準)は画像PDFを全ページ目視し、りんごの項がないことを確かめました。茨城は、農林水産省に載る資料が普通作物・花き・飼料作物の栽培基準で、果樹の資料がありません。富山・福井は、県別リンクが水稲・大豆・大麦の指針や施肥の手引きだけでした。埼玉・千葉・三重・佐賀・熊本・鹿児島は、施肥基準のPDFをテキスト検索してもりんごの記載がありませんでした。神奈川・静岡・愛知は、県の施肥基準のページから果樹の資料に入れず、りんごの記載を確認できませんでした。栃木は、果樹の施肥基準PDF(6頁)を目視して、なし・ぶどう・ブルーベリー・ゆずなどはありましたが、りんごの行は確認できませんでした(全頁の拡大確認はしていません)。
行はあるものの、内容が薄い道県もあります。新潟は果樹の土壌診断基準と佐渡のふじの紹介だけ、山梨は施肥指導基準の低木仕立ての1ページ(施肥量・時期と作型図)だけです。石川は特別栽培の慣行レベルの窒素と耕種防除の方針だけです。群馬と東京は施肥基準と作型図が中心です。山口は令和7年度の指針ですが、りんごの病害虫の時期の章がありません。北海道は施肥ガイドと道の月別の営農技術対策で、栽植本数と発芽・開花の平年日は見つかりませんでした。山形は台木・栽植距離・展葉や開花の平年日、青森は指導要項の標準施肥量の月別配分、福岡は摘果や病害虫の記載が見つかりませんでした。宮城は1990年代の指導指針に、2024年の栗原農業改良普及センターの生育情報を足しています。福島は袋かけ・着色管理の記載が見つかりませんでした。
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出典一覧
表の「根拠」「出典」の略称と資料の対応です。
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- 長野5:長野県農政部「長野県果樹振興方針(令和8年度)」、2026年
- 長野6:長野県農政部「長野県果樹振興品種(令和8年度)」、2026年
- 長野7:長野県果樹試験場「令和8年(2026年)果樹生態調査(2026年6月12日)」、2026年
- 長野8:長野県果樹試験場「りんごの品種育成(高嶺・シナノスイート・シナノゴールド・シナノドルチェ・シナノホッペ・シナノリップほか)」、2023年
- 長野9:長野県病害虫防除所「令和8年病害虫雑草防除基準 2.りんご」、2026年
- 長野10:長野県「長野県総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践指標(りんご)記入表」
- 長野11:長野県「リンゴ黒星病は4〜5月の防除が重要!!(啓発チラシ)」、2019年
- 長野12:長野県農政部(農業技術課)「作目別経営指標一覧表(果樹)」、2023年
- 長野13:長野県農業関係試験場(果樹試験場ほか)「令和5年度 普及に移す農業技術(第2回)りんご「シナノリップ」M.9台木樹の凍害枯死に及ぼす土壌物理性と樹勢の影響」、2023年
- 岐阜1:岐阜県(農林水産省「都道府県施肥基準等」掲載)「主要園芸作物標準技術体系2005(果樹・特産編)抜粋 5 りんご」、2005年
- 山口1:山口県「令和7年度果樹栽培指導指針 14.りんご(生産目標・重点推進事項・作業表・施肥基準・品種特性表)」、2025年
- 福岡1:福岡県農林水産部経営技術支援課「福岡県果樹施肥基準(令和5年3月)リンゴ p.40-41」、2023年
- 北海道2:北海道農政部「令和8年営農技術対策(2)4月の営農技術対策」、2026年
- 北海道3:北海道農政部「令和8年営農技術対策(3)5月の営農技術対策」、2026年
- 北海道4:北海道農政部「令和8年営農技術対策(4)6月の営農技術対策」、2026年
- 北海道5:北海道農政部「令和8年営農技術対策(5)7月の営農技術対策」、2026年
- 北海道6:北海道農政部「令和8年営農技術対策(6)8月の営農技術対策」、2026年
- 北海道7:北海道農政部「令和8年営農技術対策(7)9月の営農技術対策」、2026年
- 北海道8:北海道農政部「令和8年営農技術対策(8)今後の営農技術対策」、2026年
- 北海道9:北海道立総合研究機構(道総研)中央農業試験場「食ものがたり 第21話 北海道のおいしいリンゴたち」、2010頃(記事に年の表記なし。平成21年の統計に言及)年
- 青森27:青森県農林水産部「りんごの効率的な生産方式の導入(経営面積60a→180a)経営モデル」、2025年
- 宮城3:宮城県栗原農業改良普及センター「果樹生育情報 4月号(令和6年4月2日)」、2024年
- 宮城4:宮城県栗原農業改良普及センター「果樹生育情報 4月下旬号(令和6年4月26日)」、2024年
- 宮城5:宮城県栗原農業改良普及センター「果樹生育情報 5月号(令和6年5月27日)」、2024年
- 宮城6:宮城県栗原農業改良普及センター「果樹生育情報 6月号(令和6年6月18日)」、2024年
- 宮城7:宮城県栗原農業改良普及センター「果樹生育情報 7月号(令和6年7月16日)」、2024年
- 宮城8:宮城県栗原農業改良普及センター「果樹生育情報 8月号(令和6年8月16日)」、2024年
- 宮城9:宮城県栗原農業改良普及センター「果樹生育情報 10月号(令和7年10月24日)」、2025年
- 秋田13:秋田県病害虫防除所「腐らん病の防除と対策について」、2024年
- 山形11:山形県(やまがたアグリネット)「令和7年度病害虫発生速報第1号(りんご 黒星病)」、2025年
- 福島9:福島県農林水産部農業振興課「令和7年度 果樹情報 第7号(令和7年6月19日)」、2025年
- 福島10:福島県会津農林事務所農業振興普及部「会津果樹情報 6月号(令和7年6月13日)」、2025年
- 福島11:福島県農林水産部農業振興課「令和4年度 果樹情報 特別号 リンゴ褐斑病の防除対策(令和4年7月28日)」、2022年
- 福島12:福島県「主要な農作物の生育情報 令和7年度 第8号(令和7年11月)」、2025年
- 福島13:福島県「主要な農作物の生育情報 令和7年度 第9号(令和7年12月)」、2025年
- 福島14:福島県農林水産部農業振興課「果樹の生育ステージと防霜対策のための温度指標(令和8年5月7日現在)」、2026年
- 群馬2:群馬県農業技術センター中山間地園芸研究センター(ECOぐんま掲載)「リンゴ栽培の気候変動対策」、2026年
- 群馬3:群馬県利根沼田農業事務所担い手・園芸課「令和4年度 普及現地情報(令和4年8月)」、2022年
- 長野14:長野県果樹試験場「りんごの「摘果デー」を開催しました(令和8年5月13日)」、2026年
- 長野15:長野県果樹試験場「エゾノコリンゴが発芽しました(令和8年2月)」、2026年
- 長野16:長野県果樹試験場「りんご「ふじ」の葉摘みをしています(令和6年10月)」、2024年
- 山梨1:山梨県(農林水産省「都道府県施肥基準等」掲載。画像PDF)「山梨県農作物施肥指導基準 4 施肥指導基準 (2)果樹 りんご(低木仕立て)p.92」、2011年
- 新潟1:新潟県(農林水産省「都道府県施肥基準等」掲載。画像PDF)「施肥基準等(果樹)(その2)表6 主要果樹の土壌診断基準 p.31」、昭和60年度果樹試資料にもとづく年
- 新潟2:新潟県佐渡農林水産振興事務所「【佐渡】12月の旬の農産物を紹介します(佐渡産りんご「ふじ」)」、2023年