日本ぐり(露地)の施肥・せん定・病害虫の防除・収穫の時期は、都道府県ごとに別々の施肥基準や栽培指針、試験場の成果情報に書かれていて、まとめて比べられる場所がありません。この記事では、35都道府県の公的資料(142本)から時期と数値を拾い、全国の比較表と、主産地向けの標準的な年間作業表にまとめました。どの値にも出典の県と資料を付けています。
全体を見ると、同じくりでも、品種(早生・中生・晩生)と県によって、時期も肥料の量も大きく違います。成木の年間窒素(kg/10a)は、北海道がN8、山口がN10、静岡と奈良がN12なのに対し、岐阜はN21.7、大分はN25で、約3倍の幅があります。収穫の始まりは、熊本の丹沢が8月20日、茨城の石鎚が10月1日で、6週間ほどずれます(どちらも試験の値)。基肥は、群馬が収穫後の10月中旬頃、佐賀が11月、愛媛が12月中旬、埼玉が2月中旬、高知が2月下旬と、県によって半年近く動きます。
Excelには、年間作業表(実施日を書く欄つき)、35都道府県の比較表、出典一覧の3つのシートがあります。
ほかの作物の栽培暦・年間作業表は栽培暦・年間作業表の全国まとめにまとめています。
この記事の調べ方
- 対象:都道府県と県の試験場・普及組織が公開している施肥基準、栽培指針、病害虫の防除指針、試験研究の成果。農林水産省「都道府県施肥基準等」に掲載されている県の資料を含みます。日本ぐりの露地栽培が中心で、中国栗(甘栗)は含めていません。市町村やJAが作った栽培暦は使っていません
- 使い方:資料の表やレイアウトは転載せず、時期と数値などの事実だけを拾って組み直しました。図の栽培暦から読み取った値は「図から読み取り」と書いています(±1旬の誤差があります)
- 特別栽培の慣行レベル:石川・福井・茨城・大阪・兵庫・岡山・広島・熊本・鹿児島は、見つかった窒素量が特別栽培の慣行レベル(化学肥料の窒素量)だけです。施肥基準ではないので、表の中でもそう書いています
- 試験の値:茨城の展葉・開花・収穫の日は笠間の園芸研究所、熊本は球磨農業研究所と果樹研究所、岐阜は中津川、新潟は園芸研究センターの試験の値で、産地の平均ではありません。愛媛の収穫日も、大洲市の試験での調査日です
- 主産地の資料の薄さ:栽培面積・生産量とも全国一の茨城は、県の施肥基準の表にくりが載っていませんでした(「茨城県における標準施肥の考え方」は目次にくりがあるものの、本文の表はナシ・ブドウ・カキ・リンゴだけです)。熊本は施肥ガイドに施肥の時期の記載はあるものの、成分量の数値表がありません。この2県は施肥量の欄が「—」か慣行レベルだけです
- 農薬:農薬名と商品名はどの資料からも書いていません。病害虫は対象と時期だけを書いています
- 調査日:2026年10月2日。資料は改訂されることがあるので、最新の内容は各資料で確認してください
全国の時期の早見
- 発芽・展葉:熊本は3月中〜下旬(ぽろたん幼木で3月21日、試験の値)、東京は3月中〜下旬頃、岐阜の中津川は筑波3月22日・丹沢3月25日(試験の値)。群馬・神奈川・福岡は4月中旬頃、大阪は4月上旬頃(いずれも図から読み取り)、山口は4月上旬が催芽期です。展葉は新潟が筑波・石鎚4月25日(平年値)、茨城が4月下旬〜5月上旬(ぽろすけ4月22日、筑波4月29日、石鎚5月3日)
- 開花:熊本は5月下旬(ぽろたん・利平栗5月26日、美玖里5月30日)、福岡は5月下旬、東京は5月下旬〜6月上旬頃、埼玉は5月下旬〜6月中旬頃。茨城の雌花満開は6月9日〜6月17日、新潟は6月12日〜6月15日、岐阜の中津川は6月11日〜6月17日、山口と大阪は6月上旬頃
- 早生の収穫:熊本は丹沢が8月20日〜9月5日、ぽろたんが8月26日〜9月9日(試験の値)。岐阜は丹沢が9月4日〜9月16日で、県育成のえな宝来は8月下旬から。茨城はぽろすけ・丹沢が9月上〜中旬、ぽろたんが9月9日〜9月26日。山口は丹沢が9月上旬、国見・ぽろたんが9月上中旬。東京は8月下旬〜9月下旬(図から読み取り)
- 中生の収穫:熊本は筑波が9月10日〜9月30日、利平栗が9月10日〜10月2日。岐阜は筑波が9月21日〜10月6日、新潟は筑波が9月23日〜10月6日、茨城は筑波が9月24日〜10月11日(盛りは10月3日)、利平が9月下旬〜10月上旬。山口は筑波・紫峰が9月下旬、銀寄が9月下旬〜10月上旬、愛媛の試験では銀寄が9月25日
- 晩生の収穫:茨城は石鎚が10月1日〜10月18日、美玖里が10月2日〜10月16日、岸根が10月中〜下旬。熊本の美玖里は9月20日〜10月7日、岐阜の美玖里は9月27日〜10月8日、新潟の石鎚は9月30日〜10月11日。山口は石鎚が10月上〜中旬、岸根が10月中〜下旬
標準の年間作業表(主産地の露地栽培)
茨城・熊本・愛媛・岐阜・山口・宮崎などの主産地の資料をもとにした、日本ぐり(露地)の標準的な作業表です。せん定・施肥・病害虫の防除・収穫の時期は品種群(早生の丹沢・ぽろたん、中生の筑波・銀寄・利平、晩生の石鎚・岸根)と県で違うので、1行の中に品種別・県別の時期を並べています。「根拠」の略称は記事末尾の出典一覧に対応しています。
| 月 | 旬 | 作業 | 内容・目安 | 品種・作型 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 上旬〜下旬 | 冬季せん定(時期) | せん定の期間は県で違う。愛知は12月上旬、東京は12月中旬〜2月中旬頃、岐阜は12月中旬〜2月下旬、山口は12月〜2月、熊本と高知は12月〜2月、埼玉は1月〜2月下旬、静岡は1月上旬(愛知・東京・岐阜・埼玉・静岡は図から読み取り)。いずれも低樹高(樹高3.5m以下)を基本にする | 全般(早生・中生・晩生) | 愛知1・東京1 p.6・岐阜1・山口1 p.88・熊本6・高知2・埼玉1 p.80・静岡1 p.359 |
| 1月 | 上旬〜下旬 | せん定(低樹高・超低樹高の母枝の数) | 茨城の超低樹高は脚立が要らない高さ1.5〜2mで切り、結果母枝は1㎡あたり3〜4本。岐阜の超低樹高は2〜3本/㎡。高知は超低樹高(樹高2.5m)で3本/㎡、低樹高(樹高3.5m以下)で石鎚5〜6本・筑波6〜7本・銀寄8本/㎡。山口の成木は樹高3.5m以下で、基部径7〜8mm以上の母枝を6〜8本/㎡残す。予備枝から伸びた80cm以上の枝を母枝にすると着毬・収量が多い(茨城、試験の値) | 丹沢・筑波(超低樹高)、石鎚・銀寄(低樹高) | 茨城8・茨城9・岐阜13・高知2・山口1 p.88 |
| 1月 | 上旬〜下旬 | せん定(ぽろたん・美玖里・樹勢の強い品種) | ぽろたんは前年に結果した太い枝(基部径7mm以上・先端径4mm以上)を主に残す。樹冠1㎡あたり、茨城は6本程度(前年結果枝7割・発育枝3割)、熊本は6〜8本、美玖里は熊本の成園で7本。茨城の超省力型(株間3m×畝間4m)は3本/㎡で、せん定時間は慣行の約4割(試験の値)。美玖里は切り返しを避けて間引きを主体にする。利平・銀寄・岸根・神峰・美玖里は樹勢が強く超低樹高に向かず、丹沢・筑波が向く(茨城) | ぽろたん・美玖里・利平・銀寄・岸根 | 茨城10・茨城11・茨城14・熊本6・熊本7・熊本9 |
| 1月 | 上旬〜下旬 | 樹形改造・低樹高化 | 熊本は高すぎる樹を2〜3年かけて、成木は傾斜自然形で目標樹高3〜4m、若木はオールバックにし、樹高の高い園はパラソルカットにする(12月下旬〜3月)。山口は4年生まで主幹形、5〜8年生で芯抜きして主枝2〜3本・樹高4m以下の開心自然形にする。大阪はカットバックで樹高を下げ、兵庫は低樹高仕立て(兵庫方式)で放任園は大規模せん定・カットバックで再生する | 成木・傾斜地・放任園 | 熊本3・熊本4・熊本5・山口1 p.88・大阪3・兵庫1 |
| 1月 | 上旬〜下旬 | 越冬害虫・病害の冬の処置 | 茨城はせん定で見つけたクリタマバチの古い虫えい(天敵蜂が越冬)を園内に置き、胴枯病の発病部は削って保護剤を塗り、クスサンなどの越冬卵をつぶす。冬の耕起(12〜2月)でクリシギゾウムシの越冬繭をこわす。大阪はイガ・落葉・せん定枝・枯草を土中に深く埋め、高知はイガ内で越冬するモモノゴマダラノメイガ幼虫を減らすため樹上・園内に残ったイガを処分する。福井は休眠期にクスサンの卵塊を集める | 全般 | 茨城2・茨城4・大阪2 p.10-19・高知2・愛媛2 p.53-63・福井1 p.251 |
| 1月 | 上旬〜下旬 | カイガラムシ類の冬期防除(休眠期〜発芽前) | カツラマルカイガラムシが対象。大阪は12月中下旬〜発芽前(3月中旬)の冬期防除が重点で、佐賀は11月下旬〜12月上旬、長野は休眠期〜発芽前(3月中旬の散布で試験)。新潟では第2世代の幼虫が2齢にならずに越冬するため、休眠期の防除も有効。樹が高いと散布が届かないので、樹高を下げて行う | 全般 | 大阪2 p.10-17・佐賀2 p.271-272・長野4・新潟5 |
| 2月 | 上旬〜下旬 | 基肥(2月に施す県・凍害を避けて遅らせる県) | 埼玉は2月中旬にN8-P8-K8(年間N16の半分、土壌診断のうえ堆肥1t/10a)、高知は2月下旬にN9-P6-K5(有機質・緩効性肥料主体。石灰質資材は1か月前までに施してpH5.0〜5.5)。愛媛の被覆肥料は1月下旬〜2月下旬にN18-P9-K10を年1回。岐阜は標準体系が12〜2月だが、凍害を避けるため2〜3月施用が望ましく、幼木は3月。熊本は元肥の2回目、山口は浸透の早い化成肥料を2月に施す | 全般 | 埼玉1 p.80・高知1 p.39・愛媛1 p.51・岐阜1・岐阜4・岐阜6・岐阜7・熊本1・山口1 p.88-89 |
| 2月 | 下旬 | 穂木の採取 | 乾燥しないようにビニールで包み、冷蔵庫で貯蔵する(山口、12〜2月) | 接ぎ木用 | 山口1 p.88 |
| 3月 | 上旬 | 春の施肥(融雪直後・3月上旬〜4月上旬) | 北海道は融雪直後に年間全量(成木N8-P6-K8)を全面施用し、前年秋の土壌診断で減肥を判断する。神奈川は3月上旬にN8-P6-K7(成木、年間の約半分。時期は図から読み取り)、福岡は3月上旬にN3.6・K1.8(年間Nの20%)、大分は3月上旬に年間の20%、静岡は4月上旬にN4・K2。高知の資料では、クリの養分吸収は3月上旬に始まる | 日本グリ(北海道)・丹沢・国見・筑波・石鎚など | 北海道1 p.175・神奈川1 p.23・福岡1 p.42・大分1 p.61・静岡1 p.359・高知2 |
| 3月 | 中旬〜下旬 | 発芽期 | 東京は3月中〜下旬頃、岐阜の中津川は筑波3/22・丹沢3/25(2019〜2023年、試験の値)、熊本はぽろたん幼木で3/21(試験の値)。熊本は発芽期が20年前より丹沢で10日、筑波で6日早まったとして晩霜害に注意を促している。群馬・神奈川・福岡・大阪は4月上〜中旬(図から読み取り)。岐阜は凍害対策の透湿性マルチを発芽後(3月下旬〜4月上旬)に除く | 国見・筑波・利平・丹沢・ぽろたん | 東京1 p.6・岐阜2・岐阜12・熊本11・熊本17・群馬1 p.2-3・神奈川1 p.23・福岡2 p.77・大阪2 p.10-16 |
| 3月 | 上旬〜下旬 | クリタマバチ・キクイムシの発芽前防除 | クリタマバチは発芽直前に越冬幼虫を対象に防除する(佐賀・福井)。キクイムシ類は佐賀が3月上旬〜4月上旬(発芽前)か5月中〜下旬の成虫食入期のどちらか一方で、枝幹の地際から約1.5mの高さまで処理する。大阪は越冬成虫の食入期を4〜5月とする | 全般 | 佐賀2 p.270-271・福井1 p.251・大阪2 p.10-19 |
| 3月 | 中旬 | 防風施設・防風樹 | 滋賀は3月中旬に、台風の風向を考えて南側を基本に防風施設を設置する(減風効果は50%程度)。強風で枝が擦れたり折れたりした後はかいよう病が出やすい。山口は3月上旬に防風樹の植付け・施肥・刈込みを行う | 全般 | 滋賀1 p.122-125・山口1 p.88 |
| 3月 | 上旬〜下旬 | 接ぎ木・カットバック高接ぎ・幼木の切り返し | 山口のカットバック高接ぎは3〜4月で、周囲長40〜60cmの太枝を切って穂木を接ぐ。接木位置は凍害回避のため30cm以上。ぽろたんは異品種の混入を避けるため新改植が基本(山口)。熊本の幼木は結果母枝の先端1/5を切り返すが、12〜1月に切ると発芽が8日早まり晩霜害を受けやすいので、晩霜常襲地では3月下旬に行う | 品種更新・ぽろたん・幼木 | 山口1 p.82-88・熊本10・熊本11・熊本12・熊本36 |
| 4月 | 上旬〜下旬 | 展葉期 | 茨城(笠間)は4月下旬〜5月上旬で、ぽろすけ4/22・ぽろたん4/27・筑波4/29・丹沢4/30・美玖里5/1・石鎚5/3。新潟は筑波・石鎚4/25、美玖里4/26(平年値、試験の値)。熊本のぽろたん幼木は4/11〜12、山口は4月中旬が展葉期。展葉期に霜が少ない園地を選ぶ(茨城)。高知の資料では、雌花の花芽は開花前の4月頃に形成され、数は前年の貯蔵養分で決まる | 早生(ぽろすけ・ぽろたん・丹沢)・中生(筑波)・晩生(美玖里・石鎚) | 茨城13・茨城14・茨城1 p.11・新潟4・熊本11・山口1 p.88・高知2 |
| 4月 | 上旬〜下旬 | 晩霜への警戒 | 新潟の資料では催芽期の耐凍限界が−4.0℃。宮城は2021年(令和3年)4月の低温による凍霜害でクリにも被害が出たと記録している(宮城はこの1行だけ)。熊本は発芽期の前進で晩霜害に注意としている | 全般 | 新潟2 p.56・宮城1 p.14・熊本11 |
| 4月 | 上旬〜下旬 | クリタマバチの虫えいと天敵蜂(せん定枝の置き場所) | 4月は新芽に虫えいができ、天敵蜂が産卵する時期なので新しい虫えいは切らずに残す(茨城)。せん定枝の処分は、熊本が4月中旬まで園内に置いて4月下旬までに焼却、佐賀が4月上旬まで、山口が4月末まで園内に置いて5月末までに園外処分、茨城が5月上旬まで、新潟が5月5日ころまで。殺虫剤の散布は、新潟が5月20日ころまで、滋賀が5月中旬まで控える。天敵蜂は大阪が3〜4月に羽化とする | 全般 | 茨城4・茨城2・熊本22・佐賀2 p.271・山口1 p.85・新潟3・滋賀1 p.129・大阪2 p.10-19 |
| 4月 | 上旬〜下旬 | クスサン・コウモリガ | クスサンの越冬卵は島根が4月中旬〜5月上旬にふ化とし、茨城・福井は5月上旬までに幼虫のいる枝を切除・捕殺する。コウモリガの幼虫は4〜5月にふ化するので、茨城・大阪・滋賀は4〜5月に株元の雑草を刈って通風をよくする。福井は4〜6月に地際から1.5〜2mの主幹・主枝を対象に防除する | 全般 | 島根3・茨城2・大阪2 p.10-18・滋賀1 p.137・福井1 p.251 |
| 5月 | 中旬〜下旬 | 新梢管理・摘心・草刈り | 山口は5月中旬に心抜き後の徒長枝を処理し、草刈りは5月下旬・梅雨末期〜明け直後・8月の収穫準備の最低3回とする。発育不良の樹だけ5月に追肥する。熊本は利平栗の若木で、雄花開花の10日前〜開花期に新梢先端の1/3を摘心すると翌年の結果母枝が増えて35〜40%増収する(試験の値) | 利平栗(若木)・全般 | 山口1 p.88・熊本30 |
| 5月 | 中旬〜下旬 | モモノゴマダラノメイガ(越冬世代) | 熊本は5月中旬〜6月上旬のトラップ誘殺ピーク(球磨地域)。愛媛は越冬幼虫が樹上の被害毬果内で越冬し、4〜5月に蛹化して5月中下旬に羽化、トラップの最初のピークは6月上旬(3年平均)。島根は成虫が5月下旬〜6月下旬。福岡の図では5月下旬〜6月中旬 | ぽろたんほか | 熊本20・愛媛2 p.53-63・島根4・福岡2 p.77 |
| 6月 | 上旬〜中旬 | 開花(雌花・雄花) | 茨城の雌花満開はぽろすけ6/9、ぽろたん6/13、筑波・丹沢6/14、石鎚6/15、美玖里6/17(試験の値)。新潟は筑波6/12・石鎚6/13・美玖里6/15、岐阜(中津川)は筑波6/11・丹沢6/13。熊本は5月下旬〜6月上旬でぽろたん・利平栗5/26、美玖里5/30。福岡は5月下旬、東京は5月下旬〜6月上旬頃、埼玉は5月下旬〜6月中旬頃、山口・大阪は6月上旬頃(図・栽培暦から読み取りの県を含む) | 早生〜晩生 | 茨城12・茨城13・新潟4・岐阜2・熊本14・熊本15・福岡2 p.77・東京1 p.6・埼玉1 p.80・山口1 p.88・大阪2 p.10-16 |
| 6月 | 中旬〜下旬 | 追肥(初夏) | 東京は5月中旬(黒ボク土でN6・K4)と6月中旬(褐色森林土等でN2・K2)、栃木は6月中旬にN3・K2、静岡は6月上旬にN2・K2、岐阜は6月中旬にN3.2・K3.2(開花前に新梢長・葉色で樹勢を診断して加減)、愛知は6月下旬にN3・K3、愛媛は6月下旬にN4-P2-K5、大分は6月上中旬に年間の15%、山口は6月下旬〜7月にN2・K2。宮崎は6〜7月に年間の20%、熊本の実肥は6〜7月で、新梢が伸びすぎた樹では控える | 全般 | 東京1 p.6・栃木1 p.114-115・静岡1 p.359・岐阜1・岐阜6・愛知1・愛媛1 p.51・大分1 p.61・山口1 p.88-89・宮崎1 p.51-52・熊本1 |
| 6月 | 中旬 | 収穫始期の予測 | 茨城の園芸研究所は、雌花開花盛期(小花3つとも開いた雌花が80%以上になった日)から丹沢・筑波・石鎚の収穫始期を予測する(誤差4〜5日)。7月中下旬には雌花開花盛期の後28〜37日間の平均気温で予測(誤差4〜5日)、8月中旬以降は成熟後期の気温を加えて誤差約3日になる(試験の値) | 丹沢・筑波・石鎚 | 茨城16 |
| 6月 | 上旬〜中旬 | クリイガアブラムシの防除 | 開花期に幼いイガへ移動して産卵するので、雌花の開花期から防除する(島根・山口)。佐賀は6月上〜中旬(落花後)、福井は6月。佐賀は密植を避け、整枝せん定で通風・採光を確保することも勧める | 全般 | 島根5・山口1 p.85・佐賀2 p.270-272・福井1 p.251 |
| 6月 | 下旬 | クリタマバチ成虫の脱出 | 成虫は6月下旬〜7月中旬に虫えいから出て芽に産卵する(茨城・島根・大阪)。福井は7月上〜中旬、福岡は6月上旬〜7月上旬で中旬が山。成虫の羽化・脱出期が防除時期だが、茨城は薬剤では防ぎにくく天敵蜂を使った防除が有効としている。新潟は導入天敵チュウゴクオナガコバチが県内全域に定着している | 全般 | 茨城4・島根1・大阪2 p.10-17・福井1 p.251・福岡2 p.77・山口1 p.85・新潟3 |
| 6月 | 中旬〜下旬 | ネスジキノカワガ | 熊本のぽろたんでは6月中旬に樹上の毬に虫糞が見え始めた直後に防除する。高知は雌花の肥大初期(6月中下旬)に見回り、糞を噴出した雌花が1割を超えたら防除し、モモノゴマダラノメイガとは同時防除できない。福井は第2世代成虫の産卵最盛期の6月下旬〜7月上旬 | ぽろたん(早生)・全般 | 熊本21・高知2・福井1 p.252 |
| 6月 | 上旬〜下旬 | カミキリムシ類(見回りと産卵痕の処置) | 高知は成虫の脱出が5〜7月、産卵が6〜7月で、地際1m内外の産卵痕をつぶし成虫を捕殺する。福岡は産卵が6月中旬〜8月上旬、福井は6月下旬〜8月上旬に樹幹を対象に防除し、大阪は産卵〜幼虫期を6〜7月とする | 全般 | 高知2・福岡2 p.77・福井1 p.251・大阪2 p.10-18 |
| 6月 | 上旬〜下旬 | 排水・土壌流亡対策 | 山口は6月上旬に排水溝を整備・補強して土壌流亡を防ぐ。熊本は水田転換園で高畝・溝切りによる排水対策をとると苗木の初期生育が良い。広島は傾斜畑での土壌侵食対策と粘質土壌の排水対策が必要とする | 全般 | 山口1 p.88・熊本27・広島1 p.87 |
| 7月 | 上旬〜中旬 | 追肥(夏肥) | 埼玉は7月上中旬にN4・K4、群馬は7月上旬頃にN4・K4(図から読み取り)、高知は7月上旬にN3-P2-K2、徳島は7月上〜中旬に年間の20%、佐賀は7月中旬に年間の14%、福岡は7月上〜下旬にN3.6・K5.4。高知の資料では、養分吸収は7月〜9月下旬がピーク | 全般 | 埼玉1 p.80・群馬1 p.3・高知1 p.39・徳島1 p.11・佐賀1 p.56・福岡1 p.42・高知2 |
| 7月 | 上旬〜中旬 | 夏季せん定 | 茨城は7月中旬頃、翌年使う量の2倍の発育枝を残して他を欠き取り、樹冠内を明るくする(岐阜県方式として紹介された方法で、茨城の標準作業とは書かれていない)。静岡の作業暦は7月上旬(図から読み取り) | 超低樹高・全般 | 茨城7・静岡1 p.359 |
| 7月 | 中旬〜下旬 | 実炭疽病 | 毬果の肥大期〜成熟期の病害。福井は7月中旬〜8月下旬に10日間隔で2〜3回、佐賀は7月下旬〜8月中旬、山口は早生7月下旬・中生8月上旬・晩生8月下旬に防除し、枯れ枝を除いて受光をよくする。大阪は7〜9月で早生に多く、福岡は感染が5月下旬〜9月下旬で6月と9月上旬が山 | 全般(早生〜晩生) | 福井1 p.251・佐賀2 p.268-272・山口1 p.84・大阪2 p.10-16・福岡2 p.77 |
| 7月 | 中旬 | カツラマルカイガラムシ(第1世代・第2世代) | 新潟(多雪地)は第1世代の1齢幼虫盛期が7月第3半旬前後、第2世代が9月第3半旬〜10月第1半旬で、年次差が15日ほどあるため発生を確かめてから防除する。大阪は第1世代が6月下旬〜7月中旬、第2世代が9月中旬〜10月中旬、佐賀は7月と9月 | 全般 | 新潟5・大阪2 p.10-17・佐賀2 p.271 |
| 7月 | 上旬〜下旬 | 乾燥対策・草刈り・敷草 | 山口は雄花分化期の7月上旬〜中旬に、草刈りを梅雨末期か梅雨明け直後に行い、敷草で乾燥を防ぐ。大阪は高温・乾燥による生理落果とシワ果を灌水で軽減する。岐阜は5〜6月に樹冠下(半径1.5m)へ木材チップ堆肥を厚さ15cmで敷き、土壌水分の減少を40〜60%抑えた(若木、試験の値) | 全般・若木 | 山口1 p.88・大阪3 p.11・岐阜5 |
| 8月 | 上旬〜中旬 | モモノゴマダラノメイガの防除 | 幼虫がイガ・果実に入る。茨城は成虫が6月中旬・8月上旬・9月上旬の年3回で被害は7月下旬以降、防除は早生8月上・中旬、晩生9月上・中旬。福井は早生8月上〜中旬・中生8月中〜下旬・晩生8月下旬〜9月上旬。佐賀は早生7月下旬〜8月中旬・中晩生8月上中旬〜9月上旬。熊本は年4回のうち8月上旬の防除が最も有効で、大阪は幼虫ふ化期が8月中〜下旬。愛媛では無防除の石鎚で被害果率が年30.8〜47.3%(試験の値)。茨城は早生の神峰が特に被害を受けやすいとする | 早生〜晩生 | 茨城3・茨城17・福井1 p.252・佐賀2 p.268-269・熊本20・大阪2 p.10-17・愛媛2 p.53-63・長野3 |
| 8月 | 下旬 | クリシギゾウムシ(羽化の予察・立木防除) | 岐阜の中津川では羽化が8月下旬〜9月上中旬で、羽化盛期の予測日に立木防除する。中晩生品種で被害が多く、早生はほとんど被害がない。予察には7月下旬から土中にポットを埋めたトラップを使う。福井は成虫羽化期が8月下旬〜9月中旬、熊本は標高400m以上の多発園で、丹沢の収穫期直前の8月下旬に立木防除する | 筑波以降の中晩生・丹沢 | 岐阜9・岐阜15・福井1 p.252・熊本18 |
| 8月 | 下旬 | クリミガ | 成虫は佐賀が8月下旬〜9月中旬、島根が8月末〜9月中旬、福井が9月に羽化し、果梗基部や葉裏に産卵して幼虫が果実に食入する。9月下旬以降に収穫する晩生品種で被害が多く、幼虫は10月下旬ごろから果実を出て越冬する(佐賀・島根) | 晩生 | 佐賀2 p.269・島根2・福井1 p.252 |
| 8月 | 中旬〜下旬 | 収穫(極早生・早生) | 熊本は丹沢8/20〜9/5(盛8/30)、杉光8/25〜9/13、ぽろたん8/26〜9/9(試験の値)で、岐阜のえな宝来は丹沢より10日ほど早く8月下旬から。東京は8月下旬〜9月下旬、栃木は8月下旬〜10月上旬(図から読み取り)、山口は早生8月下旬〜でぽろすけが8月下旬〜9月上旬。熊本は8月下旬の旬平均最高気温が32℃を超えると丹沢・杉光で腐敗果が増えるため、一文字に裂開した毬を枝を軽く叩いて収穫する | 早生(丹沢・杉光・ぽろたん・ぽろすけ・えな宝来) | 熊本13・熊本23・熊本25・熊本33・岐阜16・東京1 p.6・栃木1 p.114-115・山口1 p.88-90 |
| 8月 | 下旬 | 収穫前の園地整備・台風対策 | 茨城は収穫機を使う園で草丈を10cm程度に刈り、3cm以上のへこみをならす(8月下旬〜9月上旬)。山口は8月に草刈り・園内清掃で収穫準備をする。熊本は毎年せん定して樹高を低く保った樹は台風の落毬が少なく、筑波で樹高3.9mの落毬率が4%、無せん定6.4mが13%だった。茨城は倒れた樹を早めに起こして支柱で固定する | 全般 | 茨城19・山口1 p.88・熊本26・茨城21 |
| 9月 | 上旬〜中旬 | 収穫(早生) | 茨城はぽろすけ・丹沢9/1〜9/14〜16、大峰9月中旬、ぽろたん9/9〜9/26(試験の値)。岐阜(中津川)は丹沢9/4〜9/16、えな宝月・えな大豊9/13〜9/27頃。山口は丹沢9月上旬、国見・ぽろたん9月上中旬。愛媛の試験では大峰9/10、福岡は9月上旬〜下旬が主な収穫期。群馬・神奈川は9月上旬〜10月上旬頃、埼玉は9月(図・栽培暦から読み取り) | 早生(丹沢・ぽろすけ・大峰・ぽろたん・国見) | 茨城13・茨城15・岐阜2・岐阜11・山口1 p.88-90・愛媛2 p.53-63・福岡1 p.42・群馬1 p.3・神奈川1 p.23・埼玉1 p.80 |
| 9月 | 中旬〜下旬 | 収穫(中生) | 茨城は筑波9/24〜10/11(盛10/3)、利平9月下旬〜10月上旬。熊本は筑波9/10〜9/30(盛9/20)、利平栗9/10〜10/2(盛9/21)。岐阜は筑波9/21〜10/6、新潟は筑波9/23〜10/6(盛9/30)で、いずれも試験の値。山口は筑波・紫峰9月下旬、銀寄9月下旬〜10月上旬、愛媛は銀寄9/25、愛知は9月中旬〜10月中旬、大阪は9月中旬〜10月上旬(図から読み取り) | 中生(筑波・利平・銀寄・紫峰) | 茨城14・茨城15・熊本13・熊本14・岐阜2・新潟4・山口1 p.88-90・愛媛2 p.53-63・愛知1・大阪2 p.10-16 |
| 9月 | 上旬〜10月下旬 | 落ちた実の拾い取り・園内の処分 | 茨城は落ちた実を毎日拾い、虫害果・黒変果・裂果など出荷しない果実からもクリシギゾウムシ幼虫が4〜15日で出てくるので同時に拾って園外で処分する。岐阜は中晩生品種を毎日収穫する(間隔3日以上で利用に支障のある食入果が20%以上)。高知は乾燥・野ネズミ対策として落果を毎日1回以上拾う。佐賀は収穫後に落ちた果実とイガを10月中旬までに処分する | 中晩生品種 | 茨城15・茨城3・茨城2・岐阜2・高知2・佐賀2 p.269 |
| 9月 | 上旬〜中旬 | クリシギゾウムシ(産卵期・防除) | 愛媛は産卵が筑波で9月上〜中旬、石鎚で9月中〜下旬(試験の値)で、防除適期は9月上・中旬。熊本は標高500m以上で9月10日以前、300〜400mで9月20日頃から加害し、200m未満では少ない。島根は成虫が9月上旬〜10月中旬に羽化・産卵し、幼虫は10月中旬ごろから脱出する。茨城は幼虫が果実から出始めるのが早生で9月下旬、中生で10月上旬、晩生で10月中下旬 | 筑波・石鎚・中晩生 | 愛媛3 p.17-24・熊本18・熊本19・島根2・島根6・茨城3 |
| 9月 | 上旬〜下旬 | 追肥(秋肥・礼肥) | 群馬は9月上旬にN4・K4、愛知は9月上旬にN3・K1、愛媛は9月上旬にN4-P2-K3、大分は9月上中旬に15%、徳島は9月中旬に30%、宮崎は9月に30%、山口は9月にN2、佐賀は9月上旬〜10月上旬に33%、埼玉・奈良は9月下旬にN4・K4、岐阜は9月下旬〜10月上旬にN3.2・K3.2。高知は収穫終了直後にN4-P2-K2、福岡は10月上旬にN1.8・K1.8、静岡は10月中旬にN6・P6・K4(秋肥が主体) | 全般 | 群馬1 p.3・愛知1・愛媛1 p.51・大分1 p.61・徳島1 p.11・宮崎1 p.51-52・山口1 p.88-89・佐賀1 p.56・埼玉1 p.80・奈良1 p.29・岐阜1・岐阜6・高知1 p.39・福岡1 p.42・静岡1 p.359 |
| 10月 | 上旬〜中旬 | 収穫(晩生) | 茨城は石鎚10/1〜10/18、美玖里10/2〜10/16(盛りはどちらも10/9)、岸根10月中〜下旬。新潟は美玖里9/25〜10/6、石鎚9/30〜10/11、熊本は美玖里9/20〜10/7(盛9/30)、岐阜は美玖里9/27〜10/8(いずれも試験の値)。山口は石鎚10月上〜中旬、岸根10月中〜下旬、愛媛の試験では石鎚10/6 | 晩生(石鎚・美玖里・岸根) | 茨城14・茨城15・新潟4・熊本14・岐阜2・山口1 p.88-90・愛媛2 p.53-63 |
| 10月 | 中旬 | 基肥(秋に施す県) | 群馬は収穫後の10月中旬頃にN8-P16-K8(図から読み取り)、神奈川は11月中旬頃にN8-P6-K8、佐賀は11月上〜下旬に年間の53%(基肥が遅れると生理障害が増えるので11月中に)、福岡は11月中旬〜下旬にN9.0-P11.0-K9.0、大分は11月中旬〜12月上旬に50%、山口は11〜2月にN6-P6-K6(年間N60%) | 全般 | 群馬1 p.3・神奈川1 p.23・佐賀1 p.56・福岡1 p.42・大分1 p.61・山口1 p.88-89 |
| 10月 | 上旬〜中旬 | 収穫後の園内清掃・残さ処分 | 福井は空イガ・発病毬果・落葉・せん定枝が感染源・越冬場所になるので回収して園外で処分する。岐阜は収穫後に土が乾いた時に樹列間を全層破砕して排水を改善する。山口は11月の落葉期にも収穫後のイガや取り残し果を園外へ持ち出す | 全般 | 福井1 p.251・岐阜12・山口1 p.85 |
| 10月 | 上旬〜下旬 | 収穫後の貯蔵・低温処理(氷温を含む) | 新潟は10月以降に収穫した品種を冷蔵し、11月〜年末に出荷する。山口は収穫後すぐ果実温10℃以下に予冷して0〜5℃・湿度80%以上で貯蔵し、早生は長期貯蔵に向かず、長期は筑波・石鎚・岸根。高知は年内なら4〜5℃、3月までなら0〜−1℃。熊本は0℃で50日以上でクリシギゾウムシ、30日以上でクリミガの被害を抑える。茨城は−3℃で高電圧をかけた冷蔵庫に21〜28日で幼虫を防除でき糖度も上がり、京都は氷蔵庫でトレーに20kgずつ載せる方法が効率的で、1週間の氷蔵で国見がぽろたんと同等の食味になった(いずれも試験の値) | 全般(晩生・長期貯蔵は筑波・石鎚・岸根) | 新潟6・山口1 p.86-91・高知2・熊本32・茨城20・京都3 |
| 10月 | 上旬〜下旬 | 機械収穫 | 茨城はブラシ掻き込み式の収穫機を直線走行で使い、収穫時間は手拾いの68%(試験の値)。導入で経費が下がる下限面積は2.1ha。収穫機で収穫したクリは加工用が前提 | 加工用 | 茨城18・茨城19 |
| 10月 | 上旬〜中旬 | 間伐・縮伐 | 山口は計画密植園(40本/10a)を成園時に20本に減らし、隣の樹冠と1m以上あける(10月)。栃木は7〜8年生で24本、成木で12本、群馬は48→33→12本/10aと減らす。福岡は縮伐樹の施肥を減らし、熊本は5m×5m(40本)は狭く間伐が必要としている | 密植園 | 山口1 p.80・山口1 p.88・栃木1 p.114-115・群馬1 p.2-3・福岡1 p.42・熊本9・熊本29 |
| 11月 | 上旬〜下旬 | 凍害対策(株ゆるめ・マルチ・接木位置) | 岐阜は幼木の凍害で50%以上枯死した地域もあり、11月上〜下旬に株ゆるめ(樹を5〜10cm持ち上げて軽く断根し吸水を抑える)、高畝高盛+透湿性マルチ(9〜10月被覆、3月下旬〜4月上旬除去)で対策し、11月下旬の窒素施用は耐凍性を下げる。兵庫は丹波地域で新植後の凍害が問題で、11月に油圧ショベルで株ゆるめをすると12〜3月の耐凍性が続く(試験の値)。福岡は幼木の多肥を避ける | 幼木・若木 | 岐阜12・岐阜4・兵庫1・兵庫2・福岡1 p.45 |
| 11月 | 下旬 | 土壌診断・樹勢診断 | 岐阜は6月上旬・8月下旬・11月下旬に新梢長や葉色などで樹勢を診断し、追肥・礼肥・基肥の量を加減する。北海道は翌春の施肥量を決める土壌診断を前年秋に行い、埼玉は基肥の前に土壌診断をする | 丹沢・筑波ほか | 岐阜6・北海道1 p.175・埼玉1 p.80 |
| 11月 | 上旬〜下旬 | 植付け・深耕 | 山口は11〜12月に溝状またはタコつぼ深耕で有機物を入れ、苗木は受粉樹と混植し、植穴は幅1m・深さ60cmにして浅植えにする。植付け後は60cmで切り返し、十分にかん水する | 新植 | 山口1 p.79・山口1 p.88 |
| 12月 | 上旬〜中旬 | 基肥(冬に施す県) | 栃木は12月上旬にN12-P11-K11(年間Nの8割)、東京は12月上〜中旬頃にN8-P10-K8(黒ボク土)、愛知は12月上旬にN8-P10-K6(緩効性の有機質肥料等)、徳島は12月上旬に年間の50%(県北N7.5)、愛媛は12月中旬にN12-P8-K8、奈良は12月にN8-P10-K9。熊本は12〜2月の2回に分けて年間施肥量の大半、宮崎は12〜3月に50%、岐阜は12〜2月に年間Nの70%。栃木・東京は時期を図から読み取り | 全般 | 栃木1 p.114-115・東京1 p.6・愛知1・徳島1 p.11・愛媛1 p.51・奈良1 p.29・熊本1・宮崎1 p.51-52・岐阜1 |
| 12月 | 上旬〜下旬 | 堆肥・土づくり | 岐阜は完熟堆肥2,000kg/10aを12月に入れる。栃木は結果樹にオガクズ牛ふん堆肥1,000kg/10aを入れ、その分を基肥から減らす。東京は堆肥1,000kgを樹冠下に、大分は安価な有機物を4t/10a投入する。茨城は牛ふん堆肥1t/10aが目安で、未熟堆肥は使わない(2月〜3月)。石川は完熟たい肥2t/10aと草生栽培で土壌を改善する | 全般 | 岐阜1・栃木1 p.114-115・東京1 p.6・大分1 p.61・茨城6 p.71・石川2 p.33 |
| 12月 | 上旬〜下旬 | 雪害への注意 | 新潟は、美玖里が12月になっても枯れ葉が枝に残るので雪害に注意するとしている。秋峰は樹姿がやや直立し落葉が12月上旬のため雪害を受けにくい(収量性はやや低い) | 美玖里・秋峰 | 新潟4・新潟3 |
都道府県別の比較
「—」はその県の資料に記載がない項目です。「図から読み取り」は栽培暦の図から読んだ値で、±1旬ほどずれることがあります。県の基準は品種や目標収量、土壌の前提が違うので、数字だけを単純に比べず、自分の地域に近い県の資料を確かめてください。
主要品種
| 地域区分 | 都道府県 | 主要品種 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | 「日本グリ」を基準とする(品種名の指定なし) | 北海道1 p.175 |
| 東北・北陸 | 山形 | 丹沢・丹波・筑波(H29産の品種別栽培面積順:丹沢84.9ha・丹波58.9ha・筑波24.2ha、森早生7.9ha。くり計187ha) | 山形1 |
| 関東・東海 | 茨城 | 中生の筑波が中心(品種構成は早生30%・中生53%・晩生17%〈R2〉、R12目標は中生50%・晩生20%)。早生は丹沢・ぽろすけ・大峰・神峰・国見・ぽろたん、晩生は石鎚・美玖里・岸根。中生に利平。ぽろたんは品種別出荷と剥き方周知を推進 | 茨城1 p.2,6,11-13・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5 p.6・茨城6 p.70-71・茨城7・茨城8・茨城10・茨城11・茨城12・茨城13・茨城14・茨城15・茨城16・茨城19・茨城22 |
| 関東・東海 | 栃木 | 丹沢・国見・筑波・利平・石鎚 | 栃木1 p.114-115・栃木2 |
| 関東・東海 | 群馬 | 丹波・筑波 | 群馬1 p.2-3 |
| 関東・東海 | 埼玉 | 利平・ぽろたん(日高市が県内有数の産地。ぽろたんの生産が広がっている) | 埼玉1 p.80・埼玉5・埼玉2・埼玉3・埼玉4 |
| 関東・東海 | 東京 | 国見・筑波・利平 | 東京1 p.6 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 丹沢・出雲・国見・筑波・石鎚 | 神奈川1 p.23(PDF p.31)・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 基幹品種:丹沢・国見・筑波・石鎚。補完品種:東早生・利平ぐり・手々打・ぽろたん・美玖里。主産地(五泉市村松・阿賀町)では早生の丹沢・ぽろたん、中生の筑波・利平、晩生の石鎚、村松特産の「手手打」をリレー出荷 | 新潟1 p.24・新潟2 p.31・p.56・新潟3・新潟4・新潟5・新潟6 |
| 関東・東海 | 長野 | 丹沢・筑波・銀寄(県の試験の供試品種) | 長野1 p.11-12(PDF p.13-14)・PDF p.16・長野2 PDF p.13・長野3・長野4 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 丹沢・筑波(主要品種)、利平ぐり・ぽろたん・美玖里・石鎚、県育成のえな宝来(極早生)・えな宝月・えな大豊(早生。えな大豊は品種登録出願中で当面県内限定) | 岐阜1・岐阜2・岐阜3・岐阜4・岐阜5・岐阜6・岐阜7・岐阜8・岐阜9・岐阜10・岐阜11・岐阜12・岐阜13・岐阜14・岐阜15・岐阜16・岐阜17 |
| 関東・東海 | 静岡 | 国見・筑波・銀寄・ぽろたん・美玖里 | 静岡1 p.359 |
| 関東・東海 | 愛知 | 筑波・有麿・出雲・丹沢・国見・ぽろたん | 愛知1 p.Ⅳ【果樹】-22・愛知2 p.Ⅴ-8 |
| 近畿 | 京都 | —(「丹波くり」は品種名ではなく旧丹波国産のくりの総称)。ぽろたんは府の気候に適合し、剥皮性・食味がよい(試験の値) | 京都2・京都3・京都4 |
| 近畿 | 大阪 | 銀寄(優良品種として普及。産地は能勢町・豊能町・箕面市) | 大阪1・大阪2 p.10-16〜10-19・大阪3 p.6・p.9・p.11・p.13 |
| 近畿 | 兵庫 | 銀寄・筑波(県基幹品種・中生)、ぽろたん(早生・渋皮剥離性で直売向け)、美玖里(良食味・中晩生) | 兵庫1 p.3-5・p.10・p.14-16・兵庫2・兵庫3 |
| 近畿 | 奈良 | 丹波・銀寄・紫峰(施肥基準の対象品種) | 奈良1 p.29 |
| 中国 | 山口 | 銀寄・岸根(生産目標の品種)。品種特性表にぽろすけ・丹沢・国見・ぽろたん・筑波・紫峰・美玖里・石鎚。交配樹を20%以上混植。ぽろたんの受粉樹はぽろすけか、収穫期の違う石鎚・岸根 | 山口1 p.79-91 |
| 四国 | 愛媛 | 大峰(早生)・日向(早生)・銀寄(中生)・筑波(中生)・石鎚(晩生)(県試験の供試品種。大洲市・伊予市の園) | 愛媛1 p.51・愛媛2 p.53-63・愛媛3 p.17-24 |
| 四国 | 高知 | 石鎚・筑波・銀寄(せん定の目安の中で例示) | 高知1 p.35・高知1 p.39・高知2 |
| 九州・沖縄 | 佐賀 | 森早生・丹沢・筑波・銀寄・国見(病害虫の記述中の品種) | 佐賀1 p.56・佐賀1 p.69・佐賀2 p.267-272 |
| 九州・沖縄 | 熊本 | 早生:丹沢・ぽろたん・杉光(国見の代替)、中生:筑波・利平栗、晩生:美玖里(2015年県推奨、ぽろたんの受粉樹)。ほか銀寄・石鎚・岸根の記載あり。ぽろたんは他品種混入を避けるため高接ぎ・収穫期の重なる品種との混植をしない | 熊本1・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本21・熊本22・熊本23・熊本25・熊本26・熊本27・熊本28・熊本29・熊本30・熊本32・熊本33・熊本34 |
| 九州・沖縄 | 宮崎 | 丹沢・筑波・利平・紫峰・ぽろたん(宮崎4の生育記録に記載の品種) | 宮崎1 p.51-52・宮崎2・宮崎3・宮崎4 |
土壌pH・栽植本数・目標収量
| 地域区分 | 都道府県 | 土壌pH | 栽植本数・距離(10aあたり) | 目標収量(kg/10a) | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | — | — | 250(基準収量・成木8年生以上) | 北海道1 p.175 |
| 関東・東海 | 茨城 | — | 低樹高栽培は4.5m×4.5m正方植で48本(試験の値)。超低樹高密植並木植は列間4m・株間2m(125本)か3m(83〜84本)。株間3mの方が樹冠内が明るい(試験の値) | 300(筑波・低樹高仕立て、成園、労働時間39時間/10a) | 茨城1 p.2,6,11-13・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5 p.6・茨城6 p.70-71・茨城7・茨城8・茨城10・茨城11・茨城12・茨城13・茨城14・茨城15・茨城16・茨城19・茨城22 |
| 関東・東海 | 栃木 | 5.0〜5.5 | 1〜6年生48本、7〜8年生24本、9年生以上(成木)12本 | 100(4〜6年生)、250(7〜8年生)、300(成木) | 栃木1 p.114-115・栃木2 |
| 関東・東海 | 群馬 | — | 成木(12年以上)12本/10a(幼木2〜3年48本、未成木6〜7年33本から間伐) | 300(成木) | 群馬1 p.2-3 |
| 関東・東海 | 埼玉 | —(基準値は確認できず)。参考:日高市でぽろたんの黒変果が多発した園はpH5.2・交換性石灰166mg/100g、発生の少ない地域はpH6.1・石灰343mg/100g(H2O、調査値) | 40本/10a(施肥基準・慣行の低樹高栽培)。ぽろたんの主幹形密植栽培は2.5×4.0m・100本/10a(試験の値) | 400(施肥基準)。ぽろたんの主幹形密植は植え付け3年目で100kg/10aとれ、その後も慣行の低樹高栽培より収量が多く粒も大きい(試験の値、滑川町) | 埼玉1 p.80・埼玉5・埼玉2・埼玉3・埼玉4 |
| 関東・東海 | 千葉 | 5.0〜5.5に矯正(pH5.0以下の強酸性で障害) | — | — | 千葉1 p.289・千葉2 |
| 関東・東海 | 東京 | 5.0〜5.5を維持 | 30本/10a(低樹高仕立て、樹高3.5m以下) | 250〜300(国見・筑波・利平とも0.25〜0.30t) | 東京1 p.6 |
| 関東・東海 | 神奈川 | — | 5年生 6m×3m千鳥植、10年生以上 6m×6m | 400(10年生以上)。5年生100 | 神奈川1 p.23(PDF p.31)・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 主要根群域5.0〜5.5(土壌区分Ⅰ・Ⅱ)。塩基飽和度35〜50%、主要根群域の深さ40cm以上・根域60cm以上・地下水位100cm以上(昭和60年度果樹試資料による診断基準) | — | — | 新潟1 p.24・新潟2 p.31・p.56・新潟3・新潟4・新潟5・新潟6 |
| 東北・北陸 | 石川 | 5.0〜5.5(果樹の土壌化学性診断基準。交換性石灰飽和度30〜40%) | — | — | 石川1 p.2・石川2 p.33・石川3 |
| 関東・東海 | 長野 | — | — | —(参考:県全体で栽培面積216ha・生産量460t=令和6年度) | 長野1 p.11-12(PDF p.13-14)・PDF p.16・長野2 PDF p.13・長野3・長野4 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 5〜6前後(好適。比較的酸性でも生育に影響が出にくい) | 40本(5×5m) | 500(9年生。3年生40・5年生200・6〜7年生350・8年生450) | 岐阜1・岐阜2・岐阜3・岐阜4・岐阜5・岐阜6・岐阜7・岐阜8・岐阜9・岐阜10・岐阜11・岐阜12・岐阜13・岐阜14・岐阜15・岐阜16・岐阜17 |
| 関東・東海 | 静岡 | 5.0〜5.5(H2O)で生育良好 | 12〜19本 | 350(5年生150) | 静岡1 p.359 |
| 関東・東海 | 愛知 | 5.0〜5.8(土壌診断基準) | 20本 | 300 | 愛知1 p.Ⅳ【果樹】-22・愛知2 p.Ⅴ-8 |
| 近畿 | 大阪 | — | — | 200(成園、銀寄。傾斜20度、10aあたり労働時間54時間) | 大阪1・大阪2 p.10-16〜10-19・大阪3 p.6・p.9・p.11・p.13 |
| 近畿 | 兵庫 | — | — | 300(成園、銀寄・筑波・ぽろたん。10aあたり労働時間50時間) | 兵庫1 p.3-5・p.10・p.14-16・兵庫2・兵庫3 |
| 近畿 | 奈良 | 6.0を目標に苦土石灰を施用 | — | 350 | 奈良1 p.29 |
| 中国 | 岡山 | 5.0〜6.0(作物別の好適土壌pH) | — | — | 岡山1・岡山2 p.58 |
| 中国 | 山口 | — | 計画密植5×5m(40本)→成園時に20本へ間伐(1次間伐5×10m)。5年生までは30〜40本。4×2m密植の大苗育苗栽培は5年目頃から縮伐し6年目頃に4×4mへ(試験の値) | 250以上(銀寄・岸根。精果率90%以上・2L80%以上) | 山口1 p.79-91 |
| 四国 | 徳島 | 5.0を目標に矯正 | —(幼木の施肥は10aに30本植えが基準) | 350(県北地域の成木園) | 徳島1 p.1・徳島1 p.11・徳島1 p.17・徳島2 p.1 |
| 四国 | 愛媛 | — | — | 400 | 愛媛1 p.51・愛媛2 p.53-63・愛媛3 p.17-24 |
| 四国 | 高知 | 5.0〜5.5を目安に調整(石灰質資材は基肥1か月前までに施用・混和) | —(結果母枝の計算例は10aに40本植えを仮定) | 250 | 高知1 p.35・高知1 p.39・高知2 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 5.5前後(石灰質資材の多用は菌根菌の活動を下げる) | 10本/10a(10m×10m)。施肥基準の樹齢別は計画密植の4倍植え(40本)が基準 | 400 | 福岡1 p.42-43・福岡1 p.45・福岡2 p.77 |
| 九州・沖縄 | 佐賀 | 低めに保つ(マンガン要求度が高い。数値の記載なし) | — | 400 | 佐賀1 p.56・佐賀1 p.69・佐賀2 p.267-272 |
| 九州・沖縄 | 熊本 | — | 傾斜地の永久樹は慣行7m×7m(約20本)。若木からオールバック仕立てなら6m×6m(27本、間伐樹なし)。5m×5m(40本)は狭く間伐が必要。筑波の密植は96本程度で、4〜5年生から間伐予定樹を縮伐 | 300(成木収量0.3t/10a) | 熊本1・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本21・熊本22・熊本23・熊本25・熊本26・熊本27・熊本28・熊本29・熊本30・熊本32・熊本33・熊本34 |
| 九州・沖縄 | 大分 | 5.0〜5.5(H2O)。石灰飽和度も他の落葉果樹の適正値以下 | 当初植栽42本 | 450(12年生以上) | 大分1 p.61・大分2 |
| 九州・沖縄 | 宮崎 | 5.0〜5.5(H2O) | — | 400(15年生以上の目標収量)。県の経営目標は成園350kg/10a(低樹高仕立て) | 宮崎1 p.51-52・宮崎2・宮崎3・宮崎4 |
施肥量と施肥の時期
| 地域区分 | 都道府県 | 年間施肥量 N-P2O5-K2O(成木・kg/10a) | 施肥の時期と配分 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | 成木(8年生以上)8-6-8/幼木(5年生前後)5-4-5 | 融雪直後に全量を全面施用(分施の記載なし)。土壌診断で熱水抽出性窒素5.0mg/100g超ならN5に、トルオーグ法リン酸20mg/100g超ならP2O5 4に、交換性カリ30mg/100g超ならK2O 6に減らす。有機物を入れたら化学肥料相当分を上限に減肥 | 北海道1 p.175 |
| 関東・東海 | 茨城 | —(県の施肥基準にクリの表を確認できず)。化学肥料の窒素14.0 kg/10a(特別栽培の慣行レベル)。堆肥は牛ふん堆肥1t/10aが目安。参考(施肥量ではない):県の技術支援マニュアルにあるクリの養分吸収量は、収量478kg/10aで総吸収量N17.8・P2O5 4.7・K2O 10.3 kg/10a。クリ園の有効態リン酸(Truog)の土壌改善基準は5mg/100g | —(時期別配分は県資料で確認できず)。肥効調節型肥料・有機質肥料を使えば現行窒素量の20〜30%減肥が目安 | 茨城1 p.2,6,11-13・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5 p.6・茨城6 p.70-71・茨城7・茨城8・茨城10・茨城11・茨城12・茨城13・茨城14・茨城15・茨城16・茨城19・茨城22 |
| 関東・東海 | 栃木 | 15-11-13(成木。基肥12-11-11、追肥N3・K2)。化学肥料の窒素15 kg/10a(特別栽培の慣行レベル) | 基肥は12月上旬、追肥1回は6月中旬(図から読み取り)。成木は年間Nの8割を基肥に。黒ボク土が基準で、黒ボク土以外ではNを10〜15%増やす。結果樹にはオガクズ牛ふん堆肥1,000kg/10a(その分、基肥から窒素0.7・りん酸4.0・加里8.2kgを差し引く) | 栃木1 p.114-115・栃木2 |
| 関東・東海 | 群馬 | 16-16-16(成木。基肥8-16-8、追肥②4-0-4、追肥③4-0-4)。幼木5-5-5、未成木8-8-8 | 基肥①は収穫後の10月中旬頃、追肥②は7月上旬頃、追肥③は9月上旬頃(時期は作型模式図から読み取り)。牛ふんたい肥2t/10aを施用する場合は県の表により減肥量を基肥から差し引く | 群馬1 p.2-3 |
| 関東・東海 | 埼玉 | 16-8-16(基肥8-8-8、追肥4-0-4、追肥4-0-4) | 基肥2月中旬、追肥7月上中旬、追肥9月下旬。礼肥は収穫直後に施用する。基肥前に土壌診断。良質な堆肥1t/10a | 埼玉1 p.80・埼玉5・埼玉2・埼玉3・埼玉4 |
| 関東・東海 | 千葉 | N20程度(11年生以上の成木)。1〜3年生3、4〜5年生8、8〜10年生15。P2O5は基肥のみ、K2OはNと同量程度 | りん酸は吸収力が極めて強いので施用は基肥にとどめる。堆肥・家畜ふん尿で土壌の成分が高い場合は減量 | 千葉1 p.289・千葉2 |
| 関東・東海 | 東京 | 黒ボク土14-10-12(基肥8-10-8、追肥6-0-4)、褐色森林土・灰色低地土16-8-12(基肥10-8-8、追肥4-0-2、追肥2-0-2)。堆肥1,000kg | 基肥は12月上〜中旬頃、追肥(1)5月中旬頃、追肥(2)6月中旬頃(褐色森林土等のみ)(時期は図から読み取り)。収穫時の新梢長1.0〜1.5mを目安に窒素量を増減 | 東京1 p.6 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 16-12-15(10年生以上。①8-6-7、③8-6-8)。5年生9-5-8。特別栽培の慣行レベルは化学肥料N14.5(特別栽培の慣行レベル) | ①3月上旬頃、③11月中旬頃の2回(時期は作型模式図から読み取り。表頭は①が「基肥・礼肥」、③が「基肥」) | 神奈川1 p.23(PDF p.31)・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 石川 | —(施肥基準の記載なし。化学肥料由来Nの慣行は22kg/10a(特別栽培の慣行レベル)) | 流亡率が高い冬基肥の体系から秋肥+春肥の体系へ変え、窒素施用量を減らす。有機質肥料・肥効調節型肥料を使う | 石川1 p.2・石川2 p.33・石川3 |
| 東北・北陸 | 福井 | —(施肥基準の記載なし。化学肥料由来Nの慣行は12kg/10a(特別栽培の慣行レベル)) | — | 福井1 p.251-252・福井2・福井3 p.6 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 21.7-16.6-18.0(樹齢10年以上) | 基肥12〜2月にN15.3-P16.6-K11.6(年間Nの70%・リン酸全量・加里60%程度)、追肥6月中旬にN3.2・K3.2、追肥(礼肥)9月下旬〜10月上旬にN3.2・K3.2。追肥は速効性化学肥料。完熟堆肥2,000kg/10aを12月に。凍害を避けるため基肥(化成肥料や窒素の多い堆肥)は2〜3月施用が望ましい、幼木の基肥は3月(試験の値) | 岐阜1・岐阜2・岐阜3・岐阜4・岐阜5・岐阜6・岐阜7・岐阜8・岐阜9・岐阜10・岐阜11・岐阜12・岐阜13・岐阜14・岐阜15・岐阜16・岐阜17 |
| 関東・東海 | 静岡 | 12-6-8(成木) | 4月上旬N4・K2、6月上旬N2・K2、10月中旬N6・P6・K4。堆肥1,000〜2,000kg/10a。苦土石灰・有機資材・堆肥は1〜2月に投入。樹齢別は2年生2-2-2、5年生6-3-4 | 静岡1 p.359 |
| 関東・東海 | 愛知 | 14-10-10 | 基肥12月上旬N8-P10-K6、追肥1 6月下旬N3・K3、追肥2 9月上旬N3・K1。基肥は緩効性の有機質肥料等。速効性肥料なら年明け(1〜2月)に施用。未成木は1〜2年生N100・P50・K50g/本、3〜4年生N250・P150・K200g/本 | 愛知1 p.Ⅳ【果樹】-22・愛知2 p.Ⅴ-8 |
| 近畿 | 大阪 | —(化学肥料N7・リン酸5は特別栽培の慣行レベル) | — | 大阪1・大阪2 p.10-16〜10-19・大阪3 p.6・p.9・p.11・p.13 |
| 近畿 | 兵庫 | —(化学肥料由来N18.2は特別栽培の慣行レベル) | — | 兵庫1 p.3-5・p.10・p.14-16・兵庫2・兵庫3 |
| 近畿 | 奈良 | 12-10-13 | 元肥12月 N8・P10・K9(有機質・肥効調節型肥料が中心)、礼肥9月下旬 N4・K4(収穫直後にNK化成など)。幼木期は肥効調節型肥料主体で分施し、肥効を切らさない | 奈良1 p.29 |
| 中国 | 岡山 | —(参考:化学合成N 20(特別栽培の慣行レベル)) | — | 岡山1・岡山2 p.58 |
| 中国 | 広島 | —(参考:化学合成N 16.0(特別栽培の慣行レベル)。持続性の高い農業生産方式では化学合成N 12.8以下が目安) | —(たい肥(バークたい肥)1.5t/10a、粗大有機物1t/10a以上の施用が持続性の高い農業生産方式の目安) | 広島1 p.87・広島2 |
| 中国 | 山口 | 10-6-8(収量250kgが基準。地力で10〜20%増減)。樹齢別:1年生4-3-3、3・5年生7-4-5 | 元肥11〜2月にN60%・P100%・K75%(N6-P6-K6)、追肥6月下旬〜7月(梅雨明け前)にN20%・K25%(N2・K2)、秋肥9月にN20%(N2・速効性)。鶏ふんは12〜2月、浸透の早い化成は2月。5月は発育不良樹のみ追肥。堆肥等は3t/10aが目安 | 山口1 p.79-91 |
| 四国 | 徳島 | 15-9-12(県北)/県南は13-8-10 | 12月上旬 50%(N7.5・P4.5・K6.0)、7月上旬〜中旬 20%(N3.0・P1.8・K2.4)、9月中旬 30%(N4.5・P2.7・K3.6)。幼木は1〜2年N3・3〜4年N6・5〜6年N9・7〜8年N12・9年以上N15 | 徳島1 p.1・徳島1 p.11・徳島1 p.17・徳島2 p.1 |
| 四国 | 愛媛 | 20-12-16 | 基肥12月中旬 N12・P8・K8、夏肥6月下旬 N4・P2・K5、秋肥9月上旬 N4・P2・K3。被覆化成肥料を使う場合は1月下旬〜2月下旬にN18・P9・K10 | 愛媛1 p.51・愛媛2 p.53-63・愛媛3 p.17-24 |
| 四国 | 高知 | 16-10-9 | 基肥2月下旬 N9・P6・K5(有機質肥料・緩効性肥料主体)、追肥7月上旬 N3・P2・K2、礼肥 収穫終了直後 N4・P2・K2。吸収は3月上旬に始まり7月〜9月下旬がピーク | 高知1 p.35・高知1 p.39・高知2 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 18-11-18 | 基肥11月中旬〜下旬 N9.0(50%)・P11.0(100%)・K9.0(50%)、追肥3月上旬 N3.6・K1.8、7月上旬〜下旬 N3.6・K5.4、10月上旬 N1.8・K1.8。樹齢・収量別は1年N2、3年N4、5年(100kg)N10、7年(250kg)N14、9年以上(400kg)N18 | 福岡1 p.42-43・福岡1 p.45・福岡2 p.77 |
| 九州・沖縄 | 佐賀 | 15-10-12 | 基肥11月上旬〜下旬 53%、夏肥7月中旬 14%、秋肥9月上旬(収穫後)〜10月上旬 33% | 佐賀1 p.56・佐賀1 p.69・佐賀2 p.267-272 |
| 九州・沖縄 | 熊本 | —(施肥ガイドに数値表なし)。化学肥料N16(特別栽培の慣行レベル) | 元肥を12月〜2月に2回に分け、年間施肥量の大半を施す。実肥は6〜7月(新梢が伸びすぎた樹では控える)。収穫後に礼肥 | 熊本1・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本21・熊本22・熊本23・熊本25・熊本26・熊本27・熊本28・熊本29・熊本30・熊本32・熊本33・熊本34 |
| 九州・沖縄 | 大分 | 25-16-19(12年生以上・目標450kg)。化学肥料N16.0(特別栽培の慣行基準) | 成木:3月上旬20%、6月上中旬15%、9月上中旬15%、11月中旬〜12月上旬50%。2〜3年生は11月中〜12月上旬に40%、残り60%を6月中旬〜7月上旬に2〜3回に分施 | 大分1 p.61・大分2 |
| 九州・沖縄 | 宮崎 | 非火山灰土壌25-15-20、火山灰土壌22-13-17.5(15年生以上・目標400kg)。化学肥料N22(特別栽培の慣行レベル) | 5年生以上:基肥(12〜3月)N50%・P100%・K50%、追肥(6〜7月)N・K各20%、礼肥(9月)N・K各30%。4年生以下は基肥60%・追肥20%・礼肥20%。イタリアンライグラス草生ではNを3〜4割増施 | 宮崎1 p.51-52・宮崎2・宮崎3・宮崎4 |
| 九州・沖縄 | 鹿児島 | 化学肥料N14.0(特別栽培の慣行レベル、露地・県内全域) | — | 鹿児島1 |
せん定・夏季管理
| 地域区分 | 都道府県 | 仕立て・せん定の時期 | 夏季管理(新梢管理・下草管理・かん水) | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 北海道 | — | 土壌管理は部分草生が原則 | 北海道1 p.175 |
| 関東・東海 | 茨城 | 低樹高仕立てが基本で、高樹齢園は改植して低樹高化。超低樹高(茨城の密植並木植)はせん定位置1.5〜2mで脚立不要。結果母枝は1㎡あたり3〜4本(超低樹高)。超低樹高・超省力型樹形に向くのは丹沢・筑波で、利平・銀寄・岸根・神峰・美玖里は樹勢が強く不向き。ぽろたんは前年結果した太い枝(基部径7mm・先端径4mm以上)を中心に残し、前年結果枝7割・発育枝3割、樹冠1㎡あたり6本程度。美玖里は切り返しを避け間引き主体 | 夏季せん定は7月中旬頃、翌年使う量の2倍の発育枝を残して他を欠き取る(岐阜県方式の紹介)。雑草は草生栽培か機械除草。超低樹高園の除草は小型草刈機・刈払機。コウモリガ対策で4〜5月に株元を除草。収穫機を使う園は収穫期に草丈10cm程度に保ち、3cm以上のへこみをなくす | 茨城1 p.2,6,11-13・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5 p.6・茨城6 p.70-71・茨城7・茨城8・茨城10・茨城11・茨城12・茨城13・茨城14・茨城15・茨城16・茨城19・茨城22 |
| 関東・東海 | 栃木 | —(間伐で7〜8年生24本、成木12本に減らしていく) | — | 栃木1 p.114-115・栃木2 |
| 関東・東海 | 埼玉 | せん定は1月〜2月下旬(栽培暦から読み取り)。ぽろたんの主幹形密植栽培は側枝の更新を3年で1サイクルとし、初心者や高齢者でも同じ管理ができる(試験の値) | — | 埼玉1 p.80・埼玉5・埼玉2・埼玉3・埼玉4 |
| 関東・東海 | 千葉 | 低樹高仕立ては「長母枝法」。主枝・亜主枝を地上1.8〜2mに保って樹高3m程度で維持し、結実後の冬にせん定して、強い発育枝や前年結果枝を次の結果母枝にする。植え付け時は60〜100cmで切り戻し、5〜6年生で主幹を1.0〜1.5mで切る(芯抜き)。結果母枝は筑波・丹沢・石鎚が長さ50cm以上(丹沢は80cm以上)・基部径6mm以上・先端4mm以上で3〜5本/㎡。銀寄・利平は長母枝に向かず、前年結果枝の30〜50cmを6本/㎡。ぽろたんは前年結果枝30cm以上・基部7mm以上・先端4mm以上を6本/㎡。放任した高木は冬に高さ1〜2mで断幹し、日当たりのよい南側の木から2〜3年かけて進める | — | 千葉1 p.289・千葉2 |
| 関東・東海 | 東京 | 低樹高仕立て(3.5m以下)。せん定は12月中旬〜2月中旬頃(図から読み取り) | — | 東京1 p.6 |
| 関東・東海 | 神奈川 | — | 県の基準に果樹園の土壌管理(清耕法・草生法)の比較あり。草生は土壌流亡防止・腐植増加に効くが養水分競合がある | 神奈川1 p.23(PDF p.31)・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 村松産地は低樹高栽培を導入。筑波の成木は1年枝の先端径2.9mm以上なら1毬つく。側枝は不定芽から出た先端径2.9mm以上の1年枝を予備枝にし、先端1/4を切って着毬させながら優良結果母枝を確保する(せん定の時期は記載なし) | — | 新潟1 p.24・新潟2 p.31・p.56・新潟3・新潟4・新潟5・新潟6 |
| 東北・北陸 | 石川 | — | 草生栽培(せん定残さも利用)と完熟たい肥2t/10aの施用で土壌改善 | 石川1 p.2・石川2 p.33・石川3 |
| 関東・東海 | 長野 | 樹高が高いと薬液が届かず害虫の発生源になるので、樹高を下げるよう努める | — | 長野1 p.11-12(PDF p.13-14)・PDF p.16・長野2 PDF p.13・長野3・長野4 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 岐阜県方式の低樹高・超低樹高仕立て(短幹変則主幹形整枝)。整枝せん定は12月中旬〜2月下旬(図から読み取り)。超低樹高は成木後期の仕立て法で、着毬位置が慣行樹より1〜1.5m低い。超低樹高の結果母枝密度は2〜3本/㎡。ぽろたん成木前期は基部径7mm以上・先端部径4mm以上の前年結果枝を主体に樹冠1㎡あたり6本程度残す(試験の値) | 帯状草生で土壌流亡を防ぐ。ナギナタガヤ草生では3月中旬にナギナタガヤへ硫安20kg/10aを追肥。夏の高温・少雨対策に5〜6月、樹冠下(半径1.5m)へ木材チップ堆肥を厚さ15cmでマルチすると土壌水分の減少を40〜60%抑える(試験の値)。6月上旬・8月下旬・11月下旬に新梢長や葉色で樹勢を診断し追肥・礼肥・基肥の量を加減 | 岐阜1・岐阜2・岐阜3・岐阜4・岐阜5・岐阜6・岐阜7・岐阜8・岐阜9・岐阜10・岐阜11・岐阜12・岐阜13・岐阜14・岐阜15・岐阜16・岐阜17 |
| 関東・東海 | 静岡 | 冬季せん定1月上旬(図から読み取り) | 夏季せん定7月上旬(図から読み取り) | 静岡1 p.359 |
| 関東・東海 | 愛知 | せん定12月上旬(図から読み取り) | — | 愛知1 p.Ⅳ【果樹】-22・愛知2 p.Ⅴ-8 |
| 近畿 | 滋賀 | — | 草生栽培(ナギナタガヤなど一年生草種か雑草草生)。コウモリガ対策で4〜5月は除草 | 滋賀1 p.122・p.125・p.129・p.137 |
| 近畿 | 大阪 | カットバックで樹高を下げて防除しやすくする。枝葉を適度にせん定して密生を防ぐ。縮伐・改植で樹園地を整備 | 収穫期前の高温・乾燥による生理落果と、果実肥大期〜収穫期の高温によるシワ果を灌水で軽減 | 大阪1・大阪2 p.10-16〜10-19・大阪3 p.6・p.9・p.11・p.13 |
| 近畿 | 兵庫 | 低樹高仕立て(低樹高栽培=兵庫方式、丹波市)。適正なせん定で大果生産。放任園は大規模せん定・カットバックで再生 | — | 兵庫1 p.3-5・p.10・p.14-16・兵庫2・兵庫3 |
| 中国 | 広島 | — | —(機械除草・マルチ・対抗植物で化学合成農薬を減らす) | 広島1 p.87・広島2 |
| 中国 | 山口 | 整枝せん定12〜2月。4年生まで主幹形→5〜8年生で芯抜きし主枝2〜3本・樹高4m以下の開心自然形(傾斜地は斜面上側へオールバック)。成木は樹高3.5m以下、結果母枝(基部径7〜8mm以上)を1㎡6〜8本残す。高い成木は3.5mを目標に切り下げ。カットバック高接ぎは3〜4月。間伐・縮伐10月(隣接樹と樹冠間隔1m以上) | 5月中旬に心抜き後の徒長枝処理、6月下旬に強い徒長枝を間引き。除草は生育期間中最低3回(5月下旬・梅雨末期〜明け直後・8月の収穫準備)、敷草で乾燥防止。ナギナタガヤ草生(9〜10月に2kg/10a播種)。植付け後は十分かん水し発芽期まで乾燥させない | 山口1 p.79-91 |
| 四国 | 高知 | 冬季せん定。結果母枝は先端を切り返さず間引き主体(先端3芽程度に雌花)。予備枝は基部5〜10cmで切り返す。残す母枝は基部径6mm以上・先端3〜4芽部分の径3mm以上。母枝本数の目安は兵庫方式(樹高3.5m以下の低樹高)で石鎚5〜6本/㎡・筑波6〜7本/㎡・銀寄8本/㎡、超低樹高(改良型岐阜方式、樹高2.5m)で3本/㎡。変則主幹形:植付け時に60cmで切り返し、2年目に主枝候補3本、4年目以降は地上3.5mで切り縮める | 敷ワラ・敷草で土づくり | 高知1 p.35・高知1 p.39・高知2 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 密植による日照不足を避けるため早めに縮間伐(縮伐樹は施肥を減らす) | 草生栽培が基本だが草刈りで養水分の競合を避ける | 福岡1 p.42-43・福岡1 p.45・福岡2 p.77 |
| 九州・沖縄 | 佐賀 | 剪定時の傷口に保護剤を塗る。クリタマバチ被害枝は天敵保護のため4月上旬まで園内に置いてから処分 | — | 佐賀1 p.56・佐賀1 p.69・佐賀2 p.267-272 |
| 九州・沖縄 | 熊本 | 冬季せん定。超低樹高整枝(せん定作業高2〜2.5m)は2年程度かけて改造し、改造後は側枝を頻繁に更新。傾斜地の樹形改造は若木はオールバック、成木は傾斜自然形で目標樹高3〜4m、樹高の高い園はパラソルカット(いずれも約3年で改造)。優良結果母枝は長さ30〜80cm・基部径6mm以上・先端3mm以上(ぽろたんは基部7mm以上・先端4mm以上を樹冠1㎡当たり6〜8本、美玖里は成園で1㎡当たり7本)。幼木期は結果母枝の先端1/5を切り返す(ぽろたんは晩霜常襲地では3月下旬に) | 清耕は樹勢が衰えやすいので草生栽培。草種はイタリアンライグラスが最適(クリとは別に草へ施肥)。草生園ではコウモリガが増えるので幼木の主幹周りを除草。利平栗の若木は雄花開花10日前〜開花期に新梢先端1/3を摘心して結果母枝を増やす | 熊本1・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本21・熊本22・熊本23・熊本25・熊本26・熊本27・熊本28・熊本29・熊本30・熊本32・熊本33・熊本34 |
| 九州・沖縄 | 宮崎 | 低樹高剪定を台風被害軽減のために普及(県計画) | 山野草等を敷草に利用。イタリアンライグラス等の草生ではN増施 | 宮崎1 p.51-52・宮崎2・宮崎3・宮崎4 |
発芽・開花期と主な病害虫
| 地域区分 | 都道府県 | 発芽・開花期 | 主な病害虫と時期 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 関東・東海 | 茨城 | 展葉期は4月下旬〜5月上旬(ぽろすけ4/22、ぽろたん4/27、筑波4/29、丹沢4/30、美玖里5/1、石鎚5/3)。雌花満開は6月上旬〜中旬(ぽろすけ6/9、筑波6/14、丹沢6/14、石鎚6/15、美玖里6/17)。雄花満開は6月上旬〜中旬(試験の値・笠間の園芸研究所) | クリタマバチ(4月に虫えい形成、6月下旬〜7月中旬に成虫脱出。天敵蜂を保護)、モモノゴマダラノメイガ(成虫は6月中旬・8月上旬・9月上旬の年3回、被害は7月下旬以降。防除は早生8月上・中旬、晩生9月上・中旬)、クリシギゾウムシ(幼虫が果実から出始めるのは早生で9月下旬、中生10月上旬、晩生10月中下旬)、胴枯病、炭疽病、疫病、コウモリガ(4〜5月にふ化)、クスサン・マイマイガ(越冬卵)、クリイガアブラムシ | 茨城1 p.2,6,11-13・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5 p.6・茨城6 p.70-71・茨城7・茨城8・茨城10・茨城11・茨城12・茨城13・茨城14・茨城15・茨城16・茨城19・茨城22 |
| 関東・東海 | 群馬 | 発芽は4月中旬頃(作型模式図の△から読み取り) | — | 群馬1 p.2-3 |
| 関東・東海 | 埼玉 | 開花は5月下旬〜6月中旬頃(栽培暦から読み取り) | — | 埼玉1 p.80・埼玉5・埼玉2・埼玉3・埼玉4 |
| 関東・東海 | 千葉 | — | シロスジカミキリ・コウモリガ:樹齢とともに幹・主枝の被害が目立つ(目安は15年生ごろ)。被害や強風で主枝が折れたら断幹・切り戻しし、被害が激しい園は隣に更新樹を植えて順次切り替える。低樹高の徹底したせん定はクリタマバチの寄生密度を下げ、実炭そ病の耕種的防除になる(時期の記載なし) | 千葉1 p.289・千葉2 |
| 関東・東海 | 東京 | 発芽3月中〜下旬頃、開花5月下旬〜6月上旬頃、落葉11月下旬頃(図から読み取り) | — | 東京1 p.6 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 発芽は4月中旬頃(作型模式図から読み取り) | 節減対象農薬の慣行使用回数は6成分回(特別栽培の慣行レベル) | 神奈川1 p.23(PDF p.31)・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 平年値(試験の値):展葉 筑波・石鎚4/25、美玖里4/26。雌花満開 筑波6/12・石鎚6/13・美玖里6/15、雄花満開 筑波6/15・石鎚6/18・美玖里6/20 | クリタマバチ:導入天敵チュウゴクオナガコバチが県内全域に定着。天敵を殖やすため、せん定枝は5月5日ころまで園内に置いてから処分し、5月20日ころまで殺虫剤散布を控える。カツラマルカイガラムシ(多雪地の新規害虫):年2世代。防除適期の1齢幼虫盛期は第1世代7月第3半旬前後、第2世代9月第3半旬〜10月第1半旬(年次差15日程度)。第2世代は2齢にならず越冬するので休眠期防除も有効。モモノゴマダラノメイガ:成虫の簡易な発生消長把握技術あり | 新潟1 p.24・新潟2 p.31・p.56・新潟3・新潟4・新潟5・新潟6 |
| 東北・北陸 | 石川 | — | 紋羽病等の土壌病害(未熟たい肥を避けて防ぐ)。化学合成農薬の慣行は成分8回(特別栽培の慣行レベル) | 石川1 p.2・石川2 p.33・石川3 |
| 東北・北陸 | 福井 | — | 胴枯病(病斑は見つけ次第削り取る)・実炭疽病(毬果肥大期〜成熟期の7月中旬〜8月下旬)・クスサン(休眠期に卵塊を集める、生育期は若齢幼虫を捕殺)・コウモリガ(4〜6月)・クリイガアブラムシ(6月)・カミキリムシ類(6月下旬〜8月上旬)・ネスジキノカワガ(第2世代成虫の産卵最盛期6月下旬〜7月上旬)・クリタマバチ(発芽直前、成虫の羽化脱出期7月上〜中旬)・モモノゴマダラノメイガ(8月上旬〜9月中旬。早生8月上〜中旬・中生8月中〜下旬・晩生8月下旬〜9月上旬)・クリシギゾウムシ(成虫羽化期の8月下旬〜9月中旬)・クリミガ(9月に成虫羽化、9月下旬以降収穫の晩生で被害多い) | 福井1 p.251-252・福井2・福井3 p.6 |
| 関東・東海 | 長野 | — | カイガラムシ類(カツラマルカイガラムシ)は増殖が早く多発すると枝や樹が枯れる。防除は休眠期〜発芽前(3月中旬に散布した試験)。モモノゴマダラノメイガはきゅう果・果粒に寄生し、第1世代成虫が出る8月上旬頃から防除(品種・地域によってはもっと早く) | 長野1 p.11-12(PDF p.13-14)・PDF p.16・長野2 PDF p.13・長野3・長野4 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 開花は6月中旬(図から読み取り)。中津川で発芽期 筑波3/22・丹沢3/25、雌花開花盛期 筑波6/11・丹沢6/13・えな宝月6/17(2019〜2023年、試験の値) | クリシギゾウムシ(中津川で羽化は8月下旬〜9月上中旬。中晩生品種で被害が多く、早生品種はほとんど被害なし。羽化盛期予測日に立木防除)・カミキリムシ類・カイガラムシ類(樹勢診断前に被害確認)・凍害(幼木) | 岐阜1・岐阜2・岐阜3・岐阜4・岐阜5・岐阜6・岐阜7・岐阜8・岐阜9・岐阜10・岐阜11・岐阜12・岐阜13・岐阜14・岐阜15・岐阜16・岐阜17 |
| 近畿 | 滋賀 | — | クリタマバチ(虫こぶの付いたせん定枝は焼かずに株元へ置いて天敵を保護し、5月中旬まで殺虫剤を控える)・クリシギゾウムシ(9〜10月に被害果を処分)・カミキリムシ類・キクイムシ・コウモリガ(食入孔に針金を差し込んで捕殺)・かいよう病(強風後) | 滋賀1 p.122・p.125・p.129・p.137 |
| 近畿 | 京都 | — | クリシギゾウムシ:収穫後の氷蔵で殺虫できる(トレーに20kgずつ載せる方法が効率的、試験の値) | 京都2・京都3・京都4 |
| 近畿 | 大阪 | 発芽は4月上旬頃、開花は6月上旬頃(図から読み取り) | 胴枯病(凍害・乾燥・害虫の食入痕から侵入)・実炭疽病(早生種に多い、7〜9月)・カツラマルカイガラムシ(冬期防除が重点、幼虫は第1世代6月下〜7月中旬・第2世代9月中〜10月中旬)・モモノゴマダラノメイガ(幼虫ふ化期8月中〜下旬)・コウモリガ(4〜5月に除草、5〜6月上旬)・カミキリムシ類(産卵〜幼虫期6〜7月)・クリシギゾウムシ(成虫9月上〜10月上旬)・キクイムシ類(越冬成虫の食入4〜5月)・クリタマバチ(天敵の羽化3〜4月、成虫6月下〜7月中旬) | 大阪1・大阪2 p.10-16〜10-19・大阪3 p.6・p.9・p.11・p.13 |
| 中国 | 島根 | — | クスサン:越冬卵が4月中旬〜5月上旬にふ化、5月頃から幼虫が新葉を食害、7月中旬に繭、成虫9月下旬〜10月中旬。クリイガアブラムシ:展葉期にふ化、6月中旬の開花期に幼いイガへ移動。クリタマバチ:4月頃から幼虫が再発育、5月下旬〜6月中旬蛹、成虫は6月下旬〜7月中旬に虫こぶから脱出・産卵、ふ化8月上旬。モモノゴマダラノメイガ:成虫5月下旬〜6月下旬・7月中旬〜8月中旬・9月上〜中旬の3回、クリへは7月以降の第1・第2世代が径3cmのイガに産卵(若齢幼虫がイガを食べている時期が防除時期)。クリミガ:成虫8月末〜9月中旬、幼虫は10月下旬以降に果実から脱出。クリシギゾウムシ:成虫9月上旬〜10月中旬に羽化・産卵、幼虫は10月中旬頃から脱出(2〜3年に1回発生) | 島根1・島根2・島根3・島根4・島根5・島根6 |
| 中国 | 広島 | — | 主な病害虫は胴割れ病・炭そ病・クリタマバチ・クリミガ・クリシギゾウムシ(時期の記載なし) | 広島1 p.87・広島2 |
| 中国 | 山口 | 4月上旬催芽期・雌花分化期、4月中旬展葉期、6月上旬開花期、7月上旬雄花分化期 | クリタマバチ:成虫の羽化・脱出期に防除。天敵チュウゴクオナガコバチ保護のため、せん定枝は4月末まで園内に置き5月末までに園外処分。クリイガアブラムシ:雌花開花期から防除。炭そ病:早生7月下旬・中生8月上旬・晩生8月下旬に防除、枯れ枝を除く。クリシギゾウムシ・クリミガ:生育期の防除を徹底し、収穫後の取り残し果を処分。貯蔵前に氷結温度(−2〜−3℃で16日以上)や蒸熱(47℃40分)で殺虫 | 山口1 p.79-91 |
| 四国 | 愛媛 | — | モモノゴマダラノメイガ:フェロモントラップで年4回のピーク(6月上旬=越冬世代・7月上旬・8月上〜中旬・10月上旬。3年平均)。クリの被害果初見は9月5日(2006・2008年)、早い年は7月13日(2007年)。越冬幼虫は樹上に残った被害毬果内で越冬し4〜5月に蛹化、5月中下旬に羽化。クリシギゾウムシ:産卵は筑波で9月上〜中旬、石鎚で9月中〜下旬(試験の値)。防除適期は9月上・中旬 | 愛媛1 p.51・愛媛2 p.53-63・愛媛3 p.17-24 |
| 四国 | 高知 | 雌花の花芽形成は開花前の4月頃、雄花の花芽は前年7月頃 | クリタマバチ(樹勢を強く保つ・強せん定で寄生しにくい、天敵チュウゴクオナガコバチ)。ネスジキノカワガ:雌花肥大初期の6月中下旬に見回り、糞を噴出した雌花が1割を超えたら防除(モモノゴマダラノメイガとは同時防除できない)。モモノゴマダラノメイガ:毬果肥大期に防除、冬に樹上・園内に残ったイガを処分。シロスジカミキリ・ゴマダラカミキリ:産卵6〜7月・成虫脱出5〜7月、地際1m内外の産卵痕を潰す。炭そ病:枯れ枝除去・毬果肥大期の防除 | 高知1 p.35・高知1 p.39・高知2 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 発芽期4月中旬・開花期5月下旬・新梢伸長期6月上旬(図から読み取り) | 炭疽病(果実):感染5月下旬〜9月下旬、6月と9月上旬が山。モモノゴマダラノメイガ成虫:5月下〜6月中旬・8月上旬・9月上旬の3山。シロスジカミキリ:成虫脱出5月上〜7月上旬、産卵6月中〜8月上旬。クリタマバチ成虫:6月上〜7月上旬(6月中旬が山)。ネスジキノカワガ成虫:4月・6月中旬・7月中旬・8月下〜9月上旬(すべて図から読み取り) | 福岡1 p.42-43・福岡1 p.45・福岡2 p.77 |
| 九州・沖縄 | 佐賀 | — | クリタマバチ:発芽直前に防除。キクイムシ類:3月上旬〜4月上旬(発芽前)または5月中〜下旬(成虫食入期)。クリイガアブラムシ:6月上〜中旬(落花後)。モモノゴマダラノメイガ:第2世代幼虫ふ化期、早生7月下旬〜8月中旬・中晩生8月上中旬〜9月上旬。実炭疽病:7月下旬〜8月中旬(果実肥大期)。クリシギゾウムシ:中晩生の成熟期9月上中旬。クリミガ:成虫8月下旬〜9月中旬、幼虫は10月下旬頃から果実を出て越冬。カツラマルカイガラムシ:7月(第1世代幼虫)・9月(第2世代)・11月下旬〜12月上旬。胴枯病・斑点病は耕種的対策 | 佐賀1 p.56・佐賀1 p.69・佐賀2 p.267-272 |
| 九州・沖縄 | 熊本 | 発芽期3月中〜下旬(ぽろたん幼木で3/21、試験の値)。展葉期4月上〜中旬。雌花開花盛期:ぽろたん5/26・利平栗5/26・美玖里5/30(試験の値) | クリタマバチ(天敵チュウゴクオナガコバチが3月下旬〜4月中旬に羽化)、ネスジキノカワガ(ぽろたんで6月中旬に虫糞が出始めたら防除)、モモノゴマダラノメイガ(5月中旬〜6月上旬・7月上中旬・8月上中旬・9月上中旬の年4回、8月上旬の防除が最も有効)、クリシギゾウムシ(標高500m以上は9月10日以前、300〜400mは9月20日頃から加害。200m未満では少ない)、実炭疽病・黒色実腐病(ぽろたんの腐敗の主因) | 熊本1・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本21・熊本22・熊本23・熊本25・熊本26・熊本27・熊本28・熊本29・熊本30・熊本32・熊本33・熊本34 |
| 九州・沖縄 | 宮崎 | —(令和2年は丹沢の発芽期が平年並み、他品種は5〜10日早かった) | — | 宮崎1 p.51-52・宮崎2・宮崎3・宮崎4 |
収穫期
| 地域区分 | 都道府県 | 収穫期(品種・作型別) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 関東・東海 | 茨城 | ぽろすけ・丹沢は9月上旬〜中旬(盛り9/6〜9/9)。大峰は9月中旬、ぽろたんは9月中旬〜下旬(盛り9/17)、利平は9月下旬〜10月上旬。筑波は9月下旬〜10月中旬(盛り10/3)、石鎚・美玖里は10月上旬〜中旬(盛り10/9)、岸根は10月中〜下旬(試験の値) | 茨城1 p.2,6,11-13・茨城2・茨城3・茨城4・茨城5 p.6・茨城6 p.70-71・茨城7・茨城8・茨城10・茨城11・茨城12・茨城13・茨城14・茨城15・茨城16・茨城19・茨城22 |
| 関東・東海 | 栃木 | 8月下旬〜10月上旬(図から読み取り) | 栃木1 p.114-115・栃木2 |
| 関東・東海 | 群馬 | 9月上旬〜10月上旬頃(作型模式図から読み取り) | 群馬1 p.2-3 |
| 関東・東海 | 埼玉 | 9月(栽培暦から読み取り)。県の産地紹介では出荷時期は9月中旬〜10月上旬(日高市) | 埼玉1 p.80・埼玉5・埼玉2・埼玉3・埼玉4 |
| 関東・東海 | 東京 | 8月下旬〜9月下旬頃(図から読み取り) | 東京1 p.6 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 9月上旬〜10月上旬頃(作型模式図から読み取り) | 神奈川1 p.23(PDF p.31)・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 収穫の始〜盛〜終(平年・試験の値):筑波9/23〜9/30〜10/6、美玖里9/25〜10/1〜10/6、石鎚9/30〜10/6〜10/11。秋峰は石鎚よりやや早い。10月以降に収穫した品種は冷蔵貯蔵し、11月〜年末に貯蔵栗として出荷 | 新潟1 p.24・新潟2 p.31・p.56・新潟3・新潟4・新潟5・新潟6 |
| 関東・東海 | 岐阜 | えな宝来8月下旬〜(丹沢より10日程度早い)、丹沢9/4〜9/16、えな宝月・えな大豊9/13〜9/27頃、筑波9/21〜10/6、美玖里9/27〜10/8(中津川、試験の値)。標準技術体系の筑波は9月下旬〜10月中旬(図から読み取り) | 岐阜1・岐阜2・岐阜3・岐阜4・岐阜5・岐阜6・岐阜7・岐阜8・岐阜9・岐阜10・岐阜11・岐阜12・岐阜13・岐阜14・岐阜15・岐阜16・岐阜17 |
| 関東・東海 | 静岡 | 9月(上〜下旬、図から読み取り) | 静岡1 p.359 |
| 関東・東海 | 愛知 | 9月中旬〜10月中旬(図から読み取り) | 愛知1 p.Ⅳ【果樹】-22・愛知2 p.Ⅴ-8 |
| 近畿 | 大阪 | 9月中旬〜10月上旬(図から読み取り) | 大阪1・大阪2 p.10-16〜10-19・大阪3 p.6・p.9・p.11・p.13 |
| 近畿 | 兵庫 | 9〜10月(慣行レベルの主な収穫期間) | 兵庫1 p.3-5・p.10・p.14-16・兵庫2・兵庫3 |
| 中国 | 島根 | —(主産地の津和野町・金城町の集荷所の調査日は9月上旬〜10月中旬) | 島根1・島根2・島根3・島根4・島根5・島根6 |
| 中国 | 山口 | 早生8月下旬〜、中生9月中〜下旬、晩生10月中〜下旬。ぽろすけ8月下旬〜9月上旬、丹沢9月上旬、国見・ぽろたん9月上中旬、筑波・紫峰9月下旬、銀寄・美玖里9月下旬〜10月上旬、石鎚10月上〜中旬、岸根10月中〜下旬 | 山口1 p.79-91 |
| 四国 | 愛媛 | 大峰9/10・銀寄9/25・石鎚10/6(2008年、大洲市での収穫調査日。試験の値) | 愛媛1 p.51・愛媛2 p.53-63・愛媛3 p.17-24 |
| 四国 | 高知 | 8〜10月(露地) | 高知1 p.35・高知1 p.39・高知2 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 9月上旬〜下旬(主な収穫期)。病害虫図では収穫期9月中旬 | 福岡1 p.42-43・福岡1 p.45・福岡2 p.77 |
| 九州・沖縄 | 熊本 | 丹沢8/20〜9/5(盛8/30)、ぽろたん8/26〜9/9(盛9/4)、杉光8/25〜9/13(盛9/3)、筑波9/10〜9/30(盛9/20)、利平栗9/10〜10/2(盛9/21)、美玖里9/20〜10/7(盛9/30)(試験の値) | 熊本1・熊本2・熊本3・熊本4・熊本5・熊本6・熊本7・熊本8・熊本9・熊本10・熊本11・熊本13・熊本14・熊本15・熊本16・熊本17・熊本18・熊本19・熊本20・熊本21・熊本22・熊本23・熊本25・熊本26・熊本27・熊本28・熊本29・熊本30・熊本32・熊本33・熊本34 |
各県の資料にある注意点
- 北海道:土壌診断は前年秋に行う
- 茨城:栽培面積・生産量とも全国一だが、高樹齢化と管理放棄園で収量・品質が不安定。収穫対象外の果実も含めて毎日拾い、園外で処分する(クリシギゾウムシ対策)。クリタマバチの新しい虫えいは切らずに残し、古い虫えいは5月に回収する。剪定枝は5月上旬まで園内に残す。展葉期の降霜を避けた園地を選ぶ。ぽろたんは国見と混植しない。収穫機で収穫したクリは加工用が前提
- 栃木:苦土石灰やようりんなどの土づくり肥料は、土壌診断で不足している場合に施す。収量と栽植本数は目安なので樹勢に応じて加減する
- 群馬:樹齢に応じて栽植本数を48→33→12本/10aと減らす設計
- 埼玉:苦土・石灰は土壌中の成分と酸度を考慮して施用。ぽろたんは日高市で果皮が黒くなる黒変果が問題で、交換性石灰が低い園に石灰資材を施すと減る傾向がある(試験の値)。16g以下の小さい実にシワ果が多いが、軽症なら渋皮の剥けやすさも食味も健全果と同等(重症は食味がやや劣る)。他品種の混入は、実の座の幅や鬼皮の接線付近のざらつきで見分けられる
- 千葉:深根性で有効土層60cm以上、理想は100cm以上。地力依存度が高く腐植と窒素が特に重要なので堆肥・稲わらなど有機物を施用。アルカリ性土壌では生育が良くない。肥沃な火山灰土壌が多く、岐阜・兵庫発祥の超低樹高栽培では樹勢が強くなりすぎて着果が不安定になる傾向があり、県は樹高をやや高めにした長母枝法を勧める
- 東京:堆肥は樹冠下に施用。収穫後は土壌診断に従い土壌改良資材を堆肥とともに施用
- 新潟:催芽期の耐凍限界は-4.0℃。美玖里は12月になっても枯れ葉が落ちず枝に残るので雪害に注意し、果頂部の裂果も筑波・石鎚よりやや多い。秋峰は樹姿がやや直立し落葉が12月上旬なので雪害を受けにくい(収量性はやや低い)
- 石川:能登北部の山間部、国営農地開発事業の造成地が中心。腐植が少なく保肥力が低いので継続的な土壌改善が必要。担い手の高齢化で老木化・樹勢の衰弱による生産性低下が問題。ほ場排水対策・粗皮削りなど耕種防除を徹底
- 福井:空イガ・発病毬果・落葉・せん定枝は感染源・越冬場所になるので回収して園外で処分。クリタマバチは新梢の伸びが少ないと寄生しやすいので、やや強めのせん定と適切な施肥で樹勢を維持し、抵抗性品種を選ぶ。実炭疽病は極早生・晩生品種で少ない。県内のくりは栽培面積6ha・生産量2t(令和元年度)と小規模。化学合成農薬の慣行は成分8回
- 長野:栽培適地の目安は年平均気温7℃以上、4〜10月平均15℃以上、冬季最低極温-15℃以上。展葉期の降霜で新梢が枯死するので降霜の少ない所、平年の最大積雪深がおおむね2m以下の所(国の基準の引用)。栗菓子業者等の実需者と連携し食味の良い優良品種を中心に栽培
- 岐阜:晩霜常習地帯を避ける。有効土層60cm以上(できれば1m)、帯水に弱いので排水対策を徹底。幼木の凍害で50%以上枯死した地域もあり、株ゆるめ(11月上〜下旬)・高畝高盛+透湿性マルチ(9〜10月被覆、3月下旬〜4月上旬除去)・全層破砕で対策。11月下旬の窒素施用は耐凍性を下げる。中晩生品種は毎日収穫(間隔3日以上で利用に支障のある食入果が20%以上)、収穫後は速やかに出荷か冷蔵。受粉のため異品種を混植(ぽろたんの授粉樹に美玖里なら混植率50%基本)。自走式収穫機向きのイガ落ち性は品種で差があり、えな宝来・ぽろたんは高く、えな宝月・利平ぐりは低い(試験の値)
- 静岡:苦土石灰の過剰施用に注意。堆肥の肥料成分は施肥量から差し引く
- 滋賀:台風などの強風で枝が擦れたり折れたりした後はかいよう病が出やすい。防風施設は3月中旬に、南側を基本に設置(減風効果は50%程度)
- 京都:府内のくり生産量は最盛期の昭和53年1,500トンから令和2年度の約100トンへ減った。老齢木化やせん定などの管理不足による小粒化と病虫害果が課題で、新植・改植、整枝・せん定、施肥、病害虫防除を推進している。氷蔵は1週間でも食味が上がり、糖度の低い国見がぽろたんと同等の食味になった(試験の値)
- 大阪:胴枯病対策に無病苗・浅植え・高接苗・根際の土盛り・幹のわら巻き・適正施肥。日焼け防止に太枝や幹へ石灰乳を塗る。クリタマバチの天敵(チュウゴクオナガコバチ)を守るため、せん定枝は羽化期まで残す。冬にイガ・落葉・せん定枝・枯草を土中深く埋めて園を清潔に
- 兵庫:丹波地域では新植後の凍害による枯死が問題で、耐凍性台木の普及が必要。水田転換園など排水の悪い平坦地は心土破砕・明きょで排水を改善し、幼木期は11月に油圧ショベルで株ゆるめ(11月処理で12〜3月の耐凍性が続く、試験の値)。適地の目安は年平均気温7℃以上、4〜10月の平均15℃以上、冬期の最低極温−15℃以上、発芽・展葉期に降霜が少ないこと
- 和歌山:かつらぎ町などで観光農園を中心に栽培(栽培技術の県資料は見つからず)
- 島根:傾斜園地が多く生産者の高齢化率も高いため立木防除が難しく、収穫後の防除が重点。津和野町・金城町では2015〜16年にクリシギゾウムシ被害果の発生時期が前進化し、ピーク時の被害果率は10.1〜45.4%(試験の値)。収穫果を−1〜−2℃で2週間以上置くと被害が減った(試験の値)。クリシギゾウムシは収穫の遅い品種・標高の高い園で多い
- 岡山:特別栽培の慣行レベルは節減対象農薬8成分回・化学肥料N20kg/10a
- 広島:北部地帯・南部地帯の傾斜畑での栽培が多く、土壌侵食対策と粘質土壌の排水対策が必要。粗大有機物で部分改良を行う。特別栽培の慣行レベルは節減対象農薬11成分回・化学肥料N16.0kg/10a
- 山口:20年以上の老木は改植。ぽろたんは異品種混入を避けるため新改植が基本で、高接ぎは台木品種の新梢が残らないよう注意。炭そ病は国見・丹沢に多く銀寄・岸根・石鎚に少ない。接木位置は凍害回避のため30cm以上。早生種は発芽・腐敗しやすく長期貯蔵に向かず、長期貯蔵は筑波・石鎚・岸根。収穫後すぐ果実温10℃以下に予冷し0〜5℃・湿度80%以上で冷蔵。傾斜地(8〜15度)は作業道、急傾斜(15〜25度)はテラス
- 徳島:堆肥は落葉果樹でおがくず牛ふん堆肥1,000kg/10a(豚ぷん500・鶏ふん250)が施用基準。化学肥料の窒素15kg/10a・節減対象農薬10回(特別栽培の慣行レベル)
- 愛媛:無防除の石鎚ではモモノゴマダラノメイガの被害果率が年30.8〜47.3%、5年平均約40%(大洲市・試験の値)。無防除区の被害果率は品種・年で差があり、2008年は大峰46.9%・銀寄21.6%・石鎚35.1%(試験の値)。被害毬果内で越冬するため樹上の被害毬果が翌年の発生源になる
- 高知:自家不和合性があるので別品種を混植。落果を毎日1回以上拾う(乾燥・野ネズミ対策)。貯蔵は年内なら4〜5℃、3月までなら0〜−1℃。リン酸は菌根菌のおかげで少なめでよい。天敵の移動は県内に限る
- 福岡:菌根菌と共生するので多肥を避ける。幼木は窒素吸収が強く徒長・遅伸びで凍害や胴枯病に弱くなるので多肥を避ける。成木は樹勢が落ちると回復が難しい。苗木育成は10,000〜15,000本/10a
- 佐賀:腐植が少ないと多肥でも生育が悪い。幼木は全量基肥。基肥が遅れると生理障害が急増するので11月施用を守る。森早生・丹沢・筑波は実炭疽病が出やすい。クリタマバチ抵抗性は森早生・銀寄・国見が強く、丹沢・筑波が次ぐ。収穫後に落ちた果実・イガを10月中旬までに処分(クリシギゾウムシ・クリミガ対策)。マンガンの少ない園はマンガン入り資材を施す
- 熊本:県内クリ園の8割が傾斜地。施肥量が慢性的に不足しがちなので基準どおり施す。温暖化で発芽期が20年前より6〜10日早まり、晩霜害に注意。8月下旬の旬平均最高気温が32℃を超えると丹沢・杉光で腐敗果が多発するため、一文字に裂開した毬を枝を軽く叩いて収穫。2024年の高温少雨で丹沢の健全果率が17〜36%に低下。毎年せん定した低い樹は台風の落毬が少ない。水田転換園は高畝・溝切りで排水対策。晩生の美玖里はクリシギゾウムシ常発地域に導入できない。収穫後は速やかに0℃で冷蔵(50日以上でクリシギゾウムシ被害をほぼ抑制)
- 大分:安価な有機物を多量(4t/10a)に投入する
- 宮崎:陽性樹で日照不足では生育が衰え結実が減る。深根性で有効土層が深く保水性・排水性のよい土壌を好む。石灰吸収は多いがpHが高いのを嫌う。石灰質資材は苦土石灰60〜100kg/10aを目安に土壌診断で決める。火山灰土壌は非火山灰土壌より施肥量を約10%減らす。腐植質火山灰土壌はリン酸固定に注意
資料どうしで違うところ
施肥の時期
基肥を入れる時期が、県によって秋から春まで割れています。北海道は融雪直後に年間の全量を全面に施し、分施の記載はありません。群馬は収穫後の10月中旬頃に基肥(N8-P16-K8)を入れ、追肥は7月上旬頃と9月上旬頃(各N4・K4)です(図から読み取り)。佐賀は11月上〜下旬に年間の53%を施し、基肥が遅れると生理障害が増えるので11月施用を守るよう書いています。福岡は11月中旬〜下旬にNの50%、大分は11月中旬〜12月上旬に50%です。
12月に入れる県は、栃木(上旬、年間Nの8割)、愛知(上旬)、徳島(上旬に年間の50%)、愛媛(中旬にN12、年間Nの6割)、奈良です。熊本は12月〜2月に2回に分けて年間の大半を施し、宮崎は12月〜3月に50%、山口は11月〜2月にNの60%です。埼玉は2月中旬、高知は2月下旬に基肥を入れます。岐阜は標準技術体系が12月〜2月ですが、新しい普及カードは凍害を避けるため2〜3月の施用をすすめ、11月下旬の窒素施用は耐凍性を下げるとしています。
神奈川は3月上旬頃と11月中旬頃にそれぞれN8を入れる2回施肥で、静岡は4月上旬のN4、6月上旬のN2、10月中旬のN6(秋肥が主体)です。石川は、流亡率が高い冬基肥の体系から、秋肥と春肥の体系へ切り替えて窒素を減らすよう書いています。追肥と礼肥の時期は、6月に入れる東京・栃木・岐阜・愛知・愛媛、7月に入れる埼玉・群馬・高知・徳島・佐賀・福岡と、これも県で分かれます。
窒素量
成木の年間窒素(kg/10a)は、北海道N8、山口N10、静岡N12、奈良N12、愛知N14、東京N14〜16、栃木N15、徳島N15(県南はN13)、佐賀N15、群馬・埼玉・神奈川・高知N16、福岡N18、千葉N20程度、愛媛N20、岐阜N21.7、宮崎N22〜25(火山灰土壌が22、非火山灰土壌が25)、大分N25です。山口は収量250kgが基準でN10、大分は12年生以上の目標450kgでN25、岐阜は9年生の目標500kgでN21.7と、目標収量が高い県ほど多い傾向があります。ただし前提の品種・土壌が違うので、数字だけでは比べられません。
施肥基準が見つからず、慣行レベルだけの県もあります。窒素の慣行レベルは、大阪N7、福井N12、鹿児島N14.0、茨城N14.0、神奈川N14.5、徳島N15、熊本N16、広島N16.0、大分N16.0、兵庫N18.2、岡山N20、宮崎N22、石川N22です。慣行レベルは実際の使用量の調べで、施肥基準ではありません。山口の施肥基準N10に対して、岡山の慣行レベルはN20、広島はN16.0と、差が大きく出ています。
栽植本数と目標収量
栽植本数(10aあたり)は、福岡が10本(10m×10m)、群馬と栃木の成木が12本、静岡が12〜19本、愛知が20本、熊本の傾斜地の慣行が7m×7m(約20本)、東京が30本(低樹高仕立て、樹高3.5m以下)、埼玉と岐阜が40本(岐阜は5×5m)です。茨城の低樹高栽培は4.5m×4.5mで48本(試験の値)、山口は計画密植5×5m(40本)で、成園になったら20本に間伐します。群馬は48本、33本、12本と、樹齢に応じて減らす設計です。
目標収量(kg/10a)は、大阪が200(銀寄、傾斜20度)、北海道・山口・高知が250、茨城・栃木・熊本・兵庫・愛知が300、徳島・静岡・奈良が350、埼玉・福岡・愛媛・佐賀・神奈川と宮崎(施肥基準)が400、大分が450、岐阜が500(9年生)と幅があります。宮崎は施肥基準が400、県の経営目標が成園350と、資料によっても違います。
土壌pH
目標のpHは、徳島が5.0、栃木・千葉・東京・高知・静岡・大分・宮崎・石川・新潟が5.0〜5.5、福岡が5.5前後、愛知が5.0〜5.8、岐阜が5〜6前後、岡山が5.0〜6.0、奈良が6.0です。千葉はpH5.0以下の強酸性で障害が出るとし、佐賀はマンガン要求度が高いのでpHを低めに保つとしています。福岡は石灰質資材を多く入れると菌根菌の活動が下がると書いています。
凍害への備えとわら巻き
幹の保護について、大阪は胴枯病対策として、無病苗・浅植え・高接苗・適正施肥とあわせて、根際の土盛りと幹のわら巻きをすすめています。今回集めた資料でわら巻きに触れているのは大阪だけで、ほかの県は、凍害で幼木が枯れる問題を、別の方法で防ぐ書き方です。
岐阜は幼木の凍害で50%以上枯死した地域もあるとして、11月の株ゆるめ、高畝高盛と透湿性マルチ、樹列間の全層破砕をすすめます。兵庫の丹波地域は新植後の凍害による枯死が問題で、耐凍性台木の普及と、11月の株ゆるめが12〜3月の耐凍性を保つこと(試験の値)を書いています。山口は凍害を避けるため接木位置を30cm以上にし、福岡は幼木に多肥をすると徒長して凍害や胴枯病に弱くなるとしています。
作業ごとのポイント
低樹高・超低樹高のせん定
主産地の多くが、収穫と防除の手間を減らすため、樹を低く保つ仕立てを書いています。茨城の超低樹高は脚立なしでせん定できる1.5〜2mで切り、結果母枝は1㎡あたり3〜4本です。岐阜の超低樹高は成木後期の仕立て法で、着毬位置が慣行樹より1〜1.5m低く、母枝は2〜3本/㎡です。高知は低樹高(樹高3.5m以下)で石鎚5〜6本・筑波6〜7本・銀寄8本/㎡、超低樹高(樹高2.5m)で3本/㎡とします。山口の成木は樹高3.5m以下で、母枝を1㎡に6〜8本残します。
品種によって向き不向きがあり、茨城は超低樹高に向くのは丹沢・筑波で、利平・銀寄・岸根・神峰・美玖里は樹勢が強く向かないとしています。ぽろたんは、茨城が前年に結果した太い枝(基部径7mm以上・先端径4mm以上)を中心に樹冠1㎡あたり6本程度、熊本が6〜8本残すとしています。熊本の傾斜地では、高すぎる樹を約3年かけてオールバックやパラソルカット、傾斜自然形に改造します。熊本の幼木は結果母枝の先端を切り返しますが、12〜1月に切ると発芽が早まって晩霜害を受けやすいため、晩霜の常襲地では3月下旬に行います。
クリタマバチと天敵蜂
クリタマバチは、天敵のチュウゴクオナガコバチを守ることが防除の中心で、せん定枝の置き場所が県で書かれています。熊本はせん定枝を4月中旬まで園内に置いて4月下旬までに焼却し、佐賀は4月上旬まで、山口は4月末まで園内に置いて5月末までに園外へ出します。茨城は5月上旬まで、新潟は5月5日ころまで置き、新潟は5月20日ころまで殺虫剤を控えるとしています。滋賀は5月中旬まで殺虫剤を控えます。
成虫が虫えいから出るのは、茨城・島根・大阪で6月下旬〜7月中旬、福井で7月上〜中旬、福岡で6月上旬〜7月上旬です。茨城は、薬剤では防ぎにくく天敵蜂を使う方法が有効としています。新潟は天敵が県内全域に定着しており、高知は樹勢を強く保つ・強めにせん定すると寄生しにくいとしています。
モモノゴマダラノメイガ
成虫の発生回数と時期は資料で少しずつ違います。茨城は年3回(6月中旬・8月上旬・9月上旬)で被害は7月下旬以降、島根は5月下旬〜6月下旬・7月中旬〜8月中旬・9月上〜中旬の3回、愛媛のトラップは6月上旬・7月上旬・8月上〜中旬・10月上旬の4回、熊本は5月中旬〜6月上旬・7月上中旬・8月上中旬・9月上中旬の4回です。熊本は8月上旬の防除が最も有効とし、愛媛は無防除の石鎚で被害果率が年30.8〜47.3%に達しました(試験の値)。
防除時期は品種の熟期で変わります。茨城は早生が8月上・中旬、晩生が9月上・中旬、福井は早生8月上〜中旬・中生8月中〜下旬・晩生8月下旬〜9月上旬、佐賀は早生7月下旬〜8月中旬・中晩生8月上中旬〜9月上旬です。愛媛では、被害毬果の中で幼虫が越冬するため、樹上に残ったイガが翌年の発生源になります。
クリシギゾウムシ
成虫の羽化・産卵は、岐阜の中津川で8月下旬〜9月上中旬、福井で8月下旬〜9月中旬、島根で9月上旬〜10月中旬、愛媛の筑波で9月上〜中旬・石鎚で9月中〜下旬です(試験の値を含む)。収穫の遅い品種ほど被害が多く、岐阜は早生品種はほとんど被害がないとしています。熊本は標高で時期が違い、500m以上は9月10日以前、300〜400mは9月20日頃から加害し、200m未満では少ないとしています。
対策は収穫後の処理が中心です。茨城は、虫害果・黒変果・裂果など出荷しない果実からも幼虫が4〜15日で出てくるので、毎日拾って園外で処分するとしています。岐阜は中晩生品種を毎日収穫します。島根は傾斜園地が多く立木防除が難しいため、収穫後の防除を重点にしています。
凍害と晩霜
新潟は催芽期の耐凍限界を−4.0℃としています。宮城は2021年4月の低温による凍霜害で、くりにも被害が出たと記録しています(宮城は果樹凍霜害の記録の1行だけです)。熊本は発芽期が20年前より丹沢で10日、筑波で6日早まったとして、晩霜害に注意するよう書いています。長野と兵庫は、栽培の適地の目安に、年平均気温7℃以上、4〜10月の平均気温15℃以上、冬の最低極温−15℃以上をあげています。
積雪地では、新潟の美玖里が12月になっても枯れ葉が枝に残るので雪害に注意が必要で、秋峰は落葉が12月上旬で樹姿がやや直立し、雪害を受けにくいとしています。長野は平年の最大積雪深がおおむね2m以下の所を適地とします(国の基準の引用)。
収穫と貯蔵(氷温など)
収穫の間隔と予冷が、品質に関わります。岐阜は、食入果が利用に支障のある20%以上になるのは収穫の間隔が3日以上あいたときとして、中晩生品種の毎日収穫をすすめます。熊本は8月下旬の旬平均最高気温が32℃を超えると丹沢・杉光で腐敗果が増えるため、一文字に裂開した毬を枝を軽く叩いて収穫します。熊本は2024年の高温少雨で、丹沢の健全果率が17〜36%に下がりました。
貯蔵は、山口が収穫後すぐ果実温10℃以下に予冷して0〜5℃・湿度80%以上で貯蔵し、早生は長期貯蔵に向かず、筑波・石鎚・岸根が向くとしています。高知は年内なら4〜5℃、3月までなら0〜−1℃です。熊本は0℃で50日以上冷蔵するとクリシギゾウムシの被害をほぼ抑えられ、30日以上でクリミガの被害も抑えられます。島根は収穫果を−1〜−2℃で2週間以上置くと被害が減り、茨城は−3℃で高電圧をかけた冷蔵庫に21〜28日入れると幼虫を防除でき、糖度も上がりました(いずれも試験の値)。
氷蔵は、京都がトレーに20kgずつ載せる方法を効率的とし、1週間の氷蔵で糖度の低い国見がぽろたんと同等の食味になったと報告しています(試験の値)。新潟は10月以降に収穫した品種を冷蔵し、11月〜年末に貯蔵栗として出荷します。山口の資料は貯蔵温度を、重点推進事項では0〜5℃、作業暦では0〜2℃の密封貯蔵と、2か所で違う書き方をしています。
品種の組み合わせと受粉
くりは自家不和合性があり、高知は別品種を混植するよう書いています。岐阜はぽろたんの受粉樹に美玖里を使い、混植率は50%が基本です。熊本はぽろたんの受粉樹に利平栗・美玖里が向くとする一方、ぽろたんは異品種の混入を避けるため、収穫期の重なる品種との混植をしないとしています。山口はぽろたんの受粉樹にぽろすけか、収穫期の違う石鎚・岸根を使います。茨城はぽろたんを国見と混植しないとしています。
茨城の品種構成は、早生30%、中生53%、晩生17%(令和2年)で、中生の筑波が中心です。県の目標(令和12年)は中生50%・晩生20%です。新潟は五泉市村松・阿賀町で、早生の丹沢・ぽろたん、中生の筑波・利平、晩生の石鎚、村松特産の手手打をリレーで出荷します。
資料が見つからなかった都道府県
青森・岩手・宮城・秋田・福島・山梨・富山・三重・長崎・香川・沖縄・鳥取は、くりの栽培資料を確認できませんでした(2026年10月時点)。宮城と青森は、県の指導指針にくりの章があることを目次で確認しましたが、農林水産省のポータルに載っているのは他の樹種だけで、くりの章は公開されていません。宮城の「みやぎの果樹指導指針」は目次に「くり」の章がありますが、中身は見られませんでした。青森の特産果樹栽培指導要項にも、くりの節が目次にあるだけです。
岩手は施肥管理指針の果樹欄にくりがなく、秋田は果樹指導指針にくりがありません。秋田の西明寺栗(仙北市)は、県のサイトで栽培資料を見つけられませんでした。福島は施肥基準と土壌肥料技術指針にくりがなく、山梨は農作物施肥指導基準の果樹目次にくりがありません。富山は防除・施肥の慣行レベルに、三重は施肥基準・適正施肥の手引き・特別栽培の慣行レベルに、長崎は農林業基準技術の品目別施肥基準に、香川は土づくりの手引きと慣行レベルに、くりがありません。沖縄は農林水産省のポータルにさとうきびの指針しかなく、鳥取は施肥基準・特別栽培の慣行基準ともにくりの記載がありません。
行はあるものの、内容が薄い県もあります。山形は品種別の栽培面積(平成29年産で丹沢84.9ha・丹波58.9ha・筑波24.2ha)だけで、和歌山はかつらぎ町などの観光農園の産地情報だけです。京都は、ぽろたんの試験成果、氷蔵の試験成果、丹波くりの紹介ページの3本だけで、施肥量や作業時期は府の資料から見つかりませんでした。長野は主産地ですが、県計画と普及に移す技術(防除の試験)が中心で、施肥量・せん定・収穫期を書いた県の資料は見つかりませんでした。鹿児島は慣行レベルだけで、滋賀・奈良は栽培暦やせん定の資料が見つかりませんでした。兵庫は施肥基準が見つからず、島根は病害虫と研究報告だけです。
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出典一覧
表の「根拠」「出典」の略称と資料の対応です。
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- 島根5:島根県農業技術センター「病害虫データベース クリ:クリイガアブラムシ」
- 島根6:島根県農業技術センター「研究報告第46号「島根県におけるクリシギゾウムシ被害発生時期と防除対策」」、2019年
- 岡山1:岡山県「岡山県における慣行レベル一覧(令和8年2月改正)」、2026年
- 岡山2:岡山県「土壌診断と土づくりの手引き 第4章 土壌分析結果の評価と改良対策(1)」
- 広島1:広島県農林水産局農業技術課「広島県持続性の高い農業生産方式導入指針(令和5年4月改正)」、2023年
- 広島2:広島県「特別栽培農産物の表示に係る比較の基準(地域慣行レベル)(令和元年10月改正)」、2019年
- 山口1:山口県「令和7年度 果樹栽培指導指針 10 くり」、2025年
- 徳島1:徳島県「主要農作物施肥基準 果樹(第10回改訂)」、2021年
- 徳島2:徳島県「徳島県慣行レベル別表(令和8年3月改正)」、2026年
- 愛媛1:愛媛県農林水産部農業振興局農産園芸課「愛媛県施肥基準(令和8年度版)」、2026年
- 愛媛2:愛媛県農林水産研究所果樹研究センター「研究報告第1号「各種落葉果樹におけるモモノゴマダラノメイガ発生消長調査とクリでの本種の薬剤防除」」、2009年
- 愛媛3:愛媛県立果樹試験場「研究報告第22号「クリシギゾウムシの産卵時期及びモモノゴマダラノメイガを含めたクリ立木防除」」、2008年
- 高知1:高知県「高知県施肥基準」、2013年
- 高知2:高知県農業振興部(こうち農業ネット)「クリの主な作業」、2022年
- 福岡1:福岡県農林水産部経営技術支援課「福岡県果樹施肥基準」、2023年
- 福岡2:福岡県「病害虫・雑草防除の手引き【3-5】果樹(防除方法の試験研究成果等・病害虫防除暦)」、2025年
- 佐賀1:佐賀県「佐賀県施肥・雑草防除のてびき 03_果樹の施肥(令和8年度版)」、2026年
- 佐賀2:佐賀県「佐賀県病害虫総合防除計画 Ⅳ果樹(ぶどう・かき他)」、2025年
- 熊本1:熊本県農林水産部「くまもとグリーン農業を進める施肥ガイド2013 3-4果樹」、2014年
- 熊本2:熊本県「熊本県慣行レベル(特別栽培農産物 化学肥料・化学合成農薬)令和5年3月」、2023年
- 熊本3:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業研究成果情報No.42 クリの超低樹高化と省力的せん定法」、2000年
- 熊本4:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業の新しい技術No.100 傾斜地クリ園の樹形改造法」、1991年
- 熊本5:熊本県球磨農業研究指導所「農業の新しい技術No.33 パラソルカットによるクリの樹形改造」、1989年
- 熊本6:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業の新しい技術No.151 低樹高くり栽培での優良結果母枝の選び方」、1992年
- 熊本7:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業の新しい技術No.648 クリ「ぽろたん」の高品質安定生産に適した優良結果母枝の資質と本数」、2011年
- 熊本8:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.801 クリ「美玖里」における雌花の着生が多い優良な結果母枝の資質」、2017年
- 熊本9:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業の新しい技術No.770 クリ「美玖里」の間伐方法と適正結果母枝数」、2026年
- 熊本10:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.528 クリ「ぽろたん」における早期成園化のための苗木育成法と幼木期の枝梢管理法」、2011年
- 熊本11:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.663 クリ「ぽろたん」の幼木期における結果母枝の切り返し時期」、2014年
- 熊本12:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.950 クリ「美玖里」は幼木期に結果母枝を切り返すと収量が増加する」、2021年
- 熊本13:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業の新しい技術No.599 クリ新品種「ぽろたん」の特性」、2008年
- 熊本14:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業研究成果情報No.513 クリ「ぽろたん」の受粉樹に適する高品質・多収性の新品種「美玖里(みくり)」」、2011年
- 熊本15:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業の新しい技術No.657 クリ「ぽろたん」の受粉樹には「利平栗」「美玖里」が適する」、2012年
- 熊本16:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業の新しい技術No.482 くり推奨品種「杉光」の特性」、2001年
- 熊本17:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.428 気候の温暖化によりクリの生育が早まる」、2009年
- 熊本18:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業研究成果情報No.756 クリシギゾウムシのクリ果実への加害時期と収穫期直前の立木防除による被害抑制効果」、2016年
- 熊本19:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業の新しい技術No.197 クリシギゾウムシの発生推移と発生地域」、1993年
- 熊本20:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.664 球磨地域でのクリ「ぽろたん」におけるモモノゴマダラノメイガの被害軽減対策」、2014年
- 熊本21:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.802 クリ「ぽろたん」におけるネスジキノカワガの虫糞を指標とした防除適期」、2017年
- 熊本22:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業の新しい技術No.407 クリタマバチの天敵であるチュウゴクオナガコバチの利用」、1998年
- 熊本23:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.527 クリの成熟期における高温と毬果の裂開程度が腐敗果発生に及ぼす影響」、2011年
- 熊本25:熊本県農業研究センター球磨農業研究所・果樹研究所「農業研究成果情報No.1127 早生品種クリ「丹沢」は高温少雨の気象条件下で健全果率が低下する」、2025年
- 熊本26:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.1128 令和6年台風10号によるクリの落毬実態」、2025年
- 熊本27:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.1085 水田転換園にクリを栽植する場合は排水対策の実施により苗木の初期生育が良好となる」、2024年
- 熊本28:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業研究成果情報No.43 クリ園の草生栽培のための適正草種」、2000年
- 熊本29:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.74 くり密植栽培における間伐予定樹の処理法」、2001年
- 熊本30:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業の新しい技術No.406 摘心処理による利平栗の結果母枝増加法」、1998年
- 熊本32:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業研究成果情報No.702 クリ果実の冷蔵期間とクリシギゾウムシおよびクリミガによる被害との関係」、2015年
- 熊本33:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業研究成果情報No.665 クリ「ぽろたん」での腐敗果軽減のための収穫方法」、2014年
- 熊本34:熊本県農業研究センター果樹研究所「農業研究成果情報No.842 クリ「ぽろたん」の果実腐敗の主要因は黒色実腐病である」、2018年
- 熊本36:熊本県農業研究センター球磨農業研究所「農業の新しい技術No.522 クリの大苗密植栽培による早期成園化」、2003年
- 大分1:大分県「主要農作物施肥及び土壌改良指導指針 第4章7(2)落葉果樹」、2011年
- 大分2:大分県「大分県における化学肥料及び化学合成農薬の慣行基準(令和7年10月29日)」、2025年
- 宮崎1:宮崎県農政水産部営農指導課・宮崎県土壌肥料対策協議会(農林水産省 都道府県施肥基準等に掲載)「主要作物の施肥基準 4 果樹」、1999年
- 宮崎2:宮崎県「宮崎県農作物栽培慣行基準(令和7年5月時点)」、2025年
- 宮崎3:宮崎県「宮崎県果樹農業振興計画(令和4年3月作成)」、2022年
- 宮崎4:宮崎県総合農業試験場「令和2年度 業務年報」、2022年
- 鹿児島1:鹿児島県「「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に関する慣行レベル(令和8年3月26日改訂)」、2026年
- 千葉2:千葉県農林水産技術会議「技術指導資料 クリの低樹高仕立てのせん定方法」、2018年
- 埼玉2:埼玉県農業技術研究センター「ひと目でわかる新技術2022 栗品種「ぽろたん」の果皮黒変果低減対策」、2022年
- 埼玉3:埼玉県農業技術研究センター「新技術情報2014 早期成園化が可能なクリ「ぽろたん」の主幹形密植栽培法」、2014年
- 埼玉4:埼玉県農林総合研究センター園芸研究所「新技術情報 渋皮が剥けやすいニホングリ「ぽろたん」の生産・利用技術」、2010年
- 埼玉5:埼玉県農林部農業ビジネス支援課「埼玉農産物ポータルサイト SAITAMAわっしょい! くり」、2026年
- 茨城22:茨城県農業総合センター「生産資材費高騰に対する技術支援マニュアル(表II-3-6 リン酸の減肥の考え方・表II-3-9 作物の養分吸収量)」、2022年