ももの栽培暦・年間作業表【全国まとめ】29道府県の施肥・せん定・摘果・収穫時期を比較

  • 10月 1, 2026
  • 10月 1, 2026
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ももの施肥・せん定・摘果・収穫の時期は、都道府県ごとに別々の施肥基準や栽培指針に書かれていて、まとめて比べられる場所がありません。この記事では、29道府県の公的資料(74本)から時期と数値を拾い、全国の比較表と、主産地向けの標準的な年間作業表にまとめました。どの値にも出典の県と資料を付けています。

全体を見ると、基肥を入れる時期は県によって約4か月違い、神奈川・福島の9月から、長野・千葉・栃木の11月下旬〜12月、京都の12月まで分かれます。成木の年間窒素量も、岐阜・栃木の10kg/10aから大分(わい性台木)の20kg/10aまで2倍の差があります。同じ川中島白桃でも、収穫は山梨の8月上中旬から秋田・鹿角の9月中旬まで1か月以上ずれます。

ももの年間作業表・都道府県比較(Excel)をダウンロード

Excelには、年間作業表(実施日を書く欄つき)、29道府県の比較表、出典一覧の3つのシートがあります。

ほかの作物の栽培暦・年間作業表は栽培暦・年間作業表の全国まとめにまとめています。

この記事の調べ方

  • 対象:都道府県と県の試験場・普及組織が公開している施肥基準、栽培指針、栽培マニュアル、試験研究の成果。農林水産省「都道府県施肥基準等」に掲載されている県の資料を含みます
  • 使い方:資料の表やレイアウトは転載せず、時期と数値などの事実だけを拾って組み直しました。図の栽培暦から読み取った値は「図から読み取り」と書いています
  • 農薬:使い方を推奨しないため、薬剤名は書いていません
  • 古い資料:宮城は1993年、京都は2000年(雨よけ栽培)の資料です。長野の満開・収穫始めの平年値は、県の予測資料の予測日と平年差から逆算した値です
  • 調査日:2026年10月1日。資料は改訂されることがあるので、最新の内容は各資料で確認してください

全国の時期の早見

  • 満開:和歌山の日川白鳳が3月30日(2018〜20年平均)、山梨果樹試験場は4月7〜10日、福島市のあかつき4月19日、寒河江4月22日、秋田・鹿角のあかつき4月26日〜5月8日
  • 早生の収穫:和歌山の日川白鳳は6月下旬(盛期6月19日)、山梨果樹試験場は6月30日〜7月5日
  • あかつきの収穫盛期:福島市8月4日、寒河江8月5日
  • 川中島白桃の収穫:山梨8月7〜17日、福島8月中旬から、長野(須坂)8月24日から、寒河江の盛期8月29日、宮城9月上中旬、鹿角9月8〜13日
  • 基肥:東北(山形・青森)は9月下旬〜10月上旬、山梨・和歌山は10月中旬〜11月上旬、長野・千葉・栃木は11月下旬〜12月

標準の年間作業表(主産地の露地栽培)

山梨・福島・長野・山形・和歌山・岡山・山口などの主産地の資料をもとにした、露地栽培の標準的な作業表です。暖地と東北では開花・収穫が1か月ほどずれるので、自分の地域に近い県の時期に直してください。「根拠」の略称は記事末尾の出典一覧に対応しています。

月 旬 作業 内容・目安 品種・作型 根拠
1月 上〜下旬 冬季せん定 中・短果枝は切り返さず間引きが中心。成木の落葉期は短果枝60%・中果枝20〜30%・長果枝10〜20%が目安。和歌山は12〜1月に年間せん定量の70%(樹勢が強い樹)〜90%(弱い樹)を切る。福島のジョイントV字樹形は1〜2月 共通 山梨1(図から読み取り)・山梨5・和歌山3・福島2
1月 上〜下旬 若木のせん定は避ける 若木は胴枯病を防ぐため、年内と年明けの厳冬期にせん定しない(長野)。寒冷地は大きな切り口を作らない 若木 長野3・秋田1
2月 上〜下旬 冬季せん定の仕上げ・園内整備 明きょ・暗きょの点検と修理、防風樹・防風ネットの手入れ(せん孔細菌病対策) 共通 山口・和歌山2・長野3
2月 下旬〜3月上旬 春肥(分施する県のみ) 福島は2〜3月にN2kg/10a。長野の傾斜地・砂質土は基肥窒素の20%を雪解け後なるべく早く。秋田は3月下旬〜4月上旬に春肥 寒冷地・砂質土 福島1・長野2・秋田1
3月 上旬〜発芽前 摘蕾 蕾の先が赤みを帯びたころが作業しやすい。長果枝は中央部に6〜7蕾、中果枝3〜4蕾、短果枝は先端に2〜3蕾。下向きの蕾を残す 花粉のある品種 山梨4・福島2・山口
3月 中旬〜4月上旬 摘蕾・摘花の程度 最終着果量の2〜3倍まで早めに減らすと着果調節の手間がおよそ半分になる。花粉のない品種(川中島白桃など)と凍霜害が出た年はやらない 共通 山梨9・福島3・山口
3月 中旬〜下旬 発芽 和歌山 3月中下旬、福島市 3月24日、寒河江 3月19日(平年) 共通 和歌山2・福島5・山形3
4月 上旬 開花(暖地・甲府盆地) 満開は和歌山の日川白鳳 3月30日、山梨果樹試の白鳳 4月8日、川中島白桃 4月10日 暖地・山梨 和歌山5・山梨3
4月 中旬〜下旬 開花(東北・長野) 満開は福島市のあかつき 4月19日、寒河江 4月22日、長野(須坂)4月23〜24日、鹿角 4月26日〜5月8日 寒冷地 福島5・山形3・長野4・秋田2
4月 開花期 人工受粉 花粉のない品種(川中島白桃・浅間白桃・おかやま夢白桃・ゆめかおりなど)は人工受粉するか、授粉樹を20%以上混植。山口は4〜5分咲きと満開期の2回 花粉のない品種 山口・宮城1・岡山7・山梨3
4月 開花期〜幼果期 晩霜対策 あかつきの安全限界温度は花蕾赤色期〜満開期で−2.5℃前後、落花期〜幼果期で−2.1℃(福島)。幼果の霜害は外から見えないので、摘果の前に果実を切って確認する 共通 福島5
4月 下旬〜5月 春型枝病斑の切除 せん孔細菌病の伝染源を落花期ごろから摘果に合わせて2〜3回切り取る。風当たりの強い園は防風ネット 共通 長野3・和歌山2・山形4
5月 上旬〜中旬 予備摘果 満開後15〜25日ごろ。最終着果量の1.5〜3倍を残し、上向きの果実や傷果から落とす。花粉のない品種は遅めに 共通 山口・山梨8・福島3・山形4
5月 中旬〜6月上旬 仕上げ摘果 満開後40〜50日ごろ。葉の枚数で早生20葉・中生25葉・晩生30葉に1果(山口)。中晩生は葉80枚に1果で大玉が増える(山梨)。硬核期(6月上旬ごろ)に入る前に終える 共通 山口・山梨8・山梨10・福島2・山形5・宮城1
5月 下旬〜6月上旬 袋掛け 仕上げ摘果の後。早生 5月下旬、中晩生 6月上旬(山梨)。白桃系は生理的落果が多いので5月末〜6月上旬(山口)。岡山の白桃は果皮を白く仕上げるため収穫まで袋のまま。日川白鳳など無袋の品種・産地もある 有袋栽培 山梨1(図から読み取り)・山口・宮城1・岡山1・香川
5月 下旬〜6月上旬 ねん枝・新梢摘心 新梢が木化する前。ジョイントV字樹形は満開後50日ごろ(硬核期前)までに1回摘心 共通 和歌山3・福島2
6月 上旬〜7月上旬 硬核期の注意 この間は強い摘果や強い夏季せん定を避ける(核割れ・生理落果が増える)。窒素も効かせない(長野は9月の礼肥まで窒素を施さない) 共通 山形5・福島5・長野2
6月 中旬〜下旬 収穫(極早生・早生・暖地) 和歌山の日川白鳳 6月下旬(収穫盛期6月19日)、山梨果樹試の日川白鳳 6月30日〜7月5日。反射シートは収穫7〜10日前 早生 和歌山2・和歌山5・山梨3
6月 以降 かん水 梅雨明け後に晴天が続けば5〜7日おきに20mm程度。収穫10日前からは控える 共通 和歌山1・岡山4
7月 上旬 除袋・新梢管理 除袋は地色が抜けて淡緑白色になったころ(収穫まで約2週間)。徒長枝を整理し、樹冠下に光が20%前後入る程度に。硬核期が終わったら修正摘果で双胚果・核割れ果を落とす 有袋品種 山梨8・山梨7・宮城1・山形6
7月 上旬〜下旬 収穫(中生) 白鳳は和歌山 7月上中旬、山梨 7月16〜23日、長野 8月1日から。清水白桃は岡山・和歌山で7月下旬〜8月上旬 中生 和歌山2・山梨3・長野4・岡山2
7月 下旬〜8月中旬 収穫(あかつき) 福島市の収穫盛期 8月4日、寒河江 8月5日。早朝から始め、午前10時までに終える(秋田) あかつき 福島5・山形3・秋田1
8月 上旬〜下旬 収穫(晩生) 川中島白桃は山梨 8月7〜17日、福島 8月中旬から、長野 8月24日から、寒河江の盛期 8月29日 晩生 山梨3・福島4・長野4・山形3
8月 中旬〜下旬 礼肥(早生・中生) 年間の約20%。和歌山 8月中下旬、山梨の早生 8月下旬(N3-P4-K3) 早生・中生 和歌山1・山梨1
8月 下旬〜9月 台風対策・極晩生の収穫 枝を誘引・結束し、排水を整える。ゆめかおり(9月10〜21日)など9月に収穫する品種は台風の被害を受けやすい 共通 山口・山梨3
9月 上旬〜中旬 秋季(夏期)せん定 樹勢の強い樹で、徒長枝を20cmほど残して切る(日焼け防止)。10月だと効果が薄く、早すぎると二次伸長する 樹勢の強い樹 山梨6・和歌山3・福島2
9月 上旬〜中旬 礼肥(中晩生)・秋肥 山梨の中晩生 9月上旬、長野は収穫後9月に年間窒素の20%程度。福島は9月の秋肥から基肥体系に入る 中晩生 山梨1・長野2・福島1
9月 下旬〜10月 基肥(東北) 山形は9月下旬〜10月上旬に年間の80%、青森は10月上旬に80% 東北 山形1・青森
10月 中旬〜11月上旬 基肥(山梨・和歌山) 山梨の早生 10月中旬・中晩生 10月下旬、和歌山は10月中旬〜11月上旬に80%。苦土石灰は9月下旬〜10月上旬 山梨・和歌山 山梨1・和歌山1
10月 〜12月 土壌改良・堆肥 堆肥は翌年に遅れて効かないよう9〜12月に。和歌山は10〜1月に1〜2t/10a 共通 長野2・和歌山1・岡山3
11月 〜12月 基肥(長野)・冬肥(福島) 長野は11〜12月に窒素の80%とリン酸・カリ全量。福島は11〜12月に冬肥 長野・福島 長野2・福島1
11月 〜12月 苗木の植付け(暖地) 暖地は秋植えがよい(2月下旬〜3月上旬に発根が始まる)。寒冷地は凍害を避けて春植え 共通 和歌山2・山形2
12月 上旬〜 冬季せん定の開始・幼木の凍害対策 暖地は12月からせん定。寒冷地は幼木の幹を防寒資材で巻き、白塗剤を塗る 共通 山口・和歌山3・山形2・秋田1

都道府県別の比較

「—」はその県の資料に記載がない項目です。「図から読み取り」は栽培暦の図から読んだ値で、±1旬ほどずれることがあります。県の基準は品種や目標収量、土壌の前提が違うので、数字だけを単純に比べず、自分の地域に近い県の資料を確かめてください。

主要品種・土壌pH・栽植本数・目標収量

地域区分 都道府県 主要品種(資料に載る品種) 土壌pH 栽植本数(10aあたり・成木) 目標収量(kg/10a) 出典
東北 福島 はつひめ・暁星・あかつき・まどか・川中島白桃・ゆうぞら — 20本(7×7m)。ジョイントV字樹形は125〜167本 日川白鳳・暁星 2,400/あかつき 2,600/川中島白桃・ゆうぞら 3,000 福島1・福島2・福島3・福島4・福島5
東北 山形 あかつき・まどか(花粉あり)・川中島白桃(花粉なし) — — 3,200 山形1・山形2・山形3・山形4・山形5・山形6
東北 宮城 あかつき・川中島白桃・ゆうぞら・日川白鳳など(1993年時点) 6.0〜7.0(主要根群域) 18本(8×7m)〜24本(7×6m) 2,200〜2,500 宮城1・宮城2
東北 青森 — 5.5〜6.0 — — 青森
東北 秋田 あかつき・川中島白桃・日川白鳳・ゆうぞらなど(鹿角) — 約20本(7×7m) — 秋田1・秋田2
東北 岩手 大久保(施肥基準の対象) 5.5 — 加工用 4,000/生食用 2,000 岩手
甲信・北陸 山梨 早生 日川白鳳・加納岩白桃・みさか白鳳、中晩生 白鳳・浅間白桃・川中島白桃・ゆうぞら など 5.5〜6.0 早生 12〜20本、中晩生 12〜18本 早生 2,500/中晩生 3,000 山梨1・山梨2・山梨3・山梨4・山梨5・山梨6・山梨7・山梨8・山梨9・山梨10
甲信・北陸 長野 白鳳・あかつき・なつっこ・川中島白桃 — — — 長野1・長野2・長野3・長野4
甲信・北陸 新潟 — 5.5〜6.0 — — 新潟
甲信・北陸 福井 中晩生種(施肥基準例) 5.5〜6.0 — — 福井
関東 栃木 日川白鳳・あかつき・川中島白桃 5.5〜6.0 12本(1〜5年は48本、6〜7年は24本) 2,000〜3,000 栃木
関東 群馬 白鳳 — 20本(10年以上) 2,600〜3,000 群馬1・群馬2
関東 千葉 — 6.0〜6.5(海成砂質土) 21〜28本 1,500 千葉
関東 神奈川 白鳳 — 30〜40本 2,500(10年以上) 神奈川
東海 岐阜 白鳳(飛騨・東濃 標高300〜800m) — 開心自然形 6×6m、斜立主幹形 4.5×5m 2,500 岐阜
東海 愛知 日川白鳳・白鳳 5.4〜6.2 30本 2,700 愛知1・愛知2
近畿 和歌山 竜門早生・日川白鳳・白鳳・清水白桃・川中島白桃、新品種のさくひめ・つきあかり 5.0〜6.0 7×7m〜8×8m 早生 2,500/中晩生 3,000 和歌山1・和歌山2・和歌山3・和歌山4・和歌山5・和歌山6・和歌山7
近畿 奈良 白鳳・清水白桃 6.0を目標 — 2,200 奈良
近畿 京都 白鳳系(雨よけ被覆栽培) — — 2,500 京都
中国 岡山 清水白桃(主力)・おかやま夢白桃・白麗・白皇・白露・日川白鳳 など 5.5〜6.5(清水白桃園) — — 岡山1・岡山2・岡山3・岡山4・岡山5・岡山6・岡山7
中国 山口 日川白鳳・さくひめ・あかつき・白鳳・清水白桃・川中島白桃 など — — 2,000(中晩生) 山口
四国 香川 早生(無袋)・中晩生(有袋) — — — 香川
九州 福岡 — 5.5〜6.0 20本(7×7m。計画密植は40本) 2,500 福岡
九州 佐賀 日川白鳳・白鳳 5.5〜6.5 — 2,500 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7
九州 長崎 日川白鳳・あかつき、さくひめを推進(ハウス栽培) 5.0〜6.0 — 2,500(ハウス早生) 長崎1・長崎2
九州 熊本 — — — 2,000 熊本
九州 大分 — — 共台 当初48本/わい性台 当初125本 2,000 大分
九州 宮崎 ちよひめ(極早生、延岡市中心) — — — 宮崎1・宮崎2
九州 鹿児島 — 5.5〜6.0(石灰質土は6.0〜6.5) — — 鹿児島

施肥量と施肥の時期

地域区分 都道府県 年間施肥量 N-P2O5-K2O(成木・kg/10a) 基肥の時期と割合 追肥・礼肥 出典
東北 福島 日川白鳳・暁星 12-10-12/あかつき 14〜16-10-12/川中島白桃・ゆうぞら 16〜18-10-12 秋肥9月+冬肥11〜12月(秋基肥体系が基本) 春肥 2〜3月 N2 福島1・福島2・福島3・福島4・福島5
東北 山形 15-6-12 9月下旬〜10月上旬に年間の80% 収穫後に礼肥20%(新梢が徒長する樹は礼肥なし) 山形1・山形2・山形3・山形4・山形5・山形6
東北 宮城 15-6-12 11〜12月 N12 9月中旬 N3 宮城1・宮城2
東北 青森 14-6-10(7年生以上) 10月上旬に80% 収穫後すぐに礼肥20% 青森
東北 秋田 N 15〜18(8年生以上) 春(3月下旬〜4月上旬)と秋(8月下旬〜9月中旬)の2回 — 秋田1・秋田2
東北 岩手 15-2-12(8年生以上、補給型施肥基準) 基肥 N10+追肥 N5(時期の記載なし) — 岩手
甲信・北陸 山梨 早生 12-8-10/中晩生 14-10-12 早生 10月中旬、中晩生 10月下旬(秋施肥) 礼肥 早生8月下旬・中晩生9月上旬(N3)。6月下旬の追肥は砂壌土の場合だけ 山梨1・山梨2・山梨3・山梨4・山梨5・山梨6・山梨7・山梨8・山梨9・山梨10
甲信・北陸 長野 14〜18-6-10 11〜12月に窒素の80%とリン酸・カリ全量(傾斜地・砂質土は20%を3月に回す) 収穫後の9月に礼肥20%程度。9月の礼肥まで窒素は施さない 長野1・長野2・長野3・長野4
甲信・北陸 新潟 —(もも単独の表なし) 多雪地では降雪前の施肥は冬の流亡が多い — 新潟
甲信・北陸 福井 15.2-12.9-13.3(11年生以上) 9月中旬 N4.8 3月上旬 N5.6・6月上旬 N1.6・収穫直後 N3.2。早生は6月の追肥なし 福井
関東 栃木 10-7-11 11月下旬〜12月(図から読み取り) 6月中旬 K2、8月中旬 N2-K2(図から読み取り) 栃木
関東 群馬 15-12-15 11月上旬(新根の動きが早いため) 8〜9月(図では8月中〜下旬)に速効性窒素の礼肥 群馬1・群馬2
関東 千葉 17-10-14 11月下旬〜12月中旬 8月上旬に礼肥 5-2-4 千葉
関東 神奈川 16.8-19.2-19.2 9月中旬に年間の約2/3(図から読み取り) 2月中旬に約1/3(図から読み取り) 神奈川
東海 岐阜 10-10-8.5 10月下旬(図から読み取り) 3月上旬・9月中旬(図から読み取り) 岐阜
東海 愛知 15-12-11 11月上旬 5月上旬 N3-K4(樹勢を見て調節)・8月中旬 N3-K2 愛知1・愛知2
近畿 和歌山 12-9-12 10月中旬〜11月上旬に80% 8月中下旬に礼肥20%。追肥は原則しない 和歌山1・和歌山2・和歌山3・和歌山4・和歌山5・和歌山6・和歌山7
近畿 奈良 15-10-16 11月中旬 12-10-13 9月上旬に礼肥 3-0-3。6月の追肥は品質を下げるので避ける 奈良
近畿 京都 N 14.7 12月上旬に90% 8月中旬に10% 京都
中国 岡山 —(県の数値は見つからず) — — 岡山1・岡山2・岡山3・岡山4・岡山5・岡山6・岡山7
中国 山口 10.8-8-7 10月中下旬 8月下旬〜9月上旬に礼肥 2.4-0-1 山口
四国 香川 —(特別栽培の慣行レベルで化学肥料 N 6.8) — — 香川
九州 福岡 15-12-15 10月中旬〜11月上旬(早生70%・中晩生60%) 2月中旬10%・8月下旬礼肥20%、中晩生は6月上旬にも10% 福岡
九州 佐賀 15-8-12 10月中旬〜11月中旬に70% 収穫直後に夏肥10%・9月上旬に礼肥20% 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7
九州 長崎 15-12-15(ハウス) 11月に70% 3月上旬に追肥10%・礼肥20% 長崎1・長崎2
九州 熊本 — 10〜11月と2月下旬〜3月上旬に分ける 晩生は5月中旬〜6月上旬に追肥。礼肥は二次伸長を避けて8月中旬以降 熊本
九州 大分 共台 17-12-14/わい性台 20-12-16 共台 11〜12月に50% 共台 2月下〜3月上旬15%・5月中旬15%・8月下旬20% 大分
九州 宮崎 —(特別栽培の慣行レベルで化学肥料 N 16) — — 宮崎1・宮崎2
九州 鹿児島 — 12〜1月に深耕し、堆肥(牛ふん主体500kg程度)・石灰を施す — 鹿児島

せん定・開花・摘蕾摘果・袋掛け

地域区分 都道府県 冬季せん定・夏季(秋季)せん定 開花期(満開) 摘蕾・摘果 袋掛け 出典
東北 福島 冬季 1〜2月(ジョイントV字樹形)。夏季せん定は硬核期が終わってから、秋季せん定は9月上中旬まで 福島市のあかつき平年 4月19日 摘らい 3月上旬〜発芽前/仕上げ摘果 満開後30〜50日(5月中旬〜6月上旬)/修正摘果 硬核期後 — 福島1・福島2・福島3・福島4・福島5
東北 山形 夏季は7月に幹回りの徒長枝を整理。高温年は日焼け防止に主枝背面の徒長枝を50cm間隔で残す 寒河江の平年 あかつき4月22日・川中島白桃4月23日 予備摘果 満開20〜30日後まで(花粉のある品種は早め、ない品種は遅め)/仕上げ摘果 6月上旬までに最終着果量より10〜20%多めに残す — 山形1・山形2・山形3・山形4・山形5・山形6
東北 宮城 — 宮城県園芸試験場(1992年)あかつき4月25日・川中島白桃4月27日 摘蕾は花芽の頂端が赤くなり始めたころ/第1回摘果 満開後30日ころまで/仕上げ摘果 満開後50日まで 5月下旬から6月末までに完了。除袋は地色が5〜6割抜けたころ 宮城1・宮城2
東北 青森 — — 極端な大玉狙いの摘果は核割れを招く — 青森
東北 秋田 夏季せん定は硬核期直前(7月中旬以降にずれると花芽がつきにくい) 鹿角 あかつき4月26日〜5月8日、川中島白桃4月28日〜5月9日 花粉のある品種は4月ごろの摘蕾で花芽を7割程度落とす/仕上げ摘果は満開後40日から硬核期前まで(県北6月下旬、県南6月上中旬) — 秋田1・秋田2
甲信・北陸 山梨 冬季 1月(図から読み取り)。新梢管理は早生は着色期、中晩生は数回に分けて。樹勢の強い樹は9月上〜中旬に秋季せん定 果樹試験場(2016〜20年平均)日川白鳳4月7日・白鳳4月8日・川中島白桃4月10日 摘蕾・摘花 3月中旬〜4月上旬(図から読み取り)/予備摘果 満開後20日ごろ/仕上げ摘果 満開後50日ごろ。中晩生は葉80枚に1果で大玉が増える 早生 5月下旬、中晩生 6月上旬(図から読み取り)。日川白鳳などは無袋栽培もある 山梨1・山梨2・山梨3・山梨4・山梨5・山梨6・山梨7・山梨8・山梨9・山梨10
甲信・北陸 長野 若木は胴枯病を防ぐため厳冬期にせん定しない 須坂の平年 4月23〜24日(予測資料から逆算) — — 長野1・長野2・長野3・長野4
関東 千葉 せん定 12月〜2月上旬(図から読み取り) 受粉 4月上旬(図から読み取り) 摘蕾 3月、摘果 5月(図から読み取り) — 千葉
関東 神奈川 — 開花 3月下旬(図から読み取り) — — 神奈川
東海 岐阜 整枝せん定 2月下旬・11月下旬(図から読み取り) 5月上旬(図から読み取り) 摘蕾 4月下旬、摘果 6月上旬(図から読み取り) — 岐阜
東海 愛知 せん定 12月上旬(図から読み取り) — — — 愛知1・愛知2
近畿 和歌山 冬季 12〜1月。夏期せん定 8月下旬〜9月上旬 日川白鳳 3月30日(2018〜20年平均)。2009年の表では4月上中旬 白鳳は花蕾を3割、日川白鳳は5割残す/摘果は満開3週後から袋掛けまでに3回程度 品種に合った袋を使う。白鳳は収穫10日前ごろ除袋。つきあかりは遮光袋をかけたまま 和歌山1・和歌山2・和歌山3・和歌山4・和歌山5・和歌山6・和歌山7
近畿 京都 せん定 12月・2月(図から読み取り) 4月(図から読み取り) 摘果 5月(図から読み取り) 6月(図から読み取り) 京都
中国 岡山 — — — 果実ごとに袋を掛けて日に当てず、果皮を白く仕上げる(「岡山白桃」) 岡山1・岡山2・岡山3・岡山4・岡山5・岡山6・岡山7
中国 山口 冬季 12月上旬〜2月上旬。夏季 6月(強すぎないように)、秋季 9月上旬 4月上〜中旬 摘蕾 3月(花粉のある品種だけ)/予備摘果 満開15〜20日後/仕上げ摘果 満開40〜45日後 5月末〜6月上旬。ヤガ対策で収穫2週間前ごろに掛け替えか重ね掛け 山口
四国 香川 — — — 早生は無袋、中晩生は有袋に分けて扱う 香川
九州 佐賀 冬季は12月に入ってから — 摘蕾は開花4〜5日前に70〜80%/予備摘果 満開後15〜20日/仕上げ摘果 満開後30〜40日/修正摘果 満開後70日ごろ 仕上げ摘果と同時に掛ける 佐賀1・佐賀2・佐賀3・佐賀4・佐賀5・佐賀6・佐賀7
九州 長崎 冬季 12月、夏季 7月、秋季 9月(ハウス体系) 人工授粉 加温3月上旬・無加温3月下旬 粗摘果 満開15〜20日後/仕上げ摘果 満開30〜45日後/修正摘果 満開60日以降 — 長崎1・長崎2

収穫期

地域区分 都道府県 収穫期(早生〜晩生) 出典
東北 福島 はつひめ7月上旬〜、あかつき7月下旬〜(収穫盛期平均8月4日)、川中島白桃8月中旬〜、極晩生9月上旬〜 福島1・福島2・福島3・福島4・福島5
東北 山形 寒河江の収穫盛期 平年 あかつき8月5日、川中島白桃8月29日 山形1・山形2・山形3・山形4・山形5・山形6
東北 宮城 日川白鳳7月下旬〜8月上旬、あかつき8月上〜中旬、川中島白桃9月上〜中旬、ゆうぞら9月中〜下旬 宮城1・宮城2
東北 秋田 鹿角 日川白鳳7月31日〜8月1日、あかつき8月20日、川中島白桃9月8〜13日 秋田1・秋田2
甲信・北陸 山梨 果樹試験場 日川白鳳6月30日〜7月5日、白鳳7月16〜23日、川中島白桃8月7〜17日、ゆめかおり9月10〜21日 山梨1・山梨2・山梨3・山梨4・山梨5・山梨6・山梨7・山梨8・山梨9・山梨10
甲信・北陸 長野 須坂の収穫始め平年 白鳳・あかつき8月1日、なつっこ8月10日、川中島白桃8月24日(予測資料から逆算) 長野1・長野2・長野3・長野4
関東 栃木 7月中旬〜8月上旬(図から読み取り) 栃木
関東 群馬 7月中旬〜8月上旬(図から読み取り) 群馬1・群馬2
関東 千葉 6月下旬〜7月下旬(図から読み取り) 千葉
関東 神奈川 7月上〜下旬(図から読み取り) 神奈川
東海 岐阜 7月下旬〜8月中旬(図から読み取り) 岐阜
東海 愛知 6月下旬〜7月下旬(図から読み取り) 愛知1・愛知2
近畿 和歌山 日川白鳳6月下旬(収穫盛期6月19日)、白鳳7月上中旬、清水白桃7月下旬〜8月上旬、川中島白桃8月上中旬 和歌山1・和歌山2・和歌山3・和歌山4・和歌山5・和歌山6・和歌山7
近畿 京都 雨よけ体系で7月下旬〜8月上旬 京都
中国 岡山 はなよめ6月中〜下旬、日川白鳳6月下旬〜7月上旬、白鳳7月上〜中旬、清水白桃7月下旬〜8月上旬、夢白桃7月下旬〜8月中旬、白麗8月上〜中旬、白皇8月下旬〜9月上旬(図から読み取りを含む) 岡山1・岡山2・岡山3・岡山4・岡山5・岡山6・岡山7
中国 山口 日川白鳳6月下旬、あかつき7月中旬、白鳳7月下旬、清水白桃・川中島白桃8月上旬 山口
九州 福岡 6月下旬〜8月上旬 福岡
九州 長崎 日川白鳳 加温5月下旬〜、無加温6月中〜下旬 長崎1・長崎2

各県の資料にある注意点

  • 福島:晩霜害。あかつきの安全限界は花蕾赤色期〜満開期で−2.5℃前後。大玉狙いの強い摘果は核割れを増やす
  • 山形:幼木の凍害による枯死が多い。春植えにし、12〜3月は幹を防寒資材で巻く(肥料袋やビニールは逆に凍害を招く)
  • 宮城:花粉のない品種は授粉樹を20%以上混植。主産地の白石・蔵王は火山灰土でリン酸が効きにくい。資料は1993年と古い
  • 青森:耐湿性が低く、排水の悪い園や水田転換園は排水対策を先に
  • 秋田:寒冷・積雪地のため春肥を置く。苗木・若木は地際〜50cmの寒凍害に注意し、晩秋に白塗剤
  • 岩手:リン酸2kgは土に養分がたまっている前提の「補給型」の値
  • 山梨:9月に収穫する品種は台風の被害を受けやすい。早生は窒素が多いと着色が遅れる
  • 長野:6月まで窒素が効くと新梢が伸びすぎて核割れが増える。11〜3月の施肥は遅いほど生理落果が増える
  • 新潟:礼肥が多いと二次伸長して寒害を受けやすい
  • 福井:施肥が多いと新梢が伸びすぎ、核割れや生理落果が増え日持ちも悪くなる。過湿に弱く排水対策を万全に
  • 栃木:黒ボク土では窒素を20〜30%減らし、ようりんを加える
  • 群馬:窒素とカリの過不足に敏感。カリが多すぎると石灰・苦土を吸いにくくなる
  • 千葉:pH調整資材は11月上旬
  • 神奈川:主な基肥を9月中旬に入れる体系で、他県より早い
  • 岐阜:風雨を強く受ける園はせん孔細菌病が多いので防風ネットを
  • 愛知:速効性肥料を基肥にするなら年明け(1〜2月)に施す
  • 和歌山:湿害に極めて弱いので排水対策を最優先に。窒素が多いと糖度が下がり収穫が遅れる。せん孔細菌病は台風の翌年に多発
  • 奈良:元肥は有機質肥料を主体に。早生には特に6月の追肥をしない
  • 京都:2000年の雨よけ栽培の資料。被覆すると成熟が早まり、ハダニが増える
  • 岡山:清水白桃は生理的落果が出やすい。夢白桃は花粉がなく人工受粉が必要。白露は開花期の低温に、白皇は裂果に注意。収穫10日前以降はかん水しない
  • 山口:早生は梅雨の天候で品質がぶれるので中晩生へ更新を勧める。経済樹齢は15年ほど。ヤガは7月下旬から加害
  • 香川:施肥基準ではなく特別栽培の慣行レベル
  • 福岡:窒素過剰は若木の枯死症の一因。6月に窒素が効きすぎると生理落果や成熟遅れ
  • 佐賀:凍霜害が心配な露地では摘蕾・摘花を軽めにして摘果で調整。紋羽病が心配なので粗大有機物は避ける。ハウスでは暖冬で低温要求が満たされない年があり、低温要求の少ないさくひめが有望
  • 長崎:露地の資料はなくハウスのみ。開花期に−2℃以下に30分以上当たると寒害のおそれ
  • 熊本:梅雨に熟す早生は雨の影響を受けやすく、明きょ・暗きょ・高畝・マルチが欠かせない
  • 大分:ハウスは全量を20%減らす。5月中旬の追肥は早生とハウスでは収穫後に回す
  • 宮崎:県内の栽培は平成30年で5ha。N16は施肥基準ではなく慣行レベル
  • 鹿児島:浅根性で雑草と養水分を取り合う。排水不良で枯れやすく、乾燥後の雨で裂果

資料どうしで違うところ

基肥の時期と6月の窒素

基肥は、神奈川が9月中旬に年間の3分の2、福島が9月の秋肥から始めるのに対し、長野・千葉・栃木・宮城は11月下旬〜12月、京都は12月です。秋田だけは積雪地のため春と秋の2回に分けています。

6月の窒素の扱いは正反対です。長野は「9月の礼肥まで窒素を施さない」(6月まで窒素が効くと新梢が伸びすぎて核割れが増える)、奈良は「6月の追肥は品質を下げる」としています。一方、愛知は5月上旬、福岡・福井の中晩生は6月上旬、大分の共台は5月中旬に追肥を置いています。和歌山は2019年版の指針で追肥を原則なしとし、2009年版にあった6月の追肥をやめています。

施肥量

成木の年間窒素量(kg/10a)は、岐阜・栃木10、山口10.8、山梨の早生・和歌山12、東北の多くと福岡・佐賀・群馬・愛知・奈良15、神奈川16.8、千葉17、大分17〜20です。福島は品種で変え、日川白鳳・暁星12に対し、川中島白桃・ゆうぞらは16〜18としています。

土壌pHと栽植本数

土壌pHは、和歌山5.0〜6.0、多くの県で5.5〜6.0、岡山・佐賀5.5〜6.5、千葉6.0〜6.5、宮城(1993年)6.0〜7.0です。栽植本数は、栃木の12本から神奈川の30〜40本、福島のジョイントV字樹形の125〜167本、大分のわい性台木の125本まで、樹形によって大きく違います。

袋掛け

岡山は果実に袋を掛けて日に当てず、果皮を白く仕上げる「岡山白桃」の作り方です。香川は早生を無袋、中晩生を有袋に分け、山梨は日川白鳳などに無袋栽培もあります。和歌山の新品種つきあかりは、遮光袋を掛けたまま収穫します。

作業ごとのポイント

摘蕾・摘果

摘蕾は蕾の先が赤みを帯びたころが作業しやすく、最終着果量の2〜3倍まで早めに減らすと、着果調節の手間がおよそ半分になるとされます(山梨・福島・山口)。ただし花粉のない品種(川中島白桃など)と、凍霜害が出た年は摘蕾をしません。仕上げ摘果は満開後40〜50日ごろで、硬核期(6月上旬ごろ)に入る前に終えます。山口は葉の枚数で早生20葉・中生25葉・晩生30葉に1果、山梨は中晩生を葉80枚に1果にすると大玉が増えるとしています。

受粉

川中島白桃・浅間白桃・おかやま夢白桃・ゆめかおりなど花粉のない品種は、人工受粉をするか、授粉樹を20%以上混植します(宮城・岡山・山梨・山口)。

晩霜と凍害

福島の資料では、あかつきの安全限界温度は花蕾赤色期〜満開期で−2.5℃前後、落花期〜幼果期で−2.1℃です。幼果の霜害は外から見えないので、摘果の前に果実を切って確かめます。山形・秋田は幼木の凍害による枯死が多いとして、春植えと、冬の幹の防寒を勧めています。

病害と台風

せん孔細菌病は台風の翌年に多発するとされ(和歌山)、春型枝病斑の切り取りと防風ネットが共通の対策です。9月に収穫する極晩生は台風の被害を受けやすいことにも注意が要ります(山梨)。

資料が見つからなかった都道府県

北海道・富山・石川・茨城・埼玉・東京・静岡・三重・滋賀・兵庫・大阪・島根・広島・徳島・愛媛・高知・沖縄は、施肥基準や県のサイトでももの栽培資料を確認できませんでした(2026年10月時点。リンク切れや画像だけのPDFで確認できなかったものを含みます)。香川・宮崎・鳥取は特別栽培の「慣行レベル」(化学肥料の窒素量)だけで、施肥基準ではありません。長崎はハウス栽培の資料だけです。

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出典一覧

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