営農管理システム比較12選|農業日誌・帳票に強いソフト【2026年】

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農業日誌や作業記録簿を紙とExcelで付けていると、作付計画書や圃場台帳、共済の細目書といった書類の時期に、同じ情報を何度も書き写すことになります。営農管理システム(営農管理ソフト)は、こうした記録と帳票作成の手間をまとめて減らすための道具です。

この記事では、国内外の営農管理システム12製品を比較し、農業日誌・作業日誌・作業記録簿の効率化と、作付計画書・圃場管理台帳・細目書などの帳票作成にどう役立つかを具体的に解説します。圃場管理の基本や費用相場は圃場管理とは?方法・費用相場・選び方、無料・スマホ中心のアプリ選びは無料で使える圃場管理アプリ・農業アプリの比較で詳しく紹介しています。

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結論|目的別のおすすめ営農管理システム

  • 農業日誌・農薬の記録を無料でデジタル化したい:ミノリス日誌(完全無料、栽培履歴をCSV・Excel出力)
  • クボタ農機を使う水稲経営で、作付計画や圃場情報もまとめたい:KSAS(100圃場まで無料、Excel出力)
  • 圃場台帳(賃借・委託)をExcelと地図で管理したい:Z-GIS(100圃場ごとに月額220円)
  • GAP用の帳票や複数人での記録共有を重視:アグリノート、facefarm
  • 販売管理・会計まで一気通貫にしたい:Agrion(freee連携)、豊作計画

農業日誌・作業記録を0円でシステム化 — ミノリス日誌

作付けごとの農薬・肥料・作業・収穫の記録を、スマホでその場で入力。栽培履歴はCSV・Excelで出力できます。登録は約1分、クレジットカードは不要です。

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営農管理システム(営農管理ソフト)とは

営農管理ソフト(Farm Management Software / FMS)とは、圃場の管理、作業記録、収支計算、作付計画など、農業経営に必要な情報を一元的に管理するためのソフトウェアです。近年はクラウド型のサービスが主流となり、スマートフォンやタブレットから現場で直接データを入力できるものが増えています。

営農管理ソフトを導入することで、次のようなメリットが期待できます。

  • 圃場ごとの作業履歴・栽培記録をデジタル化し、データに基づく経営判断ができる
  • 一度入力した圃場・作付けの情報を、作付計画書や台帳など複数の帳票に使い回せる
  • GAP認証(JGAP・GLOBALG.A.P.など)の取得に必要な記録管理が効率化される
  • 作業指示や進捗管理を通じて、従業員間の情報共有がスムーズになる
  • 収支やコストの見える化により、収益性の高い作物・圃場を特定できる
  • 衛星画像やセンサーデータと連携し、精密農業(圃場管理プラットフォーム)を実現できる

日本国内では、圃場管理システムを提供する企業が増えており、規模や作物に応じて多様な選択肢があります。

営農管理システム比較表

主要な営農管理ソフトの機能・価格・記録の出力方法を一覧にまとめました。料金は2026年9月時点の各社公式サイトの掲載内容にもとづいています。

国内の営農管理ソフト

ソフト名 提供企業 主な機能 記録の出力・帳票 対応作物 価格帯
ミノリス日誌 ミノリス(トクイテン) 作付け別の栽培記録、農薬の使用回数・収穫前日数チェック、予定・実績カレンダー、圃場マップ、AI連携 栽培履歴のCSV・Excel出力 全作物 完全無料
アグリノート ウォーターセル 圃場管理、作業記録、作付計画、GAP対応 GAP認証対応の帳票、Excel・CSV出力 全作物 無料〜年額33,000円(税込)
KSAS クボタ 圃場管理、作業日誌、農機管理、食味・収量分析 圃場情報・作業日誌・作付計画などをExcel出力 全作物(水稲に強み) 無料(100圃場まで)/月額2,200円(税込)
豊作計画 トヨタ自動車 作業計画、受注・出荷管理、人員管理、経営分析 成績表・シミュレーションなど経営管理機能 土地利用型作物、野菜、果樹、畜産 要問い合わせ
Z-GIS JA全農 圃場地図管理、圃場台帳、栽培記録、気象情報連携 Excelデータと地図を紐づけて管理 全作物 月額220円(100圃場単位・税込)
xarvio FIELD MANAGER BASF 衛星画像解析、施肥支援、防除支援、LINE通知 可変施肥マップ・可変散布マップ 水稲、麦、大豆、馬鈴薯、甜菜、牧草ほか 年額6,600円〜(作物・面積により変動)
Agrion ライブリッツ 農業日誌、圃場台帳、販売管理、施設園芸管理 農薬使用記録レポート、伝票・請求書 全作物 無料(1圃場)/月額980円〜(税別)
農業日誌V6プラス ソリマチ 作業記録、防除記録、免税軽油実績管理 栽培履歴書、免税軽油実績表 全作物 買い切り型

海外の営農管理ソフト

ソフト名 提供企業 主な機能 対応作物 価格帯 特徴
Climate FieldView Bayer 収量マッピング、衛星画像、播種・施肥処方、データ分析 穀物全般 無料〜有料(FieldView Drive $649.99) 世界23カ国、2.5億エーカー以上で利用
Granular Corteva Agriscience 経営分析、圃場収益管理、作業計画、窒素管理 穀物全般 無料ツールあり(プレミアム版は要問い合わせ) 圃場レベルの収益分析に強み
Trimble Ag Software PTx Trimble(AGCO・Trimble JV) 精密農業、可変施肥、フリート管理、収益マップ 穀物全般 要問い合わせ GPS・精密農業ハードとの統合
AgriWebb AgriWebb 家畜管理、放牧管理、動物衛生記録、炭素計算 畜産(牛・羊) 年額$150〜$500程度 畜産特化。オフライン対応
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農業日誌・作業日誌・作業記録簿を営農管理システムで効率化する

営農管理システムを探している方の多くが、まず解決したいのは毎日の記録の手間です。似た言葉が多いので、最初に整理しておきます。

記録の種類 主な中身 主な使い道
農業日誌 その日の天気、作業、生育の様子、気づいたこと 栽培の振り返り、翌年の計画
作業日誌 作業日、圃場、作業内容、作業者、作業時間、使用機械 作業指示・進捗管理、人件費や機械コストの把握
作業記録簿(農薬使用記録簿) 使用年月日、場所、作物、農薬名、使用量・希釈倍数、使用回数 農薬の適正使用の確認、取引先への栽培履歴、GAP

このうち農薬の記録は、「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」で、使用した年月日・場所・農作物・農薬の種類または名称・単位面積当たりの使用量または希釈倍数を帳簿に記載するよう努めることが定められています。記録の抜けが出荷停止などの大きな問題につながりやすいため、システム化の優先度が高い部分です。

紙・Excelの作業記録簿で起きがちな問題

  • 畑でメモした内容を夜に清書・転記する二度手間が発生する
  • 農薬名の書き方がばらつき、同じ成分の使用回数を正しく数えられない
  • 取引先から栽培履歴を求められるたびに、作付けごとに記録を拾い集める必要がある
  • 複数人で作業していると、誰がどこまで記録したかがわからない

システム化で変わること

営農管理システムを使うと、作業直後にスマートフォンで記録を付け、そのまま日誌・作業日誌・農薬の記録として蓄積できます。農薬を登録データから選ぶ仕組みがあれば、表記ゆれがなくなり、使用回数や収穫前日数の確認も自動化できます。作付けや圃場で絞り込めば、栽培履歴もすぐにまとめられます。

たとえばミノリス日誌では、農薬・肥料・作業・収穫の記録が作付けごとに時系列で並び、登録農薬(農薬適用情報10万件以上)から選ぶだけで使用回数や収穫前日数をその場で確認できます。記録はCSV・Excelで出力できるため、取引先指定の様式への転記にも使えます。紙で続けたい方向けに、ミノリスでは農薬使用記録簿や農作業日誌の無料テンプレート(Excel・PDF、登録不要)も公開しています。

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帳票作成に強い営農管理システムの見極め方|作付計画書・圃場管理台帳・細目書

営農管理システムで帳票作成を楽にするコツは、圃場と作付けの情報を1か所で正しく持っておくことです。作付計画書、圃場台帳、共済の細目書は、どれも「圃場ごとの所在地・面積・作物」という同じ情報を元にしています。ここが整っていれば、書類ごとに一から書き直す必要がなくなります。

作付計画書(営農計画書)

経営所得安定対策等の交付金を申請する際には、作物ごとの作付面積などを記載した営農計画書を提出します。様式や記載項目は農林水産省の実施要綱や地域の農業再生協議会の案内で確認できます。システムで圃場ごとの作付けを登録しておけば、作物別の面積を集計して転記するだけで済みます。KSASは作付計画をExcelで出力でき、アグリノートは地図上で作付計画を管理できます。

圃場管理台帳(圃場台帳)

圃場台帳は、圃場ごとの所在地・地番、面積、所有か借地か、地権者や賃借料などをまとめた一覧です。借地が多い経営ほど、地代の支払いや契約更新の管理に欠かせません。Z-GISは賃借・委託などを含む圃場台帳を地図と紐づけて管理でき、Agrionは無料プランでも圃場台帳の機能を使えます。まず台帳の形を決めたい方は、ミノリスの圃場台帳や作付け計画表の無料テンプレートも使えます。

細目書(農業共済)

細目書は、農業共済(NOSAI)の水稲などに加入する際に、耕地ごとの情報を申告する書類です。組合によっては「耕地情報(細目書)」として、共済加入申込書とあわせて提出を求めています。耕地ごとの面積や作付けの変更を毎年反映する必要があるため、圃場台帳と作付けの情報がシステムで整理されていると、異動の申告もスムーズになります。

帳票機能を比べるときのチェックポイント

  • 出力形式:CSV・Excelで出力できれば、自治体やNOSAIの様式に合わせて加工できます。様式そのものを直接出力できる製品は、地域や製品によって対応が異なるため、導入前に確認が必要です
  • 圃場マスタの持ち方:地番・面積・所有/借地などを圃場ごとに登録できるか
  • 年度ごとの作付けの持ち方:同じ圃場で年ごと・作ごとに作物を切り替えて記録できるか
  • 複数人での入力:事務担当と現場担当が同じデータを見られるか

なお、ミノリス日誌は栽培記録と栽培履歴の出力に特化したアプリで、営農計画書や細目書などの申請様式を直接作成する機能はありません。圃場・作付け・作業の記録をCSV・Excelで出力し、様式に転記する使い方になります。

経営管理(収支・労務)まで見たい場合

「営農管理システム 経営」で探している方は、記録だけでなく収支や人の管理まで一元化したいケースが多いはずです。この場合、次のような組み合わせが考えられます。

  • 収支・販売管理:Agrion(freee連携、販売管理)、豊作計画(成績表・シミュレーション)、facefarm(コストの色分け表示)
  • 会計:ソリマチの農業簿記と農業日誌V6プラスの連携
  • 作業時間・労務:作業者別の作業時間集計ができるKSAS、無料の打刻アプリミノリスタイマー(作業ボード・共用タイムカード・CSVレポート対応)

ミノリス日誌は収支管理に対応していないため、売上・経費まで管理したい場合は会計ソフトや上記のシステムとの使い分けがおすすめです。記録は無料のミノリス日誌、経理は会計ソフト、と役割を分けるだけでも、有料システムにかかる費用を抑えられます。

国内の営農管理ソフト詳細

ミノリス日誌(ミノリス/トクイテン)

ミノリス日誌は、品種比較プラットフォーム「ミノリス」を運営する株式会社トクイテンが2026年にリリースした栽培記録・圃場管理アプリです。初期費用・月額ともに完全無料で、スマートフォンとPCの両方から利用できます。登録は約1分で、クレジットカードの登録も不要です。

主な機能は次のとおりです。

  • 農薬・肥料・作業・収穫の記録が作付けごとのタイムラインに時系列で並ぶ
  • 登録農薬(農薬適用情報10万件以上)から選ぶだけで、使用回数や収穫前日数をその場で確認できる。肥料情報も1.8万件以上
  • これからの予定と完了した作業をひとつのカレンダーで管理
  • 取引先提出用の栽培履歴をCSV・Excelで出力
  • 圃場マップ、写真とメモの記録、衛星画像の閲覧(無料)
  • ClaudeやChatGPTなどの生成AIとMCPで連携し、会話から記録を確認・入力できる

生成AI連携を備えた栽培記録アプリは国内では珍しく、まず無料で農業日誌・作業記録のデジタル化を始めたい個人農家・農業法人に適した選択肢です。収支管理やGPSによる作業の自動記録には対応していません。姉妹アプリとして、作業時間をワンタップで打刻できる無料のミノリスタイマーも提供されています。

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アグリノート(ウォーターセル)

アグリノートは、ウォーターセル株式会社が提供するクラウド型の営農支援アプリです。「4軒に1軒が使っている」とされるほど国内で広く普及しており、日本の営農管理ソフトの中でトップクラスのシェアを持つサービスです。

主な機能は次のとおりです。

  • 地図上での圃場管理と作付計画
  • 作業記録・農薬使用記録のデジタル化
  • JGAP・GLOBALG.A.P.認証対応の帳票出力
  • スマートフォン・PC両対応
  • 複数ユーザーでの共有(1組織あたりのID数に上限なし)

料金プランは、無料プラン(100圃場・記録20件まで)のほか、Sプラン(年額11,000円・100圃場)、Mプラン(年額22,000円・400圃場)、Lプラン(年額33,000円・圃場数無制限)が用意されています(いずれも税込)。組織向けには「アグリノートマネージャー」というデータ集約・分析サービスもあります。

KSAS ― クボタ営農支援システム(クボタ)

KSASは、株式会社クボタが2014年から提供している営農支援システムです。クボタの農業機械と連携することで、田植機やコンバインから取得した食味・収量データを自動的にクラウドへ蓄積し、PDCA型の農業経営を実現します。

主な特徴は次のとおりです。

  • クボタ製農機(コンバイン、田植機、トラクター、ドローン)と直接連携
  • 食味・収量センサーにより圃場ごとの品質を可視化
  • 電子地図による圃場管理と作業日誌
  • 圃場情報・作業日誌・作付計画・食味収量のデータをExcelで出力でき、各種提出書類の作成に活用できる
  • 作業者別の作業時間集計や作業効率の分析

初年度は無料で、2年目以降も登録圃場100枚までなら無料プランを使えます。圃場数以外の機能制限はありません。100枚を超える場合は有料プラン(月額2,200円・税込、圃場数制限なし)になります。特に水稲を中心とする土地利用型農業に強みがあります。

豊作計画(トヨタ自動車)

豊作計画は、トヨタ自動車が「トヨタ生産方式」を農業に応用して開発した営農管理ツールです。製造業の生産工程管理のノウハウを農業に活かしている点が、他のソフトとは異なる特徴です。

2つのタイプが用意されています。

  • Type A:米、麦、大豆など土地利用型作物が対象。従来の豊作計画を踏襲したタイプ
  • Type B:野菜、果樹、畜産、林業など幅広い品目に対応。受注・出荷・生育・在庫・人員管理が可能

経営管理機能では、品目ごとの売上や利益率を見える化する「成績表」や、面積・収量・売上の「シミュレーション」などにより、収益性向上を支援します。料金は個別見積もりです。

Z-GIS(JA全農)

Z-GISは、JA全農が提供する営農管理システムです。地図上に作成した圃場ポリゴンとExcelデータを紐づけて管理するという、シンプルかつ実用的な設計が特徴です。

主な機能は次のとおりです。

  • 圃場の位置情報(経緯度)とExcelデータの紐づけ管理
  • 圃場台帳管理(賃借、委託など)
  • 作付計画、作業内容の記録
  • 1kmメッシュ気象情報の閲覧
  • 作業指示・報告・履歴の管理
  • 栽培履歴や生育状況写真のクラウド保管

料金は100圃場ごとに月額220円(税込)と低コストで、2,000圃場以上は月額4,400円(税込)の定額です。31日間の無料試用もあります。Excelに慣れている農業者にとって導入のハードルが低いソフトです。

xarvio FIELD MANAGER(BASF)

xarvio FIELD MANAGERは、ドイツの化学メーカーBASFが提供する栽培管理支援システムです。衛星画像とAI解析を活用して各圃場の状態を把握し、最適な栽培方法をアドバイスする点が特徴です。衛星画像やリモートセンシングを活用した営農支援の代表例といえます。

2025年には水稲栽培向けの病害・害虫・雑草対策機能が強化され、LINEで防除・追肥・収穫適期の情報を通知する機能も追加されました。成果保証型サービス「xarvio HEALTHY FIELDS」も2025年に始まっています。

料金(年額・税込)は、水稲・大豆・小麦・大麦が1作物あたり13,200円、その他の作物は全作物込みで6,600円などで、基本料金に含まれる面積を超える分は1haごとの追加料金がかかります。

Agrion(ライブリッツ)

Agrionは、ライブリッツ株式会社が提供するクラウド型の農業経営支援サービスです。農業日誌、販売管理、果樹、施設園芸向けのサービスを展開しています。

主な特徴は次のとおりです。

  • 日本全国の農地データが地図としてプリセットされており、登録が簡単
  • 農薬使用記録レポートの出力
  • クラウド会計ソフト「freee」との連携
  • 販売管理(受注・出荷・請求)まで一気通貫で対応

農業日誌のフリープランは2025年10月1日から1圃場・1アカウントに変更され、有料プランはスタンダード月額980円、ベーシック月額1,980円、プロ月額2,980円(いずれも税別)です。

農業日誌V6プラス(ソリマチ)

農業日誌V6プラスは、ソリマチ株式会社が提供するPC型の営農管理ソフトです。クラウド型が主流の中、インストール型(買い切り)で使える点が特徴で、インターネット環境に左右されずに利用できます。

主な機能は次のとおりです。

  • 天気、作業内容、労働時間、機械稼働時間、資材投下量の記録
  • 施肥・追肥や農薬履歴などの防除記録
  • 栽培履歴書の作成(食品安全性のアピールに活用)
  • 免税軽油実績表の印刷
  • 同社の「農業簿記」との連携

買い切り型のため月額費用はかかりません。最新の価格や販売状況はソリマチの農業向け製品ページでご確認ください。

海外の営農管理ソフト

海外では大規模農業向けの高機能な営農管理ソフトが多数開発されています。日本で直接利用できないものもありますが、今後のスマート農業の方向性を知るうえで参考になります。

Climate FieldView(Bayer)

Climate FieldViewは、ドイツのBayer(旧Monsanto/The Climate Corporation)が提供する精密農業プラットフォームです。世界23カ国、2億5,000万エーカー以上で利用されており、デジタル農業分野で最大級の規模を誇ります。Climate Corporationの技術をベースに開発されました。

主な機能は次のとおりです。

  • 収量マッピングとフィールドヘルスイメージ(衛星画像)
  • 播種・施肥の可変レート処方作成
  • 収穫前の収量ポテンシャル推定
  • 「Your Farm at a Glance」による農場全体のサマリー表示
  • 施用製品ごとの収量分析とROI評価

無料のPrimeプランから、より高度な分析ができるPlusプラン、Premiumプランまで段階的に用意されています。専用デバイス「FieldView Drive 2.0」($649.99)を使うことで、農機からのデータ自動収集も可能です。

Granular(Corteva Agriscience)

Granularは、Corteva Agriscience(旧DuPont/Dow AgroSciences)が提供する農場管理ソフトウェアです。農場の計画、実行、財務分析、サステナビリティ追跡までをカバーする包括的なプラットフォームです。

主な特徴は次のとおりです。

  • 圃場レベルの収益性分析(Profit Maps)
  • 農学的データと経済データの統合分析
  • 窒素管理の最適化ツール
  • John Deere Operations Center、Case IH AFS Connectなど主要農機メーカーのデータと連携
  • 無料の「Granular Insights」ツールで圃場収益の計測が可能

無料ツール「Granular Insights」が提供されているほか、プレミアム版は個別見積もりとなっています。米国の大規模穀物農家を中心に利用されています。

Trimble Ag Software(PTx Trimble)

Trimble Ag Softwareは、AGCO(農機大手)とTrimble(GPS・測位技術大手)のジョイントベンチャーであるPTx Trimbleが提供する精密農業ソフトウェアです。GPS・精密農業ハードウェアとの統合が最大の強みです。

3段階のソフトウェアライセンスが用意されています。

  • Data:データ管理の入門版。クラウドとの自動同期、機器の利用状況追跡
  • Operations:作業計画、機器追跡、オペレーター分析など運用効率の最適化
  • Business:財務・農学・運用を統合した高度な経営管理

収益マップ、可変レート施肥制御、リアルタイムのフリート管理など、大規模農業向けの高度な機能を備えています。料金は販売代理店を通じた個別見積もりです。

AgriWebb

AgriWebbは、オーストラリア発の畜産特化型農場管理ソフトウェアです。AgriWebb社の詳細については、当サイトでも紹介しています。

主な機能は次のとおりです。

  • 家畜の個体管理(群管理・個体管理の両対応)
  • 放牧ローテーション管理
  • 動物衛生記録と薬品管理
  • チーム・タスク管理
  • 炭素排出量計算ツール
  • インタラクティブな農場マップ

料金は家畜頭数に応じた従量課金制で、年額$150〜$500程度です。オフラインファーストの設計で、電波の届きにくい広大な牧場でも利用できる点が大きな利点です。

営農管理ソフトの選び方

営農管理ソフトは多種多様なため、自分の経営に合ったものを選ぶことが重要です。次のポイントを参考にしてください。

経営規模で選ぶ

  • 小規模農家(圃場数が少ない):まずは無料で使えるソフトから始めるのがおすすめです。ミノリス日誌(完全無料)、KSAS(100圃場まで無料)、Z-GIS(月額220円〜)は導入のハードルが低く、小規模でも使いやすいサービスです
  • 中規模農家・農業法人:作業指示や従業員管理が必要になるため、複数ユーザー対応のソフトが適しています。アグリノート(ID数上限なし)、Agrion、豊作計画などが候補になります
  • 大規模農業法人:経営分析や収支管理まで一貫して行えるソフトが必要です。豊作計画のType B、または海外製のGranularやTrimble Ag Softwareが選択肢に入ります

作物の種類で選ぶ

  • 水稲・麦・大豆(土地利用型作物):KSAS(クボタ農機連携)、Z-GIS、xarvio FIELD MANAGER(衛星解析による施肥・防除支援)が適しています
  • 野菜・果樹:ミノリス日誌、アグリノート、Agrion、豊作計画Type Bなど、多品目に対応したソフトが向いています
  • 施設園芸:Agrionの施設園芸向けサービスや、屋内農業向けプラットフォームが参考になります
  • 畜産:AgriWebbが畜産に特化した管理を提供しています。国内では豊作計画Type Bが畜産にも対応しています

帳票・記録の出力で選ぶ

  • 取引先に栽培履歴を出す:栽培履歴をCSV・Excelで出力できるミノリス日誌、アグリノート、農薬使用記録レポートを出せるAgrion
  • 作付計画や圃場情報を申請書類に使う:作付計画・圃場情報をExcel出力できるKSAS、圃場台帳を持てるZ-GIS
  • GAP認証を取る:GAP対応の帳票を持つアグリノート、日本GAP協会推奨のfacefarm

導入形態で選ぶ

  • クラウド型(SaaS):ミノリス日誌、アグリノート、KSAS、Z-GIS、xarvio、Agrionなどほとんどのソフトが該当します。スマートフォンからの入力や複数端末での共有ができ、導入も容易です
  • インストール型(買い切り):農業日誌V6プラスが該当します。インターネット環境が不安定な地域や、月額課金を避けたい場合に適しています

連携機能で選ぶ

  • 農機連携を重視する場合:クボタ農機ユーザーならKSAS、Trimble/AGCO機器を使うならTrimble Ag Softwareが最適です
  • 会計ソフト連携を重視する場合:Agrion(freee連携)、農業日誌V6プラス(農業簿記連携)が便利です
  • 衛星画像・リモートセンシングを活用したい場合:xarvio FIELD MANAGER、Climate FieldViewが圃場モニタリングの機能に優れています
  • 生成AIを使いたい場合:ClaudeやChatGPTから記録を検索・入力できるミノリス日誌が対応しています

コストで選ぶ

まずは無料プランや試用版で試し、自分の経営に合うかを確認してから有料プランへ移行するのが堅実な進め方です。国内ソフトの多くは無料プランまたは低価格帯のプランを用意しており、導入のリスクは低く抑えられます。有料プランへの移行を前提にしたくない場合は、全機能を無料で使えるミノリス日誌で記録の習慣づくりから始める方法もあります。費用相場の詳しい比較は圃場管理とは?方法・費用相場・選び方にまとめています。

よくある質問

営農管理システムと圃場管理システムの違いは?

圃場管理システムは圃場ごとの位置・作付け・作業の記録が中心で、営農管理システムはそれに加えて収支、販売、労務、帳票作成など経営全体を扱うものを指すことが多いです。実際には両方の機能を持つ製品が多く、呼び方はメーカーによってまちまちです。

作業日誌と作業記録簿は何が違いますか?

作業日誌は日々の作業内容・作業者・時間などを記録するもの、作業記録簿は農薬の使用記録など、提出や確認に使う決まった項目の記録を指して使われることが多いです。営農管理システムでは、同じ入力から両方の形にまとめられます。

営農管理システムで細目書や営農計画書を作れますか?

多くの製品は、圃場情報や作付計画をExcelやCSVで出力し、その内容を各様式に転記・加工する形で使います。様式そのものの出力に対応しているかは製品や地域によって異なるため、導入前に確認してください。圃場ごとの面積や作付けがシステムに整理されているだけでも、書類作成の手間は大きく減ります。

無料で使える営農管理システムはありますか?

ミノリス日誌は有料プランがなく全機能を無料で使えます。KSASは100圃場まで無料、アグリノートとAgrionにも上限つきの無料プランがあります。無料で使える範囲の詳しい比較は無料で使える圃場管理アプリ・農業アプリの比較をご覧ください。

農業日誌をシステム化すると何が効率化されますか?

畑でのメモと清書の二度手間がなくなり、農薬の使用回数の確認、栽培履歴の作成、作業の引き継ぎが速くなります。記録が作付けや圃場ごとに整理されるため、翌年の計画を立てるときにも過去の記録をすぐ参照できます。

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まとめ

営農管理システムを選ぶときは、機能の多さよりも「毎日の記録が続くか」と「必要な帳票に記録を使えるか」を重視するのがおすすめです。農業日誌・作業記録簿をスマホで付け、圃場と作付けの情報を1か所で持っておけば、作付計画書・圃場台帳・細目書といった書類の作成もぐっと楽になります。

クボタ農機との連携や作付計画のExcel出力を重視するならKSAS、圃場台帳をExcelと地図で管理するならZ-GIS、GAPの帳票ならアグリノート、販売・会計までまとめるならAgrionや豊作計画が候補です。まずは費用をかけずに農業日誌と農薬の記録をデジタル化したいなら、ミノリス日誌から始めてみてください。

まずは無料で営農管理を始めるなら — ミノリス日誌

作付けごとのタイムライン記録、農薬の使用回数チェック、栽培履歴のCSV・Excel出力、Claude・ChatGPTとのAI連携に対応。初期費用・月額なしの完全無料で、スマホでもPCでも使えます。

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