うめの栽培暦・年間作業表【全国まとめ】34都府県の施肥・受粉・せん定・収穫時期を比較

  • 10月 1, 2026
  • 10月 1, 2026
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うめの施肥・せん定・受粉・収穫の時期は、都道府県ごとに別々の施肥基準や栽培指針に書かれていて、まとめて比べられる場所がありません。この記事では、34都府県の公的資料(66本)から時期と数値を拾い、全国の比較表と、主産地向けの標準的な年間作業表にまとめました。どの値にも出典の県と資料を付けています。

全体を見ると、施肥の考え方が県によって大きく違います。和歌山は年間窒素の40%を収穫前後の礼肥に置くのに対し、福島・山梨は11月に1回で全量を施します。成木の年間窒素量は山口の10kg/10aから神奈川の26.8kg/10aまで約2.7倍の差がありますが、目標収量も800〜3,000kg/10aと違うので、収量と並べて見る必要があります。受粉樹も、和歌山が20〜30%の混植を求める一方、福井は推奨品種が自家結実性なのでミツバチを放すだけです。

うめの年間作業表・都道府県比較(Excel)をダウンロード

Excelには、年間作業表(実施日を書く欄つき)、34都府県の比較表、出典一覧の3つのシートがあります。

ほかの作物の栽培暦・年間作業表は栽培暦・年間作業表の全国まとめにまとめています。

この記事の調べ方

  • 対象:都道府県と県の試験場・普及組織が公開している施肥基準、栽培指針、栽培技術の資料、試験研究の成果。農林水産省「都道府県施肥基準等」に掲載されている県の資料を含みます
  • 使い方:資料の表やレイアウトは転載せず、時期と数値などの事実だけを拾って組み直しました。図の栽培暦から読み取った値は「図から読み取り」と書いています
  • 慣行レベル:特別栽培の「慣行レベル」(化学肥料の窒素量)しかない府県は、施肥基準ではないことを表に書いています
  • 農薬:使い方を推奨しないため、薬剤名は書いていません
  • 調査日:2026年10月1日。資料は改訂されることがあるので、最新の内容は各資料で確認してください

全国の時期の早見

  • 開花:和歌山の南高は2月中〜下旬(平年の満開2月16日)、白王など小梅類は2月上〜中旬、群馬の白加賀は2月下旬〜3月下旬、福井の紅サシは平年の盛期が3月6日
  • 青梅の収穫:山梨は5月上旬〜下旬(図から読み取り)、小梅・古城は5月下旬〜6月上旬、南高は6月上旬〜下旬(和歌山)、白加賀は5月末〜6月下旬(群馬)、福井の新平太夫は6月下旬〜7月上旬
  • 完熟(漬け梅)の収穫:和歌山の南高は6月中旬〜7月上旬で、落果は6月10日ごろから始まり6月下旬がピーク
  • 基肥:和歌山は9月中旬〜10月上旬、山口は10月下旬〜11月上旬、福島・山梨は11月に全量、奈良は11月下旬

標準の年間作業表(主産地の露地栽培)

和歌山(南高)・群馬(白加賀)・福井・山口・奈良などの主産地の資料をもとにした、露地栽培の標準的な作業表です。施肥の時期は県によって大きく違うので、「品種・作型」の列と都道府県比較を見て、自分の地域の時期に直してください。「根拠」の略称は記事末尾の出典一覧に対応しています。

月 旬 作業 内容・目安 品種・作型 根拠
1月 上〜下旬 冬季せん定(続き) 開心自然形(3本主枝)。太い枝を間引いてから、交差枝・直上枝・平行枝の順に間引く。側枝は3〜4年で更新する 共通 山口1・福井5
1月 上〜下旬 病斑の除去 黒星病・かいよう病の枝の病斑をせん定のときに切り取る(休眠期の12〜3月) 共通 群馬6・徳島6
2月 上〜中旬 開花(南高・小梅類) 和歌山の平年値は南高の開花始め2/8・満開2/16。暖冬の年は1月中に咲き、不完全花が増える 南高(和歌山) 和歌山3・和歌山2
2月 上旬〜 ミツバチの放飼 開花の1週間前から巣箱を置く。目安は30aに1群。ミツバチは13℃以上・風速3m/s以下・雨なしでないと飛ばない。開花中は薬剤散布を控える 共通 和歌山2・和歌山3・山口1
2月 下旬〜3月 開花(白加賀・紅サシ・豊後) 群馬(白加賀)は2月下旬〜3月下旬、福井(紅サシ)は平年で3/6が盛期、豊後梅は3月上〜中旬 白加賀・紅サシ・豊後 群馬4・福井5・大分2
2月 下旬〜3月 霜・低温への備え 開花期-2.2℃・幼果期-1.1℃(30分)で被害が出る(山口)。冷気のたまるくぼ地や谷間は避けて植える 共通 山口1・宮崎・岐阜
3月 上〜下旬 芽出し肥(置く県のみ) 栃木は3月上〜中旬にN3kg、愛知は3月中旬にN5kg、福井は3月下旬(配合肥料40kg/10a)。和歌山・奈良・山口などは置かない 県による 栃木・愛知・福井5
3月 中旬〜4月中旬 高接ぎ(受粉樹の追加) 受粉樹が足りない園は主要品種の枝に受粉用品種を切り接ぎする。福井の適期は3月中旬〜4月中旬 共通 福井5・和歌山2・山口1
3月 下旬〜4月上旬 発芽 南高は3月下旬〜4月上旬(和歌山) 南高(和歌山) 和歌山2
4月 上中旬 実肥(1回目) 和歌山は年間窒素の15%(N3.8kg/10a)をカリ多めの速効性肥料で 南高(和歌山) 和歌山1
4月 上〜中旬 芽かき 展葉期に不要な新芽をかく 共通 山口1
4月 中旬〜5月上旬 摘果 着果の多い樹で行う。目安は短果枝1〜2果・中果枝2〜3果・長果枝5〜6果(山口)。徳島の水噴射摘果は4月中旬。古城は3月末〜4月上旬の早めの摘果でヤニ果が減る(和歌山) 共通 山口1・徳島4・和歌山3
4月 上旬〜5月上旬 防除(黒星病・かいよう病) 果実肥大期の基幹防除。かいよう病は防風ネット・防風垣が薬剤より効く。強風やひょうで傷がついたら早めに防除。使う薬剤はラベルと県の防除暦で確認する 共通 福井2・群馬6・徳島6
4月 下旬 追肥(着果の多い園) 山口は着果過多の園だけ年間窒素の10%。福岡は実肥として20% 共通 山口1・福岡
4月 下旬〜5月中旬 有機物マルチ 成木1樹に稲わら25kgとオガクズ入り牛ふん堆肥75kgを樹冠下に敷く 南高(和歌山) 和歌山1
5月 上中旬 実肥(2回目) 和歌山は年間窒素の15%(N3.8kg/10a) 南高(和歌山) 和歌山1
5月 下旬〜6月上旬 収穫(小梅・古城) 小梅は5月中旬〜6月上旬、古城は5月下旬〜6月上旬 小梅・古城 山口1・和歌山5・和歌山2
5月 下旬〜6月上旬 収穫適期の判断 胚(種)の固化が終わる時期。群馬は胚の固化完了から10日以上たってから収穫して陥没症を防ぐ。福井は開花盛期からの積算気温で収穫始めを予測 白加賀・紅サシ 群馬5・福井5
5月 下旬〜6月上旬 防除(すす斑病) 完熟果をネット収穫する園や晩生品種で 共通 福井5・福井2
6月 上〜下旬 青梅の収穫 南高6月上旬〜下旬(和歌山)、白加賀5月末〜6月下旬(群馬)。内果皮が黄色くなり始めたころ、または果面の半分にツヤが出始めたころが目安。30℃以上の予報日は午前中に収穫 南高・白加賀 和歌山5・群馬4・山口1・群馬5
6月 上旬〜7月上旬 礼肥 和歌山は年間窒素の40%(N10kg/10a)を梅雨明けまでに。完熟収穫の園は収穫前(ネットを敷く前)に施す。福井は収穫直後〜7月上旬にN約7kg 共通 和歌山1・福井5
6月 中旬〜7月上旬 完熟(漬け梅)の収穫 南高は6月中旬〜7月上旬。落果は6月10日ごろ始まり6月下旬がピーク。落ちた果実はアカマダラケシキスイが入るので朝夕2回以上回収する 南高(和歌山) 和歌山5・和歌山3・福井2
6月 下旬〜7月下旬 夏季せん定・徒長枝抜き 山口は6月に徒長枝抜き。福井の新平太夫・福太夫は樹勢が強く徒長枝が多いので、夏季せん定で花芽をつけさせる 共通 山口1・福井5
7月 上〜下旬 礼肥・夏肥(関東・西日本) 奈良・群馬は7月上旬、山口・福岡・愛媛は7月中下旬 共通 奈良・群馬1・山口1・福岡・愛媛
7月 上旬〜 乾燥防止 花芽分化が始まる。梅雨明け後は敷草・敷きわらとかん水で乾燥を防ぐ(浅根性) 共通 山口1・福島・徳島3
8月 下旬〜9月 花芽肥・秋肥 福井はN6kg/10a。埼玉・千葉は9月上旬に追肥 共通 福井5・埼玉・千葉
8月 〜9月 収穫後の防除(黒星病) 翌年の伝染源になる枝の病斑を減らす(9月末まで) 共通 福井2
9月 中旬〜10月上旬 基肥(和歌山) 年間窒素の30%(N7.5kg/10a)。10月上旬までに終える 南高(和歌山) 和歌山1
10月 上〜下旬 堆肥・土壌改良 堆肥2t/10a(和歌山は10〜12月)。石灰質資材はpHを測って量を決める。リン酸過剰や高pHの園では入れない 共通 和歌山1・福井1
10月 下旬〜11月 基肥(関東・中部・山口) 山口は10月下旬〜11月上旬、福島は11月に全量、奈良は11月下旬、埼玉は11月下旬〜12月上旬 共通 山口1・福島・奈良・埼玉
11月 中旬〜 苗木の植え付け 落葉後早めに秋植え。自家不和合性の品種には受粉樹を一緒に植える 共通 山口1・福井5
12月 上旬〜 冬季せん定 落葉後に始める(福井は遅れる場合11月中旬から) 共通 山口1・福井5・埼玉

都道府県別の比較

「—」はその県の資料に記載がない項目です。「図から読み取り」は栽培暦の図から読んだ値で、±1旬ほどずれることがあります。県の基準は品種や目標収量、土壌の前提が違うので、数字だけを単純に比べず、自分の地域に近い県の資料を確かめてください。

主要品種と受粉樹

地域区分 都道府県 主要品種 受粉樹 出典
東北 福島 白加賀・竜峡小梅(会津以外)、高田梅(会津) — 福島
関東 群馬 白加賀(最多)、受粉樹に梅郷・南高・ゆみまる(県育成・群馬U6号、自家結実性) 混植率20〜30%・2品種以上が必要(文献引用)。白加賀の実際の花粉親は梅郷65%・ゆみまる17%・南高17%で、南高は暖冬で開花がずれ2024年は0% 群馬1・群馬2・群馬3・群馬4・群馬5・群馬6
関東 茨城 白加賀 受粉樹を混植して受粉環境を良くする(割合の記載なし) 茨城
関東 栃木 白加賀・玉英・南高 — 栃木
関東 埼玉 白加賀・南高・紅梅 — 埼玉
関東 東京 白加賀・玉英・梅郷 — 東京
関東 神奈川 白加賀・梅郷・十郎・南高・十郎小町 — 神奈川1・神奈川2
甲信 長野 竜峡小梅(基幹品種)。豊後・白加賀・南高は「その他品種」 — 長野1・長野2・長野3
北陸 福井 紅サシ(紅映)・剣先・新平太夫・福太夫(新平太夫・福太夫は県育成の多収品種) 推奨品種は自家結実性があるが、結実率を上げるため開花期にミツバチを放す。福太夫は紅サシ・剣先・新平太夫と他家和合性があり花粉を持つ 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6・福井7・福井8
東海 岐阜 藤五郎 — 岐阜
東海 愛知 南高・白加賀・玉英・鶯宿 — 愛知
東海 静岡 白加賀・改良内田・南高・宮口小梅・島田八房 — 静岡
東海 三重 南高・白加賀・五ヶ所小梅 — 三重
近畿 和歌山 南高(栽培面積の8割余り)・古城・小粒南高・小梅類(白王など)。県育成のNK14・星秀は自家和合性 南高・古城は自家不和合性。授粉樹を平坦地20%・傾斜地30%ほど混植し、主要品種から10m以内に2〜3品種。南高には小梅類・小粒南高、古城には南高・小粒南高 和歌山1・和歌山2・和歌山3・和歌山4・和歌山5
近畿 奈良 白加賀・南高・鶯宿 — 奈良
中国 山口 白加賀・玉英・鴬宿(生産目標) 自家結実性の低い品種が多いので2〜3品種を混植するか、花粉の多い品種(鴬宿・竜峡小梅)を植える。白加賀・玉英は花粉がほとんどない。ミツバチは30aに1群 山口1・山口2
四国 徳島 鶯宿(最多)・南高・月世界(県育成、自家結実性) — 徳島1・徳島2・徳島3・徳島4・徳島5・徳島6
九州 福岡 南高 — 福岡
九州 大分 豊後(県花・県木の豊後梅) 豊後梅は他花受粉で花粉が少なく、結実が乏しい 大分1・大分2

土壌pH・栽植本数・目標収量

地域区分 都道府県 土壌pH 栽植本数(10aあたり) 目標収量(kg/10a) 出典
東北 青森 5.5〜6.0 — — 青森1・青森2
東北 福島 6.5程度 20本(7×7m)。肥沃な園は15本(8×8m) 白加賀・竜峡小梅 2,000、高田梅 1,000 福島
関東 群馬 — 20本(10年以上)。8〜10年生は20〜30本 1,500〜1,800(10年以上) 群馬1・群馬2・群馬3・群馬4・群馬5・群馬6
関東 茨城 — — 1,000(白加賀の基準収量) 茨城
関東 栃木 5.5〜6.0 12本(成木)。5〜9年生は24本 1,000〜1,500 栃木
関東 埼玉 — 40本 1,000 埼玉
関東 千葉 5.5〜6.0 18〜33本 1,200〜1,500 千葉
関東 東京 5.5〜6.0 20本 1,500 東京
関東 神奈川 — 8×8m 1,500(南高 2,000) 神奈川1・神奈川2
甲信 山梨 — 20〜25本 1,000 山梨
甲信 長野 6.5程度(4.5以下では生育が極めて悪い) — — 長野1・長野2・長野3
北陸 福井 6.0〜6.5 15本(8×8m・開心自然形) 従来品種(紅サシ・剣先)1,100、多収品種(新平太夫・福太夫)3,000(経営指標) 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6・福井7・福井8
北陸 石川 5.5〜6.0 — — 石川1・石川2
東海 岐阜 — 20本(7×7m) 1,500(11〜40年生) 岐阜
東海 愛知 — 20本 1,500 愛知
東海 静岡 6.0を目標に苦土石灰 20本 2,000 静岡
東海 三重 — 20本(7×7m) 南高 2,000、白加賀 1,500、五ヶ所小梅 800 三重
近畿 和歌山 6.0〜7.0 30本(5×6mの植栽例) 2,000(施肥基準の前提) 和歌山1・和歌山2・和歌山3・和歌山4・和歌山5
近畿 奈良 6.0を目標(好適pH表では5.0〜6.0) — 1,800 奈良
中国 広島 5.5〜6.0(樹園地共通)(図から読み取り) — — 広島1・広島2・広島3
中国 山口 5.5〜6.5(果樹共通) 最終10〜20本(計画密植 40〜80本) 1,000 山口1・山口2
四国 徳島 — — 着果量は2t/10a以内が適正 徳島1・徳島2・徳島3・徳島4・徳島5・徳島6
四国 愛媛 — — 2,000 愛媛
九州 福岡 5.5〜6.5 20本(7×7m) 1,500 福岡
九州 佐賀 5.5〜6.5 — 2,000 佐賀
九州 熊本 — — 2,000(成木収量) 熊本
九州 大分 — 48本(当初植栽) 2,000(12年生以上) 大分1・大分2
九州 宮崎 5.5〜6.0 — 2,000 宮崎
九州 鹿児島 6.0〜7.0 — 1,500 鹿児島1・鹿児島2

施肥量と施肥の時期

地域区分 都道府県 年間施肥量 N-P2O5-K2O(成木・kg/10a) 施肥の時期と配分(元肥ほか) 出典
東北 青森 14-6-10(9年生〜) 10月上旬に基肥として年間量の80%、収穫後に礼肥20% 青森1・青森2
東北 福島 白加賀・竜峡小梅 15-8-13、高田梅 12-8-10 会津以外:11月の冬肥で全量。会津(高田梅):収穫直後の7月に礼肥N2、9〜10月に秋肥10-8-10 福島
関東 群馬 20-16-20(10年以上) 基肥11-16-11、追肥3-0-3を5月上旬、追肥6-0-6を7月上旬、基肥は9月中〜下旬(図から読み取り)。別ページでは基肥10月下旬〜11月上旬、礼肥7月と9月 群馬1・群馬2・群馬3・群馬4・群馬5・群馬6
関東 茨城 —(県の果樹栽培基準は非公開) — 茨城
関東 栃木 13-13-16 基肥10-13-13を11月中〜下旬、追肥3-0-3を3月上〜中旬(図から読み取り) 栃木
関東 埼玉 16-10-14 基肥10-10-8を11月下旬〜12月上旬、追肥3-0-3を7月上旬と9月上旬 埼玉
関東 千葉 14-12-15 基肥8-7-9を12月上旬、夏肥3-2-3を6月下旬、秋肥3-3-3を9月上旬 千葉
関東 東京 黒ボク土 17-13-12、褐色森林土・灰色低地土 17-11-12 基肥は11月上〜中旬、追肥は3月中旬(黒ボク土はなし)・6月中旬・8月中旬(図から読み取り) 東京
関東 神奈川 26.8-16.7-20.1 7月上〜中旬 9.6-6.0-7.2、9月中旬 8.0-5.0-6.0、11月上〜中旬 9.2-5.7-6.9(時期は図から読み取り) 神奈川1・神奈川2
甲信 山梨 13-11-11 11月中旬に全量を基肥(苦土石灰60kgは10月下旬) 山梨
甲信 長野 N 20(地域慣行基準) 11月に基肥70%、8月に礼肥30%(乾燥期を避けて2回に分ける)。玉肥を施すなら5月に15% 長野1・長野2・長野3
北陸 福井 21年生以上:紅サシ 18.6-10.9-14.0、それ以外 24.0-16.3-21.2 手引き(2014):礼肥7月上旬・芽出し肥3月上旬・追肥5月上旬(紅サシは実肥なし)。近年の県技術情報:芽出し肥3月下旬、礼肥は収穫直後〜7月上旬にN約7kg、花芽肥は8月下旬〜9月にN6kg 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6・福井7・福井8
北陸 石川 —(慣行レベル N20。施肥基準ではない) 冬の基肥から「秋肥+春肥」への切り替えを進めている 石川1・石川2
東海 岐阜 10-11-9 基肥3-4-3を10月上旬、追肥3-1-2を4月下旬、追肥4-6-4を7月上中旬(時期は図から読み取り) 岐阜
東海 愛知 16-10-12 基肥7-6-7を10月中旬、追肥5-4-4を3月中旬、追肥4-0-1を6月下旬 愛知
東海 静岡 15-10-15(時期別の合計は15-10-12で資料内で不一致) 4月上旬4-3-3、7月下旬4-3-3、10月下旬7-4-6 静岡
東海 三重 南高・白加賀 20-15-20、五ヶ所小梅 16-11-16 南高・白加賀:実肥2-2-6(4月上旬)、実肥3-2-3(5月上旬)、礼肥9-7-7(6月下旬)、花芽肥6-4-4(9月中旬)(時期は図から読み取り) 三重
近畿 和歌山 25-14-22(収量2t。1.5tなら0.8倍、3tなら1.2倍) 実肥3.8-2.1-6.6(4月上中旬)、実肥3.8-2.1-3.3(5月上中旬)、礼肥10-5.6-5.5(6月上旬〜7月上旬)、基肥7.5-4.2-6.6(9月中旬〜10月上旬)。堆肥2tは10〜12月 和歌山1・和歌山2・和歌山3・和歌山4・和歌山5
近畿 奈良 12-15-14 元肥6-10-6を11月下旬、礼肥6-5-8を7月上旬 奈良
近畿 大阪 —(慣行レベル N18・P12。施肥基準ではない) — 大阪
近畿 滋賀 —(環境こだわり農産物の上限 N7。施肥基準ではない) — 滋賀1・滋賀2
中国 鳥取 —(慣行レベル N9.8。施肥基準ではない) — 鳥取
中国 島根 —(慣行レベル 化学肥料N14.6。施肥基準ではない) — 島根
中国 岡山 —(慣行レベル N15。施肥基準ではない) — 岡山
中国 広島 —(持続性指針で化学肥料N12.8以下、慣行レベルN16) — 広島1・広島2・広島3
中国 山口 10-6-8 元肥6-6-4.8を10月下旬〜11月上旬、追肥1-0-0.8を4月下旬(着果過多の園のみ)、追肥3-0-2.4を7月中下旬 山口1・山口2
四国 徳島 —(施肥基準にうめなし。慣行レベル N20) — 徳島1・徳島2・徳島3・徳島4・徳島5・徳島6
四国 愛媛 20-13-16 基肥6-4-5を11月上〜下旬、春肥8-5-6を4月下旬〜5月上旬、夏肥6-4-5を7月中〜下旬 愛媛
九州 福岡 21-17-21 基肥を10月上旬(N30%・リン酸全量)、花肥2月下旬(N20%)、実肥4月下旬(N20%)、礼肥7月中旬(N30%) 福岡
九州 佐賀 18-10-14 基肥60%を10月上旬〜11月中旬、玉肥10%を5月中旬、夏肥10%を7月中旬、秋肥20%を9月下旬 佐賀
九州 熊本 — 元肥11月、追肥4〜5月。礼肥は二次伸長を避けて8月中旬以降 熊本
九州 大分 21-12-18(12年生以上) 3月下旬15%、4月下旬〜5月上旬20%、6月下旬〜7月上旬20%、8月下旬〜9月上旬15%、11月下旬〜12月上旬30% 大分1・大分2
九州 宮崎 非火山灰土 17-11-18、火山灰土 15-10-16 基肥11月上〜中旬50%、追肥4月下旬20%、礼肥7月上旬30% 宮崎
九州 鹿児島 15-8-12(堆肥2t) 春肥4月中旬30%、夏肥7月上旬30%、秋肥10月上旬40% 鹿児島1・鹿児島2

せん定・開花・収穫の時期

地域区分 都道府県 せん定 開花期 収穫期(青梅) 収穫期(完熟・漬梅) 出典
関東 群馬 — 2月下旬〜3月下旬(産地) 白加賀 5月末〜6月下旬 —(完熟まで待つ南高などは7月の追肥を2〜3kg増やす) 群馬1・群馬2・群馬3・群馬4・群馬5・群馬6
関東 栃木 — — 6月中旬〜7月上旬(図から読み取り) — 栃木
関東 埼玉 12月(図から読み取り) 2月中旬〜3月中旬(図から読み取り) 6月中旬ごろ(図から読み取り) — 埼玉
関東 千葉 11月下旬〜12月(図から読み取り) — 5月下旬〜6月中旬(図から読み取り) — 千葉
関東 東京 12月(図から読み取り) 2月上旬(図から読み取り) 5月中旬〜6月上旬(図から読み取り) — 東京
関東 神奈川 — — 6月上旬〜7月上旬(図から読み取り) — 神奈川1・神奈川2
甲信 山梨 12月中旬(図から読み取り) 2月中旬(図から読み取り) 5月上旬〜下旬(図から読み取り) — 山梨
北陸 福井 落葉後(遅れる場合は11月中旬から)。新平太夫・福太夫は夏季せん定も 紅サシ 2/18始め・3/6盛期・3/18終わり(平年) 剣先 6月上中旬、紅サシ 6月中下旬、福太夫 6月中旬、新平太夫 6月下旬〜7月上旬 福太夫は6月20日過ぎに完熟して一斉に落果する。収穫始めの目安は開花盛期からの積算気温で剣先1,150℃・紅サシ1,300℃ 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6・福井7・福井8
東海 岐阜 12月上旬と2月上旬(図から読み取り) — 6月中〜下旬(図から読み取り) — 岐阜
東海 愛知 12月上旬(図から読み取り) — 5月下旬〜6月中旬(図から読み取り) — 愛知
東海 静岡 秋季せん定9月上旬、整枝・せん定12月(図から読み取り) — 5月中旬〜6月上旬(図から読み取り) — 静岡
東海 三重 — 2月中旬(五ヶ所小梅は2月上〜中旬)(図から読み取り) 南高・白加賀 6月上〜下旬、五ヶ所小梅 5月下旬〜6月中旬(図から読み取り) — 三重
近畿 和歌山 —(時期の明記なし。研究所の試験でカットバックは11月下旬) 南高 2月中〜下旬、古城 2月下旬〜3月上旬、白王 2月上〜中旬 古城 5月下旬〜6月上旬、南高 6月上旬〜下旬(西牟婁)。白王 5月中旬〜 南高(漬け梅)6月中旬〜7月上旬。完熟落果は6月10日ごろから始まり6月下旬がピーク 和歌山1・和歌山2・和歌山3・和歌山4・和歌山5
中国 山口 11〜12月。6月に徒長枝抜き 2月下旬 竜峡小梅 5月下旬〜6月上旬、玉英・鴬宿 6月中旬、南高・白加賀 6月中〜下旬 漬梅用は6月下旬(果面があせて黄色くなり始めたら) 山口1・山口2
四国 徳島 強めのせん定(枝の5〜6割を落とす)で樹勢を保つ — 5月中旬〜6月(月世界は平野部で5月下旬) — 徳島1・徳島2・徳島3・徳島4・徳島5・徳島6
九州 福岡 — — 6月上旬〜下旬 — 福岡
九州 大分 — 豊後梅は3月上〜中旬(普通の梅より20〜30日遅い) — — 大分1・大分2
九州 鹿児島 — — 5月下旬〜6月中旬 完熟梅 6月中旬〜7月上旬 鹿児島1・鹿児島2

各県の資料にある注意点

  • 青森:酸性土壌でホウ素欠乏(果頂部の陥没・ヤニ吹き果。大玉品種に多い)が出る。毎年出る園はホウ砂1〜2kg/10a。県南ではやませの多い年に環紋葉枯病で早く落葉する。開花期の天候不順で灰星病
  • 福島:浅根性で梅雨明け後の干ばつに弱いので稲わらマルチ。ホウ素欠乏が出やすく、2年に1回ほど土壌分析をしてホウ砂。堆肥は豚ぷんなど肥効の高いものを避け、牛ふん堆肥1t/10a
  • 群馬:白加賀は高温で陥没症が出やすい。胚の固化完了から10日以上たってから収穫し、30℃以上の予報日は午前中に収穫する。酸性土壌や弱った樹では陥没症・ヤニ果が出るので苦土石灰とホウ素を入れる。黒星病・かいよう病は休眠期(12〜3月)に枝の病斑を取る
  • 茨城:不適地での栽培や防風林・防風網の不足で結実不良・小玉果が出て、年ごとの生産量の差が大きい。労働時間は149時間/10a
  • 栃木:黒ボク土の基準で、黒ボク土以外は窒素を10〜15%増やす。成木で堆肥1tを入れたらN0.7・P4.0・K8.2kgを差し引く
  • 埼玉:摘果は4月中旬(図から読み取り)。基肥の前に土壌診断をする。堆肥1t/10a
  • 千葉:時期ごとの配分は窒素で考え、リン酸・カリは年間量が合えば増減してよい
  • 東京:開心自然形か、樹高3.5m以下の低樹高仕立て。堆肥1.5t/10aは溝や穴に局所施用
  • 神奈川:樹齢10〜15年の基準。脚立を使う4〜6月に絡むのでヘアリーベッチの草生は向かない。特別栽培の慣行レベル(施肥基準ではない)は化学肥料N13.4kg
  • 山梨:窒素の流亡を抑えるため、根の多い樹の近くに施し、樹間や園の周りには施さない
  • 長野:浅根性で乾燥にも過湿にも弱い。冬の高温で開花が早まり不完全花になる。幼果期の降霜に注意。適地は冬の最低極温-15℃以上
  • 福井:かいよう病は防風対策が薬剤より大事。11〜12月が暖かいと不完全花が増える。リン酸過剰(67%の園)と高pH(39%の園)が問題。紅サシは樹脂障害果(ヤニ果)が出やすい
  • 石川:産地は金沢・加賀・羽咋で、珠洲に新産地。金沢・加賀は大型防除機で土が締まり保肥力が落ちているので草生と堆肥2t/10a。珠洲の開発農地は腐植が少ない
  • 岐阜:開花期の天気で収量が決まるので、霜の心配がない園地を選び、冷気のたまるくぼ地や風の強い場所を避ける。摘果は5月上中旬(図から読み取り)。未熟な粗大有機物は紋羽病の原因になる
  • 愛知:基肥は緩効性の有機質肥料などで。速効性肥料を使うなら年明け(1〜2月)に
  • 静岡:苦土石灰は施肥と半月以上あけて入れ、軽く中耕する。堆肥の肥料分は施肥量から差し引く
  • 三重:礼肥は収穫後なるべく早く。砂・礫の多い土は収穫後と8月中旬に分ける。樹勢が落ちた園は追肥の代わりに3月上中旬に芽出し肥
  • 和歌山:暖冬で開花が早まると不完全花が増え不作(2020年・2024年)。ミツバチは13℃以上・風速3m/s以下・雨なしでないと飛ばない。完熟収穫園は礼肥を収穫前(ネットを敷く前)に。かいよう病は防風林・防風ネットで。古城のヤニ果は早めの摘果で減る
  • 奈良:ホウ素欠乏が出やすく、出た園ではホウ素入り肥料を使う。幼木は肥効調節型肥料を中心に分けて施す
  • 大阪:特別栽培の慣行レベルのみ
  • 滋賀:台風などの強風で枝葉が傷つくとかいよう病が出やすい。防風林・防風垣・防風網(3月中旬)
  • 鳥取:特別栽培の慣行基準のみ
  • 島根:慣行レベル一覧のみ
  • 岡山:慣行レベル一覧のみ
  • 広島:南部の緩傾斜畑や転作田での栽培が多い。傾斜地は土壌侵食、粘質土・水田転換園は排水対策。主な病害虫は黒星病・かいよう病・コスカシバ・アブラムシ類
  • 山口:開花期-2.2℃・幼果期-1.1℃(30分)で低温被害が出るので冷気のたまるくぼ地を避ける。摘果は短果枝1〜2果・中果枝2〜3果・長果枝5〜6果。ヤニ吹き果にはホウ砂
  • 徳島:着果過多と夏の乾燥が重なると衰弱症になる。乾燥時のかん水・敷きわら、強めのせん定で防ぐ。水噴射摘果は4月中旬。黒星病は小梅に多く、かいよう病は窒素の多用で出やすい
  • 福岡:浅根性で一度に多く施すと根を傷める。樹齢30年ほどの樹は施肥量を20%増やす。石灰を入れすぎてpHが上がるとホウ素欠乏でヤニ果が出る
  • 佐賀:着果が少なければ玉肥なし、若木など樹勢の強い樹は秋肥なし。夏肥は収穫後なるべく早く
  • 大分:堆きゅう肥3t/10aが前提。4〜5月の追肥は着果量で加減し、多ければ早めに
  • 宮崎:花は-8℃、幼果は-4℃で凍害を受けるので谷間やくぼ地を避ける
  • 鹿児島:浅根性で雑草と養水分を取り合うので春草・夏草を処理し、若木は敷わら。酸度矯正は12〜1月

資料どうしで違うところ

施肥の重心

和歌山の南高は、年間窒素25kg/10a(収量2t前提)を、実肥15%×2回(4月・5月)、礼肥40%(6〜7月)、基肥30%(9〜10月)に分けます。完熟収穫の園では、ネットを敷く前に礼肥を施すとしています。これに対し、福島(会津以外)・山梨は11月に1回で全量、奈良は11月下旬の元肥と7月上旬の礼肥の2回です。福井は、2014年の施肥の手引きと、2025〜2026年の県の技術情報とで施肥の時期が変わっています。

施肥量と目標収量

成木の年間窒素量(kg/10a)は、山口10(目標収量1t)、奈良12、山梨13、福島15、鹿児島15、宮崎15〜17、福井18.6〜24、群馬20、和歌山25(2t)、神奈川26.8です。和歌山は収量1.5tなら0.8倍、3tなら1.2倍と、目標収量に合わせて増減する考え方を示しています。

受粉樹

和歌山は、南高・古城が自家不和合性のため、授粉樹を平坦地で20%、傾斜地で30%ほど混植し、主要品種から10m以内に2〜3品種置くとしています。群馬は白加賀に実際に受粉した花粉親を調べ、梅郷が65%、南高は暖冬で開花がずれて2024年は0%だったことから、自家結実性の県育成品種「ゆみまる」を取り入れています。山口は、白加賀・玉英は花粉がほとんどないため、花粉の多い鴬宿や竜峡小梅を植えるよう勧めています。

土壌pH

好適pHは、和歌山・鹿児島が6.0〜7.0、長野・福島が6.5程度なのに対し、関東(栃木・千葉・東京)・青森・石川・宮崎は5.5〜6.0、福岡・佐賀は5.5〜6.5と、県によって1近く違います。福井は、リン酸過剰(67%の園)と高pH(39%の園)が問題だとしています。

作業ごとのポイント

暖冬と不完全花

和歌山・福井・長野の資料は、冬の高温で開花が早まると不完全花が増えると書いています。和歌山は2020年と2024年の不作の要因に挙げ、福井は11〜12月が暖かいと不完全花が増えるとしています。ミツバチは13℃以上・風速3m/s以下・雨なしでないと飛ばないため、開花期の天候も結実を左右します(和歌山)。

低温・霜

山口は開花期−2.2℃・幼果期−1.1℃(30分)、宮崎は花−8℃・幼果−4℃で被害が出るとしており、どちらも冷気がたまるくぼ地や谷間を避けて植えるよう勧めています。

収穫のタイミング

群馬は、白加賀の陥没症を防ぐため、胚(種)の固化が終わってから10日以上たってから収穫し、30℃以上の予報の日は午前中に収穫するとしています。福井は、開花盛期からの積算気温(剣先1,150℃、紅サシ1,300℃)で収穫始めを予測しています。

病害と生理障害

かいよう病は防風ネット・防風垣が薬剤より大事だとする県が多くあります(福井・和歌山)。黒星病・かいよう病は、休眠期に枝の病斑を切り取ります(群馬)。ヤニ果(樹脂障害果)は、古城では早めの摘果で減り(和歌山)、紅サシで出やすいとされます(福井)。ホウ素欠乏は奈良・福島・山口が注意を挙げています。

資料が見つからなかった都道府県

北海道・岩手・宮城・秋田・山形・新潟・富山・京都・兵庫・香川・高知・長崎・沖縄は、うめの栽培資料を確認できませんでした(2026年10月時点。岩手・山形・富山は確認が浅く、見落としの可能性があります)。大阪・滋賀・鳥取・島根・岡山・広島は特別栽培の慣行レベルなどの参考値だけで、施肥基準ではありません。茨城・熊本・石川・徳島は、品種や作業の一部の情報だけです。

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出典一覧

表の「根拠」「出典」の略称と資料の対応です。

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