いちじくの施肥・せん定・芽かき・摘心・収穫の時期は、都道府県ごとに別々の施肥基準や栽培指針に書かれていて、まとめて比べられる場所がありません。この記事では、37都府県の公的資料(112本)から時期と数値を拾い、全国の比較表と、主産地の露地栽培を中心にした標準的な年間作業表にまとめました。どの値にも出典の県と資料を付けています。
全体を見ると、元肥(基肥)を入れる時期が、県によって12月前後・1〜2月・3月の3つに分かれます。山口の露地蓬莱柿は12月上旬に年間窒素の60%、福岡は1月上旬〜2月上旬に50%を入れ、愛知の露地は3月上旬、和歌山(県の指針に掲載された栽培暦例)は3月中旬に47%を入れます。好適とされる土壌pHも、埼玉の5.5〜6.5から岐阜の7.2〜7.5まで開きがあります。露地の桝井ドーフィンの収穫は主産地ではおおむね8月上旬〜中旬に始まりますが、終わりは三重・奈良の10月上旬(図から読み取り)から和歌山の11月下旬まで、県によって1か月以上違います。
いちじくの年間作業表・都道府県比較(Excel)をダウンロード
Excelには、年間作業表(実施日を書く欄つき)、37都府県の比較表、出典一覧の3つのシートがあります。
ほかの作物の栽培暦・年間作業表は栽培暦・年間作業表の全国まとめにまとめています。
この記事の調べ方
- 対象:都道府県と県の試験場・普及組織が公開している施肥基準、栽培指針、病害虫防除指針、試験研究の成果。農林水産省「都道府県施肥基準等」に掲載されている県の資料を含みます。JAの資料は使っていません
- 使い方:資料の表やレイアウトは転載せず、時期と数値などの事実だけを拾って組み直しました。図の栽培暦から読み取った値は「図から読み取り」と書いています
- 慣行レベル:京都・鳥取・香川・佐賀・熊本・大分は、特別栽培の「慣行レベル」(その地域で普通に使われている化学肥料の窒素量)しか見つかりませんでした。石川・福井・大阪・兵庫・岡山・広島の施肥量も慣行レベルです。施肥基準ではないので、表ではそう書いています
- 和歌山の施肥:和歌山の施肥の時期と量は、県の土壌肥料対策指針に掲載された栽培暦例で、県の施肥基準ではありません。表と作業表では「県の指針に掲載された栽培暦例」と書いています
- 試験の値:茨城の密植株仕立て、宮城のオールバック仕立て、福井の無加温ハウス、新潟のコンテナ栽培、島根の結縛処理などの数値は試験の条件での値で、県の指導基準ではありません。表の中でもそう書いています
- 農薬:使い方を推奨しないため、薬剤名は書いていません。熟期をそろえる処理も「植物成長調整剤」とだけ書き、商品名は載せていません
- 調査日:2026年10月2日。資料は改訂されることがあるので、最新の内容は各資料で確認してください
全国の時期の早見
- 萌芽(発芽):大阪・三重・東京は4月上旬、奈良は4月上〜中旬、神奈川は4月中旬(いずれも図から読み取り)。愛知・新城市の実証園(山間部)は4月8〜10日(2023年)、山口の露地蓬莱柿は4月下旬に発芽展葉。無加温ハウスは山口で3月下旬
- 露地の収穫始め:愛知・大阪・奈良・三重は8月上旬(図から読み取り)、福岡のとよみつひめ・桝井ドーフィンは8月上旬(とよみつひめの露地は8月中旬からとする資料もある)、長崎・千葉・埼玉は8月中旬。福島・いわきの桝井ドーフィンは9月初旬から
- 露地の収穫の終わり:三重・奈良・千葉は10月上旬、愛知・大阪は10月中旬、福岡・長崎は10月下旬、埼玉は11月上旬、東京は11月中旬(図から読み取り)。和歌山の露地は11月下旬まで収穫できるとしています
- 施設の収穫:愛知の加温施設は4月中旬〜8月中旬(図から読み取り)。無加温ハウスの桝井ドーフィンは山口・長崎とも7月上旬〜9月中旬、和歌山の無加温ハウスの出荷は7〜9月
- 品種別:蓬莱柿は山口の露地で9月上旬〜10月下旬(10月が最も多い)、福岡の秋果で8月中旬〜10月下旬。とよみつひめ(福岡)は収穫期間が2か月半でピークが2回。ビオレソリエスは宮城で10月〜11月上旬。夏果は岐阜で7月上〜中旬、福岡の蓬莱柿で7月上〜下旬
標準の年間作業表(主産地の露地栽培(施設は作型を併記))
愛知・和歌山・大阪・兵庫・奈良・山口・福岡・長崎などの主産地の資料をもとにした、露地の桝井ドーフィン・蓬莱柿・とよみつひめの標準的な作業表です。施設(加温・無加温ハウス)の作業は「品種・作型」欄に作型を書いて数行だけ載せています。施肥や収穫の時期は県や品種で違うので、1行の中に県別の時期を並べています。和歌山の施肥は県の指針に掲載された栽培暦例です。「根拠」の略称は記事末尾の出典一覧に対応しています。
| 月 | 旬 | 作業 | 内容・目安 | 品種・作型 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 上旬〜2月中旬 | 元肥(1〜2月に施す県) | 福岡はとよみつひめ・桝井ドーフィンで1月上旬〜2月上旬に年間N12kgの50%(6.0kg)、リン酸全量、カリ60%。蓬莱柿はN70%。有機質肥料が中心。奈良は1〜2月(図では1月下旬〜2月)に成木N9-P8-K8と苦土石灰100kg・完熟堆肥2t。岐阜は2月上〜中旬にN8.4-P7.0-K7.0、三重は2月中旬にN10-P12-K9(いずれも図から読み取り) | 露地(とよみつひめ・桝井ドーフィン・蓬莱柿) | 福岡1 p.37・p.39・奈良1・岐阜1・三重1 p.42 |
| 1月 | 中旬〜4月上旬 | 追肥(施設) | 愛知の加温施設は1月中旬〜3月上旬にN6を2週間間隔で分けて施し、2月下旬にカリ2を追加。山口の無加温ハウス(桝井ドーフィン)は4月上旬に年間Nの34%を施し、小トンネルを外してマルチを張る | 施設(加温・無加温) | 愛知1 p.25・山口1 p.171, p.174 |
| 1月 | 下旬〜2月下旬 | ハウス被覆(無加温) | 被覆は山口で1月下旬〜2月下旬、長崎で2月下旬。被覆直後に十分かん水し(長崎は50t/10a以上)、発芽までは枝への散水で湿度を高める(山口は80〜90%)。日中は25〜30℃(長崎は25〜28℃)で30℃以上にしない(飛び節の防止)。夜間は5℃以下にしない。発芽後は湿度を下げ、着果始めに60%程度 | 施設(無加温) | 山口1 p.170-171・長崎1 p.585 |
| 12月〜2月 | — | 枝幹病斑・枯死部の切除 | 黒葉枯病の越冬伝染源になる主枝・主幹の陥没病斑や、凍霜害を受けた枝幹の黒褐色病斑、枯死部をせん定のときに切り取り、切り口を保護する。発芽期にもう一度切除する | とよみつひめ | 福岡4・福岡2 p.20 |
| 2月 | 上旬〜下旬 | 冬季せん定(露地) | 一文字整枝では結果母枝を基部の2〜3芽で切り返し、毎年同じ位置に結果枝をつくる。凍霜害やカミキリムシで傷んだ主枝は基部から出た芽で更新し、せん定枝は園外へ出す。時期は県で違い、山口の露地は休眠期の11〜12月、東京は1月中旬、岐阜は1月中旬〜2月中旬(いずれも図から読み取り)、奈良は厳寒期を避けて2月中〜下旬、長崎の露地は2月、愛知の露地は3月上旬・埼玉は3月中旬(図から読み取り) | 露地桝井ドーフィン・蓬莱柿 | 山口1 p.173・東京1・岐阜1・奈良1・長崎1 p.586・愛知1 p.24・埼玉1 p.85 |
| 2月 | — | 幼木の主枝の誘引・結束 | 1〜2年生の主枝の誘引・結束は、水が回って枝が曲がりやすい2月以降に行う | 幼木 | 山口1 p.172-173 |
| 3月 | 上旬〜中旬 | 基肥(3月に施す県) | 愛知の露地は3月上旬にN9-P8-K8(有機質か緩効性肥料が主体。全量基肥型肥料を3月上旬に施して夏の追肥2回を省いた例はN16.8で肥料代約4割減、試験の値)。和歌山(県の指針に掲載された栽培暦例)は3月中旬に年間Nの47%(N6.0-P4.0-K5.0)。埼玉は3月中旬にN6-P6-K4、神奈川は3月中旬にN8-P4-K4(5年生以上、図から読み取り)、東京は3月上〜下旬(図から読み取り) | 露地桝井ドーフィン | 愛知1 p.1・p.24・愛知8・和歌山1 p.87・埼玉1 p.85・神奈川1 p.22・東京1 |
| 3月 | 上旬〜中旬 | 芽出し肥(追肥) | 福岡はとよみつひめ・桝井ドーフィンでN20%(2.4kg)、蓬莱柿でN10%。長崎はN15%。速効性肥料を樹勢と着果に応じて施す | 露地 | 福岡1 p.37・p.39・長崎2 p.789 |
| 3月 | 中旬 | 発芽前の防除 | コナカイガラムシ類・ハダニ類を発芽前に防除する | 全般 | 大阪1 p.10-3, p.10-5 |
| 3月 | 中旬〜下旬 | 苗木の植え付け | 厳寒期を避けて3月中下旬に植える。植え穴は深さ50cm・直径1〜1.5mで、1本あたり完熟堆肥20kg、ようりん・苦土石灰各3kg。苗木は40cmに切り返す。苗木・穂木は株枯病が出ていない園のものを使い、排水をよくして高うねに植える | 全般 | 奈良1・福井5 |
| 3月 | 中旬〜下旬 | 改植(株枯病・いや地の園) | 株枯病の園は抵抗性台木(キバル・励広台1号・ネグローネ・イスキアブラックなど)に接いだ苗で改植する。和歌山の現地試験では、キバル台の苗は発病しなかったが、イスキアブラック台の苗で発病が確認された。福岡は台木の地上部を25cm以上とし、汚染は表層15cm程度までなので表土除去・客土も有効とする。山口は多発ほ場を1〜2年水田にする。いや地には和歌山・兵庫がZidi台を勧める | 全般 | 福岡2 p.28-33・山口1・和歌山4・和歌山5 p.15-16・兵庫10 |
| 3月 | 下旬〜4月中旬 | 挿し木 | 千葉は株枯病・ネコブセンチュウを持ち込まないよう、5年生以上の健全樹から2〜3月に穂木を採って自家育成する。挿し穂は太さ15mm以上・長さ20cm程度(2〜3節)で、黒ポリマルチに20〜30cm間隔で挿し、2〜4週間で萌芽。奈良は3月下旬に穂木の2/3を挿す。兵庫は本ぽに1か所2本を直接挿し木し、活着後に1本にする方法も紹介(2年目から着果) | 苗木育成 | 千葉2 p.9-10・奈良1・兵庫11 |
| 3月 | 下旬〜4月 | 晩霜・低温に注意 | 樹液が動き始める3月下旬以降は耐凍性が落ち、−1〜−3℃でも芽が枯れて発芽が遅れることがある(愛知)。桝井ドーフィンは蓬莱柿より耐凍性が弱く、春先に低温障害が出やすい(奈良) | 桝井ドーフィン | 愛知16・奈良1 |
| 3月 | 中旬〜5月上旬 | アイノキクイムシ(1回目) | 株枯病を媒介するアイノキクイムシの越冬成虫が穿孔する時期。福岡は3月中旬〜5月上旬に穿孔するとし、直前の4月上旬に主幹の地際や主枝の傷口を保護する。大阪は越冬成虫を4月上旬〜5月上旬、神奈川(足柄地域)は4月と7月の2回、株元を処理する。発病樹は根ごと掘り上げて処分する | 全般 | 福岡2 p.30-32・大阪1 p.10-4・神奈川2 |
| 3月 | 下旬〜6月 | 芽かき・誘引・摘心(無加温ハウス) | 山口は3月下旬に極端に強い枝・弱い枝の芽をかき、4月下旬に誘引、6月中旬に18〜20節で摘心。長崎は3〜6月に主枝から直接出た不定芽を除き、1結果母枝に1新梢を誘引、結果枝2,500本/10aを目標に17〜18節で摘心 | 施設(無加温) | 山口1 p.171・長崎1 p.585 |
| 4月 | 上旬〜下旬 | 発芽 | 大阪・三重・東京は4月上旬、奈良は4月上〜中旬、神奈川は4月中旬(いずれも図から読み取り)。愛知の新城市の実証園(山間部)は4月8〜10日(2023年)。山口の露地蓬莱柿は発芽展葉が4月下旬、福岡の展葉期は4月下旬(図から読み取り) | 露地 | 大阪1 p.10-1・三重1 p.42・東京1・奈良1・神奈川1 p.22・愛知12・山口1 p.173・福岡2 p.77 |
| 4月 | 中旬〜8月中旬 | 収穫(加温施設) | 愛知の加温施設(加温は12月上旬〜5月上旬)は4月中旬〜8月中旬に収穫(図から読み取り)。田原の加温ハウスの事例は3月下旬〜9月に出荷し、ピークは5〜7月 | 施設(加温) | 愛知1 p.25・愛知9 |
| 4月 | 上旬〜6月中旬 | そうか病 | 感染期は4月〜6月中旬(図から読み取り)で、萌芽展葉期(とよみつひめ4月下旬〜5月上旬、蓬莱柿4月上〜中旬)から防除する(福岡)。露地で5〜6月に雨が多いと出やすく、蓬莱柿・カドタは弱い(福井) | とよみつひめ・蓬莱柿 | 福岡2 p.77・p.88-89・福井5 |
| 4月 | 下旬〜5月下旬 | 芽かき(露地) | 極端に強い枝・弱い枝の芽をかき取り、母枝の基部から結果枝をとる。盃状形は1樹40本、一文字整枝は外芽を残す。主枝から直接出た不定芽は除き、1結果母枝に1新梢、結果枝は2,500本/10aが目標(長崎)。時期は山口4月下旬、奈良4月下旬〜5月上旬、岐阜5月上旬(いずれも図から読み取りを含む)、愛知の新城市の実証園は5月25〜29日 | 露地 | 山口1 p.173・奈良1・岐阜1・長崎1 p.587・愛知12 |
| 5月 | 中旬〜6月上旬 | 新梢の誘引 | 枝の強弱で誘引の角度を変え、伸びを揃える。山口は露地5月中旬(ハウス4月下旬)、奈良は6月上旬(図から読み取り) | 露地 | 山口1 p.171, p.173・奈良1 |
| 5月 | 中旬〜下旬 | 敷わら・マルチ | 根が浅いので敷わらで乾湿の変化と雨のはね返りによる疫病を抑える。奈良は春の地温を上げるため5月以降(図では5月中〜下旬)に敷く。福島は稲わら1.5〜2t/10a。愛知の露地は畝上に白色マルチを敷く栽培が普及し、兵庫は透湿性白色マルチで糖度が0.5〜1%上がるとする | 全般 | 奈良1・福島1 p.10・愛知1 p.24・兵庫8 |
| 5月 | 中旬〜7月中旬 | 反射シート | 下の節の果実の着色とアザミウマ類の対策を兼ねて反射シートを敷く。山口は5月中旬、滋賀は5月、和歌山は果実の目が一時開く6月頃から。大阪は乱反射型の光拡散シートを勧める。長崎は熟期を早めるため無加温で6月上旬、露地で7月中旬に敷く | 全般 | 山口1 p.170・滋賀1 p.129, p.137・和歌山2 p.112-113・大阪1 p.10-3・大阪4・長崎1 p.584・p.586 |
| 5月 | 下旬〜7月下旬 | アザミウマ類 | 果実の開口部から入り果肉を変色させる。大阪は成虫の発生期を5月下旬〜6月中旬とし、果実の直径2.5cmのときの防除が効果的とする。愛知は加害期を5月下旬〜7月下旬とし、園を赤色ネット(目合い0.8mm)で囲むと侵入が約3分の1、果実袋で被害がほぼゼロになった(試験の値) | 桝井ドーフィン・とよみつひめ | 大阪1 p.10-3・愛知10・愛知11・福岡2 p.88-89 |
| 5月 | 下旬 | 着果始め | 福岡は着果始め5月下旬(図から読み取り)。とよみつひめの結果開始期は露地6月1日・無加温5月21日。愛知の新城市の実証園は着花始め5月10〜12日(2023年)。山口の露地蓬莱柿は6月中旬。大阪は着果後75〜80日で成熟するとする | 露地 | 福岡2 p.77・福岡6・愛知12・山口1 p.173・大阪2 |
| 5月 | 中旬〜6月上旬 | 追肥(初夏) | 愛知の露地は5月下旬にN2-P2-K2、埼玉は5月中〜下旬にN4-P3-K3。施設は徳島のハウスが5月下旬〜6月上旬にN20%・カリ30%、愛知の加温施設が5月中旬〜6月下旬にN4を分けて施す | 露地・施設 | 愛知1 p.24-25・埼玉1 p.85・徳島1 PDF p.15 |
| 6月 | 上旬〜下旬 | 追肥(6月) | 和歌山(県の指針に掲載された栽培暦例)は6月上旬にN19%(2.4-2.4-3.2)、三重は6月上旬にN2-P1-K2(図から読み取り)、山口の露地蓬莱柿は6月中旬にN20%(3.1-2.0-7.5)、長崎は6月中〜下旬にN15%・カリ15%、愛知は6月中旬にカリのみ5、徳島の露地は6月下旬〜7月上旬にN20%。愛媛は桝井ドーフィンの夏肥N8を6〜8月に4回程度に分け、奈良は6〜8月に計N7-P6-K8 | 露地 | 和歌山1 p.87・三重1 p.42・山口1 p.173-174・長崎2 p.789・愛知1 p.24・徳島1 PDF p.15・愛媛1 p.54・奈良1 |
| 6月 | 中旬〜9月上旬 | 疫病・排水対策 | 梅雨期は排水溝を整え、敷わら・ポリマルチで雨滴のはね上がりを防ぎ、被害葉・被害果は持ち出す。桝井ドーフィンで発病しやすい。愛知は7月と9月を中心に果実に出るとし、下枝を切って通風をよくし、防除の目安を6月中旬〜7月上旬と8月下旬〜9月上旬とする | 全般(桝井ドーフィンは発病しやすい) | 山口1 p.171, p.173・大阪1 p.10-1・奈良1・愛知6 |
| 6月 | 下旬〜10月 | 黒葉枯病 | 梅雨期に増え始め、7月下旬〜8月に急増して10月頃まで続く。初発日は5月1日以降、平均気温20℃以上の1時間降水量の積算が50mmに達した日から推定でき、初発が早い年ほど8月下旬〜9月上旬の発生が多い。散布は初発推定日の約2週間前に始め、約10日間隔で梅雨明けまで | とよみつひめ | 福岡2 p.20・福岡4・福岡5 |
| 6月 | 〜8月中旬 | 結縛処理 | 強樹勢の若木園で新梢の第4節を針金で締めると着果が安定し、収穫が早まる(6月処理で10月までに約8割を収穫、試験の値)。誘引をあまりしない蓬莱柿には向かない | 一文字整枝の桝井ドーフィン(島根) | 島根3・島根4 |
| 6月 | 中旬〜10月 | 熟期促進処理 | 大阪は自然成熟の約15日前(果皮が黄色みを帯び、果頂部の目が桃色から赤色に変わる頃)に、1結果枝あたり2果以内で植物成長調整剤を処理する。長崎は成熟予定の15日前に処理(無加温6月中旬〜9月下旬、露地7月上旬〜10月下旬) | 桝井ドーフィン | 大阪2・長崎1 p.584・p.586 |
| 6月 | 上旬〜10月 | カミキリムシ類・ほかの害虫 | カミキリムシ類は成虫を見つけ次第捕殺し、食入孔の幼虫を針金で刺殺する。凍霜害や日焼けで弱った樹が狙われやすい。大阪はコナカイガラムシ類の第1世代幼虫を6月上〜中旬、イチジクモンサビダニを6〜7月、イチジクヒトリモドキ(5月下旬〜10月に5世代程度)は分散前の若中齢幼虫の群生葉を除く | 全般 | 大阪1 p.10-3〜10-5・奈良1 |
| 6月 | 〜8月 | かん水 | 水分要求量が大きいのでかん水施設が必要だが、湿害に弱いので排水にも努める(福岡)。長崎の露地は4〜8月に過湿・過乾がないように適宜かん水。奈良は果実肥大期に定期的にかん水し、畝間かん水は水を長く溜めない | 露地 | 福岡1 p.38・長崎1 p.587・奈良1 |
| 7月 | 上旬〜下旬 | 摘心(露地) | 新梢を18〜20節で摘心する(山口の露地蓬莱柿は7月中旬、奈良は7月上〜中旬(図から読み取り)、愛知の新城市の実証園は7月26日)。長崎は17〜18節(芽かき〜摘心は4月中旬〜8月上旬)。福岡の蓬莱柿H型整枝は新梢が旺盛なら7月下旬に15節程度。摘心後に出る腋芽は随時かき取り、先端の芽は2〜3葉残して摘心する | 露地 | 山口1 p.170, p.173・奈良1・愛知12・長崎1 p.587・福岡3 |
| 7月 | 上旬〜下旬 | 夏の追肥 | 愛知は7月上旬にN8-P6-K4(肥効調節型肥料)。三重は7月上旬に硫酸カリ10kg/10a。和歌山(県の指針に掲載された栽培暦例)は7月中旬にカリのみK5.0。福岡の蓬莱柿は7月上旬にN10%・カリ10%。神奈川は7月中旬にN3-K10、東京は7月上〜中旬。徳島は7月下旬〜8月上旬に露地N20% | 露地 | 愛知1 p.24・三重1 p.42・和歌山1 p.87・福岡1 p.39・神奈川1 p.22・東京1・徳島1 PDF p.15 |
| 7月 | 上旬〜9月中旬 | 収穫(無加温ハウス) | 桝井ドーフィンは山口・長崎とも7月上旬〜9月中旬(着果後80日程度が目安)。和歌山の無加温ハウスの出荷は7〜9月。山口の蓬莱柿は8月上旬〜10月下旬。収穫後はできるだけ早く外フィルムを除く(長崎は9月下旬、山口は蓬莱柿の収穫後の10月下旬) | 施設(無加温) | 山口1 p.172・長崎1 p.584-585・和歌山3 |
| 7月 | 上旬〜下旬 | 夏果の収穫 | 岐阜は7月上〜中旬、東京は6月下旬〜7月下旬(いずれも図から読み取り)。福岡の蓬莱柿の夏果は7月上〜下旬。千葉のキングは7月上〜中旬の約2週間。奈良は桝井ドーフィンを夏秋兼用種だが一般に秋果だけ収穫するとする | 桝井ドーフィン・蓬莱柿・キング | 岐阜1・東京1・福岡1 p.39・千葉3・奈良1 |
| 7月 | 中旬〜8月下旬 | アイノキクイムシ(2回目) | 夏世代の成虫が穿孔する時期(福岡は7月中旬〜8月中旬、大阪は7月中旬〜8月下旬)。福岡は平年並みの気温なら梅雨明け直後の7月中旬に保護するのがよいとする。台風による裂開や夏の高温で樹勢が落ちると穿孔されやすい。神奈川は4月の1回だけでは不十分とする | 全般 | 福岡2 p.30-32・大阪1 p.10-4・神奈川2 |
| 8月 | 上旬 | 台風対策 | 防風施設の点検とハウスの補強。根が浅く倒れやすいので杭で主幹・主枝を固定する | 全般 | 山口1 p.172-173・奈良1 |
| 8月 | 上旬〜10月下旬 | 収穫(露地桝井ドーフィン) | 愛知8月上旬〜10月中旬(図から読み取り。新城市の実証園は8月1日〜11月10日)、大阪8月上旬〜10月中旬・奈良8月上旬〜10月上旬・三重8月上旬〜10月上旬(いずれも図から読み取り)、福岡8月上旬〜10月下旬、長崎8月中旬〜10月下旬、山口の品種特性表8月中旬〜10月下旬、和歌山の露地出荷8〜11月(11月下旬まで)。下の節から順に熟すので毎日収穫する | 露地桝井ドーフィン | 愛知1 p.24・愛知12・大阪1 p.10-1・奈良1・三重1 p.42・福岡1 p.37・長崎1 p.586・山口1・和歌山3・福島2 |
| 8月 | 上旬〜10月下旬 | 収穫(とよみつひめ) | 福岡は8月上旬〜10月下旬(露地は8月中旬からとする資料もある)。収穫期間は2か月半でピークが2回あり、着果から日平均気温の積算2,000℃で収穫に達する。適熟は果実全体が着色し、果梗部にも弾力がある状態 | とよみつひめ(福岡) | 福岡1 p.37・福岡13・福岡6・福岡12 |
| 8月 | 上旬〜 | 収穫のしかたと鮮度保持 | 果実温度の低い早朝に、完熟よりいくぶん早めに収穫し、予冷庫(晴天日12〜13℃、雨天日8〜10℃)で保存する(長崎)。収穫後は常温で1日程度しか持たず、5℃で3日、0℃で7〜10日(兵庫)。カラーチャート6.5以上で収穫すると糖度15%以上(兵庫)。福井はカラーチャート・着色面積・果実硬度で月ごとに適期を決める | 桝井ドーフィン | 長崎1 p.584・兵庫8・福井2 |
| 8月 | 中旬〜9月上旬 | 追肥(実肥) | 和歌山(県の指針に掲載された栽培暦例)は8月中旬にN19%(2.4-1.6-2.0)、9月上旬にカリのみK5.0。福岡はとよみつひめ・桝井ドーフィンで8月中〜下旬にN10%(1.2kg)・カリ10%。三重は8月上旬にN2-P1-K2(図から読み取り)。山口の露地蓬莱柿は9月上旬にN20%(3.1-2.0-2.5)。徳島の露地は9月にN10%。収穫期間中に窒素を多く施すと着色が悪くなる(福岡) | 露地 | 和歌山1 p.87・福岡1 p.37・三重1 p.42・山口1 p.173-174・徳島1 PDF p.15 |
| 8月 | 〜10月 | さび病・黒かび病・腐敗果 | さび病は平年8月下旬から出て、8月が最も重要な防除期(愛知)。落葉は園外で処分する。黒かび病・酵母腐敗病は8月下旬〜収穫終了に成熟果に出るので、過熟果を樹に残さず病果は園外へ出す。成熟7日以前の果実をネット袋で覆うとショウジョウバエ類の侵入を防げる(愛知)。黒かび病は収穫期の風雨後に多く(大阪)、露地は降雨後に腐敗果が増える(長崎) | 全般 | 愛知6・大阪1 p.10-2, p.10-5・長崎1 p.586・福岡2 p.88-89 |
| 9月 | 上旬〜10月下旬 | 収穫(蓬莱柿) | 山口の露地蓬莱柿は9月上旬〜10月下旬で、10月に最も多い(品種特性表では9月上旬〜11月上旬)。福岡の蓬莱柿の秋果は8月中旬〜10月下旬。成熟が進むと果頂部が裂けるので完熟の1〜2日前に収穫する | 蓬莱柿 | 山口1 p.173, p.175・福岡1 p.39 |
| 10月 | 上旬〜下旬 | 礼肥・秋肥 | 和歌山(県の指針に掲載された栽培暦例)は10月下旬にN15%(2.0-0.8-1.8)。福岡は10月下旬にとよみつひめ・桝井ドーフィンN20%、蓬莱柿N10%(樹勢が落ちた樹は各追肥をN1kgまで増やす)。長崎は10月中〜下旬にN20%。愛媛は10月上旬に桝井ドーフィンN2・蓬莱柿N3。三重は10月中旬にN4-P1-K4(図から読み取り)、愛知は10月下旬にN1 | 露地 | 和歌山1 p.87・福岡1 p.37・p.39・長崎2 p.789・愛媛1 p.54・三重1 p.42・愛知1 p.24 |
| 11月 | 上旬〜12月上旬 | 基肥・せん定・加温開始(加温施設) | 愛知の加温施設は11月上旬に基肥N6-P5-K5、11月中旬にせん定(図から読み取り)、12月上旬に加温を始める | 施設(加温) | 愛知1 p.25 |
| 11月 | 中旬〜12月下旬 | 落葉処理・園内整備 | 落葉はさび病の越冬源になるので持ち出して処分する。排水溝・防風垣を整える | 全般 | 山口1 p.172-173・大阪1 p.10-3 |
| 11月 | 上旬〜1月 | 土づくり | 長崎は露地で11月上〜中旬に堆肥2t/10a・苦土入りカキガラ石灰150kgなどを土壌診断に基づいて施す。兵庫は牛ふん堆肥を12月に1〜2t。和歌山(県の指針に掲載された栽培暦例)は12〜1月に完熟堆肥2tと石灰苦土資材。三重は12月に堆肥・石灰・苦土・りん酸質資材(図から読み取り)。愛知は石灰・リン酸資材と有機物を休眠期に施して深耕で混ぜ、樹勢回復にはオーガで堆肥をタコツボ状に入れる | 全般 | 長崎1 p.586・兵庫2 p.56・和歌山1 p.87・三重1 p.42・愛知1 p.1 |
| 12月 | 上旬〜下旬 | 元肥(冬に施す県) | 長崎は11月下旬〜12月上旬に年間Nの50%とリン酸全量を有機質肥料で施し、土と軽く混ぜてかん水。山口の露地蓬莱柿は12月上旬にN60%(9.4-16.2-6.6)と堆肥。徳島の露地は12月にN50%(ハウスは60%)。愛媛は12月下旬に桝井ドーフィンN10・蓬莱柿N9で、2〜3週間前に石灰資材100kg/10a。福島の桝井ドーフィンは12〜2月にN8〜10。無加温ハウスは山口が12月中旬に45% | 露地(施設を併記) | 長崎2 p.789・長崎1 p.584・山口1 p.173-174・徳島1 PDF p.15・愛媛1 p.54・福島1 p.10 |
| 12月 | 下旬〜4月下旬 | 凍害対策 | 愛知は凍害の出る園で12月にせん定し、12月下旬〜4月下旬にアルミ蒸着フィルムや根巻シート、わらで樹を覆う(夜間のフィルム内は外より最大3.4℃高く、周辺で甚大だった凍害を回避した、試験の値)。奈良・山口・茨城は幼木や株元・主枝に稲わらを巻く。兵庫は主枝を高くして凍害を減らす方法を示す | 桝井ドーフィン | 愛知16・奈良1・山口1 p.172-173・茨城1・兵庫9 |
| 12月 | 〜1月 | せん定(無加温ハウス) | 一文字整枝で、結果母枝を主枝の両側に20cm間隔(片側40cm)で配置し、基部の2芽で切り返す(長崎)。山口は休眠期に結果母枝を10aあたり2,400〜2,500本確保する | 施設(無加温) | 長崎1 p.584・山口1 p.171 |
都道府県別の比較
「—」はその県の資料に記載がない項目です。「図から読み取り」は栽培暦の図から読んだ値で、±1旬ほどずれることがあります。県の基準は品種や目標収量、土壌の前提が違うので、数字だけを単純に比べず、自分の地域に近い県の資料を確かめてください。
主要品種
| 地域区分 | 都道府県 | 主要品種 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 宮城 | ビオレソリエス(県南向けの普及技術)・ホワイトゼノア(山元町) | 宮城1・宮城2・宮城3・宮城4 |
| 東北・北陸 | 秋田 | ホワイトゼノア(=ブルンスウィック系、甘露煮など加工用が主力)。生食用にバナーネの試作が始まっている。県果樹試験場の品種比較(2011〜2016、県南部の積雪地)では、バナーネが耐寒性・生産性とも高く有望、桝井ドーフィンとヌアールド・カロンは適応性が低い | 秋田1 p.4-5・秋田2・秋田3・秋田4 |
| 東北・北陸 | 福島 | 桝井ドーフィン・ホワイトゼノア(いわきは生食用の桝井ドーフィン約5ha) | 福島1 p.10・福島2・福島3・宮城2 |
| 関東・東海 | 茨城 | 桝井ドーフィン(密植株仕立て) | 茨城1 |
| 関東・東海 | 埼玉 | 桝井ドーフィン(露地) | 埼玉1 p.85・埼玉2 p.31 |
| 関東・東海 | 千葉 | 桝井ドーフィン(県内の9割以上)・ホワイトゼノア・セレストブルー・ビオレソリエス・キング | 千葉1 p.23・千葉2 p.9-11・千葉3 |
| 関東・東海 | 東京 | 桝井ドーフィン(露地・低樹高仕立て) | 東京1 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 桝井ドーフィン(足柄地域では株枯病抵抗性台木‘キバル’への改植が進む) | 神奈川1 p.22・p.162-163・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 桝井ドーフィン・蓬莱柿(県の基幹品種)。育苗ハウスのコンテナ栽培ではビオレ・ソリエスも | 新潟1 p.24・新潟2・新潟3・新潟4・新潟5・新潟8 |
| 東北・北陸 | 富山 | 小粒いちじく:コナドリア(1果50g前後)・ネグローネ(1果25g程度) | 富山1 |
| 東北・北陸 | 石川 | 桝井ドーフィン(主力)・ビオレソリエス・バナーネ・カドタ | 石川1・石川2 |
| 東北・北陸 | 福井 | 桝井ドーフィン(大部分)。直売向けにバローネ・ブルンスウィック、加工向けにビオレソリエスを推奨 | 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 桝井ドーフィン(美濃地域・標高0〜200m) | 岐阜1 |
| 関東・東海 | 静岡 | 桝井ドーフィン | 静岡1・静岡2 |
| 関東・東海 | 愛知 | 桝井ドーフィン・サマーレッド(施肥基準の主要品種)。ほかにビオレ・ソリエス・バナーネも流通。県育成の黄緑色品種「愛知イチジク1号」(2025年出願) | 愛知1 p.1・p.7-8・p.24-25・愛知2 p.V-9・愛知3・愛知4・愛知5・愛知6・愛知7・愛知8・愛知9・愛知10・愛知11・愛知12・愛知13・愛知15・愛知16・愛知17 |
| 関東・東海 | 三重 | 桝井ドーフィン(露地・秋果採り。三雲町を中心に栽培)。県の品種比較(昭和61〜63年)では蓬莱柿が品質・収量とも有望、カドタは小果だが高糖度で有望 | 三重1 p.42・三重2 p.8・三重3 |
| 近畿 | 大阪 | 桝井ドーフィン(南河内地域が主産地) | 大阪1 p.10-1〜10-6・大阪2・大阪3・大阪4 |
| 近畿 | 兵庫 | 桝井ドーフィン(県基幹品種。昭和初期に川西市へ導入されたのが日本初の営利栽培とされる) | 兵庫1 p.8, p.14, p.16・兵庫2 p.55-56・兵庫3・兵庫5・兵庫6・兵庫7・兵庫8・兵庫9・兵庫10 |
| 近畿 | 奈良 | 桝井ドーフィン(夏秋兼用種だが一般に秋果だけ収穫) | 奈良1 |
| 近畿 | 和歌山 | 桝井ドーフィン(主力。大粒・収穫期間が長く多収) | 和歌山1 p.87・和歌山2 p.112-113・和歌山3・和歌山4 p.1-2, p.22-23・和歌山5 p.15-16・和歌山6 p.1・和歌山7 |
| 中国 | 島根 | 蓬莱柿(最大産地の出雲市多伎町「多伎いちじく」)・桝井ドーフィン(出雲・平田地区)。奨励品種キング、台木の励広台1号 | 島根1・島根2 p.1, p.6-8, p.14・島根3・島根4 |
| 中国 | 岡山 | 蓬莱柿(笠岡市のいちじく共励会の出品品種) | 岡山1 p.2・岡山2 |
| 中国 | 広島 | 蓬莱柿(水田転換で試作した品種の中で市場性が最も高く、県内で優良系統を選抜して共同育苗。沿岸島嶼部で振興) | 広島1 p.85・広島2 p.3・広島3 p.2 |
| 中国 | 山口 | 桝井ドーフィン・蓬莱柿 | 山口1 p.169-175 |
| 四国 | 愛媛 | 桝井ドーフィン・蓬莱柿 | 愛媛1 p.54・愛媛1 p.61 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | とよみつひめ(県育成・2006年品種登録、主力)・桝井ドーフィン(ともに一文字整枝)/蓬莱柿(平棚) | 福岡1 p.37-39・福岡1 p.49-52・福岡2 p.20-33・福岡2 p.77・福岡2 p.88-89・福岡3・福岡4・福岡5・福岡6・福岡7・福岡8・福岡9・福岡10・福岡11・福岡12・福岡13 |
| 九州・沖縄 | 長崎 | 桝井ドーフィン(無加温ハウス20a+露地20aの組み合わせで労力分散・出荷期間延長を図る経営モデル) | 長崎1 p.583-588・長崎2 p.789 |
土壌pH・栽植本数・目標収量
| 地域区分 | 都道府県 | 土壌pH | 栽植本数・距離(10aあたり) | 目標収量(kg/10a) | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 宮城 | — | 樹間3m×列間3m(試験の値) | オールバック3本主枝1,235・オールバック1本主枝814・開心自然形201(ビオレソリエス定植5年目、試験の値) | 宮城1・宮城2・宮城3・宮城4 |
| 東北・北陸 | 秋田 | — | 樹間6m×列間4m=42本(果樹試験場の比較試験の値、一文字樹形) | バナーネは6年生の推定収量1,937kg(試験の値)。県の技術・経営指標は開心形で蓬莱柿1,000・ホワイトゼノア1,200(2014年版) | 秋田1 p.4-5・秋田2・秋田3・秋田4 |
| 東北・北陸 | 福島 | 6.5〜7.0(弱酸性〜中性で生育良好) | 桝井ドーフィン2.5×3.5m(114本)・ホワイトゼノア7×7m(20本) | 1,500 | 福島1 p.10・福島2・福島3・宮城2 |
| 関東・東海 | 茨城 | — | 列間1.8m×株間0.8m=692株(試験の値)。目標結果枝数 約2,770本/10a | 3,000以上(凍寒害後の株間0.8m、試験の値) | 茨城1 |
| 関東・東海 | 埼玉 | 5.5〜6.5(県資料が引用する農業技術大系の表) | 66本 | 2,500(目標収穫段数20段程度) | 埼玉1 p.85・埼玉2 p.31 |
| 関東・東海 | 千葉 | 6.5〜7.5(中性に近いpH領域) | — | — | 千葉1 p.23・千葉2 p.9-11・千葉3 |
| 関東・東海 | 東京 | 7.0〜7.5(中性〜弱アルカリ性で最も生育がよい) | 50本 | 2,000 | 東京1 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 6.5〜7.0(作物別好適pH) | 50本 | 2,000(5年生以上)。3年生750 | 神奈川1 p.22・p.162-163・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | — | (露地・県央の入門ガイド)列間2〜2.5m×樹間6m程度。植え付け時は樹間3mの計画密植。/(コンテナ栽培)60×40×25cmのコンテナにもみ殻約30Lを入れ2株ずつ定植 | (露地・桝井ドーフィン)4年目で1.9t(県央の入門ガイドの目標)。/(水稲育苗ハウスのコンテナ栽培)1年目1,800・2〜5年目3,000(kg/10a換算、試験の値) | 新潟1 p.24・新潟2・新潟3・新潟4・新潟5・新潟8 |
| 東北・北陸 | 福井 | — | 樹間4.0m×列間1.8m(無加温ハウス、試験の値) | 成木の基準は無し。3年生樹で桝井ドーフィン2.3t、バローネ・ブルンスウィック2.1t、ビオレソリエス0.8t(試験の値) | 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 7.2〜7.5(好適土壌条件) | 125本(2×4m) | 2,500〜3,000(5年生〜)。1〜2年生500〜800、3〜4年生1,800〜2,000 | 岐阜1 |
| 関東・東海 | 静岡 | 6.5〜7.0(苦土石灰の施用目標。pH(H2O)) | 100〜185本(県下一円・露地、加温ハウスとも) | 3,000(露地・加温ハウス)。樹齢別は2年生1,500・3年生2,500 | 静岡1・静岡2 |
| 関東・東海 | 愛知 | 6.0〜6.8 | 露地80〜90本/施設50〜100本。一文字整枝の従来例は株間6m。結果枝は成園で約2,000本/10a | 露地3,000/施設4,000 | 愛知1 p.1・p.7-8・p.24-25・愛知2 p.V-9・愛知3・愛知4・愛知5・愛知6・愛知7・愛知8・愛知9・愛知10・愛知11・愛知12・愛知13・愛知15・愛知16・愛知17 |
| 関東・東海 | 三重 | 6.0〜6.5(果樹Bの土壌診断基準) | 50本(5×4m) | 3,000 | 三重1 p.42・三重2 p.8・三重3 |
| 近畿 | 兵庫 | 6.0〜6.8(土壌の維持すべき目標値。愛知・福岡の土壌診断基準から引用) | オーバーラップ整枝は樹間・主枝長1.5〜2m(試験の値) | 3,000(成園・一文字整枝。労働時間400時間) | 兵庫1 p.8, p.14, p.16・兵庫2 p.55-56・兵庫3・兵庫5・兵庫6・兵庫7・兵庫8・兵庫9・兵庫10 |
| 近畿 | 奈良 | 7.0を目標に苦土石灰・ようりんで矯正(好適は中性〜弱アルカリ) | 一文字整枝 畝幅2.5m・4m間隔(100本)。盃状形 畝幅3〜4m・3〜4m間隔(82本) | — | 奈良1 |
| 近畿 | 和歌山 | — | — | 3,000(露地。県の指針に掲載された栽培暦例) | 和歌山1 p.87・和歌山2 p.112-113・和歌山3・和歌山4 p.1-2, p.22-23・和歌山5 p.15-16・和歌山6 p.1・和歌山7 |
| 中国 | 島根 | — | — | 蓬莱柿(露地)1,600・桝井ドーフィン(露地)1,800(目標生産量) | 島根1・島根2 p.1, p.6-8, p.14・島根3・島根4 |
| 中国 | 山口 | — | 一文字整枝で桝井ドーフィン3〜4m×1.8〜2m、蓬莱柿は樹勢が強いため6〜8m×2〜2.5m(無加温ハウス)。ハウスの施肥基準は125本(4×2m) | 桝井ドーフィン2,000(1果100〜130g・糖度14度以上)・蓬莱柿1,500(100g以上・16度以上) | 山口1 p.169-175 |
| 四国 | 徳島 | 6.0を目標に矯正(果樹共通) | 100本(樹齢別施肥例の基準) | 3,000(露地は水田転換園の成木を基準・ハウスも3,000) | 徳島1 PDF p.15・徳島1 PDF p.17 |
| 四国 | 愛媛 | 6.5〜7.0(好適pH) | — | 桝井ドーフィン3,000/蓬莱柿2,500 | 愛媛1 p.54・愛媛1 p.61 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 6.0〜6.8(土壌改善目標値)。R3の実態は平均6.7で42%の圃場が目標超え、50%の圃場がカリ不足 | とよみつひめ・桝井ドーフィン100本(4m×2.5m・一文字整枝)/蓬莱柿16本(8m×8m・平棚。計画密植で4倍の56本植えを施肥の基準) | とよみつひめ・桝井ドーフィン2,000〜2,500/蓬莱柿2,500 | 福岡1 p.37-39・福岡1 p.49-52・福岡2 p.20-33・福岡2 p.77・福岡2 p.88-89・福岡3・福岡4・福岡5・福岡6・福岡7・福岡8・福岡9・福岡10・福岡11・福岡12・福岡13 |
| 九州・沖縄 | 長崎 | 6.5を目標に矯正(石灰質資材は基肥の2〜3週間前) | — | 2,000〜3,000(施肥基準の収量区分) | 長崎1 p.583-588・長崎2 p.789 |
施肥量と施肥の時期
| 地域区分 | 都道府県 | 年間施肥量 N-P2O5-K2O(成木・kg/10a) | 施肥の時期と配分 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 福島 | 桝井ドーフィン16〜20-16〜20-16〜20/ホワイトゼノア15-9-9(6年生以上の成木、地帯区分1) | 桝井ドーフィン:秋肥9月末〜10月中N4・冬肥12〜2月N8〜10・追肥6〜8月N4〜6。ホワイトゼノア:秋肥10月上旬N3・冬肥12月中旬N5・春肥3月下旬N3・追肥7月上旬N4。冬肥は緩効性・有機質主体、春夏秋肥は速効性。石灰質資材100〜150kg/10aを冬肥の2〜3週間前に。牛ふん堆肥1,000kg | 福島1 p.10・福島2・福島3・宮城2 |
| 関東・東海 | 埼玉 | 14-13-11 | 基肥 6-6-4(3月中旬)・追肥 4-3-3(5月中〜下旬)・追肥 2-2-2(7月中〜下旬)・追肥 2-2-2(8月下旬〜9月上旬)。堆肥1t | 埼玉1 p.85・埼玉2 p.31 |
| 関東・東海 | 千葉 | —(県施肥基準の果樹編にいちじくの記載なし) | — | 千葉1 p.23・千葉2 p.9-11・千葉3 |
| 関東・東海 | 東京 | 黒ボク土 12-10-12・褐色森林土または灰色低地土 14-8-12 | 基肥(3月上〜下旬、図から読み取り)黒ボク6-5-5/褐森・灰低7-4-5・追肥(1)(7月上〜中旬)4-3-4/4-2-4・追肥(2)(9月上〜中旬)2-2-3/3-2-3。堆肥1t | 東京1 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 14-7-17(5年生以上)。3年生 2-2-8 | 基肥③(3月中旬)N8-P4-K4・①(7月中旬)N3-P0-K10・②(9月上旬)N3-P3-K3(時期は図から読み取り)。3年生は①K6のみ・②N2-P2-K2 | 神奈川1 p.22・p.162-163・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | 露地の施肥基準は見つからず。コンテナ栽培:2年目以降は発芽時にIB化成をN4g/株。養液栽培の3〜4年生株は肥効調節型肥料N13〜26g/コンテナでも同等(試験の値) | (露地・図から読み取り)追肥は3月と7月、基肥は11月前後。施肥量の記載なし。/(コンテナ栽培)1液式養液肥料で搬入直後EC2.0dS/m、排液ECが給液ECを超えたら段階的に0.7dS/mまで下げる | 新潟1 p.24・新潟2・新潟3・新潟4・新潟5・新潟8 |
| 東北・北陸 | 石川 | 化学肥料由来N 20kg/10a(特別栽培の慣行レベル) | — | 石川1・石川2 |
| 東北・北陸 | 福井 | 化学肥料由来N 18kg/10a(特別栽培の慣行レベル) | — | 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 20.4-15.0-17.0 | 基肥 N8.4(2月上〜中旬、図から読み取り)・追肥 N4.8×2回・礼肥 N2.4。図では追肥記号が5月中旬・6月中旬・7月下旬・8月下旬・10月上旬頃に付く(図から読み取り)。もみ殻堆肥2t | 岐阜1 |
| 関東・東海 | 静岡 | 20-12-16(成木。堆肥1,000〜2,000kg/10a)。2年生 6-4-5、3年生 10-6-8(kg/10a) | 露地:4月中旬 N5-P3-K5、8月中旬 3-2-2、9月上旬 3-2-2、9月下旬 3-2-2、10月下旬 6-3-5。加温ハウス:2月中旬 5-3-5、6月中旬 3-2-2、7月中旬 3-2-2、8月下旬 3-2-2、10月中旬 6-3-5(計とも20-12-16)。苦土石灰は施肥と半月以上あけて施用し軽く中耕 | 静岡1・静岡2 |
| 関東・東海 | 愛知 | 露地 20-17-20/施設 17-16-18 | 露地:基肥3月上旬N9・追肥1 5月下旬N2・追肥2 6月中旬(Kのみ5)・追肥3 7月上旬N8(肥効調節型肥料)・追肥4 10月下旬N1。施設:基肥11月上旬N6・追肥1 1月中旬〜3月上旬N6(2週間間隔で分施)・追肥2 2月下旬(Kのみ2)・追肥3 5月中旬〜6月下旬N4(分施)・追肥4 9月中旬N1。樹勢が強ければ減らす | 愛知1 p.1・p.7-8・p.24-25・愛知2 p.V-9・愛知3・愛知4・愛知5・愛知6・愛知7・愛知8・愛知9・愛知10・愛知11・愛知12・愛知13・愛知15・愛知16・愛知17 |
| 関東・東海 | 三重 | 20-16-19 | 基肥 N10(2月中旬、図から読み取り)・追肥1〜3 各N2(図では6月上旬・8月上旬に記号)・礼肥 N4(10月中旬、図から読み取り)。7月上旬に硫酸カリ10kg/10a。12月に堆肥・石灰・苦土・りん酸質資材で土づくり | 三重1 p.42・三重2 p.8・三重3 |
| 近畿 | 京都 | N26(特別栽培の慣行レベル) | — | 京都1 |
| 近畿 | 大阪 | N23・P24(特別栽培の慣行レベル。カリの記載なし) | — | 大阪1 p.10-1〜10-6・大阪2・大阪3・大阪4 |
| 近畿 | 兵庫 | N25(特別栽培の慣行レベル) | — | 兵庫1 p.8, p.14, p.16・兵庫2 p.55-56・兵庫3・兵庫5・兵庫6・兵庫7・兵庫8・兵庫9・兵庫10 |
| 近畿 | 奈良 | 16-14-16(成木) | 元肥(1〜2月)N9-P8-K8、追肥(6〜8月)N7-P6-K8。苦土石灰100kg・完熟堆肥2t。元肥は有機質主体、追肥は緩効性肥料で回数を減らせる。幼木は2年4-2-2、3年6-5-5、4年10-10-10 | 奈良1 |
| 近畿 | 和歌山 | 12.8-8.8-22.0(露地。県の指針に掲載された栽培暦例) | 12〜1月に完熟堆肥2tと石灰苦土資材。基肥3月中旬 N6.0-P4.0-K5.0(N47%)、追肥6月上旬 2.4-2.4-3.2(N19%)、7月中旬 カリのみ K5.0、8月中旬 2.4-1.6-2.0(N19%)、9月上旬 カリのみ K5.0、礼肥10月下旬 2.0-0.8-1.8(N15%)(県の指針に掲載された栽培暦例) | 和歌山1 p.87・和歌山2 p.112-113・和歌山3・和歌山4 p.1-2, p.22-23・和歌山5 p.15-16・和歌山6 p.1・和歌山7 |
| 中国 | 鳥取 | N15.0(特別栽培の慣行基準) | — | 鳥取1 |
| 中国 | 岡山 | N12(特別栽培の慣行レベル) | — | 岡山1 p.2・岡山2 |
| 中国 | 広島 | 化学合成N 8kg以下(持続性の高い農業生産方式の目安)/露地N10.0(特別栽培の慣行レベル) | バークたい肥1.5t、粗大有機物1t以上。局所施肥・かん水同時施肥・肥効調節型肥料・有機質肥料で化学肥料を減らす | 広島1 p.85・広島2 p.3・広島3 p.2 |
| 中国 | 山口 | 露地蓬莱柿 15.6-20.2-16.6/無加温ハウス桝井ドーフィン 15.2-10.8-14.0(同蓬莱柿 13.2-10.0-13.2) | 露地蓬莱柿: 元肥12月上旬 N60%(9.4-16.2-6.6)と堆肥、追肥6月中旬 N20%(3.1-2.0-7.5)、追肥9月上旬 N20%(3.1-2.0-2.5)。無加温ハウス桝井ドーフィン: 元肥12月中旬45%、追肥4月上旬34%、6月上旬カリのみ5.0、礼肥9月上旬21%。幼木は1年2-1-2、3年4-3-4、5年8-6-8 | 山口1 p.169-175 |
| 四国 | 徳島 | 露地20-16-20/ハウス16-14-16。樹齢別(露地)は1〜3年4-3.2-4、4〜6年9-7.2-9、7〜9年14-11.2-14、10年以上20-16-20 | 露地:12月N50%(リン酸50%)、6月下旬〜7月上旬N20%(リン酸50%)、7月下旬〜8月上旬N20%、9月N10%。ハウス:12月N60%(リン酸全量)、5月下旬〜6月上旬N20%、7月下旬〜8月上旬N20% | 徳島1 PDF p.15・徳島1 PDF p.17 |
| 四国 | 香川 | —(特別栽培の慣行レベル:化学肥料N7.2kg/10a、農薬11回) | — | 香川1 |
| 四国 | 愛媛 | 桝井ドーフィン20-15-22/蓬莱柿15-20-16 | 桝井ドーフィン:基肥12月下旬N10・夏肥6〜8月N8・秋肥10月上旬N2。蓬莱柿:基肥12月下旬N9・夏肥7〜9月N3・秋肥10月上旬N3。夏期は耐肥性が劣るので夏肥は4回程度に分施。基肥の2〜3週間前に石灰資材100kg/10a。施設は施用量を70%程度にして夏肥を早める | 愛媛1 p.54・愛媛1 p.61 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | とよみつひめ・桝井ドーフィン12-10-13(収量2,000以上・6年以上)/蓬莱柿5-4-6 | とよみつひめ・桝井ドーフィン:基肥1月上旬〜2月上旬N50%(リン酸全量・カリ60%)、芽出し肥3月上〜中旬N20%、実肥8月中〜下旬N10%、礼肥10月下旬N20%。蓬莱柿:基肥N70%、芽出し肥3月上〜中旬・実肥7月上旬・礼肥10月下旬に各N10%(樹勢が落ちた成木・老齢樹は各追肥をN1kgまで増やす)。基肥は有機質肥料中心。施設は20〜30%減肥。水田転換園は植付け後1〜2年は施肥不要の場合あり | 福岡1 p.37-39・福岡1 p.49-52・福岡2 p.20-33・福岡2 p.77・福岡2 p.88-89・福岡3・福岡4・福岡5・福岡6・福岡7・福岡8・福岡9・福岡10・福岡11・福岡12・福岡13 |
| 九州・沖縄 | 佐賀 | —(特別栽培の慣行レベル:化学肥料N12.0kg/10a、化学合成農薬11成分回数) | — | 佐賀1 |
| 九州・沖縄 | 長崎 | 成木12-10-12(収量2,000)・15-12-15(収量3,000)。幼木は未結果樹(2年生)4-3-4、結果樹(4年生)8-7-8 | 結果樹:基肥11月下旬〜12月上旬N50%(リン酸全量)、追肥3月上〜中旬N15%、追肥6月中〜下旬N15%、礼肥10月中〜下旬N20%。基肥は有機質肥料、追肥・礼肥は速効性肥料。施設は20〜30%減。完熟堆肥2t/10a | 長崎1 p.583-588・長崎2 p.789 |
| 九州・沖縄 | 熊本 | —(特別栽培の慣行レベル:化学肥料N7kg/10a、化学合成農薬15回。作型は周年) | — | 熊本1 |
| 九州・沖縄 | 大分 | —(特別栽培の慣行レベル:化学肥料N20.0kg/10a、化学合成農薬16成分回数) | — | 大分1 |
仕立て・せん定と夏季管理
| 地域区分 | 都道府県 | 仕立て・せん定の時期 | 夏季管理(芽かき・新梢誘引・摘心・かん水) | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 宮城 | 慣行は開心自然形。県はオールバック仕立てを普及技術化:主枝を地上70〜80cmで水平に誘引し、3本主枝は水平部の基部から出た新梢2本を誘引して完成。生育の劣る主枝は途中の強い新梢まで切り戻して揃える。1t収穫に要するせん定時間は開心自然形の約1/4(試算) | 2年生苗を4月上旬に定植し、5月に主枝を高さ70〜80cmで水平誘引、地上60cmまでの新梢は芽かき(試験の手順) | 宮城1・宮城2・宮城3・宮城4 |
| 東北・北陸 | 秋田 | 冬期にせん定講習。雪害を避けられる一文字樹形(主枝高30〜50cm、主幹の両側の2本を水平に伸ばす)を前提に品種を選抜。バナーネは県外主産地で行われる一文字栽培に対応した施設整備を支援し、新しい栽培様式の指導を開始 | 6月に新梢整理の講習会 | 秋田1 p.4-5・秋田2・秋田3・秋田4 |
| 東北・北陸 | 福島 | — | 浅根性なので敷きわら等のマルチで表層土壌を守る(稲わら1.5〜2t/10a。夏の地温上昇抑制・乾燥防止・雑草抑制) | 福島1 p.10・福島2・福島3・宮城2 |
| 関東・東海 | 茨城 | 密植株仕立て。結果枝が定芽で確保できない場合は不定芽由来の枝でも同程度の収量・品質(試験の値) | — | 茨城1 |
| 関東・東海 | 埼玉 | せん定 3月中旬(図から読み取り) | — | 埼玉1 p.85・埼玉2 p.31 |
| 関東・東海 | 千葉 | 一文字整枝仕立て(昭和50年代後半に導入) | — | 千葉1 p.23・千葉2 p.9-11・千葉3 |
| 関東・東海 | 東京 | 低樹高仕立て。剪定 1月中旬(図から読み取り) | — | 東京1 |
| 東北・北陸 | 新潟 | (露地)桝井ドーフィンは一文字整枝(主枝を左右に1本ずつ)。仕上げせん定は3月、粗せん定は11月(図から読み取り)。/(コンテナ栽培)落葉後の冬期に新梢を10cm程度残して切り戻す | (露地・図から読み取り)有機質マルチ4〜5月、芽かき5月、新梢管理6月下旬〜7月、防鳥ネット7月下旬〜収穫終了まで。水はけがよく灌水できる園を選ぶ。/(コンテナ栽培)点滴給液は排液率30%を目安に1回1L/コンテナ、1日3.0〜9.0L/株。水稲育苗中は施設外へ出し培地を乾かさない | 新潟1 p.24・新潟2・新潟3・新潟4・新潟5・新潟8 |
| 東北・北陸 | 石川 | H型・盃状型・一文字型などに仕立てる。枝におもりを付けたり杭で引いたりして形を作る(町資料) | 枝の揺れを防ぐため枝の周りにロープを巻いて補強(町資料) | 石川1・石川2 |
| 東北・北陸 | 福井 | 一文字整枝(どの品種も桝井ドーフィンに準じて管理できる) | 結果枝は20節で摘心(試験の値)。反射シートを敷いた園はかん水を控えめに | 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 整枝せん定 1月中旬〜2月中旬(図から読み取り) | 芽かき 5月上旬(図から読み取り)。随時かん水できる用水を確保 | 岐阜1 |
| 関東・東海 | 静岡 | 整枝・せん定:露地は2月(図から読み取り)。加温ハウスは12月に二重被覆・加温開始と合わせて行う(図から読み取り) | 露地:芽かき4月(図から読み取り)、新梢誘引6月上旬、新梢間引き6月下旬、新梢誘引・摘心7月(図から読み取り) | 静岡1・静岡2 |
| 関東・東海 | 愛知 | 露地のせん定は3月上旬(図から読み取り)。凍害の出る園では12月にせん定し、12月下旬〜4月下旬にアルミ蒸着フィルムで樹を覆う例。施設のせん定は11月中旬(図から読み取り)。仕立ては一文字整枝が主体で、樹体ジョイント仕立て(隣の樹と主枝を接ぎ木でつなぐ)も開発済み | 新城市の実証園では芽かき・誘引5月下旬、摘心7月下旬。結果枝の配置幅50cm・畝間2.5mで作業性を優先する施設の例。露地は畝上に白色マルチを敷く栽培が普及 | 愛知1 p.1・p.7-8・p.24-25・愛知2 p.V-9・愛知3・愛知4・愛知5・愛知6・愛知7・愛知8・愛知9・愛知10・愛知11・愛知12・愛知13・愛知15・愛知16・愛知17 |
| 近畿 | 滋賀 | — | アザミウマ対策に光反射シート(シルバーマルチ)を5月に設置。露地に簡易雨よけを設けると収穫期の黒かび病・酵母腐敗病を抑えられる(台風時はビニルを外す)。ハウスでは近紫外線除去フィルムを5月上旬から張り、下段果実の収穫終了頃に外す(着色が悪くなるため)。0.4mm目合いの微細ネットを併用 | 滋賀1 p.122, p.124, p.129-131, p.134, p.137 |
| 近畿 | 大阪 | — | 敷わら・ポリマルチで雨滴のはね上がりを防ぐ。芽かきで結果枝数を適正にして通風・採光をよくする。乱反射型光拡散シートをマルチにしてアザミウマ類の侵入を抑える(着色も向上)。熟期促進の植物成長調整剤処理は自然成熟の約15日前(果皮が黄色みを帯び、果頂部の目が桃色から赤色に変わる頃)、1結果枝あたり2果以内 | 大阪1 p.10-1〜10-6・大阪2・大阪3・大阪4 |
| 近畿 | 兵庫 | 一文字整枝(兵庫県で開発され全国に普及)。凍害対策に主枝を高くする方法、主幹部を従来の高さで水平に倒し隣の樹の主枝を重ねるオーバーラップ整枝(主幹長1〜2mで着果開始節位が2〜3節下がり9月上旬の収量2割増、試験の値) | 透湿性白色マルチで糖度0.5〜1%上昇。結果枝の基部径25mm程度が着果安定の目安(オーバーラップ整枝、試験の値) | 兵庫1 p.8, p.14, p.16・兵庫2 p.55-56・兵庫3・兵庫5・兵庫6・兵庫7・兵庫8・兵庫9・兵庫10 |
| 近畿 | 奈良 | 盃状形整枝(3本主枝・主枝角45度・亜主枝2〜3本)と一文字整枝(2本の主枝を水平に、結果枝を20cmの千鳥に配置、主枝先端は立てる)。せん定は厳寒期を避け2月中〜下旬、結果母枝を2〜3芽残して毎年同じ位置に結果枝をつくる | 芽かき4月下旬〜5月上旬、敷わら5月中〜下旬、誘引6月上旬、摘心7月上〜中旬(図から読み取り)。盃状形は1樹40本の結果枝、一文字整枝は外芽を残す。敷わらは地温を上げるため5月以降。夏の果実肥大期は定期的にかん水し、畝間かん水は水を長く溜めない | 奈良1 |
| 近畿 | 和歌山 | 一文字整枝(県ページの生産者紹介。ハウス栽培の例)。せん定は冬〜春で、実をつけた枝はすべて切り落とす(同) | 果実の目が一時開く6月頃からマルチを敷くと、アザミウマ類の被害が減り、果実肥大・着色・糖度も上がる。ハウスでは4〜5月に摘心・誘引(生産者の例) | 和歌山1 p.87・和歌山2 p.112-113・和歌山3・和歌山4 p.1-2, p.22-23・和歌山5 p.15-16・和歌山6 p.1・和歌山7 |
| 中国 | 島根 | 蓬莱柿の低樹高栽培で産地を形成。ハウス栽培・棚栽培の導入も進む | 強樹勢の若木園では6〜8月中旬に新梢の第4節を針金で巻いて締める結縛処理で着果が安定し収穫が早まる(一文字整枝・雨よけの桝井ドーフィン。6月処理で10月までに約8割を収穫、試験の値)。誘引をあまりしない蓬莱柿には向かない | 島根1・島根2 p.1, p.6-8, p.14・島根3・島根4 |
| 中国 | 広島 | — | 雨よけ栽培、マルチ栽培(雑草防除)、黄色LEDランプによる防蛾(県独自技術) | 広島1 p.85・広島2 p.3・広島3 p.2 |
| 中国 | 山口 | 無加温ハウスは両品種とも一文字整枝(蓬莱柿は必ず畝立て)。品種特性表では蓬莱柿は一般に開心形でせん定を軽く。整枝・せん定は休眠期(露地11〜12月、ハウス12〜1月)、結果母枝2,400〜2,500本(ハウス)。幼木の主枝の誘引・結束は2月以降 | 芽かき(露地4月下旬、母枝基部から結果枝をとる)、枝の誘引5月中旬、摘心は18〜20節で露地7月中旬・ハウス6月中旬。摘心後の腋芽は随時かき取り、先端の芽は2〜3葉残して摘心。5月中旬から反射シートマルチ(下位節の着色とアザミウマ類)。梅雨期の排水対策、8月上旬に台風対策 | 山口1 p.169-175 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | とよみつひめ・桝井ドーフィンは一文字整枝。蓬莱柿は平棚。蓬莱柿の平棚H型整枝は主幹長1m・結果枝間隔40cm・樹冠8m×4m・主枝間隔2m、冬に結果母枝を2芽で切り返す(先端の夏果は収穫できなくなる)。とよみつひめは黒葉枯病の枝幹病斑・枯死部をせん定時と発芽期に切除 | 蓬莱柿H型は新梢伸長が旺盛なら7月下旬に15節程度で摘心。水分要求量が大きいためかん水施設が必要だが湿害に弱く排水も重要。浅根性で乾燥・高温に弱いのでかん水・敷きわらで根群を保護。施設とよみつひめは収穫開始7日前〜収穫終了まで土壌水分pF2.2以下、結果枝基部径20mm未満を保つ(基部径20mm超は摘心後20日に幅10mmの環状剥皮)(試験の値) | 福岡1 p.37-39・福岡1 p.49-52・福岡2 p.20-33・福岡2 p.77・福岡2 p.88-89・福岡3・福岡4・福岡5・福岡6・福岡7・福岡8・福岡9・福岡10・福岡11・福岡12・福岡13 |
| 九州・沖縄 | 長崎 | 一文字整枝。結果母枝は主枝の両側に20cm間隔(片側40cm)で配置し、基部の2芽で切り返す。せん定は無加温12〜1月、露地2月。せん定枝は園外へ持ち出す | 主枝から直接出た不定芽は除去し、1結果母枝に1新梢を誘引。結果枝は10aあたり2,500本が目標、新梢は17〜18節で摘心(芽かき〜摘心は露地4月中旬〜8月上旬、無加温3〜6月)。露地は4〜8月に過湿・過乾のないよう適宜かん水。無加温は被覆直後に50t/10a以上、展葉後は5日間隔で10〜15t/10a、成熟期も5〜7日間隔で10〜15t/10a。熟期促進に畦上へ反射マルチ(無加温6月上旬・露地7月中旬)と成熟予定15日前の熟期促進剤(植物成長調整剤) | 長崎1 p.583-588・長崎2 p.789 |
萌芽・結果の始まり
| 地域区分 | 都道府県 | 萌芽・結果の始まり | 出典 |
|---|---|---|---|
| 関東・東海 | 茨城 | 着果開始節位 7〜7.6節(試験の値) | 茨城1 |
| 関東・東海 | 東京 | 発芽 4月上旬(図から読み取り) | 東京1 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 発芽 4月中旬(図から読み取り) | 神奈川1 p.22・p.162-163・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | (露地)植え付け2年目から収穫。春植えは3月、秋植えは10〜11月(図から読み取り)。/(コンテナ栽培)3月初旬に1芽の穂木を挿し木、5月下旬〜6月上旬に定植。定植1年目から収穫 | 新潟1 p.24・新潟2・新潟3・新潟4・新潟5・新潟8 |
| 関東・東海 | 愛知 | 新城市の実証園で発芽4月8〜10日、着花始め5月10〜12日(2023年)。樹液が動く3月下旬以降は−1〜−3℃でも芽が枯れることがある | 愛知1 p.1・p.7-8・p.24-25・愛知2 p.V-9・愛知3・愛知4・愛知5・愛知6・愛知7・愛知8・愛知9・愛知10・愛知11・愛知12・愛知13・愛知15・愛知16・愛知17 |
| 関東・東海 | 三重 | 発芽 4月上旬(図から読み取り) | 三重1 p.42・三重2 p.8・三重3 |
| 近畿 | 大阪 | 発芽4月上旬(図から読み取り)。着果後75〜80日で成熟 | 大阪1 p.10-1〜10-6・大阪2・大阪3・大阪4 |
| 近畿 | 奈良 | 発芽4月上〜中旬、着果・果実肥大期5月〜8月上旬(図から読み取り) | 奈良1 |
| 中国 | 島根 | 果実は新梢基部の1〜2節を除く各節につく。樹勢の強い若木では5〜7節まで不着果・飛び節が出る | 島根1・島根2 p.1, p.6-8, p.14・島根3・島根4 |
| 中国 | 山口 | 露地蓬莱柿 発芽展葉4月下旬、着果6月中旬。ハウス 被覆1月下旬〜2月下旬、発芽展葉3月下旬 | 山口1 p.169-175 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | 展葉期4月下旬・着果始め5月下旬(図から読み取り)。とよみつひめの結果開始期は露地6月1日・無加温5月21日 | 福岡1 p.37-39・福岡1 p.49-52・福岡2 p.20-33・福岡2 p.77・福岡2 p.88-89・福岡3・福岡4・福岡5・福岡6・福岡7・福岡8・福岡9・福岡10・福岡11・福岡12・福岡13 |
| 九州・沖縄 | 長崎 | 無加温は2月下旬にハウス被覆(昼温25〜28℃、30℃以上にしない) | 長崎1 p.583-588・長崎2 p.789 |
収穫期
| 地域区分 | 都道府県 | 収穫期(品種・作型別) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 東北・北陸 | 宮城 | ビオレソリエス:10月〜11月上旬。東松島市宮戸(震災被災水田の転作園)では定植翌年の平成29年10月12日に初収穫 | 宮城1・宮城2・宮城3・宮城4 |
| 東北・北陸 | 秋田 | 9月中旬〜10月いっぱいが収穫最盛期(にかほ市金浦大竹集落)。バナーネは9月下旬〜11月上旬の収穫で、10月に7割(2016年、試験の値)。降霜・降雪で果皮が硬くなり食味が落ちるため収穫は10月で終える | 秋田1 p.4-5・秋田2・秋田3・秋田4 |
| 東北・北陸 | 福島 | いわきの桝井ドーフィン:9月初旬から早霜が降りる11月初旬まで(平成28年は夏の高温で平年より7〜10日早い開始)。下段から上へ順に熟すので毎日収穫 | 福島1 p.10・福島2・福島3・宮城2 |
| 関東・東海 | 埼玉 | 8月中旬〜11月上旬(図から読み取り) | 埼玉1 p.85・埼玉2 p.31 |
| 関東・東海 | 千葉 | 桝井ドーフィン等 8月中旬〜10月上旬・キング 7月上〜中旬(約2週間) | 千葉1 p.23・千葉2 p.9-11・千葉3 |
| 関東・東海 | 東京 | 夏果 6月下旬〜7月下旬・秋果 8月中旬〜11月中旬(図から読み取り)。落葉 12月上旬 | 東京1 |
| 関東・東海 | 神奈川 | 8月上旬〜11月(図から読み取り) | 神奈川1 p.22・p.162-163・神奈川2 |
| 東北・北陸 | 新潟 | (露地・桝井ドーフィン)8月中旬〜10月下旬(図から読み取り)。/(水稲育苗ハウスのコンテナ栽培)8月中旬〜12月初旬 | 新潟1 p.24・新潟2・新潟3・新潟4・新潟5・新潟8 |
| 東北・北陸 | 富山 | コナドリア8月下旬〜10月上旬、ネグローネ9月中旬〜11月上旬 | 富山1 |
| 東北・北陸 | 石川 | 桝井ドーフィン・バナーネ・カドタ8月下旬〜11月中旬、ビオレソリエス9月下旬〜11月中旬。ハウスは8月上旬〜(宝達志水町の出荷時期) | 石川1・石川2 |
| 東北・北陸 | 福井 | 無加温ハウス:桝井ドーフィン8月上旬〜11月上旬、バローネ8月中旬〜11月中旬、ブルンスウィック9月上旬〜10月下旬、ビオレソリエス9月中旬〜11月上旬(試験の値) | 福井1・福井2・福井3・福井4・福井5・福井6 |
| 関東・東海 | 岐阜 | 夏果 7月上〜中旬・秋果 8月上旬〜9月中旬(図から読み取り) | 岐阜1 |
| 関東・東海 | 静岡 | 8月〜10月ごろ(志太榛原地域)。県の栽培型図:露地は8月中旬〜10月下旬、加温ハウスは6月〜8月上旬(いずれも図から読み取り) | 静岡1・静岡2 |
| 関東・東海 | 愛知 | 露地:8月上旬〜10月中旬(図から読み取り。新城市の実証園は8月1日〜11月10日)。愛知イチジク1号は桝井ドーフィンより数日遅い8月中旬から。施設(加温12月上旬〜5月上旬):4月中旬〜8月中旬(図から読み取り)。田原の加温ハウス事例は3月下旬〜9月出荷・ピーク5〜7月 | 愛知1 p.1・p.7-8・p.24-25・愛知2 p.V-9・愛知3・愛知4・愛知5・愛知6・愛知7・愛知8・愛知9・愛知10・愛知11・愛知12・愛知13・愛知15・愛知16・愛知17 |
| 関東・東海 | 三重 | 秋果 8月上旬〜10月上旬(図から読み取り)。県の品種比較(昭和61〜63年、試験の値):桝井ドーフィン 盃状形8/19〜11/13・蓬莱柿 一文字9/8〜11/12。糖度は蓬莱柿18.3%・桝井ドーフィン15.6% | 三重1 p.42・三重2 p.8・三重3 |
| 近畿 | 大阪 | 露地 8月上旬〜10月中旬(図から読み取り) | 大阪1 p.10-1〜10-6・大阪2・大阪3・大阪4 |
| 近畿 | 兵庫 | 慣行レベル表の主な収穫期間は7〜11月 | 兵庫1 p.8, p.14, p.16・兵庫2 p.55-56・兵庫3・兵庫5・兵庫6・兵庫7・兵庫8・兵庫9・兵庫10 |
| 近畿 | 奈良 | 8月上旬〜10月上旬(図から読み取り) | 奈良1 |
| 近畿 | 和歌山 | 出荷時期 ハウス無加温7〜9月、露地8〜11月(露地は11月下旬まで収穫できる)。ハウスの生産者例では7月中旬〜10月下旬 | 和歌山1 p.87・和歌山2 p.112-113・和歌山3・和歌山4 p.1-2, p.22-23・和歌山5 p.15-16・和歌山6 p.1・和歌山7 |
| 中国 | 島根 | 雨よけ桝井ドーフィンの試験では10〜11月に収穫(試験の値) | 島根1・島根2 p.1, p.6-8, p.14・島根3・島根4 |
| 中国 | 岡山 | —(笠岡市のいちじく共励会は9月7日に開催、2026年) | 岡山1 p.2・岡山2 |
| 中国 | 山口 | 露地蓬莱柿 9月上旬〜10月下旬。無加温ハウス 桝井ドーフィン7月上旬〜9月中旬、蓬莱柿8月上旬〜10月下旬。品種特性表では桝井ドーフィン8月中旬〜10月下旬、蓬莱柿9月上旬〜11月上旬(10月が最多) | 山口1 p.169-175 |
| 四国 | 高知 | 奈半利町「なはりの郷」の例:8月上旬に出荷が始まり、10月上旬まで販売予定(2020年) | 高知1 |
| 九州・沖縄 | 福岡 | とよみつひめ・桝井ドーフィン8月上旬〜10月下旬(とよみつひめ露地は8月中旬〜10月下旬とする資料もある)/蓬莱柿 夏果7月上〜下旬・秋果8月中旬〜10月下旬。とよみつひめは収穫期間が2か月半でピークが2回あり、着果から日平均気温の積算2,000℃で収穫に達する。適熟は果実全体が着色し果梗部にも弾力を感じる状態 | 福岡1 p.37-39・福岡1 p.49-52・福岡2 p.20-33・福岡2 p.77・福岡2 p.88-89・福岡3・福岡4・福岡5・福岡6・福岡7・福岡8・福岡9・福岡10・福岡11・福岡12・福岡13 |
| 九州・沖縄 | 長崎 | 桝井ドーフィン 無加温7月上旬〜9月中旬/露地8月中旬〜10月下旬 | 長崎1 p.583-588・長崎2 p.789 |
各県の資料にある注意点
- 宮城:収穫が11月上旬まで続くので降霜の早い地域では注意。開心自然形は強樹勢・高樹高になりやすく作業性と収量が劣る。株枯病:平成23年10月に山元町のホワイトゼノアで県内初確認、ほ場内に急速にまん延し成木も枯死する
- 秋田:県内生産の9割がにかほ市大竹集落(北限の産地)。平成27年12月に病害虫防除所が株枯病の特殊報を発表(由利地域のホワイトゼノアで2012年頃から衰弱、2014年秋の3園地255本の調査で16.1%に症状)。防除は、発病樹を早く伐根して園外で処分し、根の周りの表層15cmの汚染土を除いて客土し、キクイムシ類に加害されにくい樹勢管理をし、保菌した挿し穂・苗木を持ち込まない。生食向け完熟果は防鳥対策が必須。栽培面積14.4ha(H28)。冬の低温と生育期の温量不足が安定生産の妨げ
- 福島:根群域が浅く一度の多肥で濃度障害を起こしやすいので数回に分施。カルシウム吸収量が特に多い。果実が柔らかく取扱いに注意。樹冠下はマルチか清耕の部分草生で流亡を抑える。浪江町の営農再開園では6〜11月にアライグマ・タヌキ等の中型獣が出没(複合柵の外周に防獣ネットと電気柵碍子を付けて侵入・加害なし、試験の値)。平成21年に県内で株枯病の特殊報
- 茨城:寒さに弱く、従来の栽培適地は県南地域に限られる。株元・主枝に稲わらを巻いて防寒。平成17年12月以降の最低気温-10℃で地上部が全枯死した。株仕立ては凍寒害後に着果開始節位が数節上がる。株間0.4mでは株枯れが発生
- 群馬:渋川地区では畑作振興に伴い省力的果樹としてイチジク等の新植が拡大。チュウゴクアミガサハゴロモ(加害報告作物にイチジクを含む)を令和6年12月に県中部のナシ園で県内初確認。産卵痕のある枝は除去してほ場外で処分
- 埼玉:秋肥は生育が低下した場合だけ、9月下旬以前に速効性肥料でN1kg/10a程度にとどめる。実際の収穫段数に応じて施肥量を調整
- 千葉:主産地は市原市・袖ケ浦市・香取市。苗木は株枯病・ネコブセンチュウの持ち込みを避けるため、5年生以上の健全樹から穂木を採って挿し木で自家育成する(穂木採取2〜3月、挿し木3月下旬〜4月中旬)。育苗中はカミキリムシとさび病(8月下旬から発生)に注意
- 東京:強樹勢ならN肥料を減らす。収穫後は土壌診断に従い土壌改良資材を堆肥と施す。浅根性で乾燥に弱く、湿害も受けやすい。いや地(連作障害)が激しく改植に注意
- 神奈川:耐塩性は「中」(EC目安0.8〜1.5mS/cm)。南足柄市・大井町が産地。株枯病(媒介はアイノキクイムシ)が生産減の主因で、媒介虫の発生期(4月・7月)の防除、抵抗性台木‘キバル’、かけ流しかん水の見直し、pH調整・有機物施用を組み合わせて発生ほ場率を39%(H27)→13%(R1)に下げた
- 新潟:株枯病:上越市で平成15年頃から株枯症状、平成18年9月に新発田市・聖籠町の桝井ドーフィン成木で確認。平成18年度調査で栽培面積の約11%(255a)に株枯症状。進展は桝井ドーフィンが蓬莱柿より速い。健全苗を植え、発病株は根ごと抜いて処分し、改植は抵抗性台木(イスキアブラック・キバル)、表層15cmまでの汚染土を除いて客土。媒介するアイノキクイムシ対策に樹勢を保つ。コンテナ養液栽培は養液栽培基準に合う水質の水が必要。露地は過湿と乾燥に弱く、寒さに弱いので降雪前にマルチ資材を枝幹部に巻く凍霜害対策が要る。カミキリムシ類とアザミウマ類の被害が多い。収穫はほぼ毎日。経営試算(H22全農資料の引用)は粗収益855千円・労働295時間/10a
- 富山:育苗ハウスを使った雨よけ栽培と、移動できるコンテナ栽培に取り組む。主産地は射水市・高岡市・小矢部市・富山市・入善町
- 石川:肥料不足になると果実が変形する。果実は葉でこすれるだけで傷になる(町資料)。主産地は宝達山麓の宝達志水町(県内一)
- 福井:桝井ドーフィンは収穫直前に急に熟すのでカラーチャートで適期判定し早朝に収穫。そうか病は露地で5〜6月の雨が多いと出やすい(蓬莱柿・カドタは弱い)。株枯病は保菌苗が感染源。主産地は福井市八幡町
- 岐阜:水田転換畑は盤土を破壊して土壌改良し、3度以下の微傾斜に整地して排水を図る。有効土層40cm・地下水位1m以下が好適。最低気温-3℃程度の地域を前提
- 静岡:志太榛原地域(焼津市・藤枝市・牧之原市)が中心。昭和36年に焼津市田尻地域で始まったとされる。施肥基準は黒ボク土と鉱質土壌の両方を対象に、露地用と加温ハウス用の2種類。堆肥を入れた場合は成分を施肥量から差し引く
- 愛知:栽培面積・収穫量・産出額とも全国1位の産地(平成27〜28年の統計)。リン酸・カリウムの過剰園が多い(可給態リン酸100mg/100g以上かつカリ過剰ならL型肥料8-2-2で減肥。ただしカリ無施用はカリが急減)。桝井ドーフィンは耐凍性が低く成木で−8〜−12℃が限界。アザミウマ類(5月下旬〜7月下旬が加害期。赤色ネット・果実袋が有効)。疫病(7月と9月)・株枯病・黒かび病と酵母腐敗病(8月下旬〜収穫終了)・さび病(8月が重要防除期)。収穫期の降雨で腐敗果(雨よけで製品率向上)。サマーレッド自根樹は樹勢が弱くしなび果・忌地が出やすく、ビオレ・ソリエス台木で改善
- 三重:枝が徒長したり葉が大きい園は追肥を減らす。根域が浅いので濃度障害に注意して施肥量を決める。蓬莱柿とカドタは樹勢が強く枝が太くなるので新梢管理に注意。カドタは一文字整枝が向き、125本/10a(4m×2m)以上なら1.5t/10a以上が見込める(試験の値)
- 滋賀:化学合成農薬を使わない防除の時期: 収穫後〜休眠期に罹病枝の持ち出し、3月中下旬に防虫ネット被覆、5月中旬に園周囲の除草、5月下旬に光反射シート、6月上中旬にハウス周囲の粘着テープ、8〜10月に過熟果の持ち出し(ショウジョウバエ)。カミキリムシ類に防虫ネット(6月上旬)。県内でポット栽培の取組あり
- 京都:府の慣行レベル(平成25年4月1日現在)は節減対象農薬13成分回
- 大阪:疫病(桝井ドーフィンで発病しやすい)。株枯病(アイノキクイムシも媒介、抵抗性台木は励広台1号)。黒かび病(長雨・収穫期の風雨後に多い)。アザミウマ類(成虫発生期5月下旬〜6月中旬、果実の直径2.5cmの時の防除が効果的)。コナカイガラムシ類(第1世代ふ化幼虫6月上〜中旬)。イチジクヒトリモドキ(5月下旬〜10月に5世代程度)。カミキリムシ類(キボシ・クワ)。アイノキクイムシ(越冬成虫4月上旬〜5月上旬、夏世代7月中旬〜8月下旬)。イチジクモンサビダニ(6〜7月)。ネコブセンチュウ
- 兵庫:落葉果樹で最も寒さに弱く、桝井ドーフィンは低温に弱い。内陸部は放射冷却による凍害(適地条件は冬の最低極温-5℃以上、晩霜の常襲地は避ける)。いや地・株枯病対策に強勢台木Zidi・株枯病抵抗性台木。収穫後は常温で1日程度しか鮮度が持たない(5℃で3日、0℃で7〜10日)。カラーチャート6.5以上で収穫すると糖度15%以上。排水対策と土壌改良
- 奈良:疫病(雨の跳ね返りで伝染、敷わら・下垂枝の除去)。カミキリ(6月以降の成虫を捕殺)。センチュウ(樹勢が落ちたら水田に戻して改植)。鳥害(防鳥ネット)。桝井ドーフィンは蓬莱柿より耐凍性が弱く、樹液が動く春先に低温障害が出やすい(稲わら巻き)。根が浅く台風で倒れやすい(盃状形は特に)。酸素要求量が高く過湿に弱い(高畝・排水路)
- 和歌山:株枯病がまん延。和歌山市東山東地区では81園中49園(61%)に病徴、媒介するアイノキクイムシの被害は43%(H29)。翌年度の調査では76園中42%で発生(R1)。株枯病発生園で抵抗性台木キバル・ネグローネは発病なし(実証)。いや地にはZidi台を推進。高齢化と連作障害で面積が減る傾向
- 鳥取:県の特別栽培の慣行基準(令和7年10月8日)の節減対象農薬は11成分
- 島根:水田転換作物として取り組む例が多い。栽培適地の条件は年平均気温7℃以上、4〜10月13℃以上、最低極温-9℃
- 岡山:2026年は梅雨明け後の高温乾燥で小玉・着色しにくい年だった。慣行レベルの節減対象農薬は19成分回
- 広島:南部帯の緩傾斜畑や転作田が多く、傾斜地の土壌侵食、粘質土・水田転換園の排水対策が必要。主な病害虫は疫病・黒カビ病・株枯れ病・紋羽病・アザミウマ類・カミキリムシ類・ハダニ類。株枯病はアイノキクイムシの加害が関わって県内で被害が出ている
- 山口:サツマイモネコブセンチュウ(苗木を厳選、更新時は1〜2年水田化)。株枯病(発生ほ場から苗木・穂木を持ち込まない、多発ほ場は1〜2年水田化、抵抗性台木はイスキアブラック・ネグローネ・励広台1号)。チッソ過多・遅効き・強樹勢は1番果の着生を妨げる。桝井ドーフィンは疫病が多く耐寒性が弱い(幼木は防寒)。蓬莱柿は成熟が進むと果頂部が裂けるので完熟の1〜2日前に収穫、樹勢が強く結果年齢が遅れる
- 徳島:苦土石灰は土壌分析に基づき、連年施用園は100kg/10a程度。水田転換園では20〜30%減肥
- 愛媛:芯止め位置などにより施肥量・施肥時期を調整する
- 高知:奈半利町の特産品だが、栽培農家の高齢化で生産量は減っている。県の安芸農業振興センターが集落活動センター「なはりの郷」に栽培を勧め、不耕作地の解消事業で平成30年に15aを定植、30aまで広げ、2020年から15a分が本格収穫。県の施肥基準(果樹)の対象はウンシュウミカン・ブンタン・ポンカン・日向夏・ユズ・クリ・ナシ・スモモ・ブドウで、いちじくは無い
- 福岡:株枯病:1990年に県内で初発生し主要産地に広がった。アイノキクイムシが3月中旬〜5月上旬と7月中旬〜8月中旬に穿孔して媒介。発病樹は根ごと掘り上げて処分し、汚染は表層15cm程度までなので表土除去・客土も有効。改植には抵抗性台木キバル(県育成)や励広台1号を使い(桝井ドーフィンではセレスト・CH-13台でも再発を回避)、台木の地上部は25cm以上。黒葉枯病:とよみつひめで多発、梅雨期に増え始め7月下旬〜8月に急増、初発日は5月以降の平均気温20℃以上の降水積算が50mmに達した日から推定できる。収穫期間中の窒素多用は着色不良。降雨後に糖度低下・腐敗果(無加温ハウス・袋掛けで抑制)。施設では高温・乾燥による低糖度の成熟異常果
- 長崎:過湿に弱く、水田では排水対策を万全に。露地は降雨で疫病・炭そ病が出やすく、降雨後は腐敗果が多い。収穫は完熟よりいくぶん早め、果実温度の低い早朝に行い、予冷庫(晴天日12〜13℃、雨天日8〜10℃)で保存
資料どうしで違うところ
施肥の時期
元肥(基肥)を入れる時期は、大きく3つに分かれます。12月前後に入れるのは、長崎(11月下旬〜12月上旬に年間窒素の50%)、山口の露地蓬莱柿(12月上旬に60%)、徳島(12月に50%)、愛媛(12月下旬)、福島(12〜2月)です。1〜2月に入れるのは福岡(1月上旬〜2月上旬に50%)と奈良(1〜2月)、岐阜・三重(2月、図から読み取り)です。3月に入れるのは愛知の露地(3月上旬)、和歌山(県の指針に掲載された栽培暦例、3月中旬に47%)、埼玉・神奈川(3月中旬)、東京(3月)です。春に元肥を入れる和歌山も、堆肥と石灰苦土資材は12〜1月に入れています。追肥の回数も、和歌山の栽培暦例は5回(うち7月中旬と9月上旬はカリだけ)、愛知の露地は4回、福岡は芽出し肥・実肥・礼肥の3回、山口の露地蓬莱柿は2回と県で違います。愛知には、全量基肥型の肥料を3月上旬に施して夏の追肥2回を省き、肥料代を約4割減らした試験例があります。
年間窒素量
成木の年間窒素量(kg/10a)は、福岡のとよみつひめ・桝井ドーフィン12、長崎12〜15(収量2〜3t)、東京12〜14、和歌山の栽培暦例12.8、埼玉・神奈川14、山口の露地蓬莱柿15.6、奈良16、福島の桝井ドーフィン16〜20、三重・愛知の露地・徳島の露地・愛媛の桝井ドーフィン20、岐阜20.4です。いちばん少ない県と多い県で約1.7倍の差があります。蓬莱柿は、福岡が5(56本植えの計画密植が前提)、愛媛が15と3倍違います。和歌山の栽培暦例はカリが22と多く、山口の露地蓬莱柿はリン酸が20.2と多いのも目立ちます。特別栽培の慣行レベルの窒素量は、熊本7から京都26まで幅がありますが、施肥基準ではありません。
土壌pH
好適とされる土壌pHは、資料によって5.5〜7.5の範囲で割れています。中性〜弱アルカリ性を好むとする県が多く、岐阜は7.2〜7.5、東京は7.0〜7.5、奈良は7.0を目標に矯正、千葉は6.5〜7.5です。神奈川・福島・愛媛は6.5〜7.0、長崎は6.5を目標としています。一方で、愛知・福岡は6.0〜6.8、三重は6.0〜6.5、徳島は果樹共通で6.0、埼玉は5.5〜6.5(県資料が引用する表の値)と低めです。福岡では、2021年の調査で平均が6.7、42%の圃場が目標を超えていました。
せん定の時期
露地の冬季せん定の時期は、山口が休眠期の11〜12月、東京が1月中旬、岐阜が1月中旬〜2月中旬(いずれも図から読み取り)、奈良が厳寒期を避けた2月中〜下旬、長崎が2月、愛知が3月上旬、埼玉が3月中旬(図から読み取り)です。愛知は、凍害の出る園では12月にせん定してから樹を被覆する例を紹介しています。施設は愛知の加温施設が11月中旬、山口・長崎の無加温ハウスが12〜1月です。
摘心の節位
新梢を止める節位は、山口が18〜20節、長崎が17〜18節、福井のハウスの試験が20節です。福岡の蓬莱柿の平棚H型整枝は、新梢が旺盛な場合だけ7月下旬に15節程度で摘心します。
作業ごとのポイント
一文字整枝と芽かき・摘心
一文字整枝は兵庫県で開発されて全国に広まったとされ、愛知・長崎・福岡(とよみつひめ・桝井ドーフィン)など多くの県で基本の仕立てです。奈良は2本の主枝を水平に伸ばし、結果枝を20cmの千鳥に配置するとしています。長崎は結果母枝を主枝の両側に20cm間隔(片側40cm)で置いて基部の2芽で切り返し、結果枝は10aあたり2,500本を目標にしています。愛知の成園の目安は約2,000本、山口の無加温ハウスは結果母枝2,400〜2,500本です。蓬莱柿は樹勢が強く、福岡は平棚、山口の品種特性表は開心形で軽くせん定するとしています。宮城は、ビオレソリエスで主枝を地上70〜80cmで水平に誘引するオールバック仕立てを普及技術にしています。
株枯病といや地
株枯病は多くの県の資料で取り上げられています。病原を運ぶアイノキクイムシは、福岡で3月中旬〜5月上旬と7月中旬〜8月中旬の2回穿孔し、神奈川も4月と7月の2回に合わせて対策しています。和歌山市東山東地区では81園中49園(61%)に病徴があり(2017年)、神奈川の足柄地域は媒介虫の防除と抵抗性台木‘キバル’への改植などで発生ほ場率を39%(2015年)から13%(2019年)に下げました。改植に使う抵抗性台木は、キバル(福岡育成)、励広台1号、ネグローネ、イスキアブラックなどが挙げられていますが、和歌山の現地試験ではイスキアブラック台の苗で発病が確認され、キバル台の苗では出ませんでした。福岡は、汚染が表層15cm程度までなので表土の除去と客土も有効としています。連作で生育が落ちるいや地には、和歌山・兵庫がZidi台を勧め、山口は多発ほ場を1〜2年水田にするとしています。
凍害・凍霜害
いちじくは寒さに弱く、兵庫は落葉果樹で最も寒さに弱いとして、冬の最低極温が−5℃以上の場所を適地としています。愛知は、桝井ドーフィンの成木が耐えられるのは−8〜−12℃までで、樹液が動く3月下旬以降は−1〜−3℃でも芽が枯れることがあるとしています。茨城では、最低気温−10℃で地上部が全部枯れた記録があります。対策として、愛知は12月下旬〜4月下旬に樹をアルミ蒸着フィルムなどで覆い、夜間に外より最大3.4℃高く保てた試験例を紹介しています。奈良・山口・茨城は幼木や株元に稲わらを巻き、兵庫は主枝を高くする方法を示しています。
収穫と鮮度保持
兵庫は、収穫後の果実は着色も糖度も進まないので収穫時の品質が大事だとしたうえで、カラーチャート6.5以上で収穫すると糖度15%以上になるとし、鮮度が持つのは常温で1日程度、5℃で3日、0℃で7〜10日としています。長崎は、完熟よりいくぶん早めに、果実温度の低い早朝に収穫し、予冷庫(晴天日12〜13℃、雨天日8〜10℃)で保存するとしています。福井は、桝井ドーフィンの適期をカラーチャート・着色面積・果実硬度で月ごとに決めています。蓬莱柿は熟すと果頂部が裂けるので、山口は完熟の1〜2日前に収穫するとしています。
アザミウマ類
アザミウマ類は果実の開口部から入り、果肉を変色させます。大阪は成虫の発生期を5月下旬〜6月中旬とし、果実の直径が2.5cmのときの防除が効果的としています。愛知の試験では、園を赤色ネット(目合い0.8mm)で囲むと侵入が約3分の1になり、果実袋をかけると被害がほぼなくなりました。反射シートを敷く時期は、山口が5月中旬、滋賀が5月、和歌山が果実の目が一時開く6月頃からです。
疫病・黒葉枯病と雨
雨のはね返りで広がる疫病は桝井ドーフィンで出やすく、愛知は7月と9月を中心に果実に出るとしています。福岡の主力品種とよみつひめでは黒葉枯病が多く、5月1日以降、平均気温20℃以上の1時間降水量の積算が50mmに達した日から初発日を推定できるとしています。収穫期の雨は腐敗果を増やすので、愛知・滋賀は雨よけ、福岡は無加温ハウスや袋掛けで抑えられるとしています。
資料が見つからなかった都道府県
北海道・青森・岩手・山形・栃木・山梨・長野・宮崎・鹿児島・沖縄は、いちじくの栽培資料を確認できませんでした(2026年10月時点。青森・栃木・宮崎・鹿児島は県の施肥基準の果樹編にいちじくの項目がないことを確かめました)。高知は普及センターの記事1本(奈半利町の出荷時期)だけで、栽培の数値はありません。京都・鳥取・香川・佐賀・熊本・大分は特別栽培の慣行レベルだけで、施肥基準ではありません。群馬・富山・滋賀・岡山・石川は資料の一部だけです。静岡は県の土壌肥料ハンドブックに露地と加温ハウスの施肥基準(成木N20-P12-K16)があります。主産地のうち大阪・兵庫・和歌山には県独自のいちじくの施肥基準が見つからず、和歌山は県の指針に掲載された栽培暦例、大阪・兵庫は病害虫防除指針や果樹農業振興計画、試験研究の成果、慣行レベルで補っています。
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出典一覧
表の「根拠」「出典」の略称と資料の対応です。
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- 宮城2:宮城県病害虫防除所「平成23年度発生予察情報 特殊報第1号 イチジク株枯病の発生について」、2011年
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- 兵庫5:兵庫県立農林水産技術総合センター「兵庫県は近代いちじく栽培発祥の地(作物や園芸に関する豆知識)」
- 兵庫6:兵庫県立農林水産技術総合センター「(R3)イチジクオーバーラップ整枝における栽培管理指標」、2021年
- 兵庫7:兵庫県立農林水産技術総合センター「イチジクの新樹形「オーバーラップ整枝」の開発」
- 兵庫8:兵庫県立農林水産技術総合センター「完熟イチジクの高品質出荷技術」
- 兵庫9:兵庫県立農林水産技術総合センター「イチジク主枝高の高化による凍害軽減」
- 兵庫10:兵庫県立農林水産技術総合センター「(R4)イチジク「Zidi(ジディ)」台接ぎ木苗の早期育成法」、2022年
- 兵庫11:兵庫県立農林水産技術総合センター「直接挿し木法によるイチジク園の開園」
- 奈良1:奈良県 食農部担い手・農地マネジメント課「イチジクづくりのポイント(菜園づくり応援・果樹づくりのポイント)」、2026(更新日)年
- 和歌山1:和歌山県農林水産部「土壌肥料対策指針(改訂版)※いちじく施肥はJA紀の里の平成30年度栽培暦例(露地)を県指針が掲載」、2019年
- 和歌山2:和歌山県農林水産部「環境保全型農業栽培技術指針(改訂版)」、2009年
- 和歌山3:和歌山県那賀振興局「イチジク(和歌山県はイチジク生産量全国第1位)」
- 和歌山4:和歌山県農林水産部経営支援課(農業革新支援センター)「平成29年度 普及活動実績報告書(海草振興局 イチジク株枯病防除対策/那賀振興局 落葉果樹生産安定対策)」、2018年
- 和歌山5:和歌山県農林水産部経営支援課(農業革新支援センター)「令和2年度 普及活動実績報告書(那賀振興局 イチジク産地の復活プロジェクト)」、2021年
- 和歌山6:和歌山県農林水産部経営支援課(農業革新支援センター)「普及活動現地情報「農業現場では、今」令和元年11月号(イチジク株枯病調査)」、2019年
- 和歌山7:和歌山県食品流通課「わかやま食材テロワール「いちじく」(生産者紹介・農家の仕事スケジュール)」、2020年
- 鳥取1:鳥取県「鳥取県特別栽培農産物認証に係る慣行基準(令和7年10月8日)」、2025年
- 島根1:島根県農林水産部 産地支援課「果樹振興(いちじく)」
- 島根2:島根県「島根県果樹農業振興計画(令和4年6月)」、2022年
- 島根3:島根県農業技術センター「針金を用いた結縛処理によるイチジクの着果安定と収穫前進化(センターだより)」
- 島根4:島根県農業技術センター「イチジクの結束処理による収穫時期の前進化(農業技術トピック「ときめき」No.342)」、2006年
- 岡山1:岡山県「岡山県における慣行レベル一覧(令和8年2月改正)」、2026年
- 岡山2:岡山県井笠農業普及指導センター「秋の果物シーズン到来!ぶどう・いちじく共励会を開催(笠岡市)」、2026年
- 広島1:広島県農林水産局農業技術課「広島県持続性の高い農業生産方式導入指針(令和5年4月改正)」、2023年
- 広島2:広島県「特別栽培農産物の表示に係る比較の基準(地域慣行レベル)(令和元年10月改正)」、2019年
- 広島3:広島県立総合技術研究所 農業技術センター「農業技術センター研究報告 第96号「広島県におけるイチジク株枯病の発生パターンの把握とそれらに対応した防除技術の開発」」、2023年
- 山口1:山口県「令和7年度 果樹栽培指導指針 18 いちじく」、2025年
- 徳島1:徳島県「主要農作物施肥基準 果樹(第10回改訂)」、2021年
- 香川1:香川県「特別栽培農産物表示ガイドラインにおける化学肥料・化学合成農薬慣行レベル」、2020年
- 愛媛1:愛媛県農林水産部農業振興局農産園芸課「愛媛県施肥基準(令和8年度版)」、2026年
- 福岡1:福岡県農林水産部経営技術支援課「福岡県果樹施肥基準」、2023年
- 福岡2:福岡県「病害虫・雑草防除の手引き【3-5】果樹(防除方法の試験研究成果等・病害虫防除暦)」、2025年
- 福岡3:福岡県農業総合試験場「成果情報「作業性に優れたイチジク『蓬莱柿』の平棚H型整枝」」、2010年
- 福岡4:福岡県農業総合試験場「成果情報「『とよみつひめ』におけるイチジク黒葉枯病の総合的防除体系」」、2012年
- 福岡5:福岡県農林業総合試験場「成果情報「アメダス気象情報を利用したイチジク黒葉枯病初発日の予測」」、2015年
- 福岡6:福岡県農林業総合試験場「成果情報「『とよみつひめ』の時期別収穫量予測」」、2018年
- 福岡7:福岡県農林業総合試験場「成果情報「施設『とよみつひめ』における成熟異常果の発生要因および発生防止技術」」、2018年
- 福岡8:福岡県農林業総合試験場「成果情報「イチジク『とよみつひめ』の株枯病対策として利用できる株枯病真性抵抗性台木『励広台1号』」」、2022年
- 福岡9:福岡県農業総合試験場「成果情報「無加温ハウス栽培によるイチジク『とよみつひめ』の高品質トラック輸送技術」」、2013年
- 福岡10:福岡県農業総合試験場「成果情報「イチジクの袋掛け栽培による腐敗果防止効果」」、2007年
- 福岡11:福岡県農業総合試験場「成果情報「イチジク『桝井ドーフィン』の株枯病抵抗性台木を用いた改植更新技術」」、2006年
- 福岡12:福岡県農業総合試験場「研究報告31「イチジク『とよみつひめ』果実の熟度と糖組成(短報)」」、2012年
- 福岡13:福岡県農林業総合試験場「登録品種(とよみつひめ・キバル)」
- 佐賀1:佐賀県「「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に基づく化学合成農薬使用回数・化学肥料使用量の県慣行基準(令和8年3月)」、2026年
- 長崎1:長崎県「長崎県農林業基準技術(令和6年2月作成) 経営類型 いちじく(無加温、露地)」、2024年
- 長崎2:長崎県「長崎県農林業基準技術(令和6年2月作成) 品目別施肥基準」、2024年
- 熊本1:熊本県「「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」等における熊本県慣行レベル(令和5年3月)」、2023年
- 大分1:大分県「大分県における化学肥料及び化学合成農薬の慣行基準(令和7年10月29日)」、2025年
- 静岡2:静岡県 経済産業部「静岡県土壌肥料ハンドブック(第16版 令和7年3月改訂)第3部 作物別施肥基準 4永年作物(チャ・果樹)(32)イチジクI・(33)イチジクII(加温ハウス)p.364-365」、2025年
- 三重3:三重県農業技術センター 園芸部「研究成果情報(平成元年度)いちじく品種「カドタ」と「蓬莱柿」の適応性 p.353-354」、1989年
- 秋田3:秋田県 果樹試験場「[普及事項]秋田県南部において生産性の高いイチジク品種の選抜(平成23〜28年)」、2017年
- 秋田4:秋田県病害虫防除所「農作物病害虫発生予察情報 特殊報第1号 イチジク株枯病の発生について」、2015年
- 新潟8:新潟県 三条地域振興局農業振興部(県央農業振興会議園芸振興部会)「園芸入門ガイド 令和元年度版 【果樹】いちじく(桝井ドーフィン)p.12」、2019年
- 高知1:高知県 安芸農業振興センター 農業改良普及課・室戸支所「なはりの郷のイチジク出荷始まる!」、2020年