ブルーベリーの剪定・施肥・収穫の時期や施肥量は、都道府県ごとに別々の栽培指針・施肥基準に書かれていて、まとめて比べられる場所がありません。この記事では、20都道府県の公的資料(27本)から時期と数値を拾い、全国の比較表と、関東〜西日本向けの標準的な年間作業表にまとめました。どの値にも出典の県と資料へのリンクを付けています。
全体を見ると、収穫はハイブッシュが暖地で6月、関東で6月上旬〜下旬から、東北・北海道では7月上旬〜下旬からと、北へ行くほど1か月以上遅くなります。成木の年間窒素量は山口県の5kg/10aから愛媛県の12.6kg/10aまで、県によって2倍以上の差があります。
ブルーベリーの年間作業表・都道府県比較(Excel)をダウンロード
Excelには、年間作業表(実施日を書く欄つき)、都道府県比較、施肥量の目安、地域による収穫期のずれとネットの網目、出典一覧の5つのシートがあります。
ほかの作物の栽培暦・年間作業表は栽培暦・年間作業表の全国まとめにまとめています。
この記事の調べ方
- 対象:都道府県と県の試験場・普及組織が公開している栽培指針、施肥基準、技術体系、試験研究の成果情報。農林水産省「都道府県施肥基準等」に掲載されている県の資料を含みます
- 使い方:資料の表やレイアウトは転載せず、時期と数値などの事実だけを拾って組み直しました。図の栽培暦から読み取った値は「図から読み取り」と書いています(±1旬ほどずれることがあります)
- 農薬:使い方を推奨しないため、薬剤名は書いていません。対象の病害虫だけを書いています
- 調査日:2026年10月1日。資料は改訂されることがあるので、最新の内容は各資料で確認してください
全国の時期の早見
- 開花:暖地のラビットアイ(長崎)は3月下旬〜4月上旬、関東(千葉・東京)は4月中下旬、会津(福島)は5月上旬〜6月上旬
- ハイブッシュの収穫:暖地(山口)6月、関東6月上旬〜下旬から7月中旬〜8月上旬、岩手7月上旬〜8月上旬、会津6月下旬〜8月中旬、札幌7月下旬〜9月中下旬
- ラビットアイの収穫:長崎6月下旬〜8月上旬、関東7月上旬〜9月上旬、会津8月上旬〜9月上旬。秋田・福島の資料は、寒冷地のラビットアイは凍害を受けやすいとしています
- 元肥:多くの県は3月(上旬〜中旬)。青森は4月、北海道は融雪直後に年間全量、長野は休眠期(11〜3月)
- 冬季せん定:1〜2月が中心(千葉は12月から)。ラビットアイの夏季せん定は9月中旬まで(千葉)
標準の年間作業表(関東〜西日本の露地栽培)
関東と西日本の資料をもとにした標準的な作業表です。寒冷地は、後の都道府県比較を見て時期を後ろにずらしてください。「根拠」の略称は記事末尾の出典一覧に対応しています。
| 月 | 旬 | 作業 | 内容・目安 | 系統 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 上〜下旬 | 冬季せん定 | 弱い枝・細い枝を間引き、結果枝(20cm以上)は花芽3〜5個を残して先端を切る。成木の主軸枝は8〜10本にし、5年以上たった主軸枝は毎年2本以上更新する | 共通 | 山口1 |
| 1月 | 上〜下旬 | マルチの補給 | 樹皮・チップ・おがくず・もみ殻などで、株元の厚さ10cm程度を保つ | 共通 | 山口1・千葉2 |
| 1月 | 上〜下旬 | 堆肥 | 完熟堆肥1〜2t/10a。土壌pHが高い園には入れない | 共通 | 岐阜 |
| 2月 | 上〜中旬 | 冬季せん定(続き) | 定植後2年ほどは強く切らず、3〜4年でブッシュ状の樹形にする | 共通 | 山口1 |
| 2月 | 下旬 | 防除(カイガラムシ類) | 休眠期の防除。使う薬剤はラベルと県の防除暦で確認する | 共通 | 千葉1 |
| 3月 | 上旬 | 土壌の確認・改良 | 土壌pHを測る(目安:ハイブッシュ4.3〜4.8、ラビットアイ4.3〜5.3)。前年に要素欠乏が出た園は改良資材を入れ、排水を確認する | 共通 | 山口1・千葉2 |
| 3月 | 上〜中旬 | 元肥(基肥) | 年間施肥量の約半分。成木で窒素2.5〜4.5kg/10aが目安(「施肥量の目安」シート) | 共通 | 山口1・岐阜・千葉2・埼玉 |
| 3月 | 中〜下旬 | 苗木の定植(春植え) | 植穴にピートモスを入れる。定植した年は花芽を取る | 共通 | 山口1 |
| 3月 | 中〜下旬 | 休眠枝挿し | 苗を増やす場合 | 共通 | 山口1 |
| 4月 | 上旬 | 摘蕾・摘果 | 着果量を調整する。定植後1〜2年は実をならせない | 共通 | 山口1・山口2・秋田 |
| 4月 | 上〜中旬 | 受粉 | ミツバチの巣箱を10aに1箱。同じ系統の別品種を混植しておく(ラビットアイは自家不和合性) | 共通 | 千葉2・山口1・長崎 |
| 4月 | 中〜下旬 | 防除(灰色かび病) | 開花期。発生状況を見て判断する | 共通 | 千葉1 |
| 5月 | 上〜中旬 | 防虫・防鳥ネット張り | イラガ類の成虫が出る前(5月中旬ごろ)に張る。網目は目的で選ぶ(「時期のずれ・網目」シート) | 共通 | 山口1・山口2・千葉2 |
| 5月 | 上〜中旬 | 夏肥(実肥) | 年間施肥量の約1/4 | HB | 山口1・千葉2 |
| 5月 | 下旬 | 防除(イラガ類・毛虫類) | 発生を見て判断する | 共通 | 千葉1 |
| 6月 | 上〜中旬 | 夏肥(実肥) | 年間施肥量の約1/4 | RE | 山口1・千葉2・岐阜 |
| 6月 | 上旬〜 | 収穫(ハイブッシュ) | 暖地は6月、関東は6月上〜下旬から。果梗の付け根まで青く、軽く触れて取れる果実を午前中に収穫し、すぐ冷やす | HB | 山口1・千葉2・東京・埼玉 |
| 6月 | 中〜下旬 | 防除(オウトウショウジョウバエ) | 落ちた果実は園外で処分し、熟した果実を取り残さない | 共通 | 千葉1・山口1・長野2 |
| 7月 | 上旬 | 緑枝挿し | 苗を増やす場合 | 共通 | 山口1 |
| 7月 | 上旬〜 | 収穫(ラビットアイ) | 関東は7月上旬〜9月上旬。ティフブルー・ウッダードは青く色づいてから5日以上おかないと酸味が残る | RE | 千葉2・東京・山口1 |
| 7月 | 中旬 | (花芽分化) | 翌年の花芽ができ始める時期 | 共通 | 山口1 |
| 7月 | 下旬〜 | かん水 | 梅雨明け後は乾かさない(9月上旬ごろまで) | 共通 | 山口1・東京 |
| 7月 | 下旬 | 防除(コガネムシ類) | 幼虫が細根を食害する。発生状況を見て判断する | 共通 | 千葉1 |
| 8月 | 下旬 | 秋肥(礼肥) | 年間施肥量の約1/4 | HB | 千葉2・埼玉・東京 |
| 9月 | 上〜下旬 | 秋肥(礼肥) | 年間施肥量の約1/4 | RE | 千葉2・岐阜・山口1 |
| 9月 | 中旬まで | 夏季せん定 | 主軸枝から上向きに出た強い新梢を先端から25〜50%切り返すと、低い位置に花芽がつく。10月まで遅れると効果が落ちる | RE | 千葉3 |
| 11月 | 上〜下旬 | ネットの撤去 | 11月以降に外す。台風の前にも外しておく | 共通 | 山口2 |
| 11月 | 中〜下旬 | 落葉後の片付け | 病気の出た落葉を園外へ出し、イラガの繭を取る | 共通 | 千葉1 |
| 11月 | 中旬〜 | 苗木の定植(秋植え) | 11〜12月。寒冷地は苗を冬越しさせ、雪解け後に植える | 共通 | 山口1・秋田 |
| 12月 | 上旬〜 | 冬季せん定(開始) | 落葉後から2月にかけて行う | 共通 | 千葉2 |
HB=ハイブッシュ、RE=ラビットアイ。
都道府県別の比較
「—」はその県の資料に記載がない項目です。県の基準は目標収量や土壌の前提が違うので、数字だけを単純に比べず、自分の地域に近い県の資料を確かめてください。
土壌pH・栽植本数・目標収量
| 地域区分 | 都道府県 | 土壌pH | 栽植本数(10aあたり) | 目標収量(kg/10a) | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 寒冷地 | 秋田 | 4.0〜5.2程度(HB) | — | — | 秋田 |
| 寒冷地 | 長野 | 4.3〜4.8(酸性でない土壌はpH4.0を目標に矯正) | — | — | 長野1・長野2 |
| 寒冷地 | 北海道 | — | 2m四方または1.6×2.5m程度 | 600(8年生以上) | 北海道1・北海道2 |
| 寒冷地 | 宮城 | — | 250本 | — | 宮城 |
| 寒冷地 | 福島 | 4.3〜4.8 | 180本(1.8×3m) | 800〜1,000 | 福島1・福島2 |
| 関東 | 栃木 | HB 4.0〜5.0、RE 4.0〜5.5 | 成木 HB 166本・RE 110本(1〜6年は倍) | 1,000 | 栃木 |
| 関東 | 埼玉 | — | 125本 | 1,000 | 埼玉 |
| 関東 | 千葉 | HB 4.3〜4.8、RE 4.3〜5.3 | HB 180本・RE 100本 | 800〜1,000 | 千葉1・千葉2・千葉3 |
| 関東 | 東京 | 5.0〜5.5を維持 | 100本 | HB 400〜500、RE 600〜1,000 | 東京 |
| 関東 | 茨城 | — | — | 1樹2.5kg(県の果樹栽培基準) | 茨城 |
| 関東 | 群馬 | 生育差なし(pH5.3〜6.5の範囲) | — | — | 群馬 |
| 関東 | 神奈川 | 4.3〜4.8 | HB 1.8×3.0m・RE 2.5×3.0m | 800〜1,000 | 神奈川1・神奈川2 |
| 中間地 | 岐阜 | 4.2〜5.5(RE) | 200本(RE、2.5×2.0m) | 1,000(10年目以降) | 岐阜 |
| 中間地 | 三重 | 4.5〜5.5(土壌診断基準) | — | — | 三重 |
| 暖地 | 山口 | — | HB 180本・RE 100本 | 1,000(ティフブルー) | 山口1・山口2 |
| 暖地 | 佐賀 | — | 176本(根域制限栽培、1.8×3m) | — | 佐賀 |
| 暖地 | 長崎 | 4〜5(RE) | — | — | 長崎 |
| 暖地 | 愛媛 | — | — | 2,000 | 愛媛 |
施肥量と元肥の時期
| 地域区分 | 都道府県 | 年間施肥量 N-P2O5-K2O(kg/10a) | 元肥の時期 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 寒冷地 | 青森 | 10-10-10(6年目以降) | 4月に年間全量 | 青森 |
| 寒冷地 | 秋田 | N 3〜7 | 春先 | 秋田 |
| 寒冷地 | 長野 | N 7 | 休眠期(11〜3月) | 長野1・長野2 |
| 寒冷地 | 北海道 | 成株 8-6-8(若株 6-4-6、幼株 4-2-3) | 融雪直後に年1回 | 北海道1・北海道2 |
| 寒冷地 | 宮城 | — | 3月(慣行) | 宮城 |
| 寒冷地 | 福島 | 9-5-5 | 3月中旬 | 福島1・福島2 |
| 関東 | 栃木 | 8-10-7 | 3月 | 栃木 |
| 関東 | 埼玉 | 6-4-5 | 3月中旬 | 埼玉 |
| 関東 | 千葉 | 8.9-8.9-8.9 | 3月中旬 | 千葉1・千葉2・千葉3 |
| 関東 | 東京 | 黒ボク土 7-6-6、その他 8-5-6 | 2月下旬〜3月 | 東京 |
| 関東 | 神奈川 | 8-8-8 | HB 5月中下旬・RE 6月上旬ほか年3回(図から読み取り) | 神奈川1・神奈川2 |
| 中間地 | 岐阜 | 8.9-8.9-8.9 | 3月中旬 | 岐阜 |
| 暖地 | 山口 | 5-5-5 | 3月上旬 | 山口1・山口2 |
| 暖地 | 愛媛 | 12.6-9-10.8 | 5月上旬・6月中旬・9月下旬に3等分 | 愛媛 |
山口県と青森県の資料は、窒素に硫安などアンモニア態のものを使うとしています。北海道は石灰を施用しないとしています。若い樹の施肥は少なく、山口県の指針では窒素を定植年1kg、2年目2kg、3年目3kg、4年目以降5kg(10aあたり)としています。
せん定・開花・収穫の時期
| 地域区分 | 都道府県 | 冬季せん定の時期 | 開花期 | 収穫期(ハイブッシュ) | 収穫期(ラビットアイ) | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 寒冷地 | 秋田 | 植付け後3〜4年はせん定しない | — | — | —(凍害を受けやすく不適) | 秋田 |
| 寒冷地 | 岩手 | — | — | 品種により7月上旬〜8月上旬(累積収量が半分に達する時期) | — | 岩手 |
| 寒冷地 | 北海道 | — | — | 札幌で早生7月下旬〜晩生9月中下旬 | — | 北海道1・北海道2 |
| 寒冷地 | 福島 | — | 会津:HB 5月上〜下旬、RE 5月中旬〜6月上旬 | 会津:6月下旬〜8月中旬 | 会津:8月上旬〜9月上旬 | 福島1・福島2 |
| 関東 | 栃木 | — | — | 6月中旬〜8月下旬(HB・RE合わせて、図から読み取り) | (同左) | 栃木 |
| 関東 | 埼玉 | 1月・3月(図から読み取り) | — | 6月下旬〜7月中旬(図から読み取り) | 7月中旬〜9月上旬(図から読み取り) | 埼玉 |
| 関東 | 千葉 | 12月〜2月上旬(図から読み取り) | 4月中下旬 | 6月上旬〜8月上旬(図から読み取り) | 7月上旬〜9月上旬(図から読み取り) | 千葉1・千葉2・千葉3 |
| 関東 | 東京 | 1〜2月(図から読み取り) | 4月中旬(図から読み取り) | 6月下旬〜7月上旬(図から読み取り) | 7月上旬〜8月中下旬(図から読み取り) | 東京 |
| 関東 | 茨城 | 冬季(長果枝20cm以上を残すと大粒になる) | — | — | — | 茨城 |
| 関東 | 神奈川 | — | 萌芽3月中旬(図から読み取り) | 6月上中旬〜8月上旬(図から読み取り) | 7月上旬〜9月上旬(図から読み取り) | 神奈川1・神奈川2 |
| 中間地 | 岐阜 | 2月中旬・11月下旬(図から読み取り) | 5月中旬(図から読み取り) | — | 7月中旬〜8月上旬(図から読み取り) | 岐阜 |
| 暖地 | 山口 | 1〜2月 | 4月上旬〜5月上旬 | 6月(サザンハイブッシュは6月上〜下旬) | 7月下旬〜 | 山口1・山口2 |
| 暖地 | 長崎 | — | 3月下旬〜4月上旬(RE) | — | ウッダード・ホームベル6月下旬〜8月上旬、ティフブルー7月上旬〜8月上旬 | 長崎 |
各県の資料にある注意点
- 青森:冬は枝を結束して雪害を防ぐ。若木は金網で野ウサギなどの獣害を防ぐ。新植は植付け4週間後に施肥
- 秋田:苗は冬越しさせ雪解け直後に植える。植付け後1〜2年はつぼみを摘む。冬は枝を結束
- 岩手:極早生アーリーブルー〜晩生チャンドラー・ダローまで品種で約1か月の幅
- 長野:おがくず・チップ・もみ殻で10〜15cmのマルチ。落果・被害果を処分(IPM)
- 北海道:石灰は施用しない。粗粒火山性土は施肥量を3割ほど増やす。有望品種はレカ・プル・ノースランド・バークレイ
- 宮城:県内の主力はハイブッシュ。発芽前の防除と、6月中旬から収穫終了まで防鳥網
- 福島:苦土をNの25%程度施用。会津ではラビットアイが凍害で減収した年がある。梅雨とラビットアイの8月の雨で裂果
- 栃木:pH矯正の硫黄華は10〜100kg/10aで、土壌ごとに試験してから
- 埼玉:マルチは稲わら・麦わら
- 千葉:ミツバチの巣箱を10aに1箱。RE の夏季せん定は9月中旬まで。ちばエコ基準は化学肥料由来の窒素4.5kg/10a以下
- 東京:土壌の種類で施肥量を分けている。堆肥1.5t/10a
- 茨城:デューク・レガシーの長果枝利用で大粒生産
- 群馬:生育の良い園はピートモスと有機物マルチを使っていた。土の仮比重0.8以下・孔隙率70%以上が改善目標
- 神奈川:推奨品種はデューク・ブルーヘブン・ブルーレイ・レガシー
- 岐阜:適地は年平均気温11〜15℃、生育期の降水量1,500〜2,000mm、地下水位1m以下
- 山口:10aの年間労働時間は423時間で、7月が166時間と最も多い。有機物マルチを補給した年は窒素を3割増やす
- 佐賀:根域制限栽培のかん水は、4月3日おき・5月2日おき・6〜7月4日おきに1樹20L、梅雨明け〜9月中旬は雨のない日は1日おき
- 長崎:西南暖地ではラビットアイがよく育ち豊産。自家不和合性なので異品種を混植
- 愛媛:県の施肥基準に参考の施肥例として掲載
資料どうしで違うところ
- 年間の窒素量:山口5kg、埼玉6kg、東京7〜8kg、栃木・神奈川8kg、千葉・岐阜8.9kg、福島9kg、青森10kg、愛媛12.6kg(いずれも10aあたり、成木)。目標収量も愛媛は2t/10aと高く、前提が違います
- 土壌pH:千葉・福島・神奈川・長野は4.3〜4.8、東京は5.0〜5.5を維持とし、ラビットアイは上限が広め(千葉4.3〜5.3、栃木4.0〜5.5)。群馬の調査では、pH5.3〜6.5の範囲では生育の良し悪しに差がなく、土の柔らかさ(仮比重・孔隙率)とピートモス・有機物マルチの有無が効いていました
- 施肥の回数:多くの県は元肥+夏肥+秋肥の3回ですが、青森と北海道は年1回で全量を施します
作業ごとのポイント
せん定
山口県の指針では、20cm以上の枝を結果枝として花芽を3〜5個残して先端を切り、成木の主軸枝は8〜10本、5年以上たった主軸枝は毎年2本以上更新するとしています。茨城県の成果では、デューク・レガシーで20cm以上の長果枝を残すと大粒になりました。植え付け後3〜4年はせん定しない(秋田県)、定植後2年ほどは強く切らない(山口県)と、若木は控えめにするのが共通です。
受粉と品種の組み合わせ
千葉県はミツバチの巣箱を10aに1箱としています。ラビットアイは自家不和合性のため、同じ系統の別品種を混植します(山口県・長崎県)。県が有望とする品種は、北海道がレカ・プル・ノースランド・バークレイ、神奈川がデューク・ブルーヘブン・ブルーレイ・レガシー、会津(福島)の観光園ではシャープブルー・マグノリア・サンシャインブルー・ネルソン・ブリジッタ・オースチンでした。
ネットの網目
防ぎたいものによって網目が大きく違います。鳥よけは10〜30mm(山口県)、イラガ類の防虫を兼ねるなら4mm(山口県)、カメムシ類は7mm以下、オウトウショウジョウバエは0.98mm(千葉県)です。
かん水
梅雨明け後は乾かさないことが共通です。佐賀県の根域制限栽培では、1樹20Lを4月は3日おき、5月は2日おき、6〜7月は4日おき、梅雨明け〜9月中旬は雨のない日に1日おきとしています。青森県の資料はpF2.5をかん水の目安としています。
資料が見つからなかった都道府県
山形・山梨・静岡・愛知・宮崎・岡山・広島・大分・鹿児島・熊本・新潟などは、県のサイトや施肥基準でブルーベリーの栽培資料を確認できませんでした(2026年10月時点。画像だけのPDFなど、見落としがある可能性もあります)。神奈川・山梨・熊本には特別栽培の「慣行レベル」(化学肥料の窒素で神奈川6kg、山梨8kg、熊本9kg/10a)がありますが、これは特別栽培の表示に使う数値で、施肥基準ではありません。
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出典一覧
表の「根拠」「出典」の略称と資料の対応です。
- 北海道1:北海道「北海道施肥ガイド2020 園芸作物(小果樹類)」、2020年
- 北海道2:道総研中央農業試験場「北海道に向く新しいブルーベリー」、2012年
- 青森:青森県「特産果樹栽培指導要項 ブルーベリー(農林水産省「都道府県施肥基準等」掲載)」
- 秋田:秋田県「ブルーベリーの育て方(2)植え付け後の管理」
- 岩手:岩手県農業研究センター「ブルーベリーの優良品種の選定」、2013年
- 宮城:宮城県「普及に移す技術 第97号(露地養液土耕によるハイブッシュの早期多収)」、2021年
- 福島1:福島県「施肥基準(作物別施肥基準 果樹)」、2019年
- 福島2:福島県農業総合センター「会津地域の観光ブルーベリー園に適する品種構成」、2013年
- 長野1:長野県「施肥基準 ブルーベリー」
- 長野2:長野県「IPM実践指標解説書 ブルーベリー」
- 栃木:栃木県「栃木県施肥基準 果樹(ブルーベリー)」
- 茨城:茨城県「ディユーク・レガシーの長果枝利用による大粒果実生産」、2013年
- 群馬:群馬県農業技術センター「ぐんま農業研究ニュース 第8号(ブルーベリーの生育に及ぼす土壌要因)」、2024年
- 埼玉:埼玉県「施肥基準 果樹(ブルーベリー)」、2025年
- 千葉1:千葉県「ちばエコ農産物 品目別栽培カード ブルーベリー」、2009年
- 千葉2:千葉県「千葉県施肥基準 果樹(ブルーベリー)」、2019年
- 千葉3:千葉県農林総合研究センター「ラビットアイブルーベリーの夏季剪定の効果」、2021年
- 東京:東京都「農産物施肥基準 果樹(ブルーベリー)」、2022年
- 神奈川1:神奈川県「作物別施肥基準 果樹」、2023年
- 神奈川2:神奈川県農業技術センター「北相地域におけるハイブッシュブルーベリー品種の適応性」、2015年
- 岐阜:岐阜県「主要園芸作物標準技術体系 果樹・特産編 ブルーベリー(農林水産省「都道府県施肥基準等」掲載)」、2005年
- 三重:三重県「適正施肥の手引き(土壌診断基準)」、2022年
- 山口1:山口県「果樹栽培指導指針 ブルーベリー」、2025年
- 山口2:山口県農林総合技術センター「ブルーベリー加工用栽培マニュアル」、2014年
- 愛媛:愛媛県「施肥基準(令和8年度版)」、2026年
- 佐賀:佐賀県果樹試験場「ブルーベリー栽培に適した根域制限栽培方法」、2017年
- 長崎:長崎県果樹試験場「長崎県におけるラビットアイ系ブルーベリーの特性」