圃場台帳の作り方と記入例|地番・面積・借入の管理と無料テンプレート

【PR】本記事には、当メディア「先端農業マガジン」を運営する株式会社トクイテンが開発・提供する無料の農業アプリ「ミノリス」シリーズ(ミノリス日誌・ミノリスタイマー)と無料テンプレートの宣伝が含まれます。

圃場台帳は、自分が耕作している田畑を1筆(1つの地番)ごとに一覧にした手元の台帳です。営農計画書や交付金の申請、農地の貸し借りの更新、家族や従業員への引き継ぎなど、「あの田んぼの地番と面積は?」と聞かれる場面で毎回役に立ちます。

結論から言うと、書く項目は「呼び名」「所在・地番」「地目」「面積(登記・台帳の面積と本地面積)」「所有者と借入の条件」の5つが柱です。とくに面積を2種類に分けて書くことと、借入地の終期を書くことが、あとで困らないためのポイントです。この記事では、農地台帳との関係を法令で確認したうえで、各欄の書き方と記入例、よくある間違いを整理します。

無料の農業日誌・圃場管理アプリ「ミノリス日誌」に無料登録(PR:株式会社トクイテン)

圃場台帳の無料テンプレート(Excel・PDF/記入例つき)

Excel(入力用)・手書き用PDF・記入例PDFをまとめてダウンロードできます。

無料でダウンロードする(登録不要)

圃場台帳とは/なぜ必要か

農家が作る圃場台帳に法令上の義務はない

まず前提として、農家が自分用の圃場台帳を作ることは、法令で決められた義務ではありません。ただ、地番や面積を書かされる書類は毎年いくつも回ってきます。営農計画書、水田活用の直接支払交付金の申請、農業共済の細目書、地域計画の話し合い、農地の貸借の更新などです。そのたびに登記事項証明書や過去の書類を探し直すのは手間なので、1枚にまとめておく意味があります。

農業委員会の「農地台帳」との関係

公的な台帳としては、農業委員会が作る農地台帳があります。農地法第52条の2では、農業委員会が一筆の農地ごとに次の事項を記録した農地台帳を作ることとされています。

  • 農地の所有者の氏名(名称)と住所
  • 農地の所在、地番、地目、面積
  • 賃借権や使用貸借による権利などが設定されている場合は、その権利の種類と存続期間、権利を持つ人の氏名と住所、借賃等の額
  • その他農林水産省令で定める事項

また農地法第52条の3により、農地台帳の内容は、個人の権利利益を害するおそれがあるものなどを除いてインターネット等で公表されることになっています。この公表の窓口が、農林水産省のeMAFF農地ナビです。地図から地番や地目、面積の一部を確認できます。

自分用の圃場台帳は、この農地台帳の項目をベースにして、「ふだんの呼び名」「本地面積」「水利」「作業上のメモ」など、経営に必要な情報を足したものと考えると作りやすくなります。

交付金で使うのは「本地面積」

面積を2種類に分けるべき理由は、交付金の考え方にあります。農林水産省の水田活用の直接支払交付金の要綱(別紙1「交付対象農地」)では、交付対象水田の面積は田本地面積とし、畦畔やはざ場など作物を作付けできない部分は含まないとされています。地域農業再生協議会は、実測や、水稲共済細目書の面積、登記簿・農地台帳などの面積との照合で確認し、公的資料の面積が本地面積か確認できない場合は、畦畔率を使って畦畔面積を差し引いた面積と照合することとされています。

つまり、登記簿や農地台帳の面積をそのまま申請書に書くと、畦畔の分だけ多くなることがあります。台帳に「登記・台帳の面積(㎡)」と「本地面積(a)」の両方を並べておけば、書類ごとにどちらを使うか迷わずに済みます。

記入例

水田2枚、ハウス1か所、借りている畑1枚を管理している経営の記入例です。地名・人名・面積は架空のものです。

圃場台帳の記入例
圃場台帳の記入例(出典:ミノリス 無料テンプレート)

ポイントは、借入地の「東2号」と「山の畑」で借入の形と終期がはっきり書かれていることです。東2号は農地中間管理機構を通した賃借権で2031年3月31日まで、山の畑は相対の使用貸借(無償)で2027年12月31日まで、と一目でわかります。

書き方(項目ごと)

欄 書くこと・調べ方 書き方の例
圃場名・番号 家族や従業員とふだん使っている呼び名。作業日誌や作付け計画と同じ名前にそろえる 東1号、西ハウス
所在・地番 登記事項証明書や農地台帳のとおりに書く。枝番(-1など)も省略しない 〇〇市△△町字北田125-1
地目(登記/現況) 登記上の地目と、実際の使い方を「/」で並べる 田/畑
登記・台帳の面積(㎡) 登記や農地台帳にある面積。単位は㎡のまま写す 1,820
本地面積(a) 畦畔などを除いた作付けできる面積。共済細目書や実測から 17.2
所有者 自分の土地は「本人」、借入地は地権者名。相続で名義が変わったら書き換える 佐藤 一郎
自作/借入 自分の土地か、借りている土地か 借入
借入の形 賃借権(有償)か使用貸借(無償)か、相対か農地中間管理機構経由か 賃借権(機構経由)
借入の終期 契約書にある期間の最終日 2031/3/31
区域 農業振興地域の農用地区域(農振農用地)かどうかなど 農振農用地
水利・土地改良区 水を引いている土地改良区や水利組合。賦課金の確認にも使う 〇〇土地改良区
メモ 暗渠の施工年、ハウスの棟数、法面、水口の位置など 2023年に暗渠

1枚の圃場が2筆以上にまたがるとき

畦を抜いて2筆を1枚の田んぼとして使っている場合は、筆(地番)ごとに行を分け、圃場名の欄に同じ名前を書きます。申請書類は地番単位で書くことが多いので、行を1つにまとめてしまうと後で分けられなくなります。Excelなら圃場名で並べ替えて合計すれば、「圃場としての面積」も「地番ごとの面積」もすぐに出せます。

地番や面積を調べる順番

  1. 手元にある営農計画書や共済の細目書から、地番と面積を写す(最初の下書きとして一番早い)
  2. eMAFF農地ナビで地図と地番を照らし合わせ、呼び名と地番の対応を確かめる
  3. 登記の地目や面積に疑問があれば、法務局で登記事項証明書を取る
  4. 借入地の権利の種類や期間は、契約書、または農業委員会に確認する

最初から完璧に埋めようとせず、1の段階で一度作ってしまい、申請書類を書くたびに埋まっていない欄を足していくと続けやすくなります。

気をつけること・よくある間違い

1. 呼び名だけで地番を書いていない

「東1号」「じいちゃんの田」のような呼び名は、家族の中でしか通じません。申請書類や契約では地番が必要です。呼び名と地番を同じ行に並べておくのが台帳の一番の役割です。

2. 登記の面積をそのまま申請に使う

前述のとおり、交付金の対象面積は畦畔などを除いた本地面積です。登記の面積をそのまま書くと、確認の段階で差が出ることがあります。どの資料から取った面積かをメモ欄に書いておくと、問い合わせがあったときに説明しやすくなります。

3. 登記の地目と現況の違いに気づかない

登記は「田」でも、実際には畑として使っている圃場は珍しくありません。交付金の対象かどうか、農地転用の手続きが必要かどうかなど、地目の違いが効いてくる場面があります。両方を並べて書いておけば、ずれている圃場がすぐにわかります。

4. 借入の終期を書いていない

期限が過ぎているのに更新の手続きをしていなかった、というのはよくある話です。農地の賃借権や使用貸借の設定には、原則として農地法第3条による農業委員会の許可などの手続きが関わります。終期が近い借入地は、年に1回の見直しのときに色を付けておくと見落としを防げます。

5. 相続や売買で所有者が変わっても直していない

地権者が亡くなって相続人に替わった、売買で所有者が変わった、という変化は借り手には伝わりにくいものです。地代の支払先や更新の相談先が変わるので、知ったときにすぐ書き換えます。

6. 面積の単位が混ざっている

登記は㎡、交付金や作付け計画はa(アール)、共済は書類によって違う、というように単位がばらばらです。「1a=100㎡」「10a=1,000㎡」なので、2,150㎡は21.5aです。台帳では列ごとに単位を固定し、見出しに単位を書いておきます。

7. 返した圃場の行を消してしまう

返還した圃場や売却した圃場の行を消すと、過去の作付けや交付金の記録と照らし合わせられなくなります。行は残して、メモ欄に「2026年3月返還」のように書いておくのがおすすめです。

無料の農業日誌・圃場管理アプリ「ミノリス日誌」に無料登録(PR:株式会社トクイテン)

紙・Excelで続かないときは

圃場台帳そのものは、年に数回書き換えるだけの台帳なので、Excelや紙で十分に管理できます。続かなくなるのは、むしろ台帳と「日々の作業記録」がつながっていないときです。「東2号で何を作って、いつ防除したか」が別のノートに散らばっていると、台帳の圃場名が生きてきません。

当社のミノリス日誌は、圃場を登録して、作付けごとに農薬・肥料・作業・収穫の記録を付ける無料の栽培記録アプリです。圃場台帳と組み合わせると次のように使えます。

  • 台帳の圃場名と同じ名前で圃場を登録し、圃場マップで場所を地図に残す(地図上に範囲を描くと面積の目安が表示されます)
  • 衛星画像で圃場の様子を見返す
  • 作付けごとの記録を、栽培履歴としてCSV・Excelで出力し、提出書類に使う
  • 予定・実績カレンダーで、圃場ごとの作業予定と実績を並べて確認する

一方で、地番や所有者、借入の終期といった権利関係の情報を管理する機能はありません。また収支管理やGPSによる作業の自動記録にも対応していません。台帳はExcelで持ち、日々の記録はアプリで付ける、という分担がおすすめです。

圃場ごとの作業記録を、スマホで付けるなら

ミノリス日誌は完全無料(初期費用・月額0円)。圃場を登録して、作付けごとの農薬・肥料・作業・収穫の記録をスマホで残せます。ミノリス全体で毎月100軒以上の農家が登録しています。

ミノリス日誌に無料登録する(約1分・クレカ不要)

初期費用・月額0円/クレジットカード不要

よくある質問

地番や面積はどこで調べられますか?

登記の内容は、法務局で登記事項証明書を取ると確認できます。農地台帳の内容は市町村の農業委員会に問い合わせるほか、eMAFF農地ナビで地図から一部を確認できます。ただし、所有者や借り手の住所、借賃の額など、公表されない項目もあります。

営農計画書の圃場一覧をそのまま写してもいいですか?

最初の下書きとしては一番早い方法です。ただし、書類ごとに面積の考え方(畦畔を含むかどうか)が違うことがあるので、どの書類から写したかをメモに書いておくと安心です。

どのくらいの頻度で見直せばいいですか?

圃場を借りた・返した・買ったときにその都度書き換え、年に1回、作付け計画を立てる時期に全体を見直すのがおすすめです。借入の終期が近いものや、所有者が変わったものに気づきやすくなります。

ハウスや作業場の敷地も台帳に載せますか?

ハウスが建っている農地は載せておくと便利です。メモ欄に棟数や面積を書いておくと、施設の管理や共済の書類にも使えます。作業場や倉庫の敷地は、農地でなければ別の一覧にしてもかまいません。

地代の支払いも同じ台帳で管理できますか?

1枚にまとめることもできますが、地代は毎年の支払日や金額、振込先などの情報が増えるので、別の支払台帳に分けたほうが見やすくなります。圃場名で結び付けておけば、どちらからでもたどれます。

無料の農業日誌・圃場管理アプリ「ミノリス日誌」に無料登録(PR:株式会社トクイテン)

まとめ

圃場台帳は、呼び名と地番、登記・台帳の面積と本地面積、所有者と借入の条件を1筆1行でまとめる手元の台帳です。作る義務はありませんが、農業委員会の農地台帳(農地法第52条の2)と同じ考え方で整理しておくと、営農計画書や交付金の申請、貸し借りの更新のたびに調べ直す手間がなくなります。

まずは手元の営農計画書や共済の書類から写して作り、足りない欄は申請のたびに埋めていく、という進め方が現実的です。無料の圃場台帳テンプレートには記入例のシートも入っているので、そのまま書き始められます。

関連記事

参考URL