中山間地域等直接支払交付金の集落協定では、決めた活動を行ったことを、書類で示す場面が出てきます。市町村の手引きの説明では、実施した活動は写真とともに活動日誌へ必ず残すことになっています。協定農用地を1筆ずつ見て回る現地確認も、市町村の仕事です。
この記事では、農林水産省の第6期対策パンフレット、実施要領、市町村の事務担当者向けの手引きをもとに、活動日誌の各欄の書き方と、協定農用地の点検表の使い方を説明します。市町村が様式を決めている場合は、その様式が優先されます。実際に使う前に、市町村の担当窓口にも確認してください。
中山間地域等直接支払 活動日誌の無料テンプレート(Excel・PDF/記入例つき)
中山間地域等直接支払 活動日誌とは/なぜ必要か
集落協定で行った活動を、写真と合わせて残す日誌
活動日誌は、集落協定で行った活動を、いつ、どこで、誰が、何をしたかという形で残す記録です。草刈りや泥上げのような共同作業だけでなく、集落の話合いも活動として記録します。
この日誌が役に立つ場面は、大きく3つあります。1つ目は、協定で決めた活動を毎年行ったことを、実績報告で示すときです。2つ目は、市町村の現地確認で、活動の中身を説明するときです。事務担当者が代わる際に、1年の活動を引き継ぐ資料にもなります。
現地確認と実績報告で見られること
市町村は、協定農用地を1筆ずつ見て回る現地確認を行います。現地確認では、協定に書いた活動が実際に行われたかどうかを、活動日誌や写真と見比べて確認します。日誌が整っていれば、担当者への説明も短く済みます。
実績報告の時期に慌てて書くと、日付や人数の記憶があいまいになります。活動のたびに日誌へ書いておくと、事務担当者の負担が減ります。
活動区分の考え方
中山間地域等直接支払交付金では、集落協定に定めた活動に応じて交付単価が決まります。農林水産省の第6期対策(令和7〜11年度)のパンフレットは、活動を次の3つに整理しています。
1つ目は、農業生産活動等(必須活動)です。耕作放棄の防止等の活動と、水路・農道等の管理活動の両方を行います。耕作放棄の防止等の活動には、適正な農業生産活動、荒廃農地の復旧、法面の保護、鳥獣被害の防止などが入ります。水路・農道等の管理活動は、泥上げや草刈りなどです。
2つ目は、多面的機能を増進する活動(選択的必須活動)です。周辺林地の管理、景観作物の作付け、市民農園・体験農園、ビオトープの確保などから、1つ以上を行います。
3つ目は、体制整備のための前向きな活動です。ネットワーク化活動計画を作ると、交付単価の10割が交付されます。作らない場合の交付は8割です。このほか、取り組む内容によっては、加算措置もあります。
活動日誌の「活動区分」には、自分の集落協定に書いた活動の名前をそのまま使ってください。実績報告と照らし合わせるのが楽になります。
記入例
下の記入例は、ある集落協定の1年分から4回の活動を抜き出して書いたものです。4月20日は用水路の泥上げと草刈り、6月8日は法面の見回りと防止柵の補修、7月13日は景観作物のひまわりの種まき、11月22日は隣の集落協定との話合いを書いています。

記入例の人名、人数、場所は架空です。「〇〇用水路」のような伏せ字の部分には、自分の集落の実際の名前を書いてください。
記入例では、1行ごとに活動区分を変えています。4月は必須活動のうち水路・農道等の管理、6月は必須活動のうち耕作放棄の防止等、7月は選択的必須活動、11月は体制整備に当たります。日誌を見れば、1年の活動が3つの区分のどれに入るかがわかります。
テンプレートのExcelには、この日誌のシートのほかに、協定農用地の点検表のシートを入れています。手書きで使いたいときは、PDFを印刷して使えます。
書き方(項目ごと)
日誌の上部には、集落協定名、年度、記録者を書く欄があります。年度は、活動した年度を書いてください。以下は、表の各欄の書き方です。
日付・時間
活動した日と、開始から終了までの時刻を書きます。記入例の4月20日は、8時から11時です。夜に公民館で行う話合いも活動なので、11月22日のように19時から20時30分と書きます。
時刻まで書いておくと、後で参加者ごとの時間と日当を照らし合わせるときに役立ちます。雨で作業が途中で止まったときは、実際に作業をした時間を書き、予定との違いを活動の中身の欄に添えてください。
活動区分
協定に書いた活動のどれに当たるかを、この欄に入れます。記入例では「必須(水路・農道等の管理)」「選択的必須(多面的機能の増進)」「体制整備(ネットワーク化)」のように、区分と活動の種類を並べています。
協定書の活動の名前と食い違わないように、協定書を見ながら書き写してください。区分の分け方に迷うときは、市町村の担当窓口に問い合わせるのが確実です。
活動の中身と場所
何をしたかを、量や範囲がわかるように書きます。記入例の「用水路の泥上げ、水路沿いの草刈り」は、作業の種類と対象がわかる書き方です。「作業をした」とだけ書くと、後から何をしたのか読み取れません。
場所の欄には、活動した場所を書きます。用水路の名前、棚田の区画、公民館の名前など、現地確認のときに案内できる呼び方にします。協定農用地で活動したときは、地区の名前を書いてください。
参加人数・参加者
人数と氏名を書きます。参加者が多いときは、氏名を並べずに、出役簿や会議の出席者一覧を指す書き方で構いません。記入例の4月20日と7月13日は「出役簿のとおり」、11月22日は「会議出席者一覧のとおり」としています。
参加者が少ないときは、記入例の6月8日のように氏名を並べます。氏名は、出役簿や日当の記録と同じ表記にそろえておくと、突き合わせが楽です。
写真の番号
その活動の写真の番号を書きます。記入例の4月20日は1〜4、6月8日は5〜7です。活動ごとに写真を撮り、日誌の番号と写真の番号を対応させます。
何を撮るかは、活動した場所と、何をしたかがわかる写真が基本です。撮り方の指示は市町村によって違うことがあるので、市町村の手引きや担当窓口に確かめてください。
日当・支出
その活動で日当を払ったか、ほかに支出があったかを書きます。記入例は「日当あり」「種代」「お茶代」としました。金額まで日誌に書くかどうかは、金銭出納簿との分担で決めます。
日当の額は、協定参加者の話合いと合意で、集落協定に定めます。協定で決めた額で払い、参加者ごとの時間と金額を残してください。
協定農用地の点検表
協定農用地は、5年間適切に管理することが交付の条件です。点検表のシートには、地番ごとに、管理者、耕作や管理の状況、法面や水路の傷み、鳥獣害、対応を書きます。
点検では、次の3点を見ます。作付けや草刈りなどの保全管理をしていて、荒れ始めていないか。法面や畦畔の崩れ、水路の土砂、農道の傷みはないか。イノシシなどの鳥獣害の跡はないか。以上の3点です。
市町村の手引きは、協定農用地に農業用施設を建てる、果樹を植えて地目の扱いが変わる、協定から外す、といった予定があるときは、すぐに市町村へ連絡するよう求めています。点検のときにそうした予定に気づいたら、対応・予定の欄に書いてください。
点検表の「対応」の欄には、気づいた傷みや荒れに対して、誰がいつ何をするかを書きます。記入例のように活動日誌と並べて使えば、点検で見つけた法面の崩れを、後日の補修の活動として日誌に書き継げます。
点検表の記録は、市町村の現地確認で協定農用地の管理状況を説明するときにも使えます。地番ごとに管理者を書いておけば、誰に連絡すればよいかもすぐにわかります。
気をつけること・よくある間違い
活動したのに日誌を書いていない
必須活動を行ったかどうかは、活動日誌と写真で確かめられます。草刈りや泥上げが終わったら、その日のうちに書いておきます。後からまとめて書くと、日付や人数が合わなくなりがちです。
同じ写真を別の活動に使う
写真は活動ごとに撮り、日誌の写真の番号と対応させます。別の日の写真を使い回すと、現地確認で活動の中身を説明できません。
話合いを記録しない
集落戦略やネットワーク化の話合いも活動です。日時、出席者、話し合った内容を残します。記入例の11月22日のように、場所と人数を日誌に書き、出席者は一覧で示します。
活動区分の名前が協定と合っていない
活動区分に独自の呼び方を使うと、実績報告の書類と突き合わせにくくなります。協定に書いた活動の名前をそのまま使ってください。
農用地の変更を日誌に書いたまま連絡しない
施設の設置や協定からの除外などの予定は、点検表に書くだけでは足りません。市町村への連絡が必要になる場合があるため、気づいた時点で担当窓口に伝えてください。
市町村の様式があるのに別の様式で作る
活動日誌や会議録の様式を、市町村が決めている場合があります。多面的機能支払交付金との共通様式を使う市町村もあります。指定の様式があるときは、そちらが優先です。このテンプレートは、下書きや控えとして使ってください。
保存と報告
実施した活動は、写真とともに活動日誌に必ず残します。市町村の手引きは、そう説明しています。活動日誌は、市町村への実績報告の根拠になる書類です。
報告に使う様式は、市町村が決めています。市町村の報告様式が優先されるので、このテンプレートの日誌は、自分たちで活動を確認する控えとして使い、報告のときは指定の様式に写してください。何を添えるか、いつまでに出すかも、市町村の手引きで確かめます。
金銭出納簿は、お金が実際に動いた日付順に整理します。活動日の順には並べません。領収書の宛名は、集落協定名にしてもらうようにと、市町村の手引きは求めています。
国の実施要領は、交付金を受けた人に、会計経理を適正に行うよう求めています。経理書類は、交付を受けた年度の翌年度から5年間、保管しなければなりません。活動日誌そのものの保存期間は、市町村の手引きで確かめてください。
集落協定の事務は、数年ごとに担当者が代わることがあります。日誌、写真、出役簿、金銭出納簿、領収書を、年度ごとに同じ場所へまとめておくと、引き継ぎがしやすくなります。
紙・Excelで続かないときは
活動日誌は、Excelや紙でも十分に作れる書類です。ただ、写真の整理や、参加者ごとの作業時間の記録で、手が止まる場合もあるでしょう。そうした場合は、ミノリス日誌を併用する方法もあります。
- 圃場を選んで、草刈り・泥上げなどの作業を記録できる
- 作業した人ごとに、作業時間を記録できる
- 作業ごとに写真を添えられる
- ログインしない人も、名前だけで作業者に登録できる
- 記録をカレンダーとタイムラインで見返せる
ミノリス日誌には、できないこともあります。集落協定の活動区分ごとの集計や、協定農用地の点検表の機能はありません。市町村の様式に合わせた実績報告書も作れません。報告の様式は、市町村の指定に従って別に用意してください。
そのため、ミノリス日誌は共同作業の記録を写真つきで残す用途に向いています。その記録を見ながら、活動日誌に転記する使い方ができます。
共同作業の記録を写真つきで残す
圃場を選んで草刈り・泥上げなどの作業を記録し、作業した人ごとの作業時間と写真を添えられます。無料で使えます。
初期費用・月額0円/クレジットカード不要
よくある質問
多面的機能支払交付金にも取り組んでいます。記録は一緒にできますか?
同じ日に両方の活動をすることもありますが、交付金ごとに活動の区分や書類が違います。どちらの活動かを分けて書き、市町村の指示に従ってください。日当の記録は、多面的機能支払の出役簿の形も参考になります。
日当はいくらにすればよいですか?
交付金の使い方は、協定参加者の話合いと合意で、集落協定に定めます。個人配分と共同取組活動の割合や、日当の額も同じです。協定で決めた額で払い、参加者ごとの時間と金額を残してください。
写真は何を撮ればよいですか?
活動した場所と、何をしたかがわかる写真を活動ごとに撮り、日誌の写真の番号と対応させます。撮り方は市町村によって指示が違うことがあるので、市町村の手引きや担当窓口に確かめてください。
話合いだけの日も、活動日誌に書きますか?
書きます。集落戦略やネットワーク化の話合いも活動です。日時、場所、出席者、話し合った内容を残してください。出席者が多いときは、会議の出席者一覧を指す書き方で構いません。
市町村から活動日誌の様式を渡されました。このテンプレートは使えませんか?
市町村が様式を決めているときは、その様式を使ってください。このテンプレートは、活動のたびに書く下書きや控えとして使えます。報告のときに、指定の様式へ写します。
経理書類はいつまで保管しますか?
経理書類の保管期間は、国の実施要領が、交付を受けた年度の翌年度から5年間と定めている点を押さえてください。金銭出納簿や領収書が、この経理書類に当たります。活動日誌の保存期間の扱いは、市町村によって違う場合があるため、担当窓口で確認してください。
まとめ
中山間地域等直接支払の活動日誌には、日付と時間、活動区分、活動の中身、場所、参加者、写真の番号、日当・支出を書きます。活動区分は、集落協定に書いた活動の名前をそのまま使います。協定農用地の状況は、点検表への1筆ずつの記入が基本です。
報告に使う様式は、市町村が決めています。指定の様式があるときはそちらを使い、このテンプレートは下書きや控えとして使ってください。経理書類は、交付を受けた年度の翌年度から5年間、保管します。細かい扱いは、市町村の担当窓口に確かめてください。
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