エンド・ツー・エンドの農場管理ソフトウェアを提供するオーストラリアのTie Up Farming社について解説

事業概要

Tie Up Farming社は、農場のためのエンド・ツー・エンドの農場管理ソフトウェアを提供する農業テクノロジー企業です。2015年にオーストラリアのメルボルンを拠点に設立されました。社員数は10人程度と推定されます。

複雑化する農業ビジネスのための、スムーズなエンド・ツー・エンドのソリューションの必要性から、効率的で持続可能なアグリビジネスの運営に関わるすべての業務を一元化するソフトウェアを開発しました。

同社のスマートダッシュボードは、ユーザーの農業ビジネスのすべてのデータを一箇所に集中させ、農場のすべての運営を監督することが可能です。

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=H_W3PRVte6I

ビジネスモデル

Tie Up Farming社は、2017年にオーストラリアのアグテックアクセラレータープログラム「SproutX」を通じて資金調達に成功した後、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジアの農家にサービスを提供しています。

農作業をデジタル化し、畑、果樹園、包装庫のプロセスを合理化することで、オーストラレーシア地域の農場をより効率的で持続可能なものとしています。

テクノロジー

Tie Up Farming社のクラウドベースの農場管理ソフトウェアは、一連のモジュールを使用して、植え付けから梱包までの農場運営の計画、管理、予測、予算管理ができるようにカスタマイズが可能です。

スマートダッシュボード上では、将来の収穫を視覚的にマップし、追跡し、予測し、日々の生産活動を記録・管理します。これにより輸出に必要な監査に合格しやすく、輸出のプロセスまでを簡単に管理することができます。

Tie Up Farming社のプラットフォームを使用すると、化学薬品を使用した後に作業員が安全にゾーンに再入場できる時間帯や、化学薬品の使用に関する規制、新しい労働法、監査要件を遵守するために推奨される収穫のタイミングといった重要な情報を把握することもできます。

また、Tie Up Farming社は、AIと機械学習を利用して、梱包場のデータと農場のデータを組み合わせています。それにより、どのような原因で作物が優良グレードに選ばれなかったを確認することができます。不適切な剪定や強風によるものなのか、ピッカーによる果実の損傷が原因であるかどうかを把握できます。また、特定の肥料が果実のサイズや色などにどのような影響を与えるかを確認することもできます。

今後の計画

Tie Up Farming社は2019年7月に資金調達を行い、調達資金はイスラエルの開発オフィス拡充と、オーストラリア北部での販売チームの設立に充てる予定です。

バナナ、マンゴー、アボカドなどのトロピカルフルーツ分野のお客様から大きな需要があることから、クイーンズランド州に支店を開設しています。

コメント

消費者の間で食料の透明性への関心が高まる中、農作業をすべて監視し、効率性を高めながら透明性の高い農業が実現できるTie Up Farming社のソフトウェアは、今後さらに注目が集まると期待されます。

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