農業の出勤簿・作業時間記録の書き方と記入例|無料テンプレート(Excel・PDF)

【PR】本記事には、当メディア「先端農業マガジン」を運営する株式会社トクイテンが開発・提供する無料の農業アプリ「ミノリス」シリーズ(ミノリス日誌・ミノリスタイマー)と無料テンプレートの宣伝が含まれます。

パートや季節雇用の人に働いてもらうと、いつ来ていつ帰ったかを記録する場面が出てきます。その記録が出勤簿です。農業は労働時間の規定が適用されない業種です。ただし深夜の割増賃金と年次有給休暇は農業にも適用されるため、出勤と退勤の時刻は残しておく必要があります。

この記事では、労働基準法と厚生労働省の資料をもとに、出勤簿・作業時間記録を作る理由、各欄の書き方、よくある間違い、保存期間を説明します。農産物の販売や加工が主な事業場、外国人技能実習生、同居の親族は扱いが異なるので、実際に使う前に労働基準監督署や社会保険労務士にも確認してください。

無料の農業日誌・圃場管理アプリ「ミノリス日誌」に無料登録(PR:株式会社トクイテン)

出勤簿・作業時間記録(農業)の無料テンプレート(Excel・PDF/記入例つき)

無料でダウンロードする(登録不要)

出勤簿・作業時間記録(農業)とは/なぜ必要か

1人1か月1枚で出勤と退勤の時刻を残す表

出勤簿は、雇っている人ごとに、1か月分の出勤と退勤の時刻、休憩、実際に働いた時間を書く表です。このテンプレートは1人につき1か月で1枚とし、日付ごとに1行ずつ記入します。深夜に働いた時間と、その日の作業内容を書く欄も付けました。

記録した内容は、主に3つの場面で使います。1つ目は、時給や日給の賃金を計算するときです。2つ目は、午後10時から午前5時までの深夜に働いた時間を確かめて、割増賃金を計算するときに使います。どの作業にどれだけ人手がかかったかを振り返る場面が3つ目です。

農業でも時間の記録が要る理由

農業の事業に従事する人には、労働基準法第41条により、労働時間、休憩、休日の規定が適用されません。そのため、1日8時間や週40時間を超えた分の割増賃金は、法律上の義務になりません。畜産や水産の事業に従事する人も同じ扱いです。

ただし、深夜に働かせた場合の25%以上の割増賃金(第37条)と、年次有給休暇(第39条)は、農業にも適用されます。深夜に何時間働いたかと、何日出勤したかは、この2つを正しく扱うための根拠です。時刻の記録がなければ、後から深夜に働いた分があったかどうかを確かめられません。

厚生労働省の資料「農業者・農業法人 労務管理のポイント」は、日頃から整備しておくべき書類として、労働者名簿と賃金台帳に並べて、出勤簿またはタイムカードを挙げています。出勤簿に記載する内容は、出勤と退勤の時刻だと資料にあります。同じ資料は農林水産省のサイトでも読めます。

適用除外の人にも時間管理の責務はある

厚生労働省には、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置を示したガイドラインがあります。このガイドラインでは、労働基準法第41条に定める人は対象外です。一方で、対象外の人についても、健康を確保するために適正な労働時間管理を行う責務があると述べています。

農産物の販売や加工を主な業務とする事業場は、第41条の適用除外に当たらない場合があります。外国人技能実習生も扱いが異なります。該当しそうな場合は、労働基準監督署や社会保険労務士に確かめてください。

記入例

下の記入例は、6月1日から4日までの4日分を書いたものです。1日は7時から16時で休憩が1時間、2日は4時30分から13時で休憩が1時間のように、収穫の時期に早朝から働く日と、通常の日が混ざっています。

出勤簿・作業時間記録(農業)の記入例
出勤簿・作業時間記録(農業)の記入例(出典:ミノリス 無料テンプレート)

記入例の氏名、時刻、作業内容、場所は、すべて架空の数字や名前です。4日間の実働時間は8.0時間、7.5時間、7.0時間、4.0時間で、月計の欄には、出勤日数が4日、実働時間が合計26.5時間と書いてあります。

2日と3日は、午前4時30分に始めています。午前5時より前の30分が深夜時間に当たるので、うち深夜時間の欄に0.5と書きました。収穫の盛んな夏の早朝作業は、こうして深夜時間の記録が必要になります。

作業内容と場所の欄も、日ごとに書いてあります。2日の場所は東ハウス、3日は東ハウスと作業場、4日は西2号です。確認の欄には、山田の名前を書いてあります。

書き方(項目ごと)

上の欄から順に、書き方を説明します。Excel版は、実働時間と深夜時間が自動計算される作りです。手書き用のPDFは、すべての欄を手で書き入れてください。

事業者名・氏名・年月・時給または日給

表の上部には、事業者名、働く人の氏名、記録する年月、時給または日給の額を書きます。1人1枚で分けるので、氏名は必ず記入してください。賃金の額は、雇用契約書や労働条件通知書に書いた額と同じにします。

日付・曜日

働いた日の日付と曜日を、6/2(火)のように書きます。働かなかった日の行は空けておいてください。月の終わりに出勤日数を数えるとき、迷わずに済みます。

出勤・退勤

出勤の欄には仕事を始めた時刻を、退勤の欄には仕事を終えた時刻を書きます。記入例の6月2日は、出勤が4:30、退勤が13:00です。時刻は、キリのよい数字に丸めず、実際に始めて終えた時刻のとおりに書いてください。

日をまたぐ勤務は、Excel版で計算できます。夜の出荷作業や、夜明け前から翌朝までのハウスの管理などで使えます。

休憩

休憩の欄は、その日に休憩した時間の合計です。記入例の6月1日は1:00、6月3日は0:30、6月4日は半日の勤務なので0:00です。実際に休んだ時間だけを書き、予定の時間を機械的に入れるのは避けてください。

実働時間

実働時間は、退勤の時刻から出勤の時刻と休憩の時間を引いた時間です。Excel版は自動で計算し、時間数で表示します。7.5は7時間30分のことです。記入例の6月2日は、4:30から13:00までの8時間30分から、休憩の1時間を引いて7.5になります。

手書き用のPDFは、自分で計算して書き入れてください。分で書くと合計の計算が難しくなるため、記入例のように時間数へそろえると月計を出しやすくなります。

うち深夜時間

午後10時から午前5時までに働いた時間を、時間数で書きます。Excel版は自動で計算します。記入例の6月2日は、4:30から5:00までの30分が当たるので0.5です。

深夜の時間帯に休憩をとった日は、Excelの自動計算が実際の時間と合わなくなります。その日は、深夜時間を手で直してください。深夜の割増賃金は、この欄の時間数をもとに計算します。

作業内容・場所

作業内容の欄には、その日の主な作業を書きます。記入例の作業内容は、定植・潅水、収穫・選果、収穫・出荷準備、草取りの4種類です。場所の欄には、圃場やハウスの名前を書きます。

この2つの欄は、法令で書くことが決まっている項目ではありません。書いておくと、どの作業にどれだけ人手がかかっているかがわかるので、来年の雇用計画や作業の見直しに使えます。

確認

確認の欄には、本人と事業主が記録を確かめた印を残します。名前を書くか、押印するかは、事業所で決めてください。月の終わりに本人に見せて確かめてもらうと、後から時刻をめぐって食い違いが起きにくくなります。

月計と賃金台帳への転記

月の終わりに、出勤日数、実働時間、深夜時間のそれぞれの合計を出してください。Excel版なら、月計の行に自動で出ます。この合計から賃金を計算し、賃金台帳に写す流れです。給与の支払いに関する書類は、給与明細書の書き方と記入例で説明しています。

気をつけること・よくある間違い

実働時間だけ書いて出勤・退勤の時刻を書かない

実働時間の合計だけを書く方法では、深夜に働いた時間があったかどうかを後から確かめられません。出勤と退勤の時刻は必ず書いてください。厚生労働省の資料も、出勤簿には出勤と退勤の時刻を記載するとしています。

早朝の収穫を深夜時間に入れ忘れる

午前5時より前に始めた分は、深夜時間です。夏の早朝収穫では、午前4時や4時30分に作業を始める日があります。始業時刻が早い日は、深夜時間の欄が空欄になっていないかを確かめてください。

家族の分と雇った人の分を一緒にする

同居の親族のみを使用する事業には、労働基準法が適用されません(第116条第2項)。雇った人の分は、1人1枚で分けて記録します。同居の親族と雇った人を同じ表にまとめると、雇った人の月計を取り出すときに手間がかかります。

休憩を実際より多く書く

休憩は、実際に休んだ時間だけを書いてください。雇用契約書に書いた休憩の時間をそのまま入れ続けると、収穫の忙しい日に休めなかった分が記録から消えます。休めなかった日があれば、その日の休憩は短く書きます。

書き直しのたびに元の記録を消す

打ち忘れや書き間違いは、本人に確かめてから直してください。直した日付や理由を、欄外に残しておくと安心です。誰がいつ直したかが分かれば、後から記録の信頼性を説明しやすくなります。

保存と提出

労働基準法第109条は、労働者名簿、賃金台帳、雇入れ、解雇、賃金その他の労働関係に関する重要な書類を、5年間保存するよう定めています。ただし、同法第143条の経過措置があり、当分の間の保存期間は3年間です。

前に紹介したガイドラインでは、出勤簿やタイムカードなど、労働時間の記録に関する書類も、第109条にもとづいて保存が必要な書類として扱われています。賃金台帳と同じ期間、紙もデータも失わないようにしておいてください。

提出先にJAや雇用支援の窓口などがあり、指定の様式が決まっている場合は、そちらの様式を優先してください。提出の要否や形式は、提出先に確認してください。

無料の農業日誌・圃場管理アプリ「ミノリス日誌」に無料登録(PR:株式会社トクイテン)

紙・Excelで続かないときは

出勤簿は、毎日の記録が続かないと意味がなくなります。紙の出勤簿は、書き忘れや後からのまとめ書きが起きやすい表です。Excelは入力する手間がかかり、畑からスマホで書き込むのは大変です。月の終わりに、1か月分を思い出しながら入れる人も多いでしょう。

当社が提供しているミノリスタイマーは、出勤簿の代わりに使える、作業時間記録用の無料アプリです。

  • 作業の開始と終了を、スマホのタイマーで打刻できる
  • 休憩も記録できる
  • 共用のタブレットをタイムカードにして、複数の人が打刻できる
  • 打ち忘れは、手入力で直せる
  • 作業時間を人ごと、作業ごとに集計できる

スマホを持たない人が多い農場でも、作業場にタブレットを置けば、全員が打刻できます。打ち忘れた分は、後から手入力で直すことも可能です。使い方の詳細は、ミノリスタイマーのマニュアルをご覧ください。

出勤簿をタイマー打刻に置き換える

作業の開始と終了をスマホのタイマーで打刻でき、休憩も記録できます。作業時間は人ごと・作業ごとに集計されます。料金は無料です。

ミノリスタイマーに無料登録する

初期費用・月額0円

ミノリスタイマーの詳しい解説は、ミノリスタイマーの解説記事にまとめました。作業時間を記録して、品目別の損益を見る方法は作業時間の記録のはじめ方、雇う人の労務管理の基本は労務管理入門で説明しています。

もう1つの当社アプリミノリス日誌は、圃場ごとの栽培記録を付けるための無料アプリです。圃場マップに圃場を登録し、作付けごとに作業、肥料、農薬、収穫を記録できます。ミノリス日誌には、出勤簿や労働時間の管理、賃金計算の機能はありません。雇った人の出退勤を記録したいときは、先ほどのミノリスタイマーを使ってください。

圃場の栽培記録をスマホで

圃場を地図に登録し、作付けごとの作業・肥料・農薬・収穫を無料で記録できます。

ミノリス日誌に無料登録する(約1分・クレカ不要)

初期費用・月額0円/クレジットカード不要

よくある質問

農業なら残業代はいらないのですか?

労働基準法第41条により、農業に従事する人には労働時間と休日に関する規定が適用されないので、法定の時間外や休日の割増賃金の規定も適用されません。ただし、深夜の割増賃金は必要です。雇用契約で時間外の手当を定めている場合は、その約束どおりに払います。農産物の販売や加工が主な事業場や外国人技能実習生は扱いが異なるので、労働基準監督署や社会保険労務士に確かめてください。

タイムカードやアプリの記録でもよいですか?

はい。紙の出勤簿でなくても、出勤と退勤の時刻がわかる記録を残して保存しておけば構いません。JAや雇用支援の窓口などに指定の様式がある場合は、そちらを使ってください。

作業内容まで書く必要がありますか?

法令上の必須の項目ではありません。書いておくと、作業ごとの人手のかかり方がわかり、翌年の雇用計画や作業の見直しに使えます。

家族の出勤簿も作る必要がありますか?

同居の親族のみを使用する事業には、労働基準法が適用されません。そのため、家族の分の出勤簿は法律上の義務ではありません。雇った人の分は、1人1枚で分けて記録してください。

出勤簿は何年保存すればよいですか?

労働基準法第109条は5年間の保存を定めていますが、同法第143条の経過措置により、当分の間は3年間とされています。出勤簿やタイムカードなど、労働時間の記録に関する書類も、保存が必要な書類として扱われています。

日をまたぐ勤務や、深夜に休憩をとった日はどう書けばよいですか?

Excel版は日をまたぐ勤務を計算できる作りです。ただし、午後10時から午前5時の間に休憩をとった日は、自動で出た深夜時間が実際と合いません。その日の深夜時間は、手で直してください。

無料の農業日誌・圃場管理アプリ「ミノリス日誌」に無料登録(PR:株式会社トクイテン)

まとめ

出勤簿には、日付、出勤と退勤の時刻、休憩、実働時間、うち深夜時間、作業内容、場所を書きます。農業では労働時間の規定が適用されませんが、深夜の割増賃金と年次有給休暇は適用されるので、出勤と退勤の時刻は残しておく必要があります。

保存期間は、労働基準法第109条と第143条により、当分の間は3年間です。月の終わりに合計を出し、賃金計算と賃金台帳に写してください。農産物の販売や加工が主な事業場や、外国人技能実習生を雇う場合は、労働基準監督署や社会保険労務士にも確認してください。

関連記事

参考URL