単一ソフトで農場経営を一元管理。150か国で使われる農業支援ソフトウェアを提供する、Agirivi を紹介します

圃場管理や会計管理のソフトウェアには様々な種類があり、結局どれを選べば良いのか分からない、とお悩みではないでしょうか。本記事で紹介する Agrivi のサービスは、低コストで始められ、農業に必要な機能が一通りカバーできるため、世界150か国に広まっています。圃場管理から経営まで幅広くサポートしてくれる Agrivi のソフトウェアについて、5つの機能をピックアップしてみました。

Agrivi 基本情報

住所:GB N1 7GU England London Wenlock Road 20-22, London, England

CEO:Matija Zulj

設立年:2013年

従業員数:11〜50人

Agrivi は農業支援ソフトウェアの開発企業

農業経営に特化したソフトウェア

農業経営でも管理ソフトウェアの利用が広がっています。しかし、生育モニタリング、作業スケジュール、会計などをそれぞれ別々のソフトウェアで管理していると、以下のような問題が発生します。

  • ソフトウェア間でデータの互換性がない
  • あるソフトウェアで管理している数値と、別のソフトウェアで管理している数値とを紐付けられない
  • 農業に適した仕様になっていない

そこで、農業経営に特化し、単一ソフトウェアで栽培・作業・会計を一元管理できるサービスを提供しているのが Agrivi です。Agrivi のソフトウェアは150か国で使われており、日本でも利用可能です。

ソフトウェアをインストールすれば即利用可能

Agrivi のサービス利用に特別な設備は必要ありません。Agrivi のホームページにある “GET STARTED” のボタンから利用申請を行い、パソコンやスマートフォンにソフトウェアをインストールすれば、すぐに利用開始できます。

利用料は月額$19ですが、14日間の無料トライアル期間があります。

Agrivi のソフトウェアの機能5選

単一のソフトウェアで農場経営全体を管理できる Agrivi のサービス。特に有用性が高いものを5つピックアップしました。

1. 気象データの収集

圃場所在地の気象データを収集でき、一週間の天気予報と過去3年間の履歴がいつでも確認できます。得られる気象データの種類は以下の通りです。

  • 天気
  • 気温
  • 風向風速
  • 湿度

2.栽培データベースによる作業管理

圃場の規模や栽培する作物の種類をもとに、各圃場の作業内容とスケジュールを設定できます。100種類以上の作物の栽培データベースがあるため、初めて作る作物でも適切な管理が可能です。

さらに、圃場作業員の一覧表を作り、担当圃場、栽培品目、作業内容を紐付けることができます。各人員の進捗状況を管理し、遅れが生じている圃場へ人員を追加したり、評価制度に反映させたりできるでしょう。

3.病害虫アラート

気象データをもとに、病害虫の発生が予想される場合は病害虫アラートを管理者へ送信します。病害虫への対応が遅れると収量が20〜40%低下すると言われていますが、病害虫アラートをもとに早期対応することで被害を抑えられます。

4.利益管理

会計ソフトとしての機能があり、費用・収益・在庫を管理できます。さらに農業用のソフトウェアであるため、農業の収益管理に適した以下の機能があります。

  • 圃場ごと・品目ごとの収量を記録し、累積生産量を表示する機能
  • 収量の予測値と実測値を並べて表示し、計画通りに生産できたか確認する機能
  • 圃場面積と栽培品目を登録し、面積あたりの生産コストを算出する機能

5.衛星画像による生育確認

圃場の衛星画像を、正規化植生指標(Normalized Difference Vegetation IndexI; NDVI)によって色分け表示します。

NDVIとは、葉が反射する赤色光と近赤外線の量をもとに、植生の分布状況と葉の活性を表す指標です。NDVIは -1 〜 1 の値をとり、0.66 〜 1であれば作物が健全に生育していると判断されます。

Agrivi のサービスでは、人工衛星(ランドサットとセンチネル-2)が撮影した画像を加工して、一週間に1画像提供してくれます。衛星画像は 10m × 10m の解像度があり、以下のように塗り分けられます。

  • 赤・黄色系統の色:NDVIが高い箇所です。地表が作物で覆われ、健全に生育しています。
  • 青系統の色:NDVIが低い箇所です。作物があまり生育しておらず、病害虫の発生や塩類濃度障害、肥料不足などが疑われます。

この衛星画像をもとに生育状況を俯瞰し、生育ムラや病害の兆候を視覚的に確認できます。NDVIの変化をグラフ化することもできるため、天候や作業内容との関連性も考察できるでしょう。

まとめ

ソフトウェアをインストールすればすぐに始められる、Agrivi の農業支援サービス。農業に必要な機能が単一のソフトウェアに集約されており、適切な栽培方法が分かるだけでなく、経営全般をサポートしてくれます。月額$19で専属の農業経営コンサルタントを雇うイメージです。

Agrivi のホームページでは、詳細が動画付きで解説されています。14日間の無料トライアルもあるため、確認されてみてはいかがでしょうか。

URL

ドローンリモートセンシング技術による 農作物の育成状況監視 株式会社サイバネテック(2018年11月)https://www.maff.go.jp/j/kanbo/needs/attach/pdf/mm3_presentation_20cybernetech_full.pdf