農林水産省は令和8年8月7日に令和7年度の食料需給表(概算)を公表しました。国民1人が1日に受け取る供給熱量は2,237.4kcalで、前年度の2,248.0kcalから10.6kcal(0.5%)の減少です。食料自給率の記事は「どれだけ国産か」を扱っています。この記事では「どれだけ食べ、何で栄養を取っているか」を同じ表から読みます。
供給熱量は店頭や食卓に届いた食料のエネルギーを人口で割った値で、食べ残しや廃棄を含みます。実際に摂取した熱量より大きい値になる点に注意が必要です。自給率は食料自給率の記事と品目別自給率の記事で扱っています。
供給熱量は平成7年度の2,653.8kcalから約16%減った
供給熱量の最大値は平成7年度の2,653.8kcalです。令和7年度の2,237.4kcalは、そこから415.4kcal(15.7%)少なくなりました。昭和40年度の2,458.7kcalと比べても221.3kcal(9.0%)低い水準です。
令和5年度は2,197.1kcalまで下がり、令和6年度に2,248.0kcal、令和7年度に2,237.4kcalでした。令和元年度から3年度は日本食品標準成分表2020年版(八訂)、4年度以降は八訂増補2023年を使って算出しています。熱量の算定方法が改訂されているため、それ以前の年度と並べるときは差の一部が算定方法の違いによる点に留意してください。

PFCバランスは脂質31.1%・糖質55.3%・たんぱく質13.6%
令和7年度のPFC熱量比率は、たんぱく質13.6%、脂質31.1%、糖質(炭水化物)55.3%です。昭和40年度は脂質16.2%、糖質71.6%でした。脂質の比率は約2倍になり、糖質の比率は16.3ポイント下がっています。
| 年度 | 供給熱量(kcal) | たんぱく質比率 | 脂質比率 | 糖質比率 |
|---|---|---|---|---|
| 昭和40 | 2,458.7 | 12.2% | 16.2% | 71.6% |
| 昭和60 | 2,596.5 | 12.7% | 26.1% | 61.2% |
| 平成7 | 2,653.8 | 13.3% | 28.0% | 58.7% |
| 平成17 | 2,572.8 | 13.1% | 28.9% | 58.0% |
| 令和5 | 2,197.1 | 13.7% | 31.4% | 54.8% |
| 令和6 | 2,248.0 | 13.7% | 30.9% | 55.4% |
| 令和7(概算) | 2,237.4 | 13.6% | 31.1% | 55.3% |
たんぱく質の供給量は1人1日76.1gで、うち動物性が41.3gです。動物性の割合は54.3%です。昭和40年度は75.0gのうち25.9g(34.5%)が動物性でした。糖質の比率は、熱量からたんぱく質と脂質の熱量を引いて求めた簡易値です。

米487.6kcalと小麦310.5kcalで供給熱量の36%
品目別に見ると、供給熱量が最も大きいのは米の487.6kcalです。油脂類の312.3kcal、小麦の310.5kcalが続き、砂糖類が177.9kcal、肉類が181.8kcalです。米と小麦を合わせると798.1kcalとなり、全体の35.7%を占めます。

| 品目 | 6年度(kcal) | 7年度(kcal) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 米 | 499.3 | 487.6 | -2.3% |
| 小麦 | 305.2 | 310.5 | +1.7% |
| 油脂類 | 310.4 | 312.3 | +0.6% |
| 肉類 | 181.0 | 181.8 | +0.4% |
| 砂糖類 | 179.8 | 177.9 | -1.1% |
| 牛乳・乳製品 | 156.5 | 152.2 | -2.8% |
| 豆類 | 97.3 | 99.4 | +2.1% |
| 魚介類 | 76.3 | 70.8 | -7.2% |
| 果実 | 62.0 | 62.4 | +0.6% |
| 野菜 | 62.5 | 60.3 | -3.4% |
前年度との差が大きかったのは魚介類の7.2%減、野菜の3.4%減、牛乳・乳製品の2.8%減です。海藻類は4.4kcalから5.2kcalへ19.2%増えましたが、熱量そのものは小さい品目です。
1人1年当たりの供給量は米が半分以下、肉は3.7倍
重さで見ると変化がはっきりします。米の供給純食料は昭和40年度の111.7kgから令和7年度の52.0kgへ、約53%減りました。野菜は108.1kgから80.7kgへ、魚介類は28.1kgから19.4kgへ減っています。
肉類は9.2kgから34.5kgへ約3.7倍、牛乳・乳製品は37.5kgから88.2kgへ約2.4倍、油脂類は6.3kgから12.9kgへ約2倍になりました。小麦は29.0kgから32.8kgへ微増にとどまっています。
農家・農業ビジネスへの含意
1人当たりの消費量は、米と野菜が長期的に減り、肉・乳製品・油脂が増える方向で動いてきました。人口減少が進む中で、この1人当たりの減少が加わると、国内の主食用米と生鮮野菜の需要は縮小方向に働きます。産地ごとの出荷計画では、国内需要の縮小を前提に、加工・業務用や輸出など販路の分散を検討する材料になります。
令和7年度は小麦、豆類、大豆(77.4kcalから79.7kcalへ2.9%増)の熱量が増えました。国産の麦・大豆の作付けを検討する農家は、品目別の自給率を品目別自給率の記事で確認できます。産出額の大きい品目は産出額ランキングの記事に整理しています。
供給熱量ベースの総合食料自給率は37%、生産額ベースは66%、飼料自給率は24%でした。畜産物の熱量が増えるほど、飼料の自給率が熱量ベース自給率に影響します。詳しい推移は食料自給率の記事を参照してください。
データの引用について
本記事の数値は、農林水産省「令和7年度食料需給表」(令和8年8月7日公表、概算値を含む)から取得しました。農林水産省のコンテンツは公共データ利用規約(PDL1.0)の下で利用できます。出典:農林水産省『令和7年度食料需給表』(令和8年8月7日)をもとに先端農業マガジンが作成。数値の抜き出し、割合の計算、グラフの描き直しを行っており、加工したのは先端農業マガジンです。農林水産省が内容を保証したものではありません。表の数値はCSVやスプレッドシートに転載して再利用できます。