日本の食料自給率|カロリーベース38%・生産額ベース61%、主要先進国で最低水準
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出典: smartagri.jp「日本の食料自給率」
https://smartagri.jp/stats/jp-food-self-sufficiency-rate/この記事の結論(コピペ用1行)
日本のカロリーベース食料自給率は 1965年の73%から2023年の38%へ35ポイント低下。主要先進国最低水準(米国104%、仏121%、加204%、豪233%)。穀物自給率は29%でさらに低く、食料安全保障の最前線。
一次ソース: 農林水産省「食料需給表」
キー数値(2023年度)
| 指標 | 数値 | 前年比 / 備考 |
|---|---|---|
| カロリーベース総合食料自給率 | 38% | 3年連続38% |
| 生産額ベース総合食料自給率 | 61% | 前年比+3pt |
| 穀物自給率 | 29% | 主要国で最低クラス |
| 主食用穀物自給率 | 61% | 米の高自給率が牽引 |
| 食料自給力指標(熱量換算) | — | 農地フル活用時の試算 |
| 2030年目標(カロリーベース) | 45% | 食料・農業・農村基本計画 |
| 2030年目標(生産額ベース) | 75% | 食料・農業・農村基本計画 |
出典: 農林水産省「令和5年度 食料自給率・食料自給力指標について」
長期推移(1965–2023年)

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カロリーベースは1965年の73%から一貫して低下、2000年代からは38-40%帯で横ばい。生産額ベースは1965年の86%から2023年61%へ。(CC BY 4.0)
| 年度 | カロリーベース | 生産額ベース |
|---|---|---|
| 1965年 | 73% | 86% |
| 1975年 | 54% | 83% |
| 1985年 | 53% | 82% |
| 1995年 | 43% | 74% |
| 2005年 | 40% | 69% |
| 2015年 | 39% | 66% |
| 2020年 | 37% | 67% |
| 2022年 | 38% | 58% |
| 2023年 | 38% | 61% |
要点
– カロリーベースは 1965→1995年の30年で30pt急落 — 米消費減少と畜産物/油脂の消費増が主因
– 2000年代からは38-40%で停滞、目標45%に全く近づかず
– 生産額ベースは品目構成(高付加価値品目の国内比率)に依存、近年は円安で変動
国際比較(カロリーベース、2021年)

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主要先進国で日本は最低38%。農業大国と比較して3〜6倍の開きがあり、”食料純輸入国”としての構造。(CC BY 4.0)
| 国 | カロリーベース自給率 |
|---|---|
| オーストラリア | 233% |
| カナダ | 204% |
| フランス | 121% |
| アメリカ | 104% |
| ドイツ | 83% |
| イギリス | 58% |
| 日本 | 38% |
読み解き
– オーストラリア・カナダは輸出大国、自国消費の2倍以上を生産
– フランスはEU域内向け穀物・畜産物の主要輸出国
– イギリスは日本に近いが、それでも58%で日本を20pt上回る
– 日本の38%は自国民の食料の約6割を輸入に依存 — 地政学リスクに脆弱
穀物自給率の国際比較(2021年)

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穀物自給率で日本29%は主要先進国で最低。小麦・大豆・とうもろこしなど飼料用穀物の輸入依存が構造的。(CC BY 4.0)
| 国 | 穀物自給率 |
|---|---|
| フランス | 177% |
| カナダ | 162% |
| アメリカ | 124% |
| ドイツ | 102% |
| イギリス | 73% |
| 日本 | 29% |
見どころ
– 日本の穀物自給率29%は 主要先進国の1/3〜1/6
– 主因: 小麦17%、大豆7%、とうもろこし0% — 国内生産基盤がない
– 畜産物の餌(濃厚飼料)のほとんどが輸入 → 畜産物の実質自給率は低い
品目別自給率(日本・2023年)

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日本の品目別自給率。米98%、野菜76%と一部は高いが、小麦17%・大豆7%・油脂類3%と極端に低い品目が食料全体の自給率を押し下げている。(CC BY 4.0)
| 品目 | 自給率 |
|---|---|
| 米 | 98% |
| 野菜 | 76% |
| 肉類(畜産物) | 53% |
| 鶏卵 | 97% |
| 牛乳・乳製品 | 62% |
| 魚介類 | 49% |
| 果実 | 30% |
| 小麦 | 17% |
| 大豆 | 7% |
| 油脂類 | 3% |
| 砂糖類 | 34% |
主要品目別に見ると
– 米・鶏卵はほぼ自給
– 野菜・畜産物は「生産はしているが餌は輸入」の構造
– 小麦・大豆・油脂類は構造的輸入依存
※ 畜産物の自給率は、国内で生産されたものでも 飼料が輸入穀物なら「輸入」扱い になるため、実質自給率はさらに低い。
食料自給率が低い理由|日本の主要4要因
カロリーベース食料自給率は1965年の73%から2023年の38%へ35ポイント低下しました。なぜここまで下がったのか、構造的な要因を4つの軸で整理します。
① 食生活の洋風化(米→肉・小麦・油脂シフト)
戦後の食生活は米中心から肉・小麦・油脂中心へ大きく変化しました。米の年間1人当たり消費量は1962年の118kgから2023年の50kg台へ半分以下に減少。一方で、肉類は1965年の年9.2kgから2023年の34kg超へ約4倍。小麦・油脂は需要を国産で賄えず輸入依存が固定化しました。畜産物の生産には大量の飼料穀物が必要で、その大半は輸入のため、肉の消費が増えるほどカロリーベース自給率は下がる構造です。
② 農地・農業従事者の減少
耕地面積は1965年の600万haから2023年の430万ha台へ約30%減少。荒廃農地(耕作放棄地)は約26万haに達し、生産余地そのものが縮小しています。基幹的農業従事者は1960年の約1,200万人から2023年の約116万人へ10分の1以下、平均年齢は68歳超。担い手不足と高齢化が国内生産力の天井を下げているのが現状です。
③ 価格・効率性で輸入優位の構造
小麦・大豆・とうもろこしなどの大規模機械化が可能な穀物は、米国・カナダ・豪州・ブラジルといった広大な平地を持つ国に対してコスト競争力で劣ります。日本の小麦自給率17%、大豆7%、油脂類3%という構造的低水準は、地形と農地面積の制約による必然的な結果です。さらに、円安が進むと食料輸入額は急増し、2022年には年10兆円を突破。輸入優位の構造のまま、コストだけが膨張しています。
④ 食料安全保障政策の遅れ
2030年カロリーベース自給率45%という目標は2010年代から提示されていますが、達成のための具体策(穀物自給強化・飼料国産化・転作支援)の実装は限定的でした。2025年4月閣議決定の食料・農業・農村基本計画でようやく「食料安全保障」が前面化しましたが、政策効果が数値に反映されるには10年単位の時間が必要とされます。
食料自給率を上げる方法・対策
食料自給率の低下は構造的問題ですが、生産・流通・消費の各レイヤーで複数の打ち手が組み合わさっています。ここでは効果が期待される4つの対策を整理します。
① 国産農産物の消費拡大
国産米・国産野菜・国産畜産物の消費を増やすことは、自給率を直接押し上げる最も基本的な対策です。学校給食での国産食材活用、外食・中食産業の国産シフト、家庭での国産選択行動の促進が柱になります。「地産地消」「フードマイレージ」といった概念の社会実装が進めば、需要側からの自給率底上げが期待できます。
② 農業生産基盤の強化(スマート農業・植物工場・施設園芸)
担い手減少と農地縮小が避けられない以上、単位面積あたりの生産性を上げることが必須です。スマート農業の普及(自動操舵トラクター、ドローン散布、ロボット収穫)で省人化を進めつつ、植物工場や高度施設園芸で天候に左右されない安定生産を実現する。農業に参入する企業が増えれば、資本と技術の投入で生産規模拡大も可能になります。
③ 食品ロス削減
日本の食品ロスは年間約472万トン(2022年)で、国内食料供給量の約7%相当。これを半減できれば、実質的な自給率は数ポイント押し上げられます。フードバンク、規格外品流通、AI需要予測による発注最適化などの取り組みが各分野で広がっており、自給率向上策として無視できない規模です。
④ 食料安全保障政策の強化
2025年4月の食料・農業・農村基本計画では、輸入リスクが顕在化した小麦・大豆・飼料用とうもろこしの国内生産強化が初めて明記されました。具体的には、水田活用の直接支払交付金による転作支援、飼料用米・WCS用稲の作付け拡大、化学肥料の国産代替(堆肥・有機質肥料)促進などが柱です。化学肥料の輸入依存を下げることも、自給率の”足元”を支える施策です。
食料輸入額の品目別推移

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食料輸入額は2020年代に入り急増、2023年で年間約10兆円規模。円安と穀物価格高騰が重なり、食料コストが膨張。(CC BY 4.0)
| 年度 | 食料輸入額 | 主な増加要因 |
|---|---|---|
| 2010年 | 約5.4兆円 | — |
| 2015年 | 約6.5兆円 | 円安進行 |
| 2020年 | 約6.4兆円 | コロナ禍の輸送コスト増 |
| 2022年 | 約10.4兆円 | ウクライナ侵攻、円安、穀物高騰 |
| 2023年 | 約9.9兆円 | 高値横ばい |
読み解き
– 食料輸入額は 10年で約2倍 — 輸入依存の「円建てコスト」は倍増
– 国産比率を高めない限り、円安ショックは家計・外食業に直撃し続ける
– 化学肥料の輸入価格高騰(008_化学肥料の輸入量・価格推移予定)が食料自給率の”足元を崩す” 二次的構造
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- 推移CSV — Excel / Google Sheets で開けます
- 原データ: 農林水産省「食料需給表」
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- 国際比較: slide / article / SVG
- 穀物自給率国際: slide / article / SVG
- 品目別自給率: slide / article / SVG
- 食料輸入額: slide / article / SVG
そのままスライドに貼れるテキスト
バージョンA(3行)
日本の食料自給率は38%(カロリー)、主要先進国で最低
1965年73% → 2023年38%と半減、目標45%は遠い
小麦17%・大豆7%・油脂類3%で輸入構造が固定化
バージョンB(5行)
日本のカロリーベース食料自給率は38%(2023年度)で、主要先進国の最低水準
(農林水産省「食料需給表」)。オーストラリア233%、カナダ204%、フランス121%に対し、
日本は自国民の食料の約6割を輸入に依存する構造。
品目別では、米98%・野菜76%と一部自給できている一方、
小麦17%・大豆7%・油脂類3%と輸入依存が構造化。2030年目標45%の達成は困難視される。
バージョンC(1文)
日本の食料自給率は1965年の73%から2023年の38%へ半減し、
主要先進国で最低水準にある(農林水産省「食料需給表」)。
関連指標・内部リンク
- 2025年農林業センサス特集|6つの衝撃データで読み解く日本農業の現在地 — 生産基盤の最新動向
- 日本の化学肥料の輸入量・価格 — 自給率の”足元”の輸入依存
- 日本の植物工場の統計 — 自給率向上の選択肢としての施設園芸
- スマート農業の普及状況 — 生産性向上による自給力強化
- 日本の農業経営体と法人化 — 生産基盤の構造変化
- 耕地面積と荒廃農地 — 国内生産余地の消失
- 農業に参入した企業43社 — 民間資本による生産強化
- 植物工場の成功事例 — 大企業の生産モデル
出典
一次ソース
- 農林水産省「食料需給表」 https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/
- 農林水産省「令和5年度 食料自給率・食料自給力指標について」(令和6年8月公表)
- 食料・農業・農村基本計画(令和7年4月閣議決定)
国際比較
- 農林水産省「世界の食料自給率」 https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html
- FAO Food Balance Sheets
- OECD Agricultural Statistics
ライセンスと引用方法
推奨クレジット表記
出典: smartagri.jp「日本の食料自給率」
https://smartagri.jp/stats/jp-food-self-sufficiency-rate/
(原データ: 農林水産省「食料需給表」
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/)
更新履歴
- 2026-04-22 v1: 初版。農林水産省「令和5年度食料自給率」を採用。5チャート(長期推移/国際比較/穀物自給率/品目別/輸入額)を配布開始