耕地利用率の都道府県ランキング【令和7年】全国90.1%、佐賀133.7%など100%超は5県

農林水産省は令和8年9月29日、令和7年の農作物作付(栽培)延べ面積と耕地利用率を公表しました。全国の耕地利用率(田畑計)は90.1%で、前年から0.3ポイント下がっています。耕地利用率が100%を超えたのは佐賀、福岡、滋賀、宮崎、福井の5県です。

この記事では、都道府県別の順位、全国の10年間の推移、田と畑の違いを、農林水産省の公表表から数値を取り直して整理します。自分の県の位置は、下のランキング表と地域別の表で確認できます。

耕地利用率とは何か

耕地利用率は、耕地面積を100としたときの作付(栽培)延べ面積の割合です。同じ田畑で年に2回作物を育てると、延べ面積は耕地面積の2倍に数えます。二毛作や野菜の周年栽培が多い地域は100%を超え、耕作されない農地が多い地域は低くなります。

農林水産省は水稲、麦類、大豆、そば、なたねの5品目を個別に集計し、野菜や果樹、飼料作物などを「その他作物」にまとめています。耕地面積にはけい畔(あぜ)も含みます。

全国の数字:作付延べ面積382万1,000ha、耕地面積423万9,000ha

令和7年の作付延べ面積は382万1,000haで、前年より4万ha(1%)減りました。耕地面積も3万3,000ha減って423万9,000haです。延べ面積の減り方が耕地面積より大きいため、利用率が下がりました。

区分 作付延べ面積 耕地面積 耕地利用率 前年差
田畑計 382万1,000ha 423万9,000ha 90.1% -0.3pt
田 212万8,000ha 230万ha 92.5% -0.2pt
畑 169万3,000ha 193万9,000ha 87.3% -0.4pt

作物別では、水稲が142万5,000ha(前年比6万6,000ha増)、麦類が29万3,700ha(3,100ha減)、大豆が14万4,100ha(9,800ha減)、そばが6万9,100ha(100ha増)です。飼料作物は90万5,200haで、前年より7万400ha減りました。

都道府県別ランキング:1位は佐賀の133.7%

耕地利用率が最も高いのは佐賀の133.7%で、2位の福岡は114.5%です。上位5県が100%を超え、6位の熊本は98.3%、7位の北海道は97.9%でした。

耕地利用率の上位10道県(令和7年)
出典: 農林水産省「令和7年農作物作付(栽培)延べ面積及び耕地利用率」令和8年9月29日
順位 都道府県 耕地利用率 前年差
1 佐賀 133.7% 0.0pt
2 福岡 114.5% -0.2pt
3 滋賀 104.7% +0.5pt
4 宮崎 103.1% -0.7pt
5 福井 102.5% -0.5pt
6 熊本 98.3% -0.5pt
7 北海道 97.9% +0.4pt
8 栃木 96.4% -1.1pt
9 茨城 91.8% +0.2pt
10 山形 91.1% +0.7pt

下位は、47位の山口が70.8%、46位の広島が72.6%、45位の島根が75.0%、44位の大阪が75.6%、43位の岩手が75.7%です。最上位の佐賀と最下位の山口の差は62.9ポイントあります。

地域別の利用率

地域 耕地利用率 前年差
九州 101.2% -0.6pt
北海道 97.9% +0.4pt
北陸 88.5% +0.1pt
関東・東山 88.4% -0.6pt
東海 87.8% -0.4pt
近畿 86.5% +0.1pt
沖縄 82.7% -1.4pt
四国 82.1% -0.5pt
東北 81.9% -0.7pt
中国 74.0% -0.7pt

地域で100%を超えるのは九州だけです。都府県の合計は87.3%で、北海道を除く平均が全国値を下回っています。

100%超の5県は田の利用率が高い

100%を超えた5県の田と畑を比べると、田の利用率が高い県がそろいます。佐賀の田は146.0%、福岡は123.5%、宮崎は117.8%、滋賀は107.2%、福井は104.2%です。畑は佐賀68.8%、福岡74.3%、滋賀69.9%、宮崎86.4%、福井86.4%で、いずれも100%を下回ります。

県 田畑計 田 畑 麦類(子実用) 大豆
佐賀 133.7% 146.0% 68.8% 2万2,200ha 6,500ha
福岡 114.5% 123.5% 74.3% 2万2,500ha 7,000ha
滋賀 104.7% 107.2% 69.9% 8,420ha 7,270ha
宮崎 103.1% 117.8% 86.4% 206ha 213ha
福井 102.5% 104.2% 86.4% 5,150ha 1,620ha

佐賀と福岡は麦類の作付けが2万ha台で、全国の麦類29万3,700haのそれぞれ約7.6%と7.7%を占めます(smartagri.jpの試算)。宮崎は麦類が206haと少なく、田のその他作物が2万3,400haあります。県ごとに、利用率を押し上げる作物の組み合わせは異なります。農林水産省の資料は利用率の高低の理由を示していないため、要因は各県の作付内訳から個別に確認する必要があります。

10年間の推移:田畑計は91.7%から90.1%へ

平成28年の耕地利用率は田畑計で91.7%、作付延べ面積は410万2,000haでした。令和7年までに延べ面積は28万1,000ha、耕地面積は23万2,000ha減り、利用率は1.6ポイント下がっています。

耕地利用率の推移(全国・田畑計/田/畑)
出典: 農林水産省「令和7年農作物作付(栽培)延べ面積及び耕地利用率」令和8年9月29日

下がり方は田と畑で違います。田は平成28年の92.8%から令和5年の93.1%まで横ばいから微増で推移し、令和6年に92.7%、令和7年に92.5%へ下がりました。畑は90.5%から87.3%へ、10年で3.2ポイント低下しています。田畑計の低下の大部分は畑が占めます。

1年間の変化

前年からの変化を県別に見ると、上昇した県は小数第1位の値で10道県です。上昇幅が最も大きいのは石川の2.7ポイントで、山形が0.7ポイント、滋賀が0.5ポイント、北海道が0.4ポイントで続きます。低下幅が大きいのは神奈川の2.9ポイント、岩手の2.3ポイント、大阪の2.1ポイントです。

農家と農業法人への含意

経営面積を広げる農家は、地域の利用率が低い県ほど、使われていない農地を借りられる余地があると考えられます。山口、広島、島根、岡山、鳥取、岩手は70.8%から76.1%で、延べ面積に対して耕地が余っています。ただし利用率は県全体の平均で、市町村や集落ごとの差は含みません。

水田で麦や大豆を作る水田活用型の経営は、佐賀、福岡、滋賀の田の利用率が示すとおり、同じ田を年間で複数回使う形になります。自分の県の田の利用率と比べ、作付けの余地を見積もる材料になります。耕地面積そのものの推移は耕地面積と荒廃農地の記事、農地の担い手への集まり方は農地集積率ランキングの記事で扱っています。食料全体の自給状況は食料自給率の記事、県ごとの農業産出額は産出額ランキングの記事にまとめています。

データの引用について

出典:農林水産省『令和7年農作物作付(栽培)延べ面積及び耕地利用率』(令和8年9月29日公表)をもとに先端農業マガジンが作成。数値は概数値で、確定値は令和9年1月に農林水産省のホームページへ掲載される予定です。確定後に値が変わる場合があります。

農林水産省のウェブサイトの掲載内容は、政府標準利用規約(公共データ利用規約・PDL1.0)に従って利用できます。この記事の図は、公表された数値から先端農業マガジンが描き直したものです。表の数値は出典を明記すれば、自由に転記して利用できます。本ページは農林水産省の公表値を加工して作成しており、国が編集・加工内容を承認したものではありません。

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