日本の耕地面積と荒廃農地|1961年ピークからの減少と2025年最新データ

日本の耕地面積と荒廃農地|1961年ピークからの減少と2025年最新データ

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出典: smartagri.jp「日本の耕地面積と荒廃農地」
https://smartagri.jp/stats/jp-abandoned-farmland-and-land-loss/

この記事の結論(コピペ用1行)
日本の耕地面積は 1961年608.6万ha → 2025年423.9万haへと64年で約185万ha(-30.4%)減少。荒廃農地は25.7万haに達し、そのうち16万haが再生困難。毎年新たに2.4万haが荒廃するのに、再生されるのは0.8万haのみ。
一次ソース: 農林水産省「荒廃農地の現状と対策」(令和8年2月)

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キー数値(2025年・最新)

指標 数値 補足
耕地面積(2025年7月) 423.9万ha 前年比 −3.3万ha(−0.8%)
┗ 田 230.0万ha 前年比 −1.9万ha
┗ 畑 193.9万ha 前年比 −1.3万ha
1961年ピーク比の減少 −184.7万ha(−30.4%) 東京都約844個分が消失
荒廃農地面積(2024年3月末) 25.7万ha 東京都の約1.2倍
┗ 再生利用が可能 9.8万ha(38%)
┗ 再生利用が困難 15.9万ha(62%) 森林化などで復元不可
毎年新たに発生する荒廃農地 2.4万ha R6年度
再生利用される荒廃農地 0.8万ha R6年度、発生量の1/3のみ
担い手への農地集積率(2024年) 61.5% 2030年目標 70%

出典: 農林水産省「令和7年耕地及び作付面積統計」「荒廃農地の現状と対策」(令和8年2月)


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日本の耕地面積は1961年の608.6万haから2025年の423.9万haへ、64年で185万ha減少。失われた農地は東京都の844個分。(CC BY 4.0)

耕地面積の長期推移(1960–2025年)

年次 耕地面積(万ha) ピーク比
1960年(昭和35) 607.1
1961年(昭和36・ピーク) 608.6 0%
1970年(昭和45) 580.5 −4.6%
1980年(昭和55) 546.1 −10.3%
1990年(平成2) 524.3 −13.9%
2000年(平成12) 483.0 −20.6%
2010年(平成22) 459.3 −24.5%
2020年(令和2) 437.2 −28.2%
2024年(令和6) 427.2 −29.8%
2025年(令和7) 423.9 −30.4%

要点: ピークからは約185万haが失われた。この面積は東京都(21.9万ha)の約8.4倍に相当し、四国4県(1,880km²×4≒75万ha)の2.5倍という巨大規模。


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田と畑の面積推移。田は昭和44年の344万haから現在の230万haへ、畑も269万haから194万haへ。両方とも約3割縮小。(CC BY 4.0)

田・畑別の推移

年次 田(万ha) 畑(万ha) 合計
1961年 339.8 268.8 608.6
1990年 304.9 219.4 524.3
2010年 248.7 210.6 459.3
2025年 230.0 193.9 423.9
ピーク比 −32.3% −27.9% −30.4%

田の減少のほうが大きい。これは米需要の減退と減反政策が長期的に反映したもの。


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耕地の拡張とかい廃の年次推移。1970年代のかい廃ピーク(年11万ha)は鎮静化したが、現在も拡張量を上回り続けている。(CC BY 4.0)

耕地の拡張 vs かい廃(新規開墾 vs 消失)

  • 過去64年で拡張された耕地: 約116万ha(農地開発、干拓、開墾等)
  • 同期間でかい廃された耕地: 約301万ha(宅地化、工業用地、道路、荒廃)
  • 差し引き: −185万ha

1970年代はかい廃が年間10万ha超と激しかったが、現在は拡張5千ha / かい廃4万ha 程度で、それでも毎年ネット3.5万ha以上の純減が続いている。


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荒廃農地面積の推移。総面積は25.7万haで横ばいだが、「再生利用困難」が全体の6割を占める構造。(CC BY 4.0)

荒廃農地面積の推移(2017–2024年)

年度 再生可能(万ha) 再生困難(万ha) 合計
H29 (2017) 9.2 18.8 28.0
H30 (2018) 9.2 18.8 28.0
R1 (2019) 9.1 19.1 28.2
R2 (2020) 9.0 19.2 28.2
R3 (2021) 9.1 17.1 26.2
R4 (2022) 9.0 16.4 25.4
R5 (2023) 9.4 16.3 25.7
R6 (2024) 9.8 15.9 25.7

再生困難な土地が徐々に減っているように見えるが、これは「再生を諦めて非農地判断された分」が統計から除かれる効果も含まれている(山林化して戻らない土地)。


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再生利用可能な荒廃農地を地域類型別にみると、中間農業地域が4.3万ha(44%)と最多。中山間地域合計で56%を占める。(CC BY 4.0)

地域類型別の再生利用可能な荒廃農地(2024年度)

地域類型 面積(万ha) 構成比
中間農業地域 4.3 43.9%
平地農業地域 3.0 30.6%
山間農業地域 1.2 12.2%
都市的地域 1.3 13.3%
中山間合計 5.5 56.1%
合計 9.8 100%

中山間地域で再生可能な農地の56%を占める。これは日本の農業地形上、山あい・谷地田が多いためで、再生には鳥獣害対策や基盤整備が必須。


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毎年2.4万haが新たに荒廃し、再生されるのは0.8万ha。ネットで毎年1.6万ha増える構造。(CC BY 4.0)

荒廃の発生と再生のバランス

項目 R5年度 R6年度
新規発生 2.5万ha 2.4万ha
再生利用 1.0万ha 0.8万ha
ネット増加 +1.5万ha +1.6万ha

再生するスピードの3倍のペースで新規荒廃が発生している。このバランスが逆転しない限り、荒廃は構造的に拡大し続ける。


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荒廃農地となる「所有者側の理由」。高齢化・病気が30%で最多、労働力不足と合わせて所有者由来の半分を占める。(CC BY 4.0)

荒廃農地の発生原因

所有者側の理由(全国)

理由 構成比
高齢化・病気 30%
労働力不足 19%
地域内に居住していない(不在村地主) 17%
地域内居住だが農業を営んでいない 16%
農地保全への関心がない 10%
所有者が不明 4%
資産的保有意識が高く貸したがらない 3%
その他 1%

高齢化+労働力不足で49% — 001番の「基幹的農業従事者の減少」と直結している。

土地側の理由(全国)

理由 構成比
山あいや谷地田など、自然条件が悪い 25%
基盤整備がされていない 16%
区画が不整形 16%
接道がない、道幅が狭い 16%
集落から距離が離れている 11%
農地と林地の縁辺部 11%
その他 3%
農地の境界が不明 2%

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地域類型別にみた荒廃農地の土地要因。中山間地では「自然条件が悪い」の割合が28%で突出。(CC BY 4.0)


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水田整備率が高い市町村ほど荒廃農地率が低い。整備率80%以上の地域は20%未満地域の5分の1。(CC BY 4.0)

水田整備率と荒廃農地率の相関

水田整備率(市町村別) 荒廃農地率
20%未満 4.3%
20–40% 3.5%
40–60% 2.5%
60–80% 1.4%
80%以上 0.9%

水田整備された地域では荒廃農地率が約1/5 — 基盤整備が決定的な対策であることが数値で裏付けられる。


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担い手への農地集積率は2010年の48.1%から2024年の61.5%へ。2030年目標70%まであと8.5ポイント。(CC BY 4.0)

担い手への農地集積率の推移(2010–2024年)

年次 集積率
2010年 48.1%
2014年 50.3%
2018年 55.7%
2020年 58.0%
2022年 59.5%
2024年 61.5%
2030年目標 70%

農地中間管理機構(農地バンク)の活用で集積率は上昇中。ただし残り30%超の”分散した農地”に、新規荒廃のリスクが集中している。


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食料・農業・農村基本計画の農地面積目標。2024年の427万haから2030年412万haへ、さらに2035年は390万haの目標設定。(CC BY 4.0)

政策目標とのギャップ

令和7年4月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」:

年次 耕地面積 備考
2024年(現状) 427万ha 毎年3万ha減のペース
2030年目標 412万ha 15万ha減までに抑える
2035年目標(農用地区域内) 390万ha 荒廃農地の発生防止・解消が必須

2030年目標達成には 現状ペースから年間減少量を半分以下に抑える必要 がある。達成のカギは荒廃農地の発生防止。


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そのままスライドに貼れるテキスト

バージョンA(3行・見出し用)

日本の耕地面積はピークから30%減(608→424万ha)
荒廃農地は25.7万ha、うち16万haは再生困難
毎年2.4万ha増え、再生できているのは0.8万haのみ

バージョンB(5行・本文用)

日本の耕地面積は1961年の608.6万haから2025年には423.9万haへと、
64年で約185万ha(-30.4%)減少した(農林水産省「耕地及び作付面積統計」)。
荒廃農地は2024年時点で25.7万haに達し、そのうち約16万haは森林化等で再生が困難。
毎年2.4万haが新たに荒廃する一方、再生されるのは0.8万haと発生量の1/3にとどまる。
原因の半分は「高齢化・病気」と「労働力不足」で、担い手減少問題と構造的に直結している。

バージョンC(ワンセンテンス・記事リード用)

日本の耕地面積は1961年の608.6万haから2025年の423.9万haへと64年で約3割減少し、
荒廃農地は25.7万haに達している(農林水産省「荒廃農地の現状と対策」2026年2月)。

関連指標・内部リンク

  • 001_日本の農業従事者数 — 荒廃の原因となる「人の減少」
  • 002_農業経営体と法人化 — 経営体の減少と農地継承の断絶
  • 003_1経営体あたり耕地面積 — 残った経営体への集約
  • 今後予定: 005_新規就農者数 — 新たな担い手による再生

出典

一次ソース(Primary Source)

  • 農林水産省「荒廃農地の現状と対策」(令和8年2月)
    PDF: https://www.maff.go.jp/j/nousin/tikei/houkiti/attach/pdf/index-52.pdf
  • 農林水産省「令和7年 耕地及び作付面積統計」
    https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/sakumotu/menseki/r7/kouti.html
  • 農林水産省 荒廃農地対策トップ
    https://www.maff.go.jp/j/nousin/tikei/houkiti/
  • 農林水産省「荒廃農地対策に関する実態調査」(令和3年1月)
    全市町村対象、回収率96%
  • 食料・農業・農村基本計画(令和7年4月11日閣議決定)
    https://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/

ライセンスと引用方法

推奨クレジット表記

出典: smartagri.jp「日本の耕地面積と荒廃農地」
https://smartagri.jp/stats/jp-abandoned-farmland-and-land-loss/
(原データ: 農林水産省「荒廃農地の現状と対策」
https://www.maff.go.jp/j/nousin/tikei/houkiti/)

更新履歴

  • 2026-04-22 v1: 初版。耕地面積(1955-2025)・荒廃農地(2017-2024)・地域類型別・発生原因・水田整備率相関・農地集積率・政策目標ギャップの11チャートを配布開始
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