農業の販路開拓・確保先8選!販売を成功させる2つのコツや事例を紹介

「農業に参入したいけど、どのような販路がある?」

「儲かる農業の販路を知りたい」

「販路の選び方は?」

農業に参入する際に、成功するための販路選びを知りたいですよね。

本記事では、ロボットやAIを活用して、ミニトマトの栽培・販売を成功させているトクイテンが農業に参入する際の8つの販路開拓・確保先について解説します。

そのほかにも、農業の販路開拓・確保を成功させるコツや事例を紹介しますので、新規参入して農作物を売る際の参考にしてください。

農業の販路開拓・確保について深く知り、新規参入を成功につなげましょう。

農業の販路開拓・確保先8選

農業の販路開拓・確保先を8つ解説します。

それぞれのメリット・デメリットまで説明しますので、新規参入時の参考にしてみましょう。

1.農協(JA)に出荷

農協(JA)とは、農業に関わる人を中心に、全国に組織がある協同組合です。

利用すると、生産者はマーケティングや分析、販売促進活動を依頼できます。料金は地域や商品によって異なりますが、売上代金(税込)の約8%と決済関係手数料がかかることが一般的です。

さらに、計画申請や農薬使用報告などの煩雑な書類作成も支援してくれます。

農協に加入することで、生産した商品を買い取ってもらい、販売につなげましょう。

2.卸売市場へ直接出荷

卸売市場とは、全国から集められた青果物(野菜や果物)を取引して、八百屋やスーパー、レストランなどに販売する拠点です。

生産したものを全量買い取ってもらえる「全量引き受け」ができる点がメリットと言えます。

生産者が価格設定にほとんど関与できないのがデメリットですが、生産量と消費者のニーズが一致しなくても、在庫リスクを抱えずに済み、収入がゼロになる心配がありません。

電話やメールで連絡を取り、出荷しましょう。

3.直売所・道の駅での販売

直売所や道の駅では、新鮮で美味しい商品を手頃な価格で提供するため、地元住民や観光客から関心を集めています。生産者は自ら価格を設定でき、出店料が低いため利益率が高い傾向にあります。

特に、販売者が直接運営する場合、収益性が高まり、消費者とのコミュニケーションが取りやすくなる点がメリットです。

地域によって手続きが異なりますが、直売所に連絡を取り販売につなげましょう。

4.スーパーなどの小売店で販売

スーパーマーケットなどは、地元産の野菜を扱う直売コーナーが設置されている場合があります。地域の消費者は、身近な場所で新鮮な野菜を手軽に購入でき、地元の農産物への需要が高まっています。

商品を陳列できるスペースには限りがありますが、消費者との関係を深め、ファンを獲得できる可能性が高い点がメリットです。営業活動を開始するには、インターネットや電話を通じて申請・連絡を行いましょう。

トクイテンでは、ミニトマトの試食販売などの販売活動をスーパーマーケットで行っているので参考にしてみてください。

https://www.instagram.com/shunrakuzen/p/C3_7thyPGOl/

5.飲食店での販売

農業の販売開拓・確保先として、自家生産の野菜や提携農家からの食材を使用している飲食店が挙げられます。特に、有機栽培された食材を好む飲食店が多い傾向です。

すぐに提携できる飲食店を見つけるのは難しいですが、一度提携が始まれば、長期的な関係を築けるでしょう。販売の提案は電話、メール、インターネットを通じて行います。

6.ネット販売

ネット販売は、直接商品の販売ができ、手数料を削減でき利益率を高められます。特に、定期配送サービスは顧客からの関心が高いため、月に2回などの頻度で野菜を届けると、安定した収入を得られるでしょう。

ネット販売には以下のような方法があります。

種類特徴具体例
自社ECサイト・費用がかからない
・ブランディングしやすい
・BASE
・STORES
モール型
ネットショップ
・管理が楽・集客しやすい・amazon
・楽天
オンライン型直売所・顧客がファン化しやすい
・管理が楽
・食べチョク
・ポケットマルシェ
フリマアプリ・出典のハードルが低い
・手数料が低い
・メルカリ
・ヤフオク

種類ごとにメリット・デメリットがあるため、参入時に管理しやすい方法で販売しましょう。

7.イベント販売

マルシェのようなイベント販売は、こだわりのある食材を求める購入意欲の高い顧客にアプローチできます。新しい品種や試作品を試食してもらい、価格設定や商品の味について、フィードバックをもらうことも可能です。

マルシェへの参加は、主催者へメールでの問い合わせなどを通じて行います。

8.海外への輸出

日本からの農作物輸出金額は、ほかの産業と比較しても高い金額を誇るため、海外への販売も選択肢の一つです。

特に、消費者のニーズの変化や環境への配慮を背景に、過去10年間で世界の有機食品市場は2倍に成長しました。

このような市場環境を踏まえ、海外でのブランド化を進め、ECサイトを通じての販売もできるでしょう。

農業の販路開拓・確保を成功させる2つのコツ

農業の販路開拓・確保を成功させるためには、以下の2点の方法に取り組みましょう。

  • 市場を分析してニーズを把握する
  • 価格設定を適切に行う

1.市場を分析してニーズを把握する

農業の販路開拓・確保のコツとして、市場の分析と消費者ニーズ(消費者が望む商品やサービスの特性や流行)を正確に把握する点が挙げられます。

例えば、最近では健康に対する意識が高まっており、無農薬や有機栽培のような安全性を考慮した農産物への関心が国内で高まっています。

そのため、地域の枠を超えて全国に農産物を販売するチャンスがあるため、ネット販売を活用する方法も選択肢となるでしょう。

2.価格設定を適切に行う

農業の販路開拓と確保において、以下のような適切な価格設定が必要です。

  • 市場調査を行い価格帯を決定
  • 販路や取り組みによって適正価格を決定

まず、市場調査を実施し、商品の品質と市場の需要を考慮した価格帯にすることが大切です。その際に、消費者が求める価値と価格のバランスの見極めが重要になるでしょう。

また、販路に基づいて適正価格を決める点も必要です。地域の直売所などで野菜を販売する場合、新鮮さを重視しつつも価格の安さを求める顧客が多いため、低価格な商品が求められます。

一方で、SNSを利用したブランディングや有機農業による農作物の生産など、付加価値を高める取り組みを行うと、高価格帯での販売も可能になります。

農業の販路開拓・確保で重要な3つのこと

農業の販路開拓や確保を行う際には、以下の3つの点を意識してください。

  • ターゲットに合った販路を選ぶ
  • 複数の販路を確保・拡大する
  • SNSなどを活用してブランディングを行う

1.ターゲットに合った販路を選ぶ

農業の販路開拓や確保を行う際には、ターゲットを事前に明確にする点が大切です。

例えば、20代〜30代の健康意識の高い層をターゲットにする場合、Instagramに美しいトマトの写真を掲載し、健康効果を訴えるような方法が効果的です。20~30代は、オンライン購入にも慣れているため、ネットを通じて簡単に購入できる環境が望ましいでしょう。

一方で、ターゲットが高齢者の場合は、直売所やスーパーでの販売を通じて、直接コミュニケーションを取りながら販売する方法が適しています。

このように、購入してもらいたいターゲットに応じて、販売ルートを適切に選択することが販路開拓・確保において重要です。

2.複数の販路を確保・拡大する

複数の販路をもつことにより、売上減少のリスクを軽減できます。

例として、レストランへ野菜を供給していた農家が緊急事態宣言の影響で売上が下落した例が挙げられます。農家は、スーパーマーケットへの卸しを行っていたため、影響を最小限に抑えられました。

それ以外にも、給食や外食業界の需要が減少した中でも、スーパーマーケット経由の販売を続けた結果、事業を維持できました。

注意点として、飲食店やスーパーマーケット、オンライン販売などの販路で求められる販売方法が異なるので、特性に合った柔軟な対応をしましょう。

3.SNSなどを活用してブランディングを行う

SNSを利用して自社の魅力を伝え、消費者と直接関わることで販路拡大につながります。農場の日常や栽培・生産過程を写真や動画で共有すると、消費者は農産物や生産者への信頼感を深め、購入意欲が高まるためです。

このように、SNSを活用したブランディング戦略は、農業ビジネスの販路拡大に直結し、消費者との強い結びつきを築きます。

農業の販路開拓・確保の事例3選

本項では、農業の販路開拓・確保の事例を紹介します。

  • 無人直売所でトマトを販売している事例
  • 自社のオンラインショップで商品をアピールして販売した事例
  • SNSでブランディングを行い通販で販売した事例

1.無人直売所でトマトを販売している事例

トクイテンは「Tokuiten Organic Farm(トクイテン オーガニック ファーム )」を2023年4月21日にオープンしました。販売している商品は、画期的なラボ農場で育てられ、農薬や肥料を使わない有機トマトです。

トマトは、水分を控えめにして甘みと食感を重視しており、リピーターが続出しています。

無人販売所により人手がいなくても商品を販売できるため、新規参入時のコストを減らしたい方におすすめの方法です。

2.自社のオンラインショップで商品をアピールして販売した事例

自社のオンラインショップを通じて、自然栽培や有機栽培による米や野菜の販売に成功した事例もあります。

具体的には、オンラインショップ内で画像掲載を豊富に行いました。それにより、消費者は商品のイメージを容易に把握でき、信頼の向上とリピーター獲得につながっているのです。

また、各商品には生産者の情報が詳細に記載されており、食材の最適な食べ方も紹介されています。

これにより、消費者は購入時に商品を具体的にイメージでき、購買につなげやすくなっています。

3.SNSでブランディングを行い通販で販売した事例

スイカを通販でのみ提供した販路開拓・確保の事例があります。農業に対する情熱やスイカに込めたこだわりを、ホームページ上で動画や写真を用いて伝えました。

さらに、SNSやブログを駆使してスイカの成長過程や消費者からのフィードバックを共有し、農家と消費者が直接コミュニケーションを取れる環境を作っています。

それにより、予約販売開始わずか数分で商品が完売するほどの人気を博しています。

自社に合った販売方法を見つけて、農業の販路を開拓しよう

農業の販路は、下記のようにさまざまな種類があります。

  • 農協(JA)に出荷
  • 卸売市場へ直接出荷
  • 直売所・道の駅での販売
  • スーパーなどの小売店で販売
  • 飲食店での販売
  • ネット販売
  • イベント販売
  • 海外への輸出

農業の販路開拓・確保を成功させるには、市場ニーズを掴んだり、価格設定を適切に行ったりする必要があります。

農業の販路開拓・確保を適切に行い、新規参入時の売上アップにつなげましょう。

トクイテンでは科学的手法を駆使したミニトマトの栽培を行い、オーガニックスーパーや百貨店、ホテルへの出荷につなげている実績があります。

このような実績を活かして、農業に新しく参入する企業向けに、参入のコンサルティングサービスなどを行っているので、興味のある方は気軽にお問い合わせください。

トクイテンへのお問い合わせはこちら

参考サイト

・卸売市場ってどんなところ?|農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sijyo/info/attach/pdf/index-82.pdf

・農産物・食品の適正な価格形成について|農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/kikaku/kakaku_keisei/attach/pdf/imdex-12.pdf

・みどりの食料システム戦略とオーガニック市場の拡大について|農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/attach/pdf/0630_benkyoukaiseries_01-2.pdf