「農業への参入を考えているけど、土地や作物の選定など、やることが多いイメージがあり、何から始めれば良いかわからない」
「農業に参入する際には、どのように農地を運営すれば良いの?」
「農業の参入方法を細かく知りたい」
新規市場の開拓や多角化を図る目的で農業に参入する際に、参入方法を理解しておきたいですよね。
本記事では、有機農業の自動化を行うトクイテンが農業の参入方法を9Stepでわかりやすく解説します。
農業参入の条件や参入時に意識したいポイントまで説明するため、新規参入をスムーズに進めたい方は参考にしてみてください。
また、トクイテンでは、有機農業の自動化を可能にする「トクイテンパッケージ」を提供しています。興味のある方はお問い合わせください。
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【9Step】企業の農業の参入方法・流れ
1.事業の構想・目的を整理する
農業に参入する際には、事業の構想と目的を明確にする点が重要です。収益の最大化や経営の多角化、人材活用の最適化、地域社会への貢献など、農業参入の目的は企業によって多岐にわたります。
構想・目的が明確になれば「適切な農地や作物の選定」などの具体的な計画立案につなげられます。
2.作物を選定する
事業の構想・目的を整理できたら、どのような作物を生産するのかを決めましょう。
例えば、天候や病害虫のリスクを軽減できるビニールハウス栽培であれば、以下の作物が挙げられます。
- ミニトマト
- イチゴ
- ナス など
事業の構想に合った作物を選ぶことで、効率的に目的を達成できます。
3.参入する農地を選定する
農業に参入するうえで、作物の成長環境を最適化し、将来的な規模拡大などのために、農地選定を適切に行う必要があります。
例えば、ビニールハウスを設置する場合は、以下の選定ポイントを意識してください。
土地選定にあたっては、周囲の土地との高低差や地下水の湧き出し、大雨時の浸水リスクなど、作物の栽培に影響を及ぼす可能性のある要因を考慮しましょう。
また、日光が十分に得られるかどうかを判断するために、周囲に日光を遮る建築物がないかも確認してください。
これらの要素を踏まえ、農地選定を行う際には、短期的な利便性だけでなく、長期的な展望とリスクも考慮しておきましょう。
4.事業計画を作成
農業に参入する企業は、具体的かつ詳細な事業計画である農業経営改善計画の作成が求められます。以下のような内容を考慮して、できるだけ具体的に記載しましょう。
- 会社概要
- 農業参入の目的
- 農地の管理と労働力の確保
- 栽培・販売計画
- 農業機械・施設の規模
- 経営試算など
- 農業技術の習得方法
経営シミュレーションまで行う必要があるため、あらかじめ予想される売上や利益を試算しておきましょう。
5.市町村との協議・申請を行う
農業への参入時は、事業計画を市町村に説明し、双方の条件を整理するための意見交換を行う場合があります。
さらに、先述した事業計画書を申請し、審査も行われます。審査内容は「計画が市の基本構想に適合しているか」「農用地が効率的かつ総合的に利用されているか」「計画が成功する見込みが確実であるか」などです。
審査に通過すると、市町村との協議を通じて、さまざまな支援策を受けられます。
6.農地の利用権を取得する
農業参入において、農地を借りる方は、利用権設定を行ってください。以下の条件を満たす必要があるため、確認しましょう。
出典:古賀市「利用権設定(農地の貸し借り)」
条件を満たしたうえで、農地の利用権を取得しましょう。
7.農業技術を習得する
農業参入時には、従業員に農業技術を身につけてもらう必要があります。
農作物の栽培は、土地の特性や気象条件に大きく左右され、作物を適切に育てるには、専門的な栽培技術が必要だからです。
また、商品を市場で販売するには、消費者のニーズに応える量と品質を確保する点が求められます。そのため、栽培技術の習得や技術者の育成に早期から取り組むことが、経営の安定化に重要です。
従業員に農業の技術を身につけてもらいたい場合は、市町村などの公的機関や農家からの支援を受けましょう。
8.施設を準備する
農業参入時には、以下のような施設を準備する必要があります。
農業で使用する施設を選ぶ際には、類似施設の仕様を調査し、複数の施設設備業者から見積もりをとって選択しましょう。
9.販路を確保する
農業に参入する際には、リスクを減らしつつ、収益を得るために複数の販路の確保がおすすめです。以下のような販路が考えられます。
そのほかにも、既存の事業に関わりのある販路の確保も可能です。さまざまな観点を考慮して、販路を確保し売上を高めましょう。
企業が農業に参入する条件
企業が農業に参入する際には、以下の条件を満たすことが必要です。
出典:農林水産省「法人が農業に参入する場合の要件」
企業が農業に参入する際の基本的な条件として、農地の効率的な利用と環境への配慮が求められます。特に、無農薬栽培を行っている地域では、農薬を使用せずに、周辺農地の利用に支障をきたさないようにすることが重要です。
また、農地を所有する際と借りる際に条件が異なることに注意してください。
農地を所有する場合、農地所有適格法人として認められる必要があります。これには、会社の主たる事業が農業でなければなりません。
一方で、農地を借りる場合は、一般法人であっても全国どこでも貸借が可能です。
しかし、農地を適切に利用しない場合には契約解除の要件がある点や農道や水路の維持活動への参画など、一定の条件を満たす必要があります。
農業に新たに参入する企業は、法的条件や地域社会との調和を考慮した事業計画を立てる点が求められます。
企業が農業に参入する際に意識したい2つのポイント
企業が農業に参入する際には、以下の2点を意識しましょう。
- 目的に合わせた作物・栽培方法を選ぶ
- ビジネスモデルを構築する
1.目的に合わせた作物・栽培方法を選ぶ
事業の目的を達成するには、適切な作物選びと栽培方法の選定が必要不可欠です。例えば、ビニールハウス栽培の場合の平均収益や所得は、以下のとおりです。
※10aあたりの収益額です。
参考:農林水産省「品目別経営統計」
このなかでも、ミニトマトは収益性が高いので、新規参入時におすすめの作物です。
さらに、栽培方法には「慣行栽培」と「有機農業」があります。
慣行栽培は、国や自治体、JAの指導、法律に従い、農薬や肥料を使用する方法で、多くの農家が採用しています。
一方、有機農業は、化学合成肥料や農薬の使用を避け、環境負荷を最小限に抑える方法です。農業に参入する企業は、これらの栽培方法を自社の事業目的や価値観に合わせて選択しましょう。
有機農業については、以下の記事で詳しく説明しているため、参考にしてみてください。
【最新版】有機農業参入の現状!メリット・デメリットをわかりやすく解説
2.ビジネスモデルを構築する
農業に参入する企業は、収益の確保や安定的な収穫を維持するために、明確なビジネスモデルの構築が求められます。企業が農業に参入する際には、商品が売れなかったり、人手が足りない状況が起きたりする場合があるからです。
したがって、農業参入時には「どのような作物をどのように収穫し、販売するのか」といった戦略を立てることが重要です。
例えば、トクイテンでは有機農業分野でロボット技術を活用し、収穫作業を自動化しています。このようなアプローチにより、人件費を削減しつつ収穫効率を高めています。
農業や有機農業参入の成功事例もビジネスモデルの構築の参考になるので、以下の記事を参考にしてみてください。
農業参入の成功・失敗事例!失敗原因や企業の新規参入を成功させる方法を解説
【2024年版】有機農業参入の成功事例5選!最新傾向や戦略も紹介
企業の農業の参入方法を理解して、新規事業をスムーズに進めよう
農業に参入する際には、事業の構想の整理や農地の選定、事業計画の作成などのステップを踏みましょう。さらに、農業技術の習得や施設の準備、販路の確保などの準備も欠かせません。
また、農業参入する目的に合わせた作物の選定や販路を確保する点が重要です。農業参入に必要な手順を踏んで、新規参入しましょう。
トクイテンでは、国が推進している有機農業の自動化を実現する「トクイテンパッケージ」を提供しています。
トクイテンパッケージにより、センサーによる作物の状態モニタリングや、重量物を運搬可能なロボットの活用ができます。これにより、有機農業の運営にかかる人件費を大幅に削減し、コストを抑えつつ収益性を高められるでしょう。
「農業参入時に、良質な作物を効率的に収穫したい」という方は、一度トクイテンにお問合せください。
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参考文献
新たに農業参入をお考えの法人の方へ|神奈川県
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/k5g/cnt/f7220/01_kigyo_sannyu.html
~企業の農業参入 就農までの流れ~|大分県
https://www.city.oita.oita.jp/o158/shigotosangyo/kigyoshien/documents/nougyousannyuufro.pdf
企業の農業参入マニュアル|長野県
https://naganokaigi.com/ikusei/images/pdf/kigyou_manual_r2.pdf
法人が農業に参入する場合の要件|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/sannyu/attach/pdf/kigyou_sannyu-37.pdf