「有機農業に参入したい」
「有機農業への参入って実際にどうなの?」
有機農業に興味があっても、市場やメリットなどがわからないと参入するのをためらってしまいますよね。
そこで本記事では、農業の自動化を担うロボットの開発を行っている株式会社トクイテンが、有機農業参入の現状やメリット・デメリットを解説します。
参入のポイントまで説明しますので、有機農業ににチャレンジしたい方は参考にしてみてください。
また、有機農業の自動化について興味のある方は、トクイテンまで気軽にお問い合わせください。
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【最新版】有機農業参入の現状
有機農業とは、化学肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を用いず、環境負荷を最小限に抑えた農業です。
昨今、有機農業への参入者は増加傾向にあります。農林水産省の調査によると、以下のように平成22年の1,730人から平成28年には3,440人に増加しています。
引用:農林水産省「有機農業に取り組む生産者の状況」
また、農業経営を行うリース法人の数も増えており、令和4年1月時点で4,202法人に上ります。
このように有機農業を含む農業に参入する企業が増加した理由は、平成21年の農地法改正により、リース方式による農業参入が解禁されたためです。この法改正により、法人による農地の貸借が全国で可能になり、今まで農業参入を制約されてきた株式会社が農業に参入しやすくなりました。
さらに、日本における有機農業の取組面積も過去10年で約50%増加しており、今後も拡大が予想されます。
有機農業参入のメリット3選
有機農業に参入するメリットは、以下の3点です。
- 消費者からの需要がある
- 慣行栽培との差別化ができる
- 環境に配慮した事業を行える
消費者からの需要がある
昨今の消費者は健康や環境に対する意識が高く、有機食品への支出も増加しています。
実際に、農林水産省の消費者アンケートの結果によると「ほとんどすべて『有機食品』を購入している者」の平均購入額は、月約10,750円でした。
この結果から、有機農業で作られた野菜や果物に興味がある消費者は、高価格帯でも購入する可能性が高いと言えます。
そのほかにも、国内の有機食品市場は2009年の1,300億円から2017年には1,850億円へと成長しており、今後の拡大が予想されるでしょう。
慣行栽培との差別化ができる
慣行栽培とは、多くの農家が行っている農業です。国や自治体、JAの指導、法律に従い、農薬や肥料を使用します。
一方で、有機農業では「有機農産物」と表示するために有機JAS認証を取得します。認証された事業者は「有機JASマーク」を使用できるため、商品に「有機」や「オーガニック」を表記できるのがメリットです。
農林水産省の調査によると、令和2年時点で有機農業に取り組む事業者は全体のうち0.6%程です。そのため、慣行栽培との大きな差別化ができ、希少価値の高い作物として打ち出せるでしょう。
環境に配慮した事業を行える
有機農業は化学肥料や農薬を使用しないため、環境に優しく、土壌や生態系を壊さずに農業ができます。その結果、土壌だけでなく、土壌に住む虫や虫を食べる動物なども守ることにつながるのです。
実際に、農林水産省は、有機農業が生物の多様性や土壌の生物活性を促進し、農業生態系の健全性を強化する「全体的な生産管理システム」であると述べています。
昨今企業は、環境に配慮した経営を求められるため、有機農業を行うことで、消費者からのイメージアップも期待できます。
有機農業参入のデメリット3選
有機農業は、消費者からの需要があり、地球環境に配慮できるメリットがありますが、以下のようなデメリットがあります。
- 慣行栽培に比べて収穫量が少ない
- 栽培管理に手間がかかる
- 有機JAS認証を取得する必要がある
以下の項で詳しく解説します。
慣行栽培に比べて収穫量が少ない
有機農業は、人的・時間コストをかけて育てるにもかかわらず、慣行栽培と比べて、収穫できる作物の量は少ないデメリットがあります。
【水稲の収穫量】
参考:農林水産省「有機農業をめぐる我が国の現状について」
たとえば、上記のように、水稲では10a(100平方メートル)あたりの慣行栽培の収穫量が平均518kgであるのに対し、有機農業だと420kgと、差が見られます。
露地にんじんも、同じ面積で慣行栽培では約3,986kg収穫できるのに対し、有機栽培では約3,000kgです。
さらに、有機農業を行っている方へのアンケートで、収穫量が少ないと答えている割合も20.2%おり、有機農業に参入するデメリットになっています。
対策として、堆肥(植物や家畜のふんを使用して発酵させること)や、緑肥(緑色の植物を土壌にすき込み使用すること)を行うことが挙げられます。
作物が育ちやすい土壌を作ると、収穫量増加を目指せるでしょう。
栽培管理に手間がかかる
有機農業は化学肥料や農薬を使わない分、害虫や雑草の管理に多くの労力を要する点がデメリットです。
実際、有機農業を行っている農家の中で栽培面積を縮小する理由として、手間の多さを挙げる方が少なくありません。
そのため、管理コストを減らすために、ロボットやITツールなどの技術で解決を図る必要があります。
有機JAS認証を取得する必要がある
先述したように、有機農業を行うには、有機JAS認証の取得が必須になります。そして、取得するためには、以下の基準を満たす必要があり、厳しい条件が設けられています。
- 周辺から使用禁止資材が飛来し又は流入しないように必要な措置を講じていること
- は種又は植付け前2年以上化学肥料や化学合成農薬を使用しないこと
- 組換えDNA技術の利用や放射線照射を行わないこと
基準をクリアするためには、知識を深めるための講習会への参加も必要になるでしょう。
有機農業参入のポイント
有機農業への参入にあたり、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 有機農業に関する知識を身につける
- 有機農業の効率化を図る
まず、有機農業に関する情報収集が重要です。
有機農業は、慣行農業に比べて情報が少ないため、農林水産省のWebサイトを確認したり、有機農業参入に関する全国の相談窓口に問い合わせたりして、知識を深める必要があります。
また「何をどこで栽培するのか」「どのように栽培技術を習得するのか」も事前に計画を立てておきましょう。
そのほか、有機農業は慣行農業に比べて労力が必要になるため、農業の効率化を心がける必要があります。
具体的には、ロボットを含む最新の技術を活用して作業の自動化を進め、効率的に栽培する施策が重要です。
有機農業への参入ならトクイテンにお問合せください
有機農業とは、化学的に合成された肥料や農薬を使用せず、遺伝子組み換え技術を利用しない農業です。
消費者からの需要があり、慣行栽培との差別化ができる点がメリットです。
有機農業を始める際には、作業の自動化を意識しましょう。
トクイテンでは現在、収穫などの時間がかかる作業を自動化するロボットを開発しています。
さらに、下記のような繰り返し発生する作業を重点的に自動化することを目指しています。
「有機農業にチャレンジしたいけど、知識がなく何から始めたら良いかわからない」という方は、気軽にお問合せください。
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参考サイト
・有機農業に取り組む生産者の状況|農林水産省https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kazyu/h30_12/attach/pdf/index-26.pdf
・リース法人の農業参入の動向|農林水産省
・改正農地法の概要|農林水産省
・有機農業をめぐる事情|農林水産省
・相談窓口情報|有機農業参入促進協議会