「新しい収益源を確保するために、農業に参入したいけど、ビジネスチャンスはあるの?」
「農業ビジネスの現状はどうなっているの?」
このように考えていませんか?農業ビジネスに参入する際に、成功する可能性があるのかを知りたいですよね。
結論、農業ビジネスは戦略を練ることで、成功する可能性があります。
本記事では、今後農業に参入したい企業に向けて、以下の内容を解説します。
- 農業にビジネスチャンスがあるのか
- 農業ビジネス参入の現状
- 農業ビジネスへの参入をおすすめする理由
- 農業ビジネスの参入アイデア
農業ビジネスに関する理解を深めて、新規事業を成功につなげましょう。
農業にビジネスチャンスはある?企業の参入の現状を紹介
昨今、農業への参入が積極的に行われており、下記のように全国各地で農業ビジネスを始める企業が増えました。
出典:農林水産省「企業参入内訳(組織形態別)」
令和4年1月1日の時点で、日本全国には4,202の法人が新たに農業に参入しており、その中には2,723社の株式会社が含まれています。参入する企業が増えた理由は、以下のとおりです。
- 農地法の改正
- 人手不足
まず、平成21年の農地法の改正が大きな要因です。農地法改正により、農地の賃借や権利取得が以前よりも容易になり、耕作されていない土地を効率的に活用する動きが進んでいます。
出典:農林水産省「リース法人の農業参入の動向」
上記の画像のように、リース方式による参入の全面自由化により、企業の参入が増加しました。
さらに、以下のような農業分野の人手不足の課題をビジネスチャンスと捉える企業が増えています。
参考:農林水産省「農業労働力に関する統計」
人材不足による農業の課題をロボットやAIを活用し、ビジネスチャンスに変えようとしている企業がいるため、参入が増えているのです。
このように、企業の参入増加の現状がある中で、農業には将来性があると言えます。
なぜなら、食料需要が増加しているからです。世界の人口は増え続けており、2050年には約97億人に達すると予測されています。その中で、安定した食料供給が求められており、気候変動の影響を受けにくいハウス栽培などの需要が高まっている現状です。
ビジネスチャンスがある中で成功するには、既に参入している企業の事例や失敗から学ぶことが大切です。
下記の記事では、大企業の農業参入の事例を挙げているため、参考にしてみてください。
農業参入の成功・失敗事例!失敗原因や企業の新規参入を成功させる方法を解説
農業ビジネスは儲かる?成功の可能性を解説
農業ビジネスは、戦略によって儲かるかどうかに違いが出てきます。
農林水産省によると、令和3年度の法人による農業の平均所得は約424万5,000円で、前年に比べて101万1千円高くなったと報告されました。
ただし、得られる所得は栽培方法によって下記のように大きく差が出ます。
参考:農林水産省「令和4年 農業経営体の経営収支」
さらに、農林水産省の「品目別経営統計」では、ミニトマトの栽培で得られる粗収益が約407万円と最も高く、スイカでは約75万円と最も低いと報告されています。
1,000万円以上の利益を出している農業経営体も存在するため、施設栽培やミニトマトなどの儲かる栽培方法・作物で参入しましょう。
農業ビジネスへの参入をおすすめする2つの理由
農業ビジネスへの参入をおすすめする理由を2点解説します。
- 参入しやすいから
- スマート農業により農業の効率化ができるから
1.参入しやすいから
先述したように、農業ビジネスは農地法の改正により参入しやすくなっています。
具体的には、改正農地法によって規制が緩和され、農業法人だけでなく、ほかの企業もリース方式で農地を借りられるようになりました。さらに、農地の権利取得についての規制も見直されたため、さまざまな企業が農業分野に新たに参入するケースが増えています。
2.スマート農業により農業の効率化ができるから
スマート農業とは、ロボットやAI、IoTなどの先端技術を駆使して農業を行うことです。
現在、農業分野では人手不足が課題となっていますが、スマート農業の導入により、農業従事者が足りなくても効率化が可能です。
具体的には、ロボットが自動で収穫を行ったり、AIが農作物の成長や病虫害のリスクを予測したりすると、人手不足でも高度な農業経営を実現できます。
スマート農業により、農業ビジネスに参入する際に、人材を大量採用しなくても経営をスムーズに行える可能性があります。
農業ビジネスの参入アイデア3選
農業ビジネスに参入する際には、下記のようなアイデアが考えられます。
- 作物を栽培
- 作物を販売
- 6次産業化
農業ビジネスのアイデアを把握して、参入する際の参考にしてください。
1.作物を栽培
農業ビジネスへの参入として代表的なものが作物を栽培することです。
栽培方法には主に露地栽培とハウス栽培があり、下記の違いがあります。
初期投資を抑えつつ広い農地での栽培を目指す企業には、露地栽培をおすすめします。
一方で「年間を通じての収穫量を安定させたい」「出荷時期をコントロールしたい」という企業にはハウス栽培が適しています。
ちなみにハウス栽培でも、農地を確保し施設を増やすと、規模の拡大は可能です。
2.作物を販売
農業ビジネスに参入する際は、作物を販売するアイデアもあります。
- 農協
- 小売業者(スーパーやコンビニ)
- 飲食店
- 直売所・道の駅
- ECサイト
例えば、地元に密着した販売を望む場合は、直売所や道の駅が適しています。一方で、より広範囲の消費者にアプローチしたい場合は、ECサイトを通じた販売が有効です。
農業ビジネスに参入する際には、リスクを分散させて売上を安定させるためにも、複数の販路を確保しましょう。
トクイテンでは、オンラインでの販売を行っているので、参考にしてみてください。
トクイテンのオーガニックトマトをオンラインで販売開始しました。
3.6次産業化
6次産業化とは、単に作物を栽培するだけでなく、加工や販売まで手がけることです。
一貫して取り組むと、作物に付加価値を加えた販売が可能になります。その結果、所得の向上が期待できるだけでなく、価格変動の影響を受けにくく収入が安定するでしょう。
作物の栽培以外にも参入のリソースがある企業は、6次産業化も検討してください。
農業ビジネスに参入して、新規事業を成功につなげよう
昨今、農業に参入しやすくなっており、ビジネスチャンスがある分野です。農業に参入する際には、作物の平均単価が高いミニトマトを栽培するなど、売上を高める工夫をしましょう。
また、農業参入時のアイデアとして作物の栽培や6次産業化などの方法がありますので、自社に合った方法を取り入れてください。本記事で紹介した内容を参考にして、農業ビジネスを成功につなげましょう。
とはいえ、農業ビジネスのノウハウがない企業の参入はハードルが高いため、効率的に栽培する技術や効率的に収穫する技術をもっている企業への相談がおすすめです。
トクイテンでは、AIやロボット技術を活用した有機農業の自動化を実現する「トクイテンパッケージ」を提供しています。
2023年4月には、取り組みが有機JAS認証を取得し、科学的な方法に基づくミニトマトの栽培が成功を収めました。味や糖度の高さが評価され、初回の出荷からオーガニックスーパーや百貨店、ホテルへの供給が実現しています。
これから農業ビジネスに参入を考えている企業に向けて、トクイテンでは参入のコンサルティングサービスも予定しています。
農業の自動化や新規事業の立ち上げに関心がある方は、ぜひお問い合わせください。
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参考文献
企業参入内訳(組織形態別)|農林水産省
https://www.maff.go.jp/chushi/keiei/kigyou/attach/pdf/nougaikigyou-3.pdf
リース法人の農業参入の動向|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/sannyu/attach/pdf/kigyou_sannyu-36.pdf
農業労働力に関する統計|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/08.html
品目別経営統計|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/noukei/einou/r4/einou_syusi/