「農業ビジネスにチャレンジしたいけど、参入障壁が高そうで踏み出せない」
「異業種の企業が農業に参入できる?」
「農業への参入が失敗しないか不安…」
このように悩んでいませんか?農業ビジネスに参入したくても、参入障壁が高いのではと考えて、挑戦するのをためらってしまいますよね。
結論、農業の参入障壁は高くありません。
本記事では、農業の参入障壁が高くない理由や参入している業種、失敗しないための対策について解説します。農業の参入障壁と現状を深く理解して、新規事業の参入に活かしてみましょう。
また、トクイテンでは、農業への参入をサポートするサービスを提供しているので、興味のある方はお問い合わせください。
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農業の参入障壁が高くない3つの理由
農業は新規参入が難しいと言われる業界ですが、以下の理由により、参入障壁は高くないと言えます。
- 農地法の改正により参入しやすくなっているため
- 自動化により作物を育てやすいため
- 自治体の補助金を活用できる場合があるため
以下の項で詳しく解説します。
1.農地法の改正により参入しやすくなっているため
農業の参入障壁が高くない理由として、2009年の農地法改正が挙げられます。これまで、法人の農業参入はさまざまな規制により困難でした。しかし、同法改正により、農地を取得する際の下限面積や法人による農地貸借規制が緩和されて、農業参入が容易になっています。
ほかには、改正農地法により、農業の参入において以下のようなメリットがあります。
参考:農林水産省「改正農地法について」
このように、改正農地法により、貸借のリース方式であれば、法人の農業参入が容易になっています。 実際に改正農地法の施行前は年間65法人程度の参入でしたが、施行後は約360法人と約5倍に増加しています。
2.自動化により作物を育てやすいため
自動化により、今までよりも作物を育てやすい環境がある点も農業の参入障壁が高くない理由です。
昨今は、農業へ参入する企業は増えていますが、就農する人は減少している傾向です。実際に、農林水産省によると、令和4年の新規就農者は45,840人で前年に比べ12.3%減少しているとされています。
そのため、人手不足を解消する手段として、AIやIoTなどの先端技術を活用した「スマート農業」が行われています。
スマート農業では、ロボットを使った自動化やAIによる作物認識・自動収穫など、省力化が可能です。これにより、従来よりも効率的で、手間のかからない農作業が実現できます。
労働力不足に対する対策としてスマート農業が機能し、企業の農業参入を後押ししているのです。
3.自治体の補助金を活用できる場合があるため
農業する際には、土地を用意したり機械を購入したりする費用がかかりますが、補助金を利用できる場合があります。補助金制度を利用できれば、費用を抑えつつ農業に参入できるのです。
以下の表に、農業参入に関する補助金と助成額などをまとめました。
参考:農林水産省「新規就農者育成総合対策」
農林水産省「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」
農業をはじめる.JP「雇用就農資金」
このように、多種多様な補助金が利用できるため、農業の新規参入のハードルは下がっていると言えるでしょう。
自社が利用できる補助金はあるかを確認してみてください。
農業に参入している企業の業種
規制緩和により農業参入の難易度が低くなったため、令和4年時点で、4,202法人が新規参入しています。以下のように、多様な業種の企業が参入しているのです。
参考:農林水産省「リース法人の農業参入の動向」
このように各地で企業の農業参入が進んでいる現状から、全国での参入も可能です。
農業への参入で失敗しないための3つの対策
農業の参入障壁は高くないですが、売上安定や向上させるには、戦略を練ることが重要です。
日本政策金融公庫のアンケート調査によると、農業に参入した建設業の企業のうち76.7%が赤字と報告されました。食品製造業においては、67.3%が赤字と報告されています。したがって、経営面では多くの企業が課題を抱えているとわかります。
一方で、食品関連企業へのアンケートによると、企業の37.9%が5年以内に黒字化できたと回答されています。
このような結果により、農業への参入成功はむずかしいですが、正しい戦略を立案して経営をしていくことで黒字化は可能だと言えるでしょう。
そこで、農業参入する歳に失敗をしないための3つの対策を解説します。
1.収支のシミュレーションを行う
農業参入する際には、どの程度の利益が見込まれるか計算しておく必要があります。売上が出ていても莫大なコストがかかっていれば利益は少ないため、事前に計算しておきましょう。
収支のシミュレーションを行うと、単年度だけでなく、中長期的な売上や利益の計画も事前に立てやすくなります。
例えば「ひょうご就農支援センター」では、該当、品目や作型などの項目を入力するだけで、シミュレーションができるツールを提供しています。
収支のシミュレーションサイトはほかにもあるため、複数のサイトを利用し、十分な収支計画を立てておきましょう。
2.複数の販路を確保する
農業経営においては、収益を安定させるために複数の販路をもつ点が重要です。一つの販路に依存してしまうと、トラブルが起きた際に収益が大幅に低下する可能性があるためです。
複数の販路を確保するために、以下のような方法が挙げられます。
- 直接販売するだけでなく、ECサイトで販売
- 飲食店と提携を結ぶ
- 複数品種の栽培を行う
- 宅配サービスと連携する
- 自社の既存ビジネスから販路を確保する
特に、昨今では、ECサイトで作物を販売できます。
さらに、既存のビジネスから販路を確保できる場合もあります。例えば、小売業を行っているのであれば、店舗で育てた作物を販売しやすいでしょう。
3.スマート農業により生産性を高める
農業への参入で失敗しないためには、先述した「スマート農業」を行いましょう。
スマート農業では、ロボットトラクタやスマートフォンで操作可能な水田の水管理システムなど、さまざまな作業の自動化・省力化が実現しています。それにより、人手がなくても、農作業を自動化できるでしょう。
また、ドローンや人工衛星からのセンシングデータ、気象データを人工知能が解析し、農作物の生育状況や病虫のリスクを踏まえて虫害を予測できるようになりました。収量の増加や品質向上につながり、より効率的で付加価値の高い農業経営が実現できるようになるでしょう。
このように、スマート農業の技術を積極的に取り入れると、農業経営の生産性が向上します。
トクイテンでもロボットを活用したスマート農業によって生産性を高めるために自社でトマトの収穫ロボットを開発しております。
農業の参入障壁を理解して、新規参入につなげよう
農業への参入においては、農地法の改正や自治体の補助金を活用できる点から、参入障壁は高くないと言えます。
しかし、農業参入では、戦略をしっかりと練らなければ売上や利益の確保が難しい傾向にあります。そのため、収支のシミュレーションや複数の販路の確保をして、農業参入を成功につなげましょう。
また、農業参入においては、スマート農業を行うことが重要です。作業の自動化により、人手不足を解決でき、生産性を高められます。
トクイテンでは、有機農業の自動化を実現する「トクイテンパッケージ」を提供しています。ロボットを活用して気温や温度などをモニタリングして生産を効率化したり、AIを利用して収穫や管理作業などを自動化したりできます。
「効率的に作物を育てて、農業参入を成功につなげたい」という方は、トクイテンにぜひ問い合わせしてみてください。
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参考文献
・改正農地法について|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/kaikaku/attach/pdf/index-1.pdf
・スマート農業の展開について|農林水産省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000775128.pdf
・リース法人の農業参入の動向|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/sannyu/attach/pdf/kigyou_sannyu-36.pdf
・販路確保に向けた多様な需要に応じた生産活動の展開|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/attach/pdf/nouhou_tenkan-16.pdf
・スマート農業|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/
・平成24年度 企業の農業参入に関する調査|日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/zyouhousenryaku_1.pdf
・食品企業の農業参入は増加|日本政策金融公庫