花きの出荷量【令和7年産】切り花26.8億本・前年比-6%、きくは愛知37%・沖縄15%

農林水産省は2026年6月30日、令和7年産の花きの作付面積と出荷量を公表しました。切り花類の出荷量は26億7,900万本で、前年産より6%(1億6,700万本)減りました。作付面積は1万1,670haで、690ha(6%)縮小しています。この記事では、品目別の出荷量と前年比、主産県の割合を表にまとめ、自分の品目と県の位置を確認できるように並べ直しました。

切り花の出荷量は9年で約3割減り26.8億本

平成28年産の切り花出荷量は37億8,100万本でした。令和7年産の26億7,900万本は、この9年間で約29%少ない水準です。作付面積も1万4,590haから1万1,670haへ、約2割縮小しました。

農林水産省は令和7年産の減少理由として、生産者の高齢化など労力事情による作付中止と規模縮小を挙げています。一部の品目では、夏期の高温で生育不良が出たことも理由に加えています。

品目別の出荷量と前年比

主な切り花の作付面積、出荷量、前年産比を下の表に示します。出荷量が最も多いきくは10億4,600万本で、切り花全体の約4割を占めます。前年比の減少幅が最も大きいのはばらで、出荷量は87%でした。

品目 作付面積(ha) 出荷量(万本) 面積の前年比 出荷量の前年比
切り花類 計 11,670 267,900 94% 94%
きく 3,520 104,600 92% 94%
切り枝 3,401 18,630 97% 96%
カーネーション 197 15,430 92% 90%
ばら 229 14,850 90% 87%
ガーベラ 67 11,470 95% 99%
スターチス 164 10,090 100% 90%
ゆり 542 8,950 92% 91%
トルコギキョウ 359 7,480 94% 96%
切り葉 459 6,800 85% 92%
りんどう 357 6,420 93% 94%
アルストロメリア 79 5,360 98% 100%
宿根かすみそう 197 4,770 99% 100%
切り花の出荷量 前年産比(前年産=100)
出典: 農林水産省「作物統計調査 令和7年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量」令和8年6月30日

宿根かすみそうとアルストロメリアの出荷量は前年並みでした。スターチスは作付面積が前年並みでしたが、夏期の高温による生育不良で出荷量が10%減っています。

きくは愛知県が37%、沖縄県が15%

きくの作付面積は3,520haで、前年産より301ha(8%)減りました。出荷量10億4,600万本のうち、愛知県が37%、沖縄県が15%、福岡県が6%、鹿児島県が5%、長崎県が4%を出荷しています。この5県で全国の約7割になります。

きくの都道府県別出荷量割合(令和7年産)
出典: 農林水産省「作物統計調査 令和7年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量」令和8年6月30日

きくの内訳は、輪ぎくが作付181.6ha、出荷5億5,370万本、小ぎくが作付104.6ha、出荷2億9,230万本、スプレイぎくが作付65.8ha、出荷2億30万本です。内訳は全国調査の年だけ調べられるため、前年比は示されていません。

主な品目の上位県

切り花全体で出荷量の割合が最も高いのは愛知県の19%で、沖縄県の7%、静岡県の6%、福岡県と長野県の5%が続きます。品目ごとの上位県は次のとおりです。

品目 1位 2位 3位
きく 愛知37% 沖縄15% 福岡6%
カーネーション 長野21% 愛知18% 北海道・千葉・兵庫9%
ばら 愛知18% 静岡10% 山形8%
りんどう 岩手62% 山形11% 秋田10%
宿根かすみそう 熊本38% 和歌山22% 福島19%
スターチス 和歌山54% 北海道25% 長野8%
ガーベラ 静岡42% 福岡16% 和歌山10%
トルコギキョウ 長野14% 熊本11% 福岡10%
ゆり 埼玉21% 高知13% 新潟10%
アルストロメリア 長野43% 愛知22% 山形10%

りんどうは岩手県が62%を占め、スターチスは和歌山県が54%を占めます。アルストロメリアも長野県が43%で、特定の県への集中が大きい品目です。割合は四捨五入のため、合計が一致しないことがあります。

球根類と鉢もの類の動き

球根類の出荷量は5,070万球で、前年産より13%減りました。主産県は鹿児島県26%、新潟県18%、富山県16%、宮崎県12%、愛知県9%です。鉢もの類は1億5,500万鉢(前年比95%)で、愛知県が26%を出荷しています。観葉植物の出荷量は3,580万鉢で、愛知県が48%を占めます。花壇用苗もの類は4億5,210万本で、前年産より9%減りました。

農家と販売業者への含意

品目別の出荷量は、ばらとカーネーションで1割前後減りました。農林水産省は、作付面積の減少に夏期の高温が重なったと説明しています。出荷量が減った品目を扱う市場や小売では、産地ごとの入荷量を確かめる必要があります。

自分の産地が上位県に入る品目では、全国の出荷量が減る中で県の割合がどう動くかを、翌年の公表値と比べて確認できます。産出額の側から見る場合は、農産物の産出額ランキングと市町村別の農業産出額の記事が参考になります。農業全体の自給の状況は食料自給率の記事にまとめています。

データの引用について

この記事の数値は、農林水産省「作物統計調査 令和7年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量」(令和8年6月30日公表)の概数値です。農林水産省は確定値を令和8年10月に掲載する予定としています。農林水産省のコンテンツは公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用でき、この記事は出典の数値から表とグラフを先端農業マガジンが作成しました。

出典:農林水産省「作物統計調査 令和7年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量」(令和8年6月30日)をもとに先端農業マガジンが作成。表の数値は、出典を明記すれば再利用できます。

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