農林水産省は令和8年8月18日に、令和8年産一番茶の荒茶生産量(主産県)が2万4,100tになったと公表しました。前年産の2万tから4,100t(21%)多く、平成30年産の2万6,200tに次ぐ、平成29年産以降の10年間で2番目に多い量です。この記事では、府県別の内訳と過去10年の推移を数値で整理します。
キー数値
| 項目 | 令和8年産 | 前年産との差 |
|---|---|---|
| 荒茶生産量 | 2万4,100t | +4,100t(+21%) |
| 生葉収穫量 | 12万5,600t | +2万2,800t(+22%) |
| 摘採面積 | 2万2,000ha | -300ha(-1%) |
| 10a当たり生葉収量 | 571kg | +110kg(+24%) |
摘採面積は減ったのに、生葉収量が増えて荒茶生産量が伸びました。農林水産省は、生育期間全般で天候に恵まれて生育が良好だったことを理由に挙げています。
調査の対象は主産県です。直近の全国調査年(令和2年産)の一番茶期に生葉収穫量が多かった上位3県(静岡県、鹿児島県、三重県)と、茶の畑作物共済事業で半相殺方式を採る埼玉県、京都府の5府県です。二番茶以降を含む年間の数値ではありません。
府県別の荒茶生産量は静岡と鹿児島で84%
静岡県が1万700t(44%)、鹿児島県が9,610t(40%)で、2県を合わせると全体の84%を占めます。3位の三重県は2,150t(9%)、4位の京都府は1,130t(5%)、5位の埼玉県は475t(2%)です。

| 府県 | 荒茶生産量(t) | 割合 |
|---|---|---|
| 静岡 | 10,700 | 44% |
| 鹿児島 | 9,610 | 40% |
| 三重 | 2,150 | 9% |
| 京都 | 1,130 | 5% |
| 埼玉 | 475 | 2% |
割合は四捨五入のため、合計が100%と一致しません。府県別の前年比は、この資料に掲載されていないため取り上げていません。
10年間の推移で見る令和8年産
荒茶生産量は平成30年産の2万6,200tを最高に、おおむね2万t台前半で上下してきました。令和7年産は2万tで、この10年では最少です。令和8年産はそこから2万4,100tに戻り、平成30年産に次ぐ水準になりました。

| 年産 | 摘採面積(ha) | 10a当たり生葉収量(kg) | 荒茶生産量(t) |
|---|---|---|---|
| 平成29年産 | 28,200 | 414 | 23,400 |
| 平成30年産 | 27,800 | 472 | 26,200 |
| 令和元年産 | 27,100 | 432 | 23,500 |
| 令和2年産 | 26,200 | 413 | 21,200 |
| 令和3年産 | 25,300 | 419 | 21,100 |
| 令和4年産 | 24,400 | 475 | 22,600 |
| 令和5年産 | 23,800 | 448 | 21,000 |
| 令和6年産 | 23,500 | 493 | 22,300 |
| 令和7年産 | 22,300 | 461 | 20,000 |
| 令和8年産 | 22,000 | 571 | 24,100 |
摘採面積は平成29年産の2万8,200haから令和8年産の2万2,000haまで、10年で約22%縮小しました。10a当たり生葉収量は平成29年産の414kgから、令和8年産の571kgまで上がっています。令和8年産の571kgは、表中で最も多い値です。
読み解き:面積が減る中で生産量は天候で振れる
表のとおり、摘採面積は毎年減っています。一方で荒茶生産量は、令和5年産の2万1,000tから令和6年産の2万2,300tに増え、令和7年産に2万tへ減り、令和8年産に2万4,100tへ増えました。面積の縮小よりも、10a当たり生葉収量の年ごとの差が生産量を左右しています。令和7年産の461kgと令和8年産の571kgでは、110kgの開きがあります。
農家と茶業関係者への含意
荒茶生産量が前年より21%増えたため、一番茶の出荷量は前年を大きく上回ります。茶価格への影響はこの資料に書かれておらず、本記事では判断しません。経営計画を立てる際は、自園の一番茶収量を県平均や過去の年産と比べ、年ごとの変動幅を確認しておくと目安になります。
摘採面積が10年間で縮小している点も、産地の規模を考えるうえの前提になります。農業全体の位置づけは、都道府県別の農業産出額ランキングや食料自給率の推移と合わせて確認できます。
今後の公表予定
農林水産省によると、二番茶以降を含む年間の荒茶生産量(概数)は、令和9年2月に公表される予定です。確定した詳細な数値は、同年6月にホームページへ掲載される予定です。本記事の数値は一番茶の概数であり、年間の数値とは別のものです。
データの引用について
出典:農林水産省『令和8年産一番茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量(主産県)』(令和8年8月18日公表)をもとに先端農業マガジンが作成しました。数値は農林水産省の公表値を転記し、グラフと表は当サイトが描き直して加工したものです。農林水産省が内容を保証するものではありません。
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