Full Harvest:規格外野菜のB2Bマーケットプレイスでフードロスと農家の収益課題を同時解決

Full Harvestの会社基本情報

会社名 Full Harvest
本社所在地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州サンフランシスコ
設立 2015年
CEO Christine Moseley(創業者)
累計資金調達額 約4,480万ドル
公式サイト https://www.fullharvest.com/

事業概要

Full Harvest 規格外野菜B2Bマーケットプレイス
出典:Full Harvest

Full Harvestは、規格外・余剰農産物のB2Bマーケットプレイスを運営するスタートアップです。従来は市場に出回らず廃棄されていた形の不揃いな野菜や果物を、食品メーカーや飲料メーカー、小売業者などのバイヤーとマッチングすることで、農場段階での食品廃棄(フードロス)を削減しています。

創業者のChristine Moselyは、農場で廃棄される大量の「見た目が悪いだけで品質は問題ない」農産物の存在に着目し、この課題をテクノロジーで解決するプラットフォームを立ち上げました。現在ではUSDA Grade 1(最高品質規格)の農産物も取り扱うなど、規格外品に限らない総合的なB2B農産物取引プラットフォームへと進化しています。

課題と解決策

農場段階でのフードロスという課題

世界の食料生産量の約3分の1が廃棄されており、その大部分は農場段階で発生しています。主な原因は以下の通りです。

  • 小売や市場の外観基準を満たさない農産物(曲がったキュウリ、傷のあるリンゴなど)が出荷されない
  • 豊作時に供給過多となり、価格下落を恐れて廃棄される
  • 規格外品を効率的に売買できるマッチングの仕組みがない
  • 農家にとって規格外品の販路開拓にかかるコストが高い

Full Harvestのアプローチ

Full Harvestは、農家と食品バイヤーをつなぐB2Bデジタルマーケットプレイスを構築することで、これらの課題に対応しています。プラットフォーム上で農産物の品質・数量・価格を提示し、食品メーカーなどのバイヤーが簡単に発注できる仕組みを提供しています。

さらに、CPG(消費財)メーカー向けのイノベーションサービスも展開しており、規格外農産物を活用した新商品開発の支援も行っています。これにより、農家には新たな収益源が生まれ、バイヤーにはコスト削減とサステナビリティ目標の達成を同時に実現する価値を提供しています。

ビジネスモデル

Full Harvestのビジネスモデルは、マーケットプレイスにおける取引手数料を主な収益源としています。農家が出品した農産物をバイヤーが購入する際に、取引額の一定割合を手数料として受け取るモデルです。

加えて、CPG企業向けのイノベーションサービスでは、規格外農産物を活用した商品コンセプトの提案や原材料調達のコンサルティングを通じた収益も得ています。

2025年にはInc.誌の「Female Founders 500」に選出されるなど、女性創業者によるフードテック企業としても注目を集めています。累計4,480万ドルの資金調達を実施しており、成長フェーズにある企業です。

今後の計画

Full Harvestは、全グレードの農産物取引に対応したプラットフォームへの拡張を進めています。規格外品のみならずUSDA Grade 1の取り扱いを開始したことで、B2B農産物取引全体のデジタル化を推進する構えです。

また、CPGイノベーションサービスの拡充を通じて、フードロス削減と新商品開発を同時に実現するエコシステムの構築を目指しています。サステナビリティへの要求が高まる中、この分野の市場は今後も拡大が見込まれます。

コメント

Full Harvestは、フードロス問題を「ビジネスの力」で解決しようとするユニークなスタートアップです。規格外品の取引は、農家の収益向上とフードロス削減を両立させる仕組みとして、グローバルに注目されています。

農産物流通のデジタル化という観点では、GrubMarketがB2B食品流通全般のプラットフォームとして急成長しており、インドのNinjacartも産地直送型の流通モデルで実績を上げています。Full Harvestは「規格外品」という明確なニッチから出発し、徐々にフルラインナップへ拡大するアプローチを取っている点が差別化要因です。

日本においても農産物の販路開拓と食品廃棄の削減は大きなテーマであり、Full Harvestのモデルは参考になるのではないでしょうか。

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