インド最大の生鮮食品サプライチェーンを通じてオンラインBtoBプラットフォームを運営するNinjacart社について解説

事業概要

Ninjacart社は、インド最大の生鮮食品サプライチェーンを通じてオンラインBtoBプラットフォームを運営する農業テクノロジー企業です。2015年にインドのバンガロールを拠点に設立されました。社員数は1000〜5000人と推定されます。

同社は生鮮食品のテクノロジーを駆使したサプライチェーン分野のパイオニアです。エンド・ツー・エンドのオペレーションを推進する社内アプリケーションを使用して、食品の生産者と小売店、レストラン、サービスプロバイダーを直接結びつけています。現在、当社のサプライチェーンは、毎日1400トンの生鮮品を農場から企業まで12時間以内に輸送する体制を整えています。

農家が抱える問題点として、価格リスク、需要に関する情報の非対称性、流通の非効率性、支払いの遅れなどが挙げられます。小売業者は、コストの上昇、低品質で不衛生な農産物、価格変動の激しさ、市場に出向く手間などの問題に直面しています。

これまでは、何重もの中間業者が関わっていたため、品質管理が不十分で、薄利多売が主となっており、データ重視のサプライチェーンはほぼゼロでした。従来のサプライチェーンは、非常に非効率的で、組織化されておらず、食品の廃棄率が高いのが課題でした。

こういった課題に対してNinjacart社は、テクノロジーとアナリティクスを駆使してサプライチェーンをコントロールすることで、中間業者を排除しました。信頼性が高く、費用対効果の高い、高速な物流とインフラを構築し、サプライチェーンの非効率性を解消しました。

農家はより良い価格と安定した需要を得ることができ、他方、小売店は新鮮な食材を競争力のある価格で、消費者の玄関先まで届けることができます。

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=r9i4gs_tbFM

ビジネスモデル

Ninjacart社は、オンラインBtoBプラットフォームを農家、小売店、消費者に提供しています。

生産者のメリットとして、収益が20%増加する、ワンストップでの販売が可能、24時間以内の支払い、透明性の高い計量が挙げられます。

小売店の利便性として、競争力のある価格設定とドアステップ配送、高品質のグレーディングされた作物の販売、利便性と時間の節約が可能な点が挙げられます。

消費者にとっては、衛生的に処理された青果物を購入でき、生産された農場がどこか100%追跡が可能なため、食の安全性と品質の向上につながります。

Ninjacart社は2021年5月時点で、インド国内に200以上の集荷センターと1,200の倉庫のネットワークを所有しています。ベンガルール、チェンナイ、ハイデラバード、デリー、グルグラム、ムンバイ、プネの7都市の店舗に毎日1,400トン以上の生鮮食品を供給しています。

テクノロジー

Ninjacart社のプラットフォームでは、RFID(Radio Frequency Identification)技術を活用して配送を追跡します。同プラットフォームは過去に、深層機械学習を活用して、予測を97%まで完璧にし、全体の無駄を4%まで削減しました。

また、Ninjacartは農家向けのアプリを用意しており、需要予測、収穫計画、価格決定などに役立てています。

Ninjacart社では、オペレーションを改善するために機械学習に力を入れています。5年間のデータと研究に基づいて、予測、価格設定エンジン、農家への作物推奨を改善するために、機械学習に多額の投資を行っています。これにより、食品の無駄遣いが減り、農家と当社の双方にとって予測可能性と持続性が高まります。

インド人の食品消費パターンも時代とともに変化しており、強い免疫システムを構築するために、健康的で安全な食品を食べることを意識するようになってきています。Ninjacart社のテクノロジーの導入は、農家にとってもメリットに加えて消費者にとってもメリットがあります。小売店、レストランなど、市場に足を運ばなくても、玄関先で野菜や果物の品質や鮮度を確認することができます。

今後の計画

Ninjacart社は2021年5月21日に950万ドルの資金調達を発表しました。昨年12月には、Ninjacart社のCEOであり、共同創業者であるThirukumaran Nagarajan氏が、オペレーションを改善するために機械学習に力を入れていると述べています。

5年間のデータと研究に基づいて、予測、価格設定エンジン、農家への作物推奨を改善するために、機械学習に多額の投資を行っています。食品の無駄遣いを減らし、農家と当社の双方にとって予測可能性と持続性を高めます。

さらに、当社はサプライチェーン技術とインフラへの投資を継続し、より多くのお客様や農家の方々にサービスを提供することで、王業分野の成長に大きく貢献したいと考えています。

コメント

インドの農業ではテクノロジーの導入とスマートな農業技術が展開されており、若い人を惹きつけ、雇用機会を生み出しています。

また、食の安全性へのニーズが高まっていることから、多くの企業が、サプライチェーンにおけるエンドツーエンドの透明性を確保するために、トレーサビリティーのインフラを導入するための技術に多額の投資を行っています。

Ninjacart社のようなシステムが世界中にも広がり、消費者が生鮮食品を産地までさかのぼって確認できるよるになることが期待されます。

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