保管中の作物の品質を維持するための農業用無線センサーを開発する7Sense社について解説

事業概要

7Sense社は、生産者が生産量をより細かく管理し、保管中の製品品質を維持できるようにする農業用無線センサーを開発し、モニタリングシステムを提供しています。2013年にノルウェーを拠点に設立され、社員数は10名程度と推定されます。

生産者が低温貯蔵庫、温室、トンネルの管理を強化するためのスマートな無線温度・湿度センサー監視システムと、生産者の灌漑システムを監視するための防水灌漑センサーを提供しています。

7Sense社のモニタリングシステムは、Webやアプリで動作し、無線センサーによるモニタリングと、その知見を生かしたコンサルティングサービスも提供しています。

動画:https://7sense.no/en/products/

ビジネスモデル

7Sense社の製品とサービスは、ノルウェーの多くの農家で日常的に使用されています。ノルウェーの農業の質と能力を向上を目的とした研究プログラムにも、研究機関や農業機関と強力して積極的に取り組んでいます。

ノルウェーに加え、フランス、デンマーク、イギリスのディストリビューターを通じてヨーロッパ各国に製品を販売をしています。

テクノロジー

7Sense社では、作物の品質を維持するためのスマート無線センサーを開発しています。革新的で使いやすく、持続可能なソリューションを通じて、プロフェッショナルの生産、運用、保管のモニタリングを支援します。

ワイヤレス技術は到達距離が長く、防水性に優れ、長寿命です。24時間365日の監視され、アラーム・警報機能もついています。複数のセンサータイプを搭載可能しており、接続可能なセンサーの数に制限はありません。ドキュメント、ログ、アラーム、アラートを備えた完全なユーザーポータルで、ノルウェーで開発・製造されています。

同社のシステムは、何か問題があれば警告を発し、履歴を記録し、農家が意思決定を行うための質の高い基盤を提供します。農家はシステムが提供するアドバイスに基づき、貯蔵庫の寒い部分に追加のファンを設置したり、新鮮で冷たい空気を取り入れるためにフィールドトンネルを開いたりして、作物の品質管理を効果的に行うことができます。

また、防水灌漑センサーのデータに基づいて灌漑ワゴンのセクターを調整したり、灌漑システムからの水の漏れや損失を止めたりすることも可能です。

今後の計画

7Sense社は、ヨーロッパ圏内のディストリビューターを通じて販売範囲を拡大しています。

2019年11月には、スコットランドの精密農業ソリューション企業であるSoilEssentials社と契約を結び、7Sense社の温度・湿度・灌漑用センサーを英国で独占的に販売することになりました。

コメント

食糧不足が懸念される昨今、保管中の作物が消費者に届くまでに起こる、品質管理の難しさによる廃棄も問題となっています。7Sense社の無線センサーによるモニタリングシステムは、保管中の廃棄量を減らし、より効率的な食糧生産のために今後さらに注目が集まると期待されます。

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