モバイルベースの供給プラットフォームで地元の農家から都市部の中小業者へ農産物を届けるTwiga Foods社について解説

事業概要

Twiga Foods社は、モバイルベースのキャッシュレス企業間(B2B)供給プラットフォームを提供するアフリカの農業テクノロジー企業です。2013年にケニアのナイロビを拠点として設立されました。社員数は500〜1000人と推定されます。

同社は、アフリカの小売店、キオスク、市場の屋台などに向けたモバイルベースの供給プラットフォームを提供しており、地元の農家やメーカーから調達した農産物を、アフリカの都市部の市場の何百万もの中小業者へ流通させることを可能にしています。

Twiga Foods社は、「アフリカの都市部で拡大する人口に、トレーサビリティーが確保された高品質で手頃な価格の製品を供給すること」をミッションとしています。

ケニアでは、2013年から2017年の間で、国のGDPの約25%が農業からもたらされました。しかし、アフリカの農業市場が不十分であるため、ケニア全土の農家は、生計を立てるのが難しい状況にあります。Twiga社のような企業がこれらの農家を支援することで、食の安全、環境、社会的慣行の改善につながります。

Youtube動画:https://youtu.be/Bunv9WX7zUg

ビジネスモデル

サプライヤーは農産物をオンラインで公開し、ベンダーは手頃な価格で注文することができます。現在、Twiga Foods社は約4,000人のサプライヤーと約35,000人のベンダーを雇用しています。

Twiga Foods社が農村部の農家と都市部の非正規の小売業者を結びつけることで、供給者と消費者の双方にとって農業市場を向上させることができます。農家にとっては、公正な価格で透明性のあるモバイル市場へのアクセスが保証されます。業者は、高品質で新鮮な農産物を低価格で消費者に販売することができます。

テクノロジー

Twiga Foodsは、17,000人の農家と8,000人の業者のネットワークを通じて、1日に約3,000店の店舗に農産物を提供しています。当事者は、支払いにモバイルマネー「M-Pesa」を使って、モバイルアプリで商品交換を調整することができます。

創業者によると、Twigaネットワークを利用して市場に出荷された農産物は、ケニアにおける典型的なポストハーベストロスを30%から4%に削減しました。サプライチェーンの改善によって得られた利益を、より多様な食品に還元することで、経済や消費者にとってもプラスになると考えています。

2019年10月には、3,000万ドルを資金調達しました。ナイロビに配送センターを設置し、農産物とFMCG製品の両方を対象としたサプライチェーンサービスの提供への転換を進めています。また、ナイロビを拠点とする同社は、モンバサなど、ケニアのより多くの都市へ投資を行っています。

2019年以前には、主に農産物に焦点を当て、農家の生産物をより効率的に市場につなげることを目指していましたが、現在では、サプライチェーンの商品構成の多様化を迅速に進めています。

今後の計画

2020年8月に、ケニアでの事業拡大のため、今後18カ月以内に新たな資金調達を行う予定であると、CEOが語っています。

2020年9月には同国第3の都市であるKisumuへの進出を予定しており、その後さらに2つか3つのケニアの都市に進出する予定です。ゆくゆくは、アフリカ大陸全体に拡大する計画です。

コメント

ケニアでは、ここ数年でGDPが上がっただけでなく、貧困率も下がっています。2005年から2006年にかけて、ケニア人の46.8%が貧困ライン以下で生活していましたが、2015年から2016年にかけては、貧困線以下で暮らすケニア人は36.1%まで下がりました。

この貧困率の低下は、農村世帯の農業収入を補うための非農業収入の重要性が高まったことによるものです。Twiga Foods社の成功は、貧困率の低下にも貢献していると考えられます。

参考URL