【Raven】農業機器の自律運転を可能にする精密農業テクノロジー

Raven Industries社の基本情報

1956年に設立されたRaven Industriesは、農業、エネルギー、建設、軍事・航空宇宙産業など多岐にわたる産業に対して、様々な製品を提供するテクノロジー企業です。NASDAQに上場しており、従業員数は1000〜5000人と推定されます。本社はアメリカにあり、現在ではApplied Technology部門、Engineered Film部門、Aerostar部門の3部門に分かれて事業を行っています。

Raven社のApplied Technology部門は、その革新的な技術によって精密農業(precision agriculture)の創出と定義を行なってきました。Raven Applied Technologyの精密農業製品を導入することで、運用コストの削減、インプットの削減、収穫の改善が可能になります。

Raven社の自律型ソリューション「Raven Autonomy」

近年では熟練労働者の数が減ってきており、労働力のより効率的な利用が課題となってきています。その課題をRaven社は自律型ソリューションを実現するアプリケーションとマシン制御プラットフォームの開発によって解決します。

AutoCart:収穫機から穀物カートトラクターを操作できるソフトウェアシステム

Raven Applied Technologyの製品AutoCartは、収穫機の運転席から無人の穀物カートトラクターを監視・操作できる革新的なソフトウェアシステムです。2015年に設立されたSmart Ag社が開発した技術で、2019年にRaven社がSmart Ag社を買収しました。

Youtube: https://youtu.be/CgsqlnCwfFo

AutoCartのメリットには、以下の4点が挙げられます。

  • トラクターを自律操作し、収穫中の穀物カートの操作を自動化することが可能。
  • ドライバーが不在でも収穫物を下ろすことができ、収穫機の効率を最大で38%向上。
  • 収穫機の運転手が、穀物カートトラクターを完全に制御。
  • 労働力を再割当てすることで、短い収穫期間中のほとんどの仕事を完了できる。

AutoCartのソフトウェアシステムは、John Deere 8XXXR Seriesのホイール式トラクターで利用可能です。シリアルGPSが必要で、iPad、Android、またはWindowsタブレット端末でアプリを利用できます。

Dot:様々なタスクに利用可能な自律型プラットフォーム

Raven社は2020年3月に、DOT Technology Corp.の株式を完全に取得し、DOT社を買収しました。

この投資により、精密農業技術における市場シェアの拡大を目指しています。

Dotは様々なタスクを実行できる農業用の自律型プラットフォームです。オープン「U」の開発により、Dot-Readyとして設計された全ての機器と組み合わせることができ、ディーゼル駆動の「馬力の源」として利用できます。

Youtube: https://youtu.be/9vrGMhGfZUQ

利用者はコンピュータープログラムとGPS受信機を使用し、フィールドの境界を生成することでDotの自律運転経路を計画します。障害物が読み込まれるとソフトウェア上ですぐに更新され、経路計画はフィールドの状況に応じていつでも変更することができます。完全自律モードでもリモコンでも操作可能です。

シナジー効果による今後の発展に期待

Raven Applied Technologyは、Smart Ag社やDOT Technology社の買収によって農業における自律型ソリューション製品のシェア拡大を続けています。Raven社の技術と買収した技術とのシナジー効果によって、今後どのように農業市場に影響を与えていくのか注目です。

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