高タンパク質のコオロギの粉末でプロテインバーを製造するExoについて解説

事業概要:高タンパク質のコオロギの粉末でプロテインバーを製造

Exoは、コオロギから抽出したタンパク質を粉末化して、アスリート向けのプロテインバーを製造している昆虫食ブランドです。2014年に設立され、現在はニューヨークのブルックリンを拠点としています。2018年2月に同社は昆虫食企業であるAspire社に買収され、Aspire社のコオロギ食品ブランドとして事業を続けています

ビジネスモデル

Exoのプロテインバーは、コオロギから抽出したタンパク質の粉末と、生カカオ、デーツ、アーモンドバター、ココナッツなどの有機成分を組み合わせて作られています。タンパク質に加えてオメガ3脂肪酸や鉄が詰まっており栄養価が高く、糖分が少ないため非常に健康的なプロテインバーです。

Exoは、食品業界のシェフとコラボレーションしながら、様々な味のプロテインバーを開発しています。消費者は同社のプロテインバーをオンラインで直接購入でき、また小売業者には卸売販売を行なっています。

同社が拠点を置くアメリカでは、一般的に昆虫を食べることに抵抗のある消費者が多いものの、Exoはプロテインバーという形でコオロギ食を普及させることに成功しています。

テクノロジー:環境に優しく、栄養価の高いコオロギを自動スマート施設で育成

コオロギの繁殖は、使用する水量、食糧、土地が少なく済み、メタンガスをほとんど発生させないため、環境に優しく持続可能性が高いです。コオロギの粉末には、全ての必須アミノ酸と、ほうれん草の2倍以上もの鉄分、そしてタンパク質が豊富に含まれています。

Exoを買収したAspire社では、2017年に世界初の自動コオロギ農場を発表しており、最先端の技術を使ったスマート農業技術でのコオロギ育成に力を入れています。Aspire社独自のセンサー技術とIoT技術を導入し、昆虫の羽化から粉末に加工されるまでのリアルタイムデータを取得することで精度の高い昆虫育成に取り組んでいます。

Youtube動画(自動コオロギ農場):https://www.youtube.com/watch?v=HmxZwtOQnd0

工場の中でプロテインバーは作られています
それぞれのコンテナの中に大量のコウロギがいます
日本の野原で見られるコオロギより薄いいろに見えます
管理は自動化が進められています
餌の皿のようなものも見えます
収穫したコオロギをローストします
あとは普通の食材のように調理します

今後の計画

2018年2月にExo社は昆虫食企業であるAspire社に買収され、同社のコオロギ食品ブランドとして事業を継続しています。買収後は、Aspire社のコオロギタンパク質のみを使用しています。今後もシェフとコラボレーションしながら新しい味のプロテインバーを開発し、取り扱い小売店を拡大していく予定です。

またAspire社では自動コオロギ農場での製造工程を標準化し、コオロギが育成できるような低コストかつ信頼性の高い農場を構築することで、同スマート農業技術をさらに普及させていく予定です。

コメント

Global Market Insightsのレポートによると、昆虫タンパク質は米国内で小さいながらも成長を続けている市場であり、今後5年以内に市場規模は5000万ドルを超えると予想されています。環境問題とヘルスケアに注目が集まる中、環境に優しく栄養豊富なExoのプロテインバーはさらに普及していくことが予想されます。

参考URL