昆虫食バーガーやミートボールを製造し、ヨーロッパの昆虫食普及に取り組む昆虫食企業Essento社について解説

事業概要

Essento社は、ETHチューリッヒとSt.Gallen大学の若い3人の起業家によって2014年に設立された昆虫食の製造・販売を行う企業です。スイスを拠点としており、従業員数は10名程と推定されています。

Essento社は、昆虫食を代替タンパク質源とすることで、より地球環境に優しい方法で生産し、栄養価の高い食事をスイスのキッチンに届けることをミッションとしています。創業者の2人はアフリカ、アジア、南アメリカを旅した際に食用昆虫に出会い、その美味しさに驚いたことがきっかけで創業しました。また2013年にはFAO(国際連合食糧農業機関)が、昆虫食による生態学的な可能性と栄養価に関して発表した報告書より、ヨーロッパではまだ一般的とされていない昆虫食の可能性に目をつけ、スイスに昆虫食を普及させようと考えました。

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=JSYRATy7C9A

ビジネスモデル:ヨーロッパで受け入れられやすい味付けの昆虫食商品を開発

Essento社では、ミールワーム、コオロギ、バッタを使った昆虫食製品を開発し、販売しています。

2017年8月に最初の製品として、「Essentoバーガーアンドボール」を発売しました。また、2011年7月より、コオロギの粉が入ったフルーツバー「Essento インセクトバー」が発売されました。

ヨーロッパの消費者に受け入れられやすいようなハーブやパプリカといった風味を加え、ヨーロッパ地域の人々に手にとってもらえるような商品作りをしています。

スイスの70以上のショップ、50のレストランの他、ドイツのレストランとショップでも商品を提供しています。また、オンラインショップを通じても昆虫食製品の販売を行っています。

テクノロジー

Essento社は、世界初の有機昆虫農場を保有するEnsectable社とのパートナーシップを通じて、食用昆虫を身近な食品として提供しています。Ensectable社とEssento社は蜜に連携して、繁殖システムを見直し、効率的に生産できるスケーラブルなシステムに改善しました。

ヨーロッパ市場で確立されていない昆虫食分野への参入には、規制がないという大きな障壁があり、昆虫を食品として販売するための法的枠組み作りに力を入れました

ヨーロッパでは、有機昆虫農場の基準がまだつくられておらず、Bio Suisseによって認定された、高エネルギー効率、かつ有機グレードの資料材料のみを使用、動物の福祉が高い、という農場の基準に従っています。生産プロセスでは、農薬や抗生物質、ホルモン、医薬品などは使用されません。

今後の計画

Essento社は、西洋文化で一般的とされていない昆虫食を根付かせ、より持続可能で栄養が豊富な食生活を提供していくことをビジョンとして掲げています。

コメント

世界中で環境問題や健康への意識が高まる中、サステイナブルかつ栄養豊富な昆虫食は、今後ヨーロッパ地域でもさらに注目され、消費者が増えていくことが予想されます。

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