Silo:生鮮食品卸売業者のための統合型クラウドERP|累計3.15億ドル調達

Siloの会社基本情報

会社名 Silo
本社所在地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州サンフランシスコ
設立 2018年
CEO Ashton Braun(共同創業者)
累計資金調達額 約3億1,500万ドル
推定年間売上 約2,690万ドル
公式サイト https://usesilo.com/

事業概要

Silo 生鮮食品ERP
出典:Silo

Siloは、生鮮食品業界に特化したクラウドERPプラットフォームを提供するスタートアップです。青果物の仕入れ・販売・会計・決済・在庫管理・物流までを一つのシステムで統合管理できるソリューションを展開しています。

生鮮食品の流通は、品質の変動や短い賞味期限、複雑なサプライチェーンなどの特性を持ち、従来のERPシステムでは十分に対応できない領域でした。Siloはこうした業界固有の課題に最適化されたソフトウェアを開発し、生鮮食品ディストリビューター(卸売業者)や食品企業に導入が進んでいます。

課題と解決策

生鮮食品流通が抱える課題

生鮮食品業界では、以下のような課題が長年にわたって存在してきました。

  • 価格が日々変動し、紙やExcelベースの管理では迅速な意思決定が困難
  • 仕入れから販売、代金回収までの業務が分断され、情報の一元管理ができていない
  • 在庫の回転が速く、ロスの可視化やトレーサビリティが不十分
  • 中小規模のディストリビューターでは、高額なERPを導入する余裕がない

Siloのアプローチ

Siloは、生鮮食品に特化したクラウドERPによって、これらの課題を包括的に解決しています。仕入れ・販売の管理から会計処理、在庫追跡、さらには運賃管理まで、業務フロー全体をひとつのプラットフォームに集約します。

さらに、Siloは資金繰りの課題に対しても「Cash Advance」というサービスを提供しています。First Citizens Bankからの1億ドルの融資枠を活用し、ディストリビューターが売掛金を早期に現金化できる仕組みを構築しました。これにより、資金が滞りやすい生鮮食品業界のキャッシュフロー問題を改善しています。

ビジネスモデル

SiloのビジネスモデルはSaaS(Software as a Service)型のサブスクリプション収益を軸としています。クラウドERPの月額利用料に加え、Cash Advanceの金融サービス手数料、決済処理手数料などを収益源としています。

2025年10月には、農業労働力管理と圃場コスト追跡を手掛けるPet Tigerを買収し、サプライチェーンの川上領域にもサービスを拡大しました。また、Banneker Partnersからの戦略的出資を受けており、事業拡大に向けた資本基盤を強化しています。

累計3億1,500万ドルの資金調達のうち、1億3,200万ドルの大型ラウンドとFirst Citizens Bankからの1億ドルの融資枠が含まれており、SaaSとフィンテックを組み合わせたハイブリッドモデルの成長を支えています。

今後の計画

Siloは、Pet Tigerの買収によって獲得した農業労働力管理機能をERPプラットフォームに統合し、生鮮食品サプライチェーンの「農場から流通まで」をカバーするエンドツーエンドの管理基盤を構築することを目指しています。

また、Cash Advanceに代表される組み込み型金融サービスのさらなる拡充が見込まれます。生鮮食品業界は資金繰りの課題が大きく、ERPに金融機能を組み込むことで顧客の離脱率を低減し、長期的な関係構築を図る戦略です。

コメント

Siloは、農産物流通のデジタル化という大きなテーマにおいて、ERP×フィンテックという独自のポジションを確立しつつあるスタートアップです。

農産物の流通効率化に取り組む企業としては、米国のGrubMarketがマーケットプレイスと物流を統合したモデルで急成長しており、またインドではNinjacartが産直流通プラットフォームを展開しています。Siloはこれらと異なり、既存のディストリビューターの業務効率化に特化している点が特徴的です。

日本でも農産物の販路開拓は重要な課題となっており、SiloのようなERPアプローチは生鮮流通の近代化のモデルケースとして注目に値します。

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