菌類の繁殖を抑制するバイオコントロール製品を開発する、AmebaGone社について解説

事業概要

AmebaGone社は、菌類の繁殖を抑制するバイオコントロール製品を開発している企業です。2010年にアメリカを拠点に設立され、従業員数は10名程度と推定されています。

近年では、菌類の抗生物質耐性が増大しており、有効な抗菌製品の供給が減少してきているという課題があります。これは農業、医療、工業界といった幅広い業界で世界的に顕在化してきている問題です。

こういった課題に対して、AmebaGone社は、生きている良性の食細胞を利用した独自技術により、抗生物質では対処できないようなバイオフィルムに包まれた病原体と戦うことのできる抗菌製品を開発しています、

ビジネスモデル

AmebaGone社は、自然界に生息するアメーバを薬剤や殺菌剤として開発しており、それらの商品は農業、医療、工業などの分野で活用されています。

アメーバは、抗生物質に体制があるかどうかに関わらず細菌を餌として摂取し、死滅させます。繁殖した細菌は、抗生物質耐性のあるバイオフィルムを形成し、このバイオフィルムが医療、農業、食品の安全性にとって問題となってます。以下の動画では、ジクティステロイド細胞によって細菌のバイオフィルムが破壊されている様子を示しています。

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=pN5O_52zfdk

テクノロジー

AmebaGone社は、自然界に生息する貪食細胞であるジクティステロイド細胞(以下、ジクティ)と、その分泌物を利用することで、有害な細菌の破壊を可能にします。良性で病原性のないジクティは、世界中の土壌やその他の環境で6億年以上進化し続けてきた細胞で、人間の免疫系の食細胞の作用に似た方法でバクテリアと一部の真菌を食べます。食細胞は、宿主に侵入した最近を追いかけ、巻き込み、消化します。

ヒトの免疫細胞の限界は、細菌のバイオフィルムを消化できませんが、ジクティは積極的にバイオフィルムを食べ、消化するという強みがあります。

バイオフィルムは、自然または人口の表面に付着した細菌の集合体で病原性細菌の多くがバイオフィルムを形成することができます。従来の抗菌剤や消毒剤ではバイオフィルムに対してほとんど効果がなく、様々な業界に問題をもたらします。

今後の計画

AmebaGone社では現在、貯蔵中のジャガイモ塊茎の軟腐病を防ぐ製品の開発を行なっています。

将来的には、大腸菌、サルモネラ菌、リステリア菌からの食品加工機器や食品そのものの保護、

医療機器の滅菌(表皮ブドウ球菌からの保護)、糖尿病性潰瘍などの創傷の治療(緑膿菌、黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)などへの応用を見込んでいます。

コメント

抗生物質耐性のある病原性菌類や感染症の脅威といった、世界的に顕在化してきている課題に対して、AmebaGone社の画期的なアプローチは今後さらに注目が集まることが期待されます。

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