フェロモントラップをIoT化し、効率的な害虫対策を可能にする。Tarvos が提供するスマートトラップを紹介します。

農場で害虫がどれくらい発生しているか知る方法のひとつに、フェロモントラップがあります。特定の昆虫に有効な性フェロモンをトラップに仕掛け、おびき寄せられた個体数を調べることで、害虫の発生状況を推測するのです。しかし、この手法はトラップにかかった個体数をカウントする手間がかかります。

そこでTarvos は、フェロモントラップをIoT化しました。捕獲個体数を自動でカウントし、カウント数をパソコンやスマートフォンで閲覧できるようにします。この「スマートトラップ」によって、害虫モニタリングの労力が大幅に減り、最小限の農薬で効果的な害虫防除が可能になるでしょう。

Tarvos 基本情報

住所:R. dos Contabilistas, 321 – Taquaral, Campinas – Sao Paulo, 13076-430.

CEO:Andrei Grespan

設立:2018年

従業員数:11〜50人

病害虫を早期発見する「スマートトラップ」を開発

捕獲した害虫の数をモニタリング

Tarvos は、捕獲した害虫の個体数を自動でカウントしてくれる「スマートトラップ」を開発・提供しているブラジルの企業です。

フェロモン剤によって害虫をトラップへおびき寄せ、粘着力のあるシートで捕獲します。通常のトラップは害虫を捕獲するだけですが、スマートトラップは捕獲室の中にカメラが設置されており、捕獲した個体数を毎日カウントします。捕獲数は日々記録され、顕著に個体数が増加していないか監視します。

アラート機能で害虫の増加を知らせる

捕獲した個体数が顕著に増加している場合、圃場の中で害虫が増殖している可能性があります。そこで、捕獲個体数の増加を検知すると、スマートトラップから圃場管理者へアラートメッセージが送られます。アラートの発信元となったトラップの周辺で重点的に農薬を散布することで、効率的に殺虫できます。

スマートトラップを導入するベネフィット

少ない労力で頻繁なチェック

フェロモン剤を使って害虫を誘引するトラップは従来からありましたが、人がトラップの中を確認して害虫の発生状況を調査する方法が一般的です。このため、設置したトラップを確認して回る労力が必要になり、毎日トラップを確認することは非常に困難です。

スマートトラップは毎日の捕獲状況を記録してくれるため、確認する労力が省けるだけでなく、より高頻度でトラップの状況を確認できます。

害虫に素早く効率的に対応

広大な圃場を管理する場合、圃場内のどこで害虫が発生しているのか把握するのは困難です。しかし、圃場全体へ均一に殺虫剤を撒くのはコストがかかります。

そこでスマートトラップを設置することにより、害虫が増加している場所を絞り込むことが可能になります。広い圃場の複数箇所にスマートトラップを設置しておき、害虫の増加を検知したトラップの周辺のみ重点的に農薬を散布すれば、最小限の農薬で効率的に殺虫できるでしょう。

スマートトラップ導入の手順

①フェロモントラップを用意する

スマートトラップはフェロモン剤を用いて害虫を誘引するため、モニタリングしたい昆虫の種類を決めて、その種類に有効なフェロモントラップを調達します。

農業被害の大きい昆虫に対しては、有効なフェロモントラップが市販されていることがあります。捕獲用の粘着シートにフェロモン剤が塗布された状態で売られている製品を用いれば、簡単に設置できるでしょう。

②圃場にスマートトラップを設置する

圃場にスマートトラップを設置し、フェロモントラップを取り付けます。捕獲した個体数をカウントするためのカメラがついているため、作物や資材がカメラを遮らないように注意が必要です。

スマートトラップの設置間隔は、5haにつき一台が目安です。

③アプリケーションと連携させる

スマートトラップが取得したデータは、オンラインプラットフォームおよび登録した携帯電話へ送られます。スマートトラップからの情報を受信できるか確認して、運用開始しましょう。

まとめ

フェロモントラップは害虫の発生状況をモニタリングする有効な手法ですが、トラップにかかった個体数をカウントする手間がかかり、広大な農場では管理しにくいのが難点です。Tarvos が提供するスマートトラップを導入すれば、搭載されたカメラが自動で捕獲個体数をカウントし、害虫の増加をアラートで知らせてくれます。これにより、より少ない労力と農薬で、より効率的な害虫対策が可能になるでしょう。

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