「有機農業をやってみたいけど、どこから始めればいいか全然わからない」——新規就農者からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。研修先の選び方・農法の種類・補助金まで、一通りカバーしています。
有機農業ってそもそも難しいの?
有機農業って難しいですよね?農薬が使えないってだけで、もう怖くて…
怖い気持ちはわかる。でも「難しい」というより「慣行農業と考え方が根本的に違う」という感じかな。農薬や化学肥料に頼らない分、土と作物の状態をちゃんと読む力が必要になる。
最初から収量が取れないと生活が成り立たないので、そこが一番心配で…
正直に言うと、転換直後の1〜2年は収量が下がることが多い。だから最初は全面転換せず、一部の圃場でスタートするのが現実的。農水省の補助制度で転換期間中の収量減少を補填してくれる仕組みもあるよ。
どこで研修すればいい?
研修はどこに行くのがいいですか?農業大学校でも有機農業を教えてもらえますか?
農業大学校によっては有機農業コースや実習があるところも増えてきた。あと、農水省の「有機農業新規参入促進事業」に登録されている研修先に行くのがおすすめ。研修費の補助も受けられる。
どうやって研修先を探せばいいですか?
「有機農業をはじめよう!(yuki-hajimeru.net)」というサイトに研修受け入れ農家の一覧が載っている。作目別・地域別で探せる。日本有機農業研究会(JOAA)も入門講座を開いていて、ネットワーク作りにも使えるよ。
週末だけで学べる場所もありますか?今はまだ会社員で…
「スモールファーマーズカレッジ」が社会人向けの週末農学校を開いている。座学と実習を組み合わせていて、就農前に有機農業の基礎を体系的に学べるから評判がいいよ。
大手の有機農家ってどんなところがある?
大規模に有機農業をやっている農家や法人って、日本にありますか?
あるよ。有名なところだと舞台ファーム(宮城県)はグループ連結で年商40億近い規模で、有機農業を軸に全国展開している。研修受け入れもしていて、経営感覚まで学べる点が特徴。
大規模な有機農家で研修するメリットって何ですか?
圃場管理の仕組みや販路の作り方まで見られること。小規模農家だと技術は学べても、ビジネスとして成立させている現場が見にくい。大手だと人員配置・記録管理・販売チャネルまで体系的に学べるのが強みだね。
有機農業にはどんな農法がある?BLOFだけじゃないの?
有機農業の農法っていろいろあるって聞きました。BLOFのほかにどんな方法がありますか?
大きく分けると4〜5つの流派がある。まずBLOF理論(BioLOgical Farming)。土壌分析データをもとにアミノ酸・ミネラル・土壌団粒を科学的に管理する方法で、収量の再現性が高いのが特徴。大規模農業との相性がいい。
ほかにはどんな方法がありますか?
次に自然農法・木村式。肥料も農薬も一切使わず、自然の生態系に任せる考え方。実践難易度は高いけれど、哲学的に共感する人が多い。木村秋則さんが広めた農法で、北海道に農学校もある。
EM農法というのも聞いたことがあります。あれは有機農業ですか?
EM農法(有用微生物群を使う農法)も有機JASと組み合わせて使っている農家はいる。ただし「EMぼかし肥料」をどう使うかは農家によって違うし、科学的な評価はまだ議論が続いている。
不耕起栽培という言葉も聞きます。これも有機農業の一種ですか?
不耕起栽培は土を耕さずに作物を育てる方法。土壌構造を壊さないことで微生物が活発になり、炭素を土中に固定できるという利点がある。有機農業と組み合わせやすく、海外ではリジェネラティブ農業(再生農業)として注目されている方法だよ。
どれを選べばいいか迷いますね…自分に向いている方法はどうやって判断すればいいですか?
栽培する作物・規模・自分の考え方によって変わる。大規模で安定収量を狙うならBLOF、小規模で哲学を重視するなら自然農法という選択をする人が多い。まず研修先でいくつかの農法に触れてみて、現場の感覚で判断するのが一番確実だよ。
補助金や支援ってありますか?
有機農業に転換するための補助金って、具体的にはどんなものがありますか?
主なものだと、有機農業新規参入促進事業(研修費最大3万円+有機JAS圃場審査費最大9万円を補助)と、有機転換推進事業(転換期間中の収量減少分の補填・有機JAS認証費用支援)がある。
有機JAS認証って、取らないといけないですか?
「有機」と表示して販売するには法律上必須。ただし認証を取らずに有機農業の技術で作って、直売や地場の信頼関係で売ることは可能。ビジネスとして本格的にやるならJAS認証を取得した方が単価も販路も広がるから、早めに動くのがおすすめ。
何年もかかるイメージがあって腰が重かったんですが、補助も使えるなら前向きに考えられそうです!
まずは農水省の「有機農業をはじめよう!」サイトを見て、近くの研修先を探してみて。短期の見学受け入れをしている農家もたくさんいるから、まず現場に触れるのが一番早い。