Pepper:独立系食品卸売業者のデジタル化を加速するB2B eコマースプラットフォーム

会社基本情報

  • 会社名:Pepper
  • 所在地:米国
  • 設立:2021年頃
  • 代表者:Bowie Cheung(共同創業者兼CEO、元Uber Eats)
  • 累計調達額:約9,300万ドル(Series Cまで)
  • 公式サイトhttps://www.pepper.com/

PepperのCEO Bowie Cheung氏はUber Eats出身で、フードデリバリー・プラットフォームの構築経験を活かして、食品流通業界のデジタル化に取り組んでいます。

事業概要

Pepperは、独立系食品ディストリビューター向けのB2B eコマース・プラットフォームを提供しています。レストラン、コンビニエンスストア、その他の食品事業者と食品卸売業者をつなぐデジタルプラットフォームで、注文管理、顧客関係管理(CRM)、コンテンツ管理、分析などの機能を統合的に提供します。

同社のプラットフォームは、従来のFAX・電話・メールベースの受発注プロセスをデジタル化し、食品流通の効率化を実現します。特に、生鮮食品(青果物)を扱う独立系ディストリビューターの業務効率化に注力しています。

どういう課題をどう解決しているか

食品流通が抱える課題

米国の食品流通業界は、数兆ドル規模の巨大市場でありながら、デジタル化が著しく遅れています。多くの独立系食品卸売業者は依然としてFAX、電話、メールで受注を行い、手作業でのデータ入力や在庫管理に多大な時間を費やしています。大手企業はSyscoやUS Foodsなどが自社システムを構築していますが、独立系の中小卸売業者にはそうしたテクノロジーが行き届いていません。

Pepperのアプローチ

Pepperは独立系食品ディストリビューターに特化したeコマースプラットフォームを提供し、営業チームと顧客の両方の業務を簡素化・自動化します。AIを活用した注文予測、CRMツール、コンテンツ管理、分析プラットフォームなどを統合的に提供します。

2025年夏には垂直型流通ソフトウェアのKimelo社を買収し、フードサービス業界向けの機能をさらに強化しました。現在200社以上の食品ディストリビューターが利用しています。

ビジネスモデル

PepperはSaaSモデルで食品ディストリビューター向けにプラットフォームを提供しています。

資金調達の経緯は以下の通りです。

  • 2024年5月:Series B 3,000万ドル(ICONIQ Growth主導、Index Ventures、Greylock、Imaginary、Harmony Partners参加)
  • 2026年2月:Series C 5,000万ドル
  • 累計調達額:約9,300万ドル

ICONIQ Growth、Index Ventures、Greylockといったトップティアのベンチャーキャピタルが投資していることは、同社の成長性に対する投資家の確信を示しています。

今後の計画

Series Cの資金を活用し、以下の展開を計画しています。

  • eコマース機能の拡充
  • CRMツールとAI機能の強化
  • コンテンツ管理・分析プラットフォームの開発
  • Kimelo買収を活かしたフードサービス業界向けソリューションの拡大

コメント

食品流通のデジタル化は、農業テクノロジーの中でもサプライチェーン側のインフラを担う重要な領域です。Pepperが対象とする独立系食品ディストリビューターは、市場全体のかなりの割合を占めながらもテクノロジー導入が遅れている「ラストマイル」の存在です。

CEO がUber Eats出身という点は、プラットフォームビジネスの構築・スケールに関する実践的な知見を持っていることを意味します。ICONIQ Growth、Index Ventures、Greylockという超一流VCが揃って投資している点は、食品流通SaaSの市場ポテンシャルに対する強い確信の表れでしょう。

生鮮食品流通のデジタル化は、農家と消費者をつなぐサプライチェーン全体の効率化に直結するため、農業関係者にとっても注目すべき動向です。

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