除草をはじめとするさまざまな農作業を行うAI搭載自律型ロボットを開発するFarmWise社について解説

事業概要

FarmWise社は、AIを搭載した自律型ロボットにより、除草をはじめとするさまざまな農作業を行うことで農家の喫緊の課題を解決する農業テクノロジー企業です。FarmWise社は2016年に設立され、MIT、スタンフォード大学、コロンビア大学の農業と人工知能の専門家で構成されるチームによって支えられています。社員数は51〜100人と推定されます。

同社は、世界中の農家が、有機農産物の需要の高まりに応え、より持続可能な農業を奨励する新しい規制による制約に対応できるよう、より効率的なプロセスを提供します。

同社不足している労働力のギャップを埋めることをミッションとしています。またロボットの使用は農家の収益に貢献するだけではなく、肥料や化学薬品の使用量を減らすことができるので、環境にも優しくより持続可能な食物連鎖を作ることができます。

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=zYurqd7yUYs

ビジネスモデル

FarmWise社は、ロボットを農家に直接販売するのではなく、ロボットを使ったサービスを農家に販売し、1エーカーあたり約200ドルの検査・除草費用を農家に請求しています。

同社の顧客にはすでにカリフォルニア州サリナスの大規模農家の半数が含まれており、これらの農家はドールなどの大手消費者向け野菜会社の農場です。

テクノロジー

FarmWise社の除草ロボットの開発は、機械学習、ロボット工学、機械工学などの複数の専門分野が組み合わされています。

このロボットは畑の雑草をきれいに取ることができ、化学農薬の必要性を減らしたり、なくしたりすることができます。同社はこれまでに1,000万本以上の植物から雑草を効率的に除去しました。

ロボットが畑を通過する際には、各作物の中心点を探すことで高精度な除草ができます。これは何百万枚もの画像から得られる独自の植物検出モデルによって可能になりました。1台のFarmWiseロボットで、人口約40万人の中規模都市に供給する作物の除草を行うことができます。

2021年2月に、同社は植物認識アルゴリズムと多目的自律走行プラットフォームを活用して、除草以外にも殺菌剤や殺虫剤を連作作物に塗布するサービスを展開する予定であると発表しました。

今後の計画

FarmWise社は2019年9月17日に、14.5百万ドルを資金調達しています。この資金調達により、ロボットエンジニアリングチームとオペレーションチームを強化するとともに、プラントレベルの検知・作動機能に関する研究開発を強化しています。

今後同社のロボットは、作物の専門医として個々の健康状態を監視し、作物の個別のニーズに応じて適切な介入が調整できるようになっていく予定です。

コメント

Transparency Market Research社によると、農業ロボットの世界市場は、2016年の10億1,000万ドルから2024年には57億ドルに成長し、年平均成長率(CAGR)は24.1%になると予測しています。リサーチ・アンド・マーケッツは、2018年の41億ドルから2024年には101億ドルまで、年平均成長率16%で成長すると予測しています。

農業ロボット市場の成長と共に、FarmWise社への注目もさらに集まることが期待されます。

参考URL