日本の農地売買価格と賃借料|中田106万円/10aで29年連続下落、賃借料7,500円
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出典: smartagri.jp「日本の農地売買価格と賃借料」
https://smartagri.jp/stats/jp-farmland-price-and-rent/この記事の結論(コピペ用1行)
日本の農地売買価格は純農業地域で 中田106.8万円/10a(29年連続下落)、中畑79.2万円/10a(31年連続下落)。都市的農業地域は中田284.9万円/10aと約2.7倍。賃借料は田7,500円/畑4,800円(年額10a)程度で、集約化コストの低水準が集積加速の背景。
一次ソース: 全国農業会議所「田畑売買価格等に関する調査」
キー数値(2023年・令和5年調査)
| 指標 | 数値 | 前年比 / 備考 |
|---|---|---|
| 中田(純農業地域) | 106.8万円/10a | −1.0%(29年連続下落) |
| 中畑(純農業地域) | 79.2万円/10a | −0.9%(31年連続下落) |
| 中田(都市的農業地域) | 284.9万円/10a | 純農業地域の約2.7倍 |
| 中畑(都市的農業地域) | 273.2万円/10a | 純農業地域の約3.5倍 |
| 田の賃借料(年額) | 約7,500円/10a | 全国平均・推計 |
| 畑の賃借料(年額) | 約4,800円/10a | 全国平均・推計 |
| 中田価格のピーク(1992年) | 約208万円/10a | 現在は当時の半値水準 |
| 10ha稲作の農地購入費用試算 | 約1.07億円 | 中田純農業地域 |
| 10ha稲作の年間賃借料 | 約75万円 | 借入でスタート可能 |
出典: 全国農業会議所「令和5年 田畑売買価格等に関する調査結果」
農地売買価格の長期推移

田・畑ともに1992年のピークから長期下落トレンド。2023年は中田106.8万円/10aで、ピークの約半値水準に。(CC BY 4.0)
| 年 | 中田(万円/10a) | 中畑(万円/10a) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1990年 | 205 | 140 | バブル末期 |
| 1992年 | 208 | 146 | ピーク |
| 2000年 | 185 | 125 | 下落始まる |
| 2010年 | 138 | 98 | 離農加速 |
| 2015年 | 125 | 90 | |
| 2020年 | 114 | 84 | |
| 2022年 | 108 | 80 | |
| 2023年 | 106.8 | 79.2 | 29年連続下落(田) |
下落の構造要因
– 担い手減少(001_日本の農業従事者数)で買い手が限定的
– 米価の長期低落 で稲作経営の投資回収難化
– 人口減少地域 の農地は買い手がつかないケースも
– ただし集積加速 で優良農地は値崩れせず
地域類型別の農地価格(2023年)

都市的農業地域は純農業地域の2〜3倍の価格。転用可能性(宅地化・商業用地)が価格プレミアムの根源。(CC BY 4.0)
| 地域類型 | 中田(万円/10a) | 中畑(万円/10a) |
|---|---|---|
| 都市的農業地域 | 284.9 | 273.2 |
| 平地農業地域 | 約150 | 約110 |
| 純農業地域 | 106.8 | 79.2 |
| 中間農業地域 | 約90 | 約65 |
| 山間農業地域 | 約55 | 約40 |
読み解き
– 都市近郊は純農業地域の2〜3倍 — 転用期待と供給制約
– 中山間地域は半値〜1/3 — 規模拡大の対象として農地集積機構が活用
– 同じ農地でも地域によって評価額に数倍の差 — 不動産としての流動性に大差
田・畑の賃借料の推移

田の賃借料は10a年額7,500円、畑は4,800円前後で横ばい。売買より賃借が主流化、農地バンク活用で借入耕地が急増。(CC BY 4.0)
| 年 | 田(円/10a/年) | 畑(円/10a/年) |
|---|---|---|
| 2015年 | 8,200 | 5,100 |
| 2018年 | 8,000 | 5,000 |
| 2020年 | 7,800 | 4,900 |
| 2022年 | 7,600 | 4,850 |
| 2023年 | 約7,500 | 約4,800 |
読み解き
– 賃借料は緩やかに下落しているが、売買価格ほどの急下落ではない
– 003_1経営体あたり耕地面積 で示した通り、借入耕地比率は36%→46%へ急上昇
– 農地中間管理機構(農地バンク)経由が主流化
– 10ha借入での年間コスト 田 約75万円 → 大規模化が現実的
都道府県別の中田価格 TOP10 / BOTTOM10

都市近接県(埼玉・神奈川・愛知等)が高く、北海道・東北・山陰は低価格。立地と土地利用のポテンシャルが価格を左右。(CC BY 4.0)
中田価格 高値TOP10(都府県、万円/10a)
| 順位 | 都道府県 | 中田価格 |
|---|---|---|
| 1 | 愛知 | 約360 |
| 2 | 埼玉 | 約320 |
| 3 | 神奈川 | 約310 |
| 4 | 千葉 | 約260 |
| 5 | 兵庫 | 約220 |
| 6 | 大阪 | 約200 |
| 7 | 京都 | 約195 |
| 8 | 福岡 | 約185 |
| 9 | 静岡 | 約170 |
| 10 | 茨城 | 約160 |
中田価格 安値BOTTOM10(都道府県、万円/10a)
| 順位 | 都道府県 | 中田価格 |
|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 約40 |
| 2 | 島根 | 約55 |
| 3 | 岩手 | 約58 |
| 4 | 高知 | 約60 |
| 5 | 青森 | 約63 |
| 6 | 秋田 | 約65 |
| 7 | 鳥取 | 約68 |
| 8 | 宮城 | 約72 |
| 9 | 福島 | 約75 |
| 10 | 新潟 | 約78 |
※ 上記は純農業地域中心の参考値。都道府県内でも地域により大きな差がある。
読み解き
– 北海道は約40万円/10a だが、1農家あたり34.5ha(003_1経営体あたり耕地面積)と規模が桁違い
– 愛知・埼玉など都市近郊は 土地利用ポテンシャル(転用の可能性) が価格に上乗せ
– 就農希望者にとって、北海道・東北は初期投資を抑えて大規模経営を始められる 魅力ある選択肢
農地価格の収益還元利回り

農地を10ha中田(純農業地域、約1億円)として投資する場合の実質利回り。稲作では2〜3%と低いが、施設園芸・畜産では8〜15%の高利回りも。(CC BY 4.0)
| 経営類型 | 10aあたり年間所得 | 10ha農地価値 | 実質利回り |
|---|---|---|---|
| 水田作(主業) | 約2万円 | 1億円 | 2.0% |
| 水田作(20ha以上) | 約4万円 | 1億円 | 4.0% |
| 畑作 | 約3万円 | 0.8億円 | 3.8% |
| 露地野菜 | 約8万円 | 0.8億円 | 10.0% |
| 施設野菜 | 約25万円 | 0.8億円 + 施設 | 8〜15% |
| 酪農 | 約35万円 | 1億円 + 施設 | 10〜15% |
※ 農地価格のみで計算。実際には施設・機械・運転資金が別途必要。
読み解き
– 水田作の利回り2%は非常に低い — 土地投資としては不利
– 施設野菜・酪農は 二桁利回り の可能性 — ただし施設・機械投資が必須
– 農地を “資産” ではなく “事業の土地” として見る視点が重要
– 007_農業所得と農家経営 と組み合わせて経営設計を考えるべき
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- 都道府県ランキング: slide / article / SVG
- 収益還元利回り: slide / article / SVG
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バージョンA(3行)
中田価格は106.8万円/10a(純農業地域)で29年連続下落
都市近郊は純農業地域の約2.7倍、北海道は約1/2.7
賃借料は田7,500円・畑4,800円(10a年額)で集約化を後押し
バージョンB(5行)
日本の農地売買価格は令和5年時点で、純農業地域の中田が106.8万円/10a、中畑が79.2万円/10a
(全国農業会議所「田畑売買価格等に関する調査」)。中田は29年、中畑は31年連続下落。
都市的農業地域は中田284.9万円/10aと純農業地域の約2.7倍、転用期待で高値。
田の賃借料は10a年額7,500円、畑は4,800円前後で、売買より賃借がスタンダードに。
10ha規模の稲作でも年間賃借料は約75万円で、新規就農・規模拡大のコストは下がっている。
バージョンC(1文)
日本の農地価格は中田106.8万円/10a(29年連続下落)、賃借料は田7,500円で、
新規参入・規模拡大のコストは低水準にある(全国農業会議所)。
関連指標・内部リンク
- 003_1経営体あたり耕地面積 — 借入耕地比率46%(+89%)が価格・賃借料と直結
- 004_耕作放棄地と耕地面積の減少 — 担い手不足による農地の買い手減少
- 005_新規就農者数 — 農地確保コストは新規就農の主要ハードル
- 007_農業所得と農家経営 — 農地投資の収益還元見通し
出典
一次ソース
- 全国農業会議所「田畑売買価格等に関する調査結果」
https://www.nca.or.jp/publication/statistics/ - 令和5年(2023年)田畑売買価格等に関する調査結果要旨
https://www.nca.or.jp/upload/denpata_r5_youshi.pdf - 農林水産省「農地・農村関係資料」
- 農地中間管理機構の賃借料実績
補足
- 国土交通省「地価公示」「都道府県地価調査」
- 全国農業新聞(JAcom)の関連記事
- 各都道府県農業会議の調査
ライセンスと引用方法
推奨クレジット表記
出典: smartagri.jp「日本の農地の売買価格と賃借料」
https://smartagri.jp/stats/jp-farmland-price-and-rent/
(原データ: 全国農業会議所「田畑売買価格等に関する調査」)
更新履歴
- 2026-04-22 v1: 初版。全国農業会議所 令和5年調査(中田106.8万円/10a・29年連続下落)ベース。5チャート(長期推移/地域類型/賃借料/都道府県ランキング/利回り)を配布開始