ブラジルで土壌・環境モニタリングソリューションを開発するSensaioTech社について解説

事業概要

SensaioTech社は、土壌・環境モニタリングソリューションを開発する農業テクノロジー企業です。

AgTechとIndustrial IoTに特化しており、2017年にブラジルを拠点に設立されました。社員数は10人程度と推定されます。

ブラジル国内では、農業で使われる水の60%がで無駄になっており、また農業生産の7.7%が害虫のために失われていること、10%の食料が収穫の際に失われていることが課題となっています。

SensaioTech社社はそういった課題に対し、土壌と環境のモニタリングとビッグデータを活用することで、生産量の増加と損失の削減を目指しています。

同社は、センサーから得たデータを処理し、農家がどのアクションを取るべきかを示す最終レポートに至るまで、一貫した土壌・環境モニタリングソリューションを開発しています。農家の生産性を高め、生産コストを削減することを主な目的としています。

工業用グレードのセンサー、長距離無線接続技術、および最先端のデータ分析技術を組み合わせることで、農場の状態をデータとして取り込み、分析して農家が理解できる言葉に変換します。

ビジネスモデル

SensaioTech社では、土壌の状態をリアルタイムでレポートするSmartFarmのサービスを開発しています。2019年の段階では、Ambev社やOracle社などの大規模なアクセラレーションプログラムに参加しており、Sorocaba(SP)のインキュベーターで運営されています。

テクノロジー

SensaioTech社のモニタリングソリューションは、「モノのインターネット」「ビッグデータ」「リアルタイム分析」などのコンセプトが基礎となっています。複雑なアルゴリズムと精密なセンサーにより、土壌や栽培に必要なものを測定、分析、理解、提案し、農作物の栽培に経済性、精密性、生産性をもたらすことを使命としています。

現場に張り巡らされたセンサーは、土壌、植物、環境変数を測定し、土壌と環境の状態を正確に測定します。また、高度な予測アルゴリズムにより、農場、灌漑、作物の状態をリアルタイムで自律的に送信することができるため、データはシステム内ですぐに分析され、予測や提案を農家の手のひらの上でリアルタイムに表示します。それにより意思決定を容易にし、生産性を向上させます。

農家が資源や設備を効率的に利用して、作物の育成に最適なアクションを起こすことで。結果として、水、エネルギー、農薬、燃料の経済性向上と、合理的で持続可能な消費が可能になります。

今後の計画

SensaioTech社では、現在、農場に散在するセンサーと衛星情報、気象情報を通じて、周囲の温度、湿度、土壌温度、土壌水分、照明、火災、害虫の防除・監視など、環境の14以上の要素をリアルタイムに監視することができるSMARTFARMソリューションを開発しています。これにより、さらなる生産性の向上、収穫量の増加、投入資材の節約、持続可能な栽培が期待されています。

また、SMARTFARMとは別に、森林や農場の自然火災リスクを防ぐための監視システムの開発も進めています

今後はビジネスを成長させ、大規模生産者とのパートナーシップを緊密にする計画です。

コメント

様々な要因が生産量に影響すると同時に、気候変動や害虫による減産リスクがある農業において、リアルタイムでデータ収集と分析を行い、農家がとるべき行動を教えてくれるSensaioTech社のプラットフォームは今後さらに注目が集まると期待されます。

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