独自のバイオセンシング技術で農産物の成熟度を予測することにより、青果物のサプライチェーンを最適化するStrella biotech社について解説

ポストハーベスト
目次

事業概要

Strella biotech社は、独自のバイオセンシング技術で農産物の成熟度を予測することにより、青果物のサプライチェーンを最適化し、収益性を高めるためのデータを提供する農業テクノロジー企業です。2018年にアメリカのペンシルベニア大学の学生によって設立され、社員数は10名程度と推定されます。

世界中で、農産物の1/3以上が消費者に届かず、莫大な損失とコストが発生しているという問題があります。これは1兆ドルの損失に値します。さらに、消費者が手にする農産物の多くは、消費者が望む品質や熟度のものではないという課題もあります。

このような問題に対し、Strella biotech社では、バイオセンシング技術で農産物の成熟度を予測し、食品廃棄物を減らすためにサプライチェーンを最適化しています。

Youtube動画：https://www.youtube.com/watch?v=y5y5iyXCX80

ビジネスモデル

Strella biotech社は、IoTバイオセンサーと実用的な洞察を組み合わせることで、鮮度を管理し、果物の腐敗を減らす技術プラットフォームを開発しました。

このテクノロジーを利用することで、保管中のフルーツの成熟を予測し、小売業者への出荷をスケジュールすることで食品廃棄物を減らすことができます。現在までに、サプライチェーンの梱包分野において、約1億5000万個の果物を監視しています。

テクノロジー

Strella biotech社は、特許取得済みの成熟度センサーを使用し、サプライチェーンを最適化するためのデータを提供します。Strella biotech社では、青果物が熟し始めようとしているときに発する信号であるエチレンに焦点を当てており、リンゴ、ナシ、バナナ、キウイ、アボカド、トマト、タマネギなど、エチレンを生成し、かつ一般的に消費されている青果物を対象としています。

果物が変形したり、甘くなりすぎたり、変色したりする前に、エチレン信号を読み取り、青果物が腐る前に出荷し、消費者のもとへ届けることができます。

今後の計画

2020年5月に、Strella biotech社は330万ドルのシード資金を調達しました。この資金をもとに、小売流通市場へ製品を拡大すると共に、パレット上での検知技術を改良し、輸送中のデータストリーミングを可能にする予定です。流通業者によってより良い製品選択と、食料品店への輸送時の製品品質確保のため、開発を続けます。

コメント

世界中で農産物の1/3以上が消費者に届かず、1兆ドルもの損失に値する食品廃棄物の問題に対し、独自のセンシング技術とIoTによって解決策を提供するStrella biotech社には、今後さらに注目が集まると期待されます。

参考URL