雑草にのみ除草剤を噴射し農家のコスト削減に貢献する、Blue River Technology社のSee & Sprayマシンについて解説

事業概要

Blue River Technology社は、コンピュータービジョンとロボット工学を利用した農業用マシンを開発する企業で、2011年にアメリカのカリフォルニアを拠点に設立されました。社員数は51〜100人と推定されています。2017年に、農業・建設用機械を製造するアメリカのJohn Deere社に買収されました。

Blue River Technology社は、See & Sprayマシンによってフィールド内の植物を正確に検出し、除草剤を雑草にのみ適用します。この技術によって農家による化学物質の利用を大幅に削減し、経済性を向上させます。その他の除草ロボットの紹介はこちら

化学物質の依存により除草剤耐性のある雑草が増加していることから、世界的に雑草除去の課題に対する新しい方法が必要とされています。Blue River Technology社の技術は、これらの有効性の課題に対する新しいソリューションとして、より効率的かつ経済的な雑草除去を可能にします。

Youtube動画:https://youtu.be/XH-EFtTa6IU

ビジネスモデル

Blue River Technology社のSee & Sprayマシンは、現在フィールドテスト段階にあり、将来的に商品化を目指しています。コンピュータービジョンや機械学習、ロボット工学を適用した製品を商品化するのには、今後数年かかると予想されます。

また、新しいコンピュータービジョンセンサーとアルゴリズム、最先端の機械学習技術にも取り組んでいます。

テクノロジー:画像認識アルゴリズムで個々の作物を検知

Blue River Technology社のSee & Sprayマシンは、画像認識アルゴリズムによって個々の作物を検出し、必要な場所にのみ除草剤を的確に噴射します。この方法を利用することで、散布する除草剤の量を90%削減しながら、大量散布には適さない他の除草剤を利用し効果的に除草することができます。

See & Sprayマシンは、コンピュータービジョンと機械学習を利用して作物と他の雑草の微妙な違いも区別できるインテリジェントモデルを搭載しています。間隔や色に依存せず雑草を識別し、人間の目では難しい植物の違いを認識する能力を備えています。

たくさんの噴霧口を備えています
左の雑草にだけ除草剤がかかっています

当マシンは、幅が約40フィートで、12列の作物を一度にカバーします。時速約7マイルで進むトラクターに牽引され、30台のカメラから50ミリ秒ごとに植物の写真を撮り、搭載している25 Jetson AGXXavierスーパーコンピューティングモジュールを介して画像を処理します。

また、優れた精度で除草剤を雑草にのみ的確に噴射し、作物や雑草の無い場所への化学薬品の散布を回避します。さらに、See & Sprayマシンは何万もの植物に関するデータを絶えず収集しており、常に生産者へ提供されるサービスを改善しています。

今後の計画

Blue River Technology社のSee & Sprayマシンは、現在フィールドテスト段階にあります。今後、設計の改善とテストを行い、顧客からのフィードバックを収集して商品化を目指します。

また、新しいコンピュータービジョンセンサーとアルゴリズム、最先端の機械学習技術にも取り組んでいます。

コメント

農家が除草剤に費やすコストは非常に大きく、また除草剤耐性のある雑草が増加しているため、同様の方法で除草を続けると今後農家はさらに経済的に厳しい状況に陥ることが予想されます。このような除草の課題に対し、Blue River Technology社は新しい除草方法としてSee & Sprayマシンを開発しています。同社の最先端技術が普及することは、農家が抱える課題の画期的な解決につながり、さらに注目されることが期待されます。

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