農業の外国人材6.8万人、特定技能が技能実習を逆転【都道府県別】茨城5,604人・北海道3,880人

農業分野で働く技能実習生と特定技能外国人は、令和7年12月末時点で合計67,905人でした。内訳は特定技能が39,234人、技能実習が28,671人です。特定技能が技能実習を初めて上回り、全体の57.8%を占めました。

農林水産省が令和8年7月にまとめた資料から、推移と都道府県別の特定技能1号在留者数を整理します。数値はすべて出入国在留管理庁の令和7年12月末現在の公表値です。

農業分野の外国人材は4年で2.2倍、特定技能は6.3倍

令和3年12月末の合計は30,754人でした。令和7年12月末は67,905人で、4年間で2.2倍になっています。

伸びを支えたのは特定技能です。令和3年12月末に6,232人だった特定技能は、令和7年12月末に39,234人へ増えました。技能実習は令和6年12月末の31,635人から28,671人へ9.4%減り、令和3年12月以降の推移では初めて前年を下回りました。

農業分野の外国人材の推移
出典: 農林水産省「農業分野における外国人材の受け入れ」令和8年7月(出入国在留管理庁資料を基に農林水産省が作成)
年月 合計(人) 特定技能(人) 技能実習(人)
令和3年12月 30,754 6,232 24,522
令和4年12月 43,777 16,459 27,318
令和5年12月 54,032 23,861 30,171
令和6年12月 60,966 29,331 31,635
令和7年12月 67,905 39,234 28,671

特定技能1号の都道府県別ランキング

特定技能の内訳は、1号が37,952人、2号が1,282人です。都道府県別の数値が公表されているのは1号で、技能実習生の県別人数は資料に含まれていません。

1位は茨城県の5,604人で、全国の14.8%にあたります。2位は北海道の3,880人、3位は熊本県の2,854人でした。上位5道県(茨城、北海道、熊本、千葉、長野)の合計は16,668人で、全国の43.9%です。上位10道県では24,641人となり、全国の64.9%を占めます。

特定技能1号の都道府県別在留者数 上位15(R7.12末)
出典: 農林水産省「農業分野における外国人材の受け入れ」令和8年7月(出入国在留管理庁資料を基に農林水産省が作成)
順位 都道府県 特定技能1号(人) 全国比
1 茨城 5,604 14.8%
2 北海道 3,880 10.2%
3 熊本 2,854 7.5%
4 千葉 2,236 5.9%
5 長野 2,094 5.5%
6 鹿児島 1,959 5.2%
7 群馬 1,846 4.9%
8 愛知 1,475 3.9%
9 栃木 1,375 3.6%
10 福岡 1,318 3.5%
11 宮崎 931 2.5%
12 静岡 877 2.3%
13 沖縄 827 2.2%
14 高知 803 2.1%
15 長崎 757 2.0%

全国比は総数37,952人(未定・不詳86人を含む)に対する割合です。この表以外では、東京98人、鳥取56人、富山39人のように、100人に満たない都県もあります。47都道府県の全数値は農林水産省の資料に掲載されています。

国籍別ではインドネシアとベトナムで6割超

特定技能外国人の国籍は、インドネシアが14,258人、ベトナムが10,488人、カンボジアが3,804人、フィリピンが3,559人の順です。インドネシアとベトナムの合計は24,746人で、特定技能全体39,234人の63.1%にあたります。

受入れ上限と制度の移行時期

特定技能1号の受入れ上限は、令和11年3月末までで73,300人です。令和7年12月末の37,952人は、上限の51.8%に当たります。

技能実習に代わる育成就労制度は令和9年度に創設されます。在留期間は原則3年で、農業分野の受入れ上限は令和11年3月末までで26,300人です。農業分野の転籍は、同じ分野であれば可能で、制限期間は1年に設定されています。

特定技能2号は、令和5年6月に農業分野が対象へ加わりました。令和7年12月末までの2号試験は受験者7,842人、合格者3,143人で、合格率は40.1%です。1号試験は受験者116,973人、合格者104,277人(89.1%)でした。

農家と法人にとっての読み方

自県の在留者数と全国比を表で確認し、同じ県内で特定技能1号を雇う農家がどれだけいるかの目安にできます。人数が少ない県では、登録支援機関を探す範囲を隣接県まで広げる方法があります。

技能実習から育成就労へ移る農家は、転籍の制限期間が1年である点を雇用計画に織り込めます。雇用契約の整え方は農業の雇用契約書の記事で解説しています。技能実習生の記録は技能実習日誌テンプレートが使えます。国内の担い手の動きは新規就農者数の記事にまとめています。

データの引用について

この記事の数値は、農林水産省「農業分野における外国人材の受け入れ」(令和8年7月)をもとに先端農業マガジンが作成しました。元データは出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」「職種・作業別 在留資格「技能実習」に係る在留者数」(令和7年12月末現在)です。農林水産省のコンテンツはPDL1.0、入管庁のデータは政府標準利用規約2.0に基づき、加工して掲載しています。グラフは数値から新たに作成しました。本記事の表とグラフの数値は、出典を明記すれば再利用できます。

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