5年動作する地中に埋めたセンサと連携する灌漑モニタリングシステムを提供するGroGuru社

事業概要

GroGuru社は、土壌センサーおよび灌漑モニタリングシステムを提供する農業テクノロジー企業です。カリフォルニア州サンディエゴを拠点に2014年に設立され、社員数は11~50人と推定されます。

GroGuru社は、土壌水分、温度、塩分などを測定する土壌センサーを導入して、農家が戦略的な採水管理を行えるようサポートしています。持続可能な方法で水、エネルギー、その他の希少資源を最適に利用しながら、農家が作物の収量と利益を増加させることを目的としています

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=ebOZB76EEJ8

現在、世界規模で人口に対して食料や水が十分でないという問題に直面しています。世界には8億人の慢性的な栄養不足の人々がおり、農業灌漑のために世界の淡水供給の70%をすでに使用しています。人口増加に追いつくためには 2050 年までに食糧生産を 70%増やす必要があります。

作物の収量を最大化し、持続可能な方法で水やその他の希少資源を節約するためには、最適な灌漑が必要です。GroGuru社の画期的な灌漑管理ソリューションは、農家が作物に最適な灌漑を行い、収益増加を可能にします。そして人口増加や資源・食糧不足の課題解決に貢献します。

農家は灌漑の意思決定に様々な方法を使っていますが、FDAによると、現在土壌センサーを使用している農家は、米国の農家の約10%に過ぎません。

ビジネスモデル

GroGuru社は、最適な灌漑を可能にするハードウェア対応のサブスクリプションサービスを農家に提供しています。

現在米国内の80以上の顧客に1,500以上のセンサーを配備しており、アルファルファ、綿、レモン、胡桃、ぶどう、アスパラガス、青豆、ブルーベリー、ピスタチオ、大豆、とうもろこし、あさ、オリーブ、バラ、レーズン、大麻、みかん、トマト、ソルガム、アーモンドなど20種類以上の作物を対象とした農家へ展開しています。

同社のケーブルベースのソリューションは、多年生作物にも恒久的な設置が可能で、土壌の水分、塩分、温度を測定するGroGuru土壌センサー技術により、業界をリードする価格性能を提供しています。これらの農家には、ケーブルを使用した低コストのソリューション、またはケーブルが存在しないWUGSシステムの選択を提供しています。どちらのソリューションも、通常1シーズン未満の投資回収期間で、農家に大きな価値を提供します。

テクノロジー

GroGuru社が特許を取得した100%ワイヤレス地下システム(WUGS)は、トウモロコシ、大豆、小麦、綿花、ソルガムなどの一年草の畑作物であっても、土壌センサーを恒久的に設置することが可能です。今日市場に出ているほとんどの土壌水分センサーはケーブルを使用しているため、トウモロコシ、大豆、綿花、小麦、ソルガム、アルファルファなどの一年生作物では、センサーの設置と撤去を毎年行う必要があります。

GroGuru社のシステムは、ケーブルを排除することでこの問題を解決しています。WUGSベースのシステムは地下に埋設され、数フィートの土壌を介して無線で通信することができるため、これらの一年生作物の栽培のためにセンサーを毎年設置したり、播種や収穫のために取り除いたりする必要がありません。同システムは5年間のバッテリー寿命があります。

この地下システムを介して、取り外しが簡単なLoRaネットワークブリッジに通信します。ベースユニットがLoRaからLTEにブリッジし、データをクラウドに送信します。時間の経過とともに、土壌の種類、作物の種類、天候に関する他の情報を追加し、機械学習を適用して、いつ、どのくらいの灌漑を行うべきかを農家に提案します。戦略的な灌漑の推奨をシンプルなユーザー・インターフェースを介して提供します。

GroGuruのソリューションは、農家が作物の収量を増やすのを支援すると同時に、水やその他の希少資源を持続可能な方法で保全することができます。その結果、農家はより効率的に、より多くの収益を上げることができます。

今後の計画

GroGuru社は2019年に1回、2020年に3回に渡り資金調達をおこなっており、これらの資金を活用してチームを成長させ、事業を拡大していく予定です。

コメント

GroGuru社の画期的な灌漑管理ソリューションは、農家が最適な灌漑を行い収益増加を可能にすると同時に、世界の人口増加や資源・食糧不足の課題解決に貢献する点で、今後さらに注目が集まると期待されます。

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