岩手県の除雪機メーカー和同産業株式会社が農家の声をもとに開発した自動走行草刈りロボット「KRONOS」について解説

事業概要

和同産業株式会社は、岩手県に本社を持つ1941年設立の除雪・農業機械メーカーです。除雪機械、草刈り機、農業機械の開発、設計、製造および販売を行っており、従業員数は256名です。

和同産業株式会社では、自動走行無人草刈りロボットであるKRONOSを開発・販売しています。

日本の少子高齢化が進む中、農業において草刈り作業が大きな負担となっているという課題に対し、KRONOSによって草刈りの労働時間とコストの削減に貢献しています。天候、場所、時間に関わらず、草刈り、帰還、充電を全て自動で行える点が特徴です。

Youtube動画:https://youtu.be/NF7569cp33U

ビジネスモデル

KRONOSは、和同産業株式会社または農機具販売店にて税別45万円で販売されています。購入前の実演や実機の見学も行われています。また電源が確保できない場所でも充電が可能な太陽光パネルキットなどをオプションとして購入可能です。

稼働時の電気代の目安は、1時間あたり3円としたときに1年あたり8,640円かかる計算です。ロボットは和同産業株式会社または代行店・販売店の専門スタッフによって設置されます。

テクノロジー

KRONOSの特徴は、3輪駆動と独自のタイヤパターンによる高い走破性です。地面の凸凹や勾配に関わらず、様々な条件下で安定したパフォーマンスを発揮します。最大作業領域は3000m2で、草刈りをしたい場所にエリアワイヤーを設置することで、エリア内をランダムに走行しながら草刈りします。充電時間を含め、4〜5日ほどで3000m2を刈ることができます。

フロントカバーセンサーによって障害物との接触を検知するため、安全かつスムーズに運転可能です。また、刈刃モーターの負荷を常にチェックしており、刈刃負荷に応じて走行速度を制御します。そのため密度の高い草もしっかり刈り取ることができます。

KRONOSの操作はスマートフォンから専用アプリを通じて行われ、機械から離れていても草刈りの状況確認やロボットの操作が可能です。KRONOSは、バッテリー残量が少なくなったら自動で充電ステーションへ帰還し、充電完了後に自動で草刈り作業を再開します。充電1回あたり1時間の作業時間となっています。また盗難防止機能として6桁のPINコード入力機能を搭載しており、安全面と防犯性にも配慮されています。

今後の計画

和同産業株式会社では、これまで除雪機をはじめ人が操作する産業機械を約50年にわたって製造してきており、除雪機の負荷制御技術を応用することでKRONOSを開発・製造しました。開発の背景には、農業者にとって草刈り作業が大きな負担となっており、離農の理由の一つとなっているという課題がありました。

草刈りに特化したロボットの開発は業界初であり、農業に加え、緑地化が必要な大規模向上や太陽光パネル設置業社など様々な業界からも注目を集めています。今後も現場の声を第一に考えながら、KRONOSのさらなる改良に努める予定です。

コメント

日本の高齢化に伴い課題となっている農業の労働力不足に対し、和同産業株式会社の草刈りロボットであるKRONOSは有効な解決策の一つだといえます。今後さらに国内で注目が高まり、農業に加え様々な業界で普及していくことが期待されます。

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