温室内での作物収穫ロボットを開発し温室農業の労働力不足を解決するSWEEPERについて解説

事業概要

SWEEPERは、オランダに拠点を置く、温室内でのピーマン収穫ロボットを開発する研究開発チームです。現在の温室農業では温室内の過酷な気候条件で働く労働者が急速に減少しており、労働力の自動化が急務となっています。こういった温室農業の課題に対して、SWEEPERロボットは果物と野菜の自動収穫ロボットとしてソリューションを提供しています。

ビジネスモデル

SWEEPERロボットは、WEEPER研究プロジェクトのプロトタイプであるため、販売は行っていません。さらなる開発を経て、約3〜5年後で商用化が可能だと予想しています。

テクノロジー:温室で育てられたピーマンを、ロボット工学技術によって自動で収穫するロボット

SWEEPERロボットは、1日に20時間可動できるとされており、果実の色と果実の形状の特徴を測定することでピーマンの成熟度・品質の分類を行うことができます。RGBカラーとTOFモデルを組み合わせたカメラが使用されており、日中も夜の間でも利用可能です。また、収穫後にはベルトコンベアに載せられるため、長距離を落下して作物にダメージが加わることもありません。

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=VbW1ZW8NC2E

SWEEPERプロジェクト:農業用ロボット工学の研究プロジェクト

SWEEPERプロジェクトは2018年12月末に完了しましたが、以前のEU-FP7プロジェクトCROPSで開発された技術を利用して、ピーマンのロボット収穫ソリューションを導入、テスト、検証しました。

当プロジェクトでは、オランダ、ベルギー、スウェーデン、イスラエルからのメンバーが参加し、農業用ロボット工学に関する広範囲な研究が行われました。基礎研究組織、応用研究組織、システム統合組織、そしてピーマン栽培農家で構成され、園芸光学、マシンビジョン、遠隔感知、ロボット工学など幅広い分野を応用させたプロジェクトです。ピーマン収穫ロボットの開発が行われ、そのロボットが経済的にも技術的にも実現可能であることが示されました。

SWEEPERで開発されたハードウェアおよびソフトウェアは、今後の開発の基礎として使用されています。また、作物の位置と向きを測定しなくても作物を掴むことのできる先端グリッパーは、特許出願中です。

当SWEEPERプロジェクトは2018年12月末で終了し、SWEEPERコンソーシアムは現在、別の学際的なプロジェクトであるH2020プロジェクト「REELER」とコラボレーションしています。

今後の計画

SWEEPERは商用化に向けて、4〜5年以内に90%から100%の成功率を達成できるよう新しい品種の開発に取り組んでいます。

2018年12月に完了したSWEEPERプロジェクトの参加者は、H2020プロジェクト「REELER」に参加しており、さらなる研究開発を続けています。

コメント

温室農業における労働力不足は世界中で課題となっており、SWEEPERロボットのような研究開発がさらに進んでいくことが予想されます。

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