果実の収穫適期を逃さない。Tevel の収穫ドローンを解説

果樹栽培では適切なタイミングでの収穫が必要ですが、収穫のための労働力を確保できず、収穫適期を逃してしまうこともあります。世界全体では、本来食べられるはずの果実のうち10%(ヨーロッパの年間消費量に相当)が、労働力不足などの理由で収穫時期を逃し無駄になっています。この問題に対しドローンによる収穫自動化という解決策を提供しようとしているのが、イスラエルの企業 Tevel Aerobotics Technologies です。

Tevel Aerobotics Technologies 基本情報

住所:Havat Agridera Moul Tel Nof Airbase Gedera, Israel

代表者:Yaniv Maor

設立年:2017年

従業員数:11〜50人

収穫ドローンの特長

収穫ドローンは、果樹園の木々の間を飛び交いながら熟した果実を認識し、アームで摘み取って収穫ボックスへ投下するという動作を繰り返します。そのために備わっている機能と長所について概観しましょう。

果実の摘み取りに適したアーム

ドローンの機体からは長さ1mくらいのアームが伸びており、先端に鉤爪状に湾曲した指がついています。この形はちょうどリンゴやオレンジを掴むのに適しており、果実を傷つけずに摘み取れます。アームの先に果実を掴んだまま空を飛ぶ姿は一見不安定そうですが、空中でバランスを維持する機能があるため心配ありません。

さらにこのアームは、樹木の間伐・剪定もおこなえるように改良が進められつつあります。このような高所作業までできるようになれば、活躍の場は林業や建築の分野にも広がるかもしれません。

AIによる果実の識別と飛行軌道の予測

Tevel はAI技術に強みをもつ企業であり、収穫ドローンにも生かされています。

  • 画像認識:樹木を認識し、結実している果実の位置・大きさ・熟れ具合などを識別します。収穫タイミングを最適化できるので、果実品質の向上が期待できます。
  • 自動操縦:収穫する果実までの経路を考えたり、機体のバランスを取るための微調整を自動でおこなったりできます。

収穫オペレーションの自動化

事前に稼働時間を指示しておけば、休日や夜間であってもドローンが自律的に収穫作業を進めてくれます。収穫のために臨時で人を雇うコストが削減でき、人間には不可能な長時間の連続作業も任せられます。

利用イメージ

利用イメージを公式動画(https://vimeo.com/420960997)から見てみましょう。

農家はタブレットからTEVELを予約します。

ロボットとスタッフが駆けつけます

スタッフはロボットをセットアップし収穫を開始します

有線のドローンが飛び立ち収穫を始めました

同時に2台が収穫をしています

ロボットは果実が収穫に適しているかどうかをカメラの画像で判別します

人間が手でもぎ取るように掴み取ります

収穫した果実はロボットの親機に集めます

昼だけでなく夜間も活動可能です

収穫量は随時タブレットで確認できます

単体での動作だけでなく複数台での収穫も計画されています

今後の展開

2021年から実地で稼働

スペイン、アメリカ、イタリアのリンゴ農園(面積100Ha以上)で、2021年からの試験的導入が計画されています。日本とは地形や剪定様式が異なると思われますが、農地の過酷な環境で稼働できるか、どの程度の規模の農園ならば導入メリットがあるかなど、有用な知見が得られるでしょう。

対応樹種の拡充

Tevel の収穫ドローンは、現在はリンゴ、オレンジ、アボカドにしか対応していません。そのため今後販売先を広げるにあたり、対応樹種を増やす検討も進めています。重量のある果実や傷つきやすい果実にも対応できるようになれば、導入メリットは格段に上がるでしょう。

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