畜産農場管理ソフトウェアを開発・運営するAgriWebb社について解説

事業概要

AgriWebbは、家畜生産者の記録管理、コンプライアンス、生産性向上を支援する農場・家畜用アプリです。AgriWebb社によって開発・運営されています。同社は2013年にオーストラリアを拠点に設立され、社員数は11〜50人と推定されます。

AgriWebbは、主に紙ベースで行われている農場管理のプロセスをデジタル化し、農家がデータをより効果的に活用することで、農場の生産性、トレーサビリティー、持続可能性を高めます

より効率的な農業生産は、農家にとっても環境にとってもメリットがあります。農業はオーストラリアの温室効果ガス排出量の約12%を占めており、赤身肉の生産は、消化ガスや過放牧による土壌炭素の減少を通じて、大きな影響を与えています。土壌の炭素レベルを改善することは、大気中の炭素を削減することにつながり、農業部門の脱炭素化に向けた新たな道筋を提供します。

ビジネスモデル

AgriWebbは、農場管理のプロセスをデジタル化して、農場の生産性、トレーサビリティー、持続可能性を高めることを可能にします

同社は過去6年間で、国内の牛・羊の15%をプラットフォームで管理するまでに成長しました。英国や米国を含む世界各地で、1億エーカーの土地と1,400万頭の家畜をカバーしています。

AgriWebbを利用している農家は、家畜の体重、繁殖力、牧草地の利用効率、労働時間のコストなどの要因が改善されたことで、平均して前年比7.5%の生産性の向上を経験しています。

テクノロジー

AgriWebbは、IoTとの統合が可能なSoftware-as-a-Serviceモデルを採用しています。ユーザーからの入力を受け付けることで、畑や牛舎からデータを収集し、機械学習アルゴリズムを用いて解析します。

そして、実用的なインサイトを農家に提供し、どの動物が最もパフォーマンスが高いのか、どのように牧草地を最大限に活用するのかを理解してもらいます。

AgriWebbのプラットフォームは、農家が自らのオペレーションの温室効果ガス(GHG)の排出量を管理することも可能にします。国連食糧農業機関によると、畜産業は世界全体の温室効果ガス排出量の15%を占めており、その半分以上が牛によるものだと言われています。

今後の計画

2021年1月にAgriWebb社は、3,000万豪ドル(2,330万ドル)を調達しました。また、評価額は1億豪ドル(7,770万ドル)となりました。

調達資金を使って、IoTや再生可能農業の分野で、データプラットフォームの新しいアプリケーションの開発を進めます。また、既存のサービスの多言語や農業パラダイムへの適応を推進し、各国の政府のコンプライアンスプラットフォームと統合したりするなど、国際的な展開を進めていく予定です。

資金は、製品開発にも充てられ、「個別動物管理」機能の構築を継続して行います。

今後5年間でAgriWebbが10万の農場で使用され、1億5千万の動物がプラットフォームに登録されることを目指しています。

コメント

これまで紙ベースで管理していた畜産農場管理をプラットフォーム上で管理することは、農家にとっても環境にとってもメリットがあります。今後AgriWebbの海外進出に伴い。さらに利用者が増えていくことが期待されます。

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