穀物ビジネスをITで支援。取引や輸送の管理ツールを提供する企業 Bushel を紹介します。

本記事で紹介するのは、穀物の売買・流通に特化したソフトウェアを開発している企業、Bushel です。Bushel が事業展開するアメリカやカナダでは、高さ数十メートルの巨大なサイロにコムギやトウモロコシを貯蔵し、数トン単位で国内外向けに出荷しています。扱う量が膨大なので、価格変動リスクの回避、トレーサビリティの確保、輸送状況の把握が課題です。Bushel は、そのような課題を持つ企業の業務をソフトウェアで支援し、穀物ビジネスのデジタル化に挑んでいます。

Bushel 基本情報

住所:A503 7th St N, #300, Fargo, North Dakota, 58102, US

CEO:Jake Joraanstead

設立:2017年

従業員数:51〜200人

ソフトウェアで穀物の売買・流通をサポート

Bushel は、コムギやトウモロコシなど穀物の売買・流通に特化した業務支援ソフトウェアを提供している企業です。社名の「bushel」も、穀物の体積を表すのに用いられる単位に由来します。

Bushel が提供するソフトウェアは、穀物の生産者、倉庫業者、加工業者などが使うことを想定して設計されています。穀物の取引や追跡、会計処理などの業務を自動化・迅速化することで、業務費用と労力を削減するのが狙いです。Bushel のサービスはアメリカとカナダの1700以上の施設で活用されており、アメリカで流通する穀物量の15%以上に関与しています。

Bushel を活用するメリット

迅速な取引

Bushel のソフトウェアは、穀物をオンラインで売買できるようにすることで、取引の迅速化を実現します。

取引の迅速化が重要である理由は、穀物に価格変動リスクがあるためです。売り注文・買い注文を出してから契約が成立するまでの間にも穀物の価格は変わるため、取引が指値で成立せず、注文と異なる値段で売買が成立してしまう可能性があります。注文価格と実際の売買成立価格の差を「スリッページ」と呼び、想定よりも安く買われてしまったり高く買ってしまったりすると収益性に影響します。

トレーサビリティの強化

穀物のロット番号や発送記録などを一元管理することで、トレーサビリティ体制の強化が可能です。

コムギやトウモロコシは様々な加工食品にも使われており、日常的に人々が摂取するので、安全性確保のため生産・貯蔵・輸送の履歴を残すことが求められます。それらのデータを紙ベースで保管すると散逸するおそれがありますが、Bushel のソフトウェアを使えばロット番号と紐付けて取引や輸送の記録を管理できます。発送先に届いた時点で自動でデータが記録されるため、手入力は必要ありません。

素早い情報共有

Bushel のソフトウェア上で記録されたデータは、専用アプリケーションをインストールした端末から閲覧できます。そのため、最新の情報を全従業員がリアルタイムに共有でき、業務の全体像が分かりやすくなります。社内向けの資料作成や、情報共有のミーティングに割く時間を減らせる効果が期待できるでしょう。

Bushel のプロダクト例

Bushel Mobile で情報共有

Bushel Mobile はスマートフォンやパソコンにインストールできる専用のアプリケーションです。会計や取引状況、市場の相場価格などの情報をリアルタイムで確認できます。

Bushel Trade で迅速な取引

穀物の売買をおこなうアプリケーションです。市場価格の動向を調べ、買い注文・売り注文を迅速に出すことで、スリッページを予防できます。取引が成立した日時や金額を記録できるため、紙ベースでの管理が不要になるのもメリットです。

Bushel Fulfillment で輸送状況・会計データを管理

穀物の輸送状況を管理し、発送先に届いた時点で会計データに反映させるアプリケーションです。品目や重量が記載された「スケールチケット」という伝票を追跡して、発送先に到着すると日時や価格などを記録したCSVファイルが生成されます。会計処理や社内での情報共有の効率化につながるでしょう。

まとめ

Bushel が提供するソフトウェアは、穀物の取引や流通に関わる業務をデジタル化することで、企業の収益性向上と業務改善に役立っています。Bushel による穀物ビジネスのデジタル化は、取引の迅速化、トレーサビリティ体制の強化、素早い情報共有などのメリットをもたらすでしょう。

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