日本の植物工場の統計|432施設、人工光型は10年で2倍、黒字事業者59%
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出典: smartagri.jp「日本の植物工場の統計」
https://smartagri.jp/stats/jp-plant-factory-stats/この記事の結論(コピペ用1行)
日本の植物工場は 令和5年度末で432施設(太陽光利用型194 + 完全人工光型195 + 併用43)。完全人工光型は10年で約2倍に拡大。黒字もしくは収支均衡の事業者は太陽光利用型73% / 完全人工光型43% / 全体59% で収益性に大きな差。
一次ソース: 日本施設園芸協会 大規模施設園芸・植物工場 実態調査(農水省委託)

キー数値(2023年度末・最新)
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 植物工場の総施設数 | 432施設 | 令和5年度末 |
| ┗ 太陽光利用型 | 194施設 | 45% |
| ┗ 完全人工光型 | 195施設 | 45% |
| ┗ 併用型 | 43施設 | 10% |
| 完全人工光型の10年成長 | 約2倍 | 2012年3月 106 → 2023年2月 195 |
| 黒字もしくは収支均衡の割合 | 59% | 全体 |
| ┗ 太陽光利用型 | 73% | 最も安定 |
| ┗ 併用型 | 60% | — |
| ┗ 完全人工光型 | 43% | 電力コストが重荷 |
| 主要生産品目(完全人工光型) | レタス類+ベビーリーフで約65% | 実態調査 |
出典: 日本施設園芸協会「令和5年度 大規模施設園芸・植物工場 実態調査」(農水省委託調査)、NPO法人植物工場研究会
植物工場事業者数の推移(型式別)

植物工場事業者数の推移。完全人工光型は2012年の106施設から2023年の195施設へ、10年でほぼ2倍。太陽光利用型も堅調に拡大。(CC BY 4.0)
| 年 | 太陽光利用型 | 完全人工光型 | 併用型 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 2012年3月 | 123 | 106 | — | 約230 |
| 2016年3月 | 150 | 156 | 約20 | 326 |
| 2020年3月 | 180 | 180 | 35 | 395 |
| 2022年3月 | 189 | 188 | 40 | 417 |
| 2023年度末 | 194 | 195 | 43 | 432 |
読み解き
– 完全人工光型は10年で84%増(106→195) — 施設投資が活発化
– 太陽光利用型も成長しているが完全人工光型よりやや緩やか
– 併用型は小規模だが年率+10%以上の成長
– 2010年代前半の「植物工場ブーム」以降、淘汰を経て黒字型施設が残存
植物工場の経営状況(黒字・赤字)

太陽光利用型は黒字・収支均衡73%と安定、完全人工光型は43%にとどまる。電力・設備コストの負担が収益性の分かれ目。(CC BY 4.0)
| 型式 | 黒字 | 収支均衡 | 赤字 | 黒字+均衡 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 太陽光利用型 | 45% | 28% | 27% | 73% |
| 併用型 | 32% | 28% | 40% | 60% |
| 完全人工光型 | 20% | 23% | 57% | 43% |
| 全体 | 33% | 26% | 41% | 59% |
完全人工光型が苦戦する要因
– 電力コストが年間売上の 20〜35% を占める
– LED照明の交換、空調設備の維持コスト
– 葉物中心の単品目依存による価格競争
– 生産量拡大と販路拡大のミスマッチ
太陽光利用型が安定する要因
– 既存施設園芸(温室)をベースに参入
– 品目の多様化(トマト、いちご、メロン等)
– 既存農家による運営ノウハウ蓄積
出典: 日本施設園芸協会「令和5年度 大規模施設園芸・植物工場 実態調査」
生産品目の構成比(完全人工光型)

完全人工光型の主要品目。レタス類・ベビーリーフが65%と圧倒的多数。近年いちご・機能性野菜への多様化も進む。(CC BY 4.0)
| 品目 | 構成比 |
|---|---|
| レタス類 | 約45% |
| ベビーリーフ | 約20% |
| ハーブ類 | 約15% |
| いちご(新規領域) | 約10% |
| 機能性野菜・薬用植物 | 約5% |
| その他(葉野菜・その他) | 約5% |
トレンド
– レタス類+ベビーリーフで65% — 成長サイクル短く利幅大きい
– いちごが急成長分野 — 完全人工光型での取組が拡大
– 機能性野菜(低カリウム野菜、ルテインリッチ)は医療・介護向け
– 薬用植物(生薬原料)も参入事業者が拡大中
出典: 日本施設園芸協会「令和5年度 大規模施設園芸・植物工場 実態調査」
施設園芸をめぐる政策的位置付け

農林水産省「施設園芸をめぐる情勢」における植物工場の位置付け。生産性向上・脱炭素・食料安全保障の接点。(CC BY 4.0)
農水省の政策的位置付け(2024年「施設園芸をめぐる情勢」より)
| 政策テーマ | 植物工場の役割 |
|---|---|
| 食料安全保障 | 天候に左右されない計画生産、露地リスク回避 |
| 脱炭素・省エネ | 再エネ導入実証、ヒートポンプ等の高効率設備 |
| スマート農業普及 | 複合環境制御の実装モデル(011_スマート農業機器市場) |
| 生産性向上 | 単位面積あたり収量が露地の数倍〜数十倍 |
| 地方創生 | 廃校・遊休倉庫を活用した地域拠点 |
関連事業
– 次世代施設園芸拠点整備事業(農水省)
– 大規模施設園芸・植物工場 実態調査(農水省委託)
– みどりの食料システム戦略(012_有機農業の統計)での省エネ・地域循環
出典: 農林水産省「施設園芸をめぐる情勢」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/sisetsu/
主要プレイヤー(公開情報ベース)

日本の植物工場主要プレイヤー。スプレッド・プランテックス・オイシックス等のメガ施設と、小規模ファーム系が共存。(CC BY 4.0)
日本の主要プレイヤー(各社公式発表をもとに smartagri.jp で整理)
| 企業 | 型式 | 主な品目 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| スプレッド(京都) | 完全人工光型 | レタス類 | 国内最大規模(日産3万株超) |
| プランテックス(東京) | 完全人工光型 | レタス・いちご | 自動化技術の革新 |
| オイシックス・ラ・大地 | 太陽光利用型 | 葉物・果菜類 | ブランド・販路が強力 |
| パナソニック(複数拠点) | 完全人工光型 | レタス・ハーブ | 空調・照明ノウハウ |
| 富士通 | 完全人工光型 | 機能性野菜(低カリウム) | 医療介護向け |
| 三菱ケミカル(アグリドリーム) | 併用型 | 葉物・果菜 | 資材と運営の複合 |
| キューサイアグリ | 完全人工光型 | 明日葉 | 健康食品連携 |
| ファームシップ | 完全人工光型 | 葉物 | コンサル・運営受託 |
出典: 各社公式発表・プレスリリースをもとに整理
ダウンロード
- 推移CSV — Excel / Google Sheets で開けます
- 原データ: 日本施設園芸協会 / 農林水産省 施設園芸
- PNG / SVG グラフ配布(CC BY 4.0・商用利用可)
- 施設数推移: slide / article / SVG
- 収益性: slide / article / SVG
- 品目構成: slide / article / SVG
- 政策位置付け: slide / article / SVG
- 主要プレイヤー: slide / article / SVG
そのままスライドに貼れるテキスト
バージョンA(3行)
日本の植物工場は432施設、完全人工光型は10年で約2倍に拡大
黒字・収支均衡の事業者は太陽光型73%/人工光型43%で差大
主要品目はレタス類+ベビーリーフで約65%、いちごが成長分野
バージョンB(5行)
日本の植物工場は令和5年度末で432施設(太陽光利用型194/完全人工光型195/併用43)
(日本施設園芸協会「大規模施設園芸・植物工場 実態調査」、農水省委託)。
完全人工光型は2012年の106施設から2023年の195施設へ10年で約2倍に拡大。
黒字・収支均衡の事業者は太陽光利用型73%/完全人工光型43%/全体59%と、型式で大きく異なる。
生産品目はレタス類+ベビーリーフで約65%を占め、いちご・機能性野菜への多様化が進行中。
農水省「施設園芸をめぐる情勢」では食料安全保障・脱炭素・スマート農業普及の政策接点に位置付け。
バージョンC(1文)
日本の植物工場は令和5年度末で432施設、完全人工光型は10年で約2倍だが
黒字率は43%にとどまり、太陽光利用型の73%と差がある
(日本施設園芸協会・農林水産省)。
関連指標・内部リンク
- 011_スマート農業機器市場 — 植物工場の環境制御はスマート農業の主要分野
- 008_気候変動の農業への影響 — 露地リスク回避としての屋内栽培
- 009_バイオスティミュラント市場 — 施設栽培向けBSの需要
- 010_化学肥料の輸入量と価格 — 養液栽培による肥料効率化
- 012_有機農業の統計 — みどり戦略との政策上の接点
出典
一次ソース(公的機関・公益社団法人・農水省委託調査のみ)
- 一般社団法人日本施設園芸協会「大規模施設園芸・植物工場 実態調査」(農水省委託)
https://jgha.com/ - 農林水産省「令和5年度 大規模施設園芸・植物工場実態調査」
https://jgha.com/wp-content/uploads/2024/04/TM06-05-bessatsu1.pdf - 農林水産省「施設園芸をめぐる情勢」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/sisetsu/ - 農林水産省「次世代施設園芸拠点整備事業」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/sisetsu/jisedai.html - NPO法人 植物工場研究会「大規模施設園芸・植物工場の実態調査2024」
https://npoplantfactory.org/survey2024/
ライセンスと引用方法
推奨クレジット表記
出典: smartagri.jp「日本の植物工場の統計」
https://smartagri.jp/stats/jp-plant-factory-stats/
(原データ: 日本施設園芸協会「大規模施設園芸・植物工場 実態調査」農水省委託)
更新履歴
- 2026-04-22 v1: 初版。日本施設園芸協会 令和5年度実態調査(農水省委託)ベース(432施設・黒字率59%)。営利調査会社の市場規模データおよび海外市場比較は採用せず、農水省「施設園芸をめぐる情勢」の政策位置付けに差し替え。5チャート(施設数推移/収益性/品目構成/政策位置付け/プレイヤー)