トマトの重量選別の仕組み|ロードセルとシンギュレーション

トマトの重量選別とは

トマトの重量選別とは、選果機のラインを流れる果実を一果ずつ計量し、規格ごとの重量階級(たとえばS・M・L・2Lなど)に自動で振り分ける仕組みのことです。サイズや見た目が似ていても重さには差があり、重量は出荷規格や箱詰め単位を決める基本指標になります。重量選別は、外観や糖度の選別と並んで選果ラインの中核を担います。

本記事は トマト選果機とは の解説のうち、重量による選別にしぼって掘り下げるものです。

ロードセルによる一果計量の仕組み

重量選別の心臓部は、ロードセルと呼ばれる荷重センサーです。果実は1個ずつカップやトレーに載せられてラインを進み、計量区間でロードセル上を通過する瞬間に重さが測定されます。この測定は1秒にも満たない短時間で完了し、高速ラインでは1レーンあたり毎秒十数個を処理できるシステムもあります。

精度を高める工夫として、2つのロードセルを使うデュアルロードセル方式があります。カップ自体の重さ(風袋)の個体差を相殺することで、誤差を1%未満に抑えるシステムも実現しています。測定された重量は電子制御部へ送られ、あらかじめ設定された階級の境界値と照合されて等級が決まります。

シンギュレーション(一果整列)が精度を支える

正確な重量選別には、果実を確実に1個ずつ分離して計量区間へ送り込むことが欠かせません。この「一果整列」の工程をシンギュレーションと呼びます。複数のトマトが重なったまま計量区間に入ると、合算された重さで誤判定が起きてしまうためです。

シンギュレーションには、ローラー・ベルト・水流(フリューム)などを使って果実を1列に並べ、間隔を空けて送り出す機構が用いられます。やさしく供給するインフィード、果実を1個ずつ分離する整列システム、計量機構、そしてパドル・エアジェット・ドロップシュートといった仕分け機構が一連の流れを構成します。完全なシンギュレーションはライン充填の最適化と果実保護の両立にもつながります。

重量・サイズ・色を組み合わせた等級判定

実際の選果機では、重量だけで等級を決めることはまれです。多くの機種は重量に加えて直径や色を同時に計測し、複数の基準を組み合わせて等級を決定します。重量選別の結果は 外観選別(マシンビジョン) の判定と統合され、サイズと見た目の両面から出荷規格に合致する箱詰めが行われます。

重量ベースの自動選別・等級付け技術は古くから研究と特許が積み重ねられてきた分野でもあり、近年はそれらを体系的に整理したレビューも発表されています。確立された機械機構に、外観や糖度といったセンシング技術が重なることで、現代の選果機は多面的な品質評価を1台で完結できるようになりました。

重量選別がもたらす価値

重量選別の価値は、出荷規格の均一化と箱詰め作業の効率化にあります。階級が機械的に揃うことで、同一規格の箱の中身が安定し、取引先からの信頼につながります。また、計量と仕分けの自動化は選果場の省力化に直結し、繁忙期の人手不足を緩和します。重量という客観的な数値で選別することは、産地のブランド管理と ポストハーベスト の効率化を同時に支える基盤です。

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